試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ103-772[ツヌ311F] 車体改修 (101系800番代LOT側面窓セル振替施工:モハ100-808[ツヌ101F-1] 捻出品転用)

2019-11-27 21:51:18 | 国鉄/JR103系
老朽化。

現在までにKATO製国鉄103系津田沼区仕様サハ103形750番代組込編成は5本が出場済である。
サハ103形750番代竣工計画立案は2014年6月と比較的早くサハ103-772をプロトタイプとした。
種車にはKATO製103系一般形サハ103-37(Tc54)を起用しDT21非動力台車への交換まで進めた。


国鉄103系ツヌ311F (1982/8)。
[ツヌ311F]:Tc821-M760-M'2017-T501-M761-M'2018-T772-M762-M'2019-Tc828。

だが車体はサハ103形0番代のままで全く代わり映えがせずKATO製一般形サハ103形での番代区分変更は失敗に終わった。
一旦頓挫したサハ103形750番代竣工計画だったが種車をKATO製101系へ改め2014年11月に再開となる。
そしてモハ101-46,サハ100-38(トタ5F:Tc14)を旧サハ103-768,旧サハ103-769(旧ツヌ324F:Tc217)へ形式変更した。
明らかにKATO製103系量産冷房車とは見附が異なるものの一応サハ103形750番代の特徴を引き出せたと思えた。
この結果を受けプロトタイプ候補にサハ103-772が再浮上しモハ101-107(ムコ10F:Mc194)のサハ103形750番代編入へ着手した。
AU75B冷房機の偏位搭載と格闘しながらも2014年5月にはサハ103-772(ラシ311F:Tc821)を竣工させている。


入工中の101系元モハ101-262,サハ103-772 (廃車,ツヌ311F)。

KATO製101系はカプラー無DT21非動力台車が採用されており103系量産冷房車との混結に不安を抱いた。
そこでサハ103形750番代では全面的にカプラーポケット付DT21非動力台車(11-031)を採用している。
ただKATOカプラーBタイプ付DT33非動力台車とは連結器突き出し長が異なるため2015年1月に連結面間隔短縮を試行した。
この施工以降サハ103形750番代は部品供出等で入場機会が訪れたがサハ103-772だけは軽整備を受けずに荒廃が進む。
特に側面窓セル窓サッシ印刷は一部の銀色再現が失われるほど傷みが激しくなっていた。
車体も過去に施した細工痕が見受けられる状態で今回の車体改修に至っている。


折損していた2-4位側車体中央部側面窓セル押え。

初期計画ではKATO製101系モハ100-808(ツヌ101F-1:Mc193)と同時入場させる方針だった。
だがモハ100-808の工程に[千ツヌ]電略標記変更を組み込んだためサハ103-772は改修が先送りされた。
そのため元モハ100-808用101系800番代LOT側面窓セルは一旦元モハ101-262(廃車:元ラシ107F)へと廻される。
三角交換が行われる予定だった元モハ100-808用側面窓セルはようやくサハ103-772への取り付けを迎えた。
101系800番代LOT側面窓セルはその嵌合精度から車体への組み込みに労する個体が多い。
ご多分に漏れずサハ103-772もこれに該当したらしく2-4位側車体中央部の側面窓セル押えが失われていた。


清掃を施した屋根板と車体(1-3位側)。

線路方向の嵌合が固い傾向を有する101系800番代LOT側面窓セルは車体中央部が凹形になり易い。
従って2-4位側側面窓セル押えの遺失は致命傷になる可能性が高まりそうだった。
ただサハ103-772の基本構造は旧モハ101-107時代から変わっておらず車体更新が通用する。
先ずは側板の状態改善から取り掛かり車体が流用可能かは組み立て後に可否を下す算段とした。
車体には連結面間隔短縮試行入場時に付着したと思われるゴム系接着剤の被膜が散在していた。
擦過痕が生じないようセロハンテープをゴム系接着剤残滓に当てて除去している。
また1-3位側車両番号標記周囲はペイントリムーバーによる変質部が広くラプロス#6000で修正した。


嵌合精度が味方した2-4位側用側面窓セル。

α-model製AU75B(H1)冷房機の偏位搭載を行った関係上屋根板は濃灰色で塗装されている。
塗装被膜には斑が残っており磨きクロスで大雑把な仕上げ均等化を図った。
埋め込んだベンチレーター取付孔は若干の引けが現れていたが特に措置せず存置した。
見附の悪い後付けランボードはTOMYTEC製国鉄101系トタ冷房5F(Mc199:第一次冷房改造車)用屋根板で廃する計画がある。
凹部の修正自体もAU75B冷房機を撤去しなければならず再塗装まで要するため見送りとなった。
そしてメーカー塗装状態へ戻った車体に元モハ101-262から撤去した101系800番代LOT側面窓セルを取り付ける。
101系800番代LOT側面窓セルは元モハ101-262よりも更に嵌合が固く組み付けに難儀した。


細工痕以外は状態が良かったサハ103-772用床板。

加えてサハ103-772では車体と101系800番代LOT側面窓セルは各窓毎の嵌合猶予まで少なかった。
ところがこれが逆方向へ作用し側面窓セル押えが存在しない2-4位側も車体と面一に収まってくれた。
ひとまず早急な車体更新は必要無いと判りこのまま床板点検へと移行している。
9両が在籍するサハ103形750番代だが床板は種車形式に左右された関係で統一されていない。
サハ103-772用床板はモハ101-107用が流用されたため床下機器の大幅な切除を要した。
開口部はプラ板で塞いだものの隙間を多く抱えウエイトが腐食していても止むを得ない構造と言えた。
だがウエイト断面の状態は非常に良好であり事前防錆対策だけで整備を終えられた。


技量の範疇を越えていたKATOカプラーBタイプ化 (DT21非動力台車,DT33非動力台車)。

床板を分解した序ででもあり現在よりも連結面間隔を詰められるか検討に入った。
現在はカプラースプリングステーを短縮しKATOカプラーが車輪寄へ偏位する方法で連結器突き出し長を抑えている。
この方式ではKATOカプラーBタイプ付DT33非動力台車に比べ約1.5mmほど連結面間隔が延びてしまう。
理想はDT21非動力台車(11-031)のKATOカプラーBタイプ化だったが成形形状が立ちはだかり諦めた。
KATOカプラーBタイプ用台座の移設は可能だが牽引及び推進力に耐えられる強度が保てない。
金属ワッシャー等での代用も難しく長考を重ねた上で廃案となった。




サハ103-772(車体清掃,101系800番代LOT側面窓セル振替施工)。
※車体改修。


国鉄101系サハ100-68(ツヌ110F:床板構造未変更車)。

久し振りに分解したサハ101-772用床板だがサハ103形750番代共通仕様の車体高嵩下対策が施されている。
KATO製モハ103形0番代,モハ102形0番代量産冷房車との車体裾段差を再現するため導電板を撤去した。
これだけでは必要以上に全高が落ちてしまうため台枠裏面センターピン部へt0.3mmのプラ板スペーサーを噛ませてある。
そのためDT21非動力台車を製品仕様通りに締結すると曲線通過が不可能になってしまう。
組み立てはモハ103-762,モハ102-2018(ツヌ311F)を持ち出し都度調整しながら行った。
状態の良い101系800番代LOT側面窓セルが充当されたサハ103-772(ツヌ311F)は初竣工当時の側面見附に戻り竣工となった。


モハ102-2018+サハ103-772 (ツヌ311F:モハ102形0番代+サハ103形750番代)。

サハ103形750番代組込編成はKATO製量産冷房車全車へF&MODELS製貫通幌を取り付けた。
少しでも連結面間隔が詰まったように見える錯覚効果に期待したが根本的な解決には至っていない。
今入場でDT21非動力台車(11-031)はKATOカプラーBタイプ化が困難だと判った。
妙案が浮かぶまでは現状で我慢するしかなく引き続きの課題として残されている。
サハ103-772の次回入場はTOMYTEC製101系第一次冷房改造車用屋根板への交換になると思う。
場合によっては101系用KATOカプラーの再登板があり得るかもしれない。
この記事についてブログを書く
« JR103系習志野電車区321F [Tc... | TOP | 京成3700形3768[3768F-2] 3次... »