試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ103-769[ツヌ324F-1] 車体更新 (モハ101-215[ツヌ118F] 回着,サハ103形750番代編入:塗装変更車体廃止)

2019-02-21 21:48:58 | 国鉄/JR103系
同一思考。

KATO製103系ツヌ324F-1(Tc217)に組成されるサハ103-768,サハ103-769の車体更新は急遽決定した。
2両目のKATO製国鉄101系モハ101-215(ツヌ118F:旧製品)もサハ103形750番代へ編入される。
サハ103-769の車体更新工程はサハ103-768(ツヌ324F-1)と同様であり作業時間は然程変わらないと考えていた。


国鉄103系サハ103-769(ツヌ324F-1)。
※塗装変更車。

サハ103-769(ツヌ324F-1)は旧サハ103-768(ツヌ324F-1)と同時期に側面窓セル窓サッシ印刷補修が行われた。
初期施工車であり最近の出場車に比べ見劣りが否めず元サハ103-768は再補修を施した後に廃車されている。
車体更新はモハ101-215の屋根板,床板各一式を交換し車両番号標記を[サハ103-768]へ変更する程度に留まった。
しかしサハ103-768と元サハ103-768の工程を区分せずに施工を進めてしまい効率が悪かった。
結果的にサハ103-768よりも元サハ103-768へ充てられる作業時間が増大する。
この更新工程はサハ103-769も同様と考えられ先に側面窓セル窓サッシ印刷の修正から取り掛かる作業順へと改める。


入工中のモハ101-215,サハ101-769 (中古製品,ツヌ324F-1)。

更新用種車のモハ101-215はビニール袋に包まれた状態のままで今入場が初検品の場となった。
前途の通り屋根板及び床板一式は交換対象部品であり車体さえ問題なければ構わない。
標記印刷はサハ103-768へ充当したモハ101-215より薄く形式変更が捗ると思われた。
気になる箇所を挙げるならば[モハ101-215]車両番号標記と[千ツヌ]電略標記周囲で見られた塗装被膜の艶だった。
この時は油脂付着と思い込み計画通りサハ103-769の側面窓セル窓サッシ印刷補修を第一工程とした。
この早合点が後々へと響く大きな失策に繋がるとは微塵も思っていなかった。


最後の分解となるサハ103-769。

サハ103-769の種車は導入経緯によりサハ100-38(トタ5F:レジェンドコレクション)が起用された。
そのためモハ101-46(トタ5F)を種車とした旧サハ103-768とは妻面の造作が異なっていた。
幻のサハ103形700番代とも言える存在だったが車体更新により特徴ある車体も消滅する。
側面窓セル窓サッシ印刷補修はサハ103-769として迎える最期の作業となった。
車内側にも塗料が侵入した塗装変更車体であり側面窓セルは嵌合が固く両妻板を外側へ湾曲させ撤去している。
保管品に廻る側面窓セルは取り外しが注意事項となるがこれは廃車済の塗装変更車群と変わらない。


種車を物語るサハ103-769の妻板(2エンド側)。

屋根板,床板一式,貫通幌をサハ103-769へ流用するためサハ103-769は完全分解となった。
側面窓セル窓サッシ印刷は全段を油性メタリックマーカーにて再塗布を施す。
油性ペイントマーカー式窓サッシ補修車はインクの特性から塗り斑が隠せない再修正に留まった。
一方油性メタリックマーカー式窓サッシ補修車への再施工は容易く再用に耐えられる状態まで持ち込めた。
ちなみにペン先の熟れ過ぎた油性メタリックマーカーは今回を最後に新品へ交換する方向だった。
しかし残るインクが勿体なくペン先の整形を行ったところ窓サッシモールドを踏み外さずに補修を終えられてしまった。


採用されなかったメーカー塗装済KATO製AU75B(M)冷房機 (サハ103-769用)。

窓サッシモールドへのインク乗りは従前と変わっておらず継続使用が決まっている。
サハ103-769への細工は側面窓セル窓サッシ印刷補修のみであり本格的に車体更新の準備へ移った。
初竣工以来搭載し続けているKATO製AU75B(M)冷房機は成形色のAssyパーツをねずみ色1号で塗装したものである。
現在保管品には101系第二次冷房改造車用のメーカー塗装済KATO製AU75B(M)冷房機が多分に残る。
更新を機に見栄えの良いメーカー塗装済AU75冷房機への換装が検討された。
しかしKATO製103系0番代やサハ103-768との釣り合いから交換は見送られている。


油脂ではなく溶剤塗布痕だった塗装被膜の艶 (モハ101-215)。

α-model製AU75B(H2)冷房機を搭載するサハ103-768(ツヌ324F-1)は独自の取付方式が災いした。
強固に固定されたAU75B(H2)冷房機は撤去出来ずベンチレーター台座付近までしか屋根板周りの清掃が行えなかった。
これに対しサハ103-769はKATO製純正品同士が組み合わされており屋根上機器を全て撤去し拭き上げた。
ここまで進められればモハ101-215の車体へKATO製第二次冷房改造車用屋根板を取り付けるだけで済むはずだった。
ところが入場時にモハ101-215で見られた塗装被膜の艶が全く解消されない。
どうやら前オーナーさんが標記印刷類の除去に挑んだ模様で溶剤による被膜変質だったと判明した。


塗装被膜修正で薄くなった[モハ101-215]車両番号標記印刷(2-4位側)。

[モハ101-215]車両番号標記,[千ツヌ]電略標記周囲の艶は各々側面窓下部まで到達している。
幸い塗装被膜の状態はペイントリムーバー式印刷消去車に近く過去に修正を図った事例が存在した。
これを参考としモハ101-215の乱れた塗装被膜をラプロス#6000にて艶消しへと取り掛かる。
当該部は腰板を全面的に均すほど広範囲に渡っており仕上げまで大幅な時間を割かれた。
順調に進行すると思われたサハ103-769の車体更新は思わぬ抑止が掛けられている。
修正例が物を言い塗装被膜の改善に持ち込めた一方で車両番号標記印刷はかなり薄くなってしまった。


[[サハ103-][7][69]]:1-3位側。


[[サハ103-][7][6][9]]:2-4位側。

塗装被膜は掠れた[モハ101-215]に相当する印刷厚が薄くなっているはずである。
車両番号標記印刷消去はラプロス式としたがラプロス#4000の使用を見合わせた。
引き続きラプロス#6000を用い成形色露出に気を払いながら消去作業を進める。
サハ103-768とは逆にラプロスを一標記毎へ[点]で当て[モハ101-215]まで漕ぎ着けている。
ペイントリムーバー式印刷消去車の塗装被膜修正は一部車両番号標記印刷が伺える程度であった。
全てが中途半端に残された[モハ101-215]は返って作業効率を悪くする要因となってしまい予め完全消去するべきだったと思う。


元サハ103-769,サハ103-769 (元ツヌ324F-1,ツヌ324F-1)。

サハ103-768では車両番号標記インレタ転写工程に高経年品消化を含ませた。
それから一転しサハ103-769は全て新インレタでの再現に統一されている。
同一台紙から[サハ103-769]の組み合わせが可能と判明し古インレタを持ち出す必要は無かった。
[サハ103-768]と[サハ103-769]では僅か一桁異なるだけだが組標記の使い残しが使用インレタ変更に繋がる。
使い残しの組標記インレタは1-3位側,2-4位側の組み合わせにも影響を及ぼした。
奇遇にも1-3位側:[サハ103-]+[7]+[69],2-4位側:[サハ103-]+[7]+[6]+[9]の並びはサハ103-768と同様になった。


床下機器配置の異なるサハ103形750番代用床板擬 (サハ103-768用,サハ103-769用)。

車両番号標記変更が完了しサハ103形750番代用床板擬をサハ103-769へ取り付ける。
旧サハ103-769はサハ100-38が種車だった関係でサハ101形0番代用床板を細工した。
そのためモハ101形床板の改装を余儀なくされたサハ103-768用に比べ加工痕が少ない。
両車では若干の床下機器配置相違が見られるものの極力近似化しており許容範囲内にあると思う。
DT21非動力台車の黒染車輪は大幅な劣化が生じているが通電系統に関わっておらず流用となった。
状態が良いKATO製黒染車輪は点灯機構を有する先頭車両の交換用に充てる方針である。




サハ103-769(車体更新,モハ101-215 サハ103形750番代編入)。
※旧製品。


サハ103-769(ツヌ324F-2:101系800番代LOT窓セル装着車)。
※旧製品。

予期しない塗装被膜の変質に見舞われサハ103-769は約100分を要する車体更新作業となった。
モハ101-215の車体状態はAランク扱いで表示だけに頼ったのは過失同等である。
手間取りこそしたが無事サハ103形750番代への編入を終えられた事実が収穫と言えよう。
実際にはジャンク車両同等のモハ101-215であったがどうにか取り繕えサハ103-769が竣工した。
外観上はサハ103-768(ツヌ324F-1),サハ103-769(ツヌ324F-2)と殆ど変わらず及第点を与えても良い出来映えだと思う。
塗装変更車体時代に比べ側面見附は飛躍的に向上しておりツヌ324F-1の弱点は解消された。




モハ102-494+サハ103-769 (ツヌ324F-1:モハ102形0番代+サハ103形750番代)。

サハ103形750番代用床板擬の流用により103系0番代との車体裾が揃わない連結部も維持された。
KATO製101系はサスペンション機構を持つためサハ103形750番代への編入は車体高嵩下を要する。
サスペンション機構の停止は導電板をスリットから外すだけで行えたが車体高は下がらなかった。
そこで導電板を撤去したところ全高が落ちてしまい編成見附が崩れてしまった。
最終的に台枠裏面センターピン部へt0.3mmのプラ板を挿入しサハ103形750番代独自の特徴へ結び付けている。
車体更新後もモハ102-494,モハ103-339(ツヌ324F-1)との車体裾位置に変化は無い。




元サハ103-769(廃車,側面窓セル窓サッシ印刷補修再施工,モハ101形用床板装着)。

捻出されたモハ101形用床板が取り付けられた元サハ103-768は用途不要で廃車となった。
元サハ103-768に続くサハ103形750番代の廃車発生であるが塗装変更車は2両だけの存在だった。
総勢7両のサハ103形750番代は全てメーカー塗装車体での統一が達成されている。
またJR101系クハ100-34(ラシ107F:Mc202)から開始したKATO製101系の塗装変更車廃止も遂に完了を迎えた。
今後はKATO製103系量産冷房車の塗装変更車廃止を軸に据える予定である。
ただ最優先事項はKATO製クハ103-272高運転台ATC車(黄色5号)の確保であり全廃は当分先になると思う。
この記事についてブログを書く
« サハ103-768[ツヌ324F-1] 車... | TOP | モハ103-338[ツヌ324F-1] 動... »