今年もロッテルダム国際映画祭のシーズンがやってきました。実はもう始まっております。1月24日から2月4日までです。日本映画も28本出品されています(内訳はこちらのリンクでどうぞ)。建築好きの視点から言うと、『Sketches of Frank Gehry』(リンク)が面白そうです。フランク・ゲーリーはビルバオ・グッゲンハイム美術館などを設計した奇才の建築家で、この映画の監督は彼の友人でもあるシドニー・ポラックです。是非見に行きたいけれど、時間の都合などでちょっと無理そうなのが残念です。さて、ロッテルダム国際映画祭のシンボルは虎です。もちろん、今年のポスターにも虎がデザインされていますね。デザイナーは、Jorn Dal、28歳の若手実力派です。昨年のポスターも彼のデザインでした(過去のポスターはこちらのリンクでどうぞ)。
今年の「ゴールデンルキ(Gouden Loeki)」賞が12月22日に決定した。これは、オランダのベストTVコマーシャルに与えられる賞で、まず5作品がノミネートされ、視聴者の投票によりベスト作品が決まる。今年は、保険会社のCentr. Beheer AchmeaのCM作品「Acupunctuur(鍼灸師)」が受賞した。私個人としては、5位の「Shoppen(ショッピング)」のほうが笑いを誘われるんだけれど…。
ノミネート作品のCMは、こちらです。
ノミネート作品のCMは、こちらです。
オランダでは、12月にクリスマス用の切手が発売されます。Decemberzegelという名で、そのまま「12月の切手」という意味です。通常の普通郵便切手は39セントなのですが、この切手は、ご覧の通り(写真)29ユーロセントの切手です。12月はクリスマスカードを送る習慣があり、この月は通常より10セント安い料金でカードなどを送ることができるのです。毎年、このシーズンに合ったデザインの切手がTNT(オランダ郵便局)から発売されます。今年はちょっと紫色で暗く感じ、私はあまり好きではないです(デザイナー:Joseph Plateau)。2つのシンボル(雪の結晶とクリスマスツリーに飾る球)で、外の寒さと家の中の暖かさを表現したということですが…。一昨年(たぶん)は、体温や暖房器具のそばで少し暖めると文字が現れるという趣向の切手でした。まあ何はともあれ、12月の切手はオランダのクリスマス気分を盛り上げる重要なアイテムの一つです。
前回アムステルダムの紋章について触れましたが、アムステルダムの街を歩くと、写真のような物体に出くわします。これは、歩道に車を駐車できないようにする目的で設置されています。最初に出現した1960年代当時は白い色でした。現在は、アズキ色です。ご覧の通り、この円柱には、アムステルダムを象徴する三つの×印がついています。オランダでは、この物体をAmsterdammertje(アムステルダッメルチェ)と呼んでいます。アムステルダムの小さな住人って感じの意味です。地上に見えている部分の高さは75cmですが、地面に埋まっている部分も加えると1mあり、重さは20kgです。最近、道路計画などの政策により、この円柱は廃止される方向で、どんどんと数が減ってきています。
アムステルダムを象徴する印は、三つの×印です。この×は、紋章学でいう「斜め十字帯」ですが、何を象徴しているのかは実のところはっきりしていません。歴史家の中には、アムステルダムを襲った三つの災難、つまり水害、大火、厄病(ペスト)に由来するという意見もあります。また、ダム広場とゆかりのあるプリサイン(Prisijn)家の紋章にもこの×印が見られます。×印は、×字型の十字架で処刑されたというキリスト12使徒の聖人アンデレにちなんで、よく旗や紋章に使われており、「アンデレの十字架(セント・アンドリュー・クロス )」と呼ばれます。この印(聖人アンデレにちなんだ×印)は、12世紀末に流行しました。アムステルダムが市となったのは1275年、そしてこの頃すでに、赤い下地に黒の縦棒、その中に銀色の三つの×印という紋章が使われています。アムステルダムの紋章の×印は、十字架ではなく、単純なマークとしての×印であり、アンデレの十字架という紋章学的解釈が後で付けられたという可能性も捨てきれません。ちなみに、近くのアムステルフェーン(Amstelveen)の紋章は×印が四つ、Ouder-Amstel(アウデル・アムステル)の紋章は×印が五つです(アムステルダムと同様、赤地に黒縞の中に×印)。
オランダは来週の水曜日(11月22日)が総選挙です。歴史的観点から、オランダの政治ポスターを集めたサイト(こちらをクリック)があります。ここでは、19世紀以降の代表的な政治ポスター150点が、時期ごとに分けて紹介されています。例えば、サイトのWederopbouw(復興期)の見出しにあるポスター(こちらをクリック)では、戦前の高圧的なシンボルは消え、もっと中立的なシンボル(オランダの地図、花、レンガや建築関連の道具)が多く見られます。また、ディック・ブルーナがデザインしたポスター(右写真)もあります。他に興味深いのは、禁止されたり、非難が巻き起こったポスター(Omstreden en verboden)という分類で集められたポスター群(こちらをクリック)です。そこにあるポスターを簡単に説明しますと、オランダの国旗で口封じをされているインドネシア人(1)、女性の裸体と牛という取り合わせ(2)、見ただけで残虐(3)、買収を連想させる(4)、ベアトリクス女王に銃の的が合わせられている(4)という具合です。表現は過激になってしまっていますが、それぞれそのデザインに行きついた政治的意見というものがあるわけです。さて、今年の選挙ポスターは、こちらでご覧いただけます。写真を使ったものが多いですね。
前回、ユーロ硬貨オランダ版のデザイナーとしてご紹介したBruno Ninaber van Eyben(ブルーノ・ニナバー・ヴァン・アイバン)。彼は、1950年にオランダのボクステル(Boxtel)生まれで、1971年にマーストリヒトのビジュアルアートアカデミーを卒業しています。その後、時計・ジュエリー、そしてステーショナリーの分野で、独特のシンプルかつ機能的なデザインを創造し、活躍しています。1979年、オランダのインダストリアルデザインの賞である Kho Liang Ie Awardを受賞。代表的作品には、ブレスレットウォッチ(1973年)、ペンダントウォッチ(1976年)、蛍光照明システム(TL-lamp、1977年)など。1990年代には、一連のステーショナリー(定規、クリップホルダー、ペンスタンド、メモホルダー、テープカッターなど)を手がけています。
写真は、ブレスレットウォッチです。
ステーショナリーは、こちらで見ることができます。
写真は、ブレスレットウォッチです。
ステーショナリーは、こちらで見ることができます。
オランダは、2002年のユーロ通貨発足時より、ユーロを使用しています。ユーロ硬貨の片面は共通デザインですが、もう片面は、国ごとの独自デザインになっています。写真の通りに、オランダのユーロ硬貨には、現オランダ女王ベアトリクスの横顔がデザインされており、その周りにはEUの象徴である12個の星が配置されています。デザインをしたのは、デルフトにアトリエを構えるBruno Ninaber van Eyben(ブルーノ・ニナバー・ヴァン・アイバン、1950年生まれ)です。彼は、現代のオランダを代表するインダストリアルデザイナーです。
Revoltは、椅子の名前です。オリジナル版は、オランダ人のFriso Kramer(フリソ・クラマー)が、1953年にデザインしました。オフィス、小学校、食堂、待合室などで非常によく使用され、オランダ人ならば一度は座ったことがある椅子だと思います。特徴としては、座る部分と背もたれ部分が当時としては革新的なクラフトペーパーと合成樹脂のコンビネーションでできていること、フレームに金属パイプではなく板状のスチールを曲げたものを使用していることが挙げられます。このことにより、Revoltはとても軽量かつ頑丈で、また安価なものとなっています。長い間売切れの時期もあったが、2004年から新素材を使ったバージョンが発売中です。黒と白の2種類があり、価格は229ユーロ。
Revoltについての詳しい情報は、こちら(製造元(Ahrend社)のサイト、オランダ語)
Revoltについての詳しい情報は、こちら(製造元(Ahrend社)のサイト、オランダ語)
Jachthuis St. Hubertus(狩猟の館セントフーベルトゥス)は、Kröller-Müller(クローラー・ミュラー)夫妻の依頼により、建築家Hendrik Petrus Berlage(ヘンドリック・ペイトルゥス・ベルラーゲ)が設計した。建築には、1915年から5年間を要した(完成1920年)。St. Hubertusという館の名は、館の使用目的が狩猟のための滞在だったため、狩猟の守護聖人の名にちなんでいる。そのシンボルといえる鹿の姿が、玄関のステンドグラスに見ることができる。写真は、室内の天井部分。上薬を用いて、色鮮やかな色彩に焼かれたレンガでできている。