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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「ル・コルビュジエを見る」

2012-03-21 13:00:49 | Book
越後島研一著「ル・コルビュジエを見る」を読了。副題は「20世紀最高の建築家、創造の軌跡」とあります。
建築物を見るのは好きなんですが、今までちゃんとした建築についての本を読んでことがありませんでした。この本は、新書で、私の興味のある建築家ル・コルビュジエについてだったので、読みやすいかと思い挑戦しました。読み出したら、わかりやすく、内容も興味深く、難なく読み終えることができました。結果として、ますますル・コルビュジエや建築に興味が沸きました。
ル・コルビュジエの作品は、日本には上野の国立西洋美術館しかありませんが、フランスにはサヴォア邸、マルセーユのユニテ、ロンシャン教会堂、ラ・トゥーレット修道院があり、一度訪れて実際に見てみたいなあと思いました。しかし、魅力のあるロンシャン教会堂とラ・トゥーレット修道院はちょっと行きにくそう…。
以前、オランダのロッテルダムでル・コルビュジエについての大きな展覧会に行ったことがあり、そこで模型や写真なども多く見ていたのですが、本で読むと、いっそう理解が深まりました。
まず、ル・コルビュジエというのは本名ではないのですね。そして、彼はスイス生まれで現地の美術学校を出ただけで、大学教育などは受けておらず、その後パリに出て、独自のアイデアとそれを突きつめる思考で、どんどんと斬新な建築物を創造していったのです。ル・コルビュジエといえは、白い箱型の建築を思い出しますが、それは初期の頃のもので、後期にはロンシャン教会堂のようにダイナミックな有機的な感じの曲線も用いた彫刻のような建築物を作っています。彼の大きな魅力は、その建築の大きな変遷でもあります。どうしてそういうふうに建築が変わっていったのかがよくわかるように本の中では説明されています。
また、日本の有名な建築家たちがどうのようにル・コルビュジエに影響を受けているかの説明もとてもわかりやすく、面白かったです。
この本を読んで、建築物を新たな視点で見ることができるようになりました。例えば、西洋は20世紀以前はレンガを積んで作る建築物でしたから、四方の外壁が屋根や上層階の床を支える構造となっています。しかし、ル・コルビュジエが提唱したように柱が屋根や床を支える構造にすることで、外壁が支える役目から自由になって、窓を自由に配置したり、外壁に極端な凹凸をつけることができるようになったのです。文字での説明ではわかりにくいですが、本にはたくさん写真が入っており、視覚的にもわかるようになっていて、とてもよかったです。
体調は良好です。