試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3700形3816[3818F] 5次車 中期仕様 FS-047(547)動力台車枠更新 (動力ユニット更新車:転用動力台車枠廃止)

2018-09-18 21:57:58 | 京成線:3700形
承継。

グリーンマックス製京成3700形3818F中期仕様(5次車:3818F)にはサックスブルー成形FS-547(047)台車を履かせている。
これは3708F元登場時仕様(1次車:旧製品)との相互交換で実現したものだった。
プロトタイプ変更が相次いだ3818Fを落ち着かせると共に3708F現行仕様(3708F-2)の登場を呼ぶ起点となった。


京成3700形3818F 5次車 中期仕様。
3818F:3818-3817-3816-3815-3814-3813-3812-3811。
※幕式表示器編成。

現在3708F-2,3758F現行仕様(3次車:3758F),3768F中期仕様(3次車:3768F-1)の3編成が製品仕様から大きく姿を変えている。
3798F現行仕様(4次車:旧3798F)を改番した3758Fは特例と言える。
他2編成は在籍編成との釣り合いを取るため各々のプロトタイプへと改められた。
中でも旧3708F(旧製品)は唯一[K'SEI]CIマークが印刷されておらず仕様変更の機会はやって来ないと思われた。
定着度が期待でき動力ユニット更新試験編成にも抜擢されている。
動力ユニット更新試作車の3706(旧製品)は3700形旧製品全編成に及んだコアレスモーター搭載動力ユニット化の礎となった。
記念すべき動力ユニット更新編成第一陣を飾った旧3708Fだが3818Fとの相互振替で灰色成形FS-547(047)台車へ交換され休車となる。
3706が装着していたコアレスモーター搭載動力ユニットは試作当時を維持したまま3816(3818F)へ移設された。
よって動力ユニット更新試作車の系譜は3816に引き継がれる。
また2個モーター搭載動力ユニットで残されていた3816は労せずして動力ユニット更新を終えた珍車でもあった。


入工中の3816中期仕様(3818F)。

3706のFS-047(547)動力台車枠にはサックスブルー成形FS-547非動力台車枠の側梁を転用した。
ゴム系接着剤の塗布は動力台車枠取付台座を軸とする3点止めを採用したはずである。
現行方式とは異なっており3816へ転出した後も動力台車枠は安定度を欠く試行以来の弱点を残す。
都度調整を廃するため固定方式の標準化を計画していた。
しかし非動力台車枠の転用は正規品リリースまでの急場鎬としか考えていない。
何れはFS-047(547)動力台車枠が分売されると予想した。
しかもピボット軸受部を中心に据えた3点止めでも2脚嵌合式の純正動力台車枠には到底敵わない。
台車枠更新入場の可能性を否定できずなかなか固定方式変更に踏み切れなかった。


導入した純正FS-047(547)動力台車枠(直販品)。

電球色LEDライト基板(直販品)と同時に純正サックスブルー成形FS-047(547)動力台車枠が手に入った。
結果的に現行3点止めへの改善棚上げは当たりだった。
これにより3816の入場計画は固定方式変更から動力台車枠更新に切り替えられる。
純正動力台車枠への更新は3400形3407登場時仕様(3408F-1,3408F-2)以来で施工例が少ない。
工程そのものは軽度だが固定に用いたゴム系接着剤の除去が厄介であった。
台車枠振替えに留まった3756(3758F)でも苦戦しており動力台車の原形復旧が課題になると思われた。
早速3816のFS-047(547)動力台車を撤去し単体で作業に取り掛かる。
ところが予想を覆す状態が待ち受けていた。


撤去された代用動力台車枠(上野寄)。

3点止めかと思われた転用動力台車枠の固定は1点止めであった。
ゴム系接着剤は動力台車枠取付台座にしか塗布されておらず側梁を半回転するだけで撤去できた。
快調に進められると思われた作業だったがゴム系接着剤の塗布方式自体が問題だった。
試行当時は必死で安定度向上に努めたと思われる。
その名残を示すかのように台車枠取付孔が全て埋め込まれていた。
2脚嵌合に変更されるため取付孔は清掃を要する。
ご丁寧に3孔とも奥までゴム系接着剤が押し込まれており残滓除去に難航した。
膜状のゴム系接着剤は掻き出し難い。
取り敢えず下側2孔だけ丸形に復した時点で打ち切っている。


上側取付孔底部に残るゴム系接着剤(上野寄)。

たかが2孔のゴム系接着剤除去に10分近くを要した。
まだ上野寄にしか手を着けておらずこの先が思いやられる。
気を取り直しFS-047(547)動力台車枠(直販品)の整形に着手した。
作業はランナーから切り離すだけながら湯口が台車枠に掛かる厄介な場所にある。
誘導無線アンテナ等でさえ平滑化に難儀するほどの技量しかなく破損には十分注意を払った。
成形都合からかバリは片側2箇所に存在する。
案の定動力台車枠裏面の一部を抉ってしまったが外観では目立たない部位だったため救われた。


整形中のFS-047(547)動力台車枠(上野寄)。

整形を終えたFS-047(547)動力台車枠の取り付けに移る。
取付孔のゴム系接着剤は完全に除去出来た模様で支障なく台車枠を受け入れてくれた。
動力ユニット更新車である3816は黒色成形動力台車を持ち立体感向上策は不要である。
また台車集電板表面の黒色化も灰色成形FS-047(547)動力台車枠ほどは目立たないため未施工とした。
在籍中の3700形でサックスブルー成形FS-047(547)動力台車を履く車両は3816と3706登場時仕様(3708F-1)に限られる。
ちなみに3708F-1はTR-180A床板装着編成であり何時心変わりしても即応は可能である。


動力台車枠更新前後のFS-047(547)動力台車 (上野寄,成田寄)。

見附は転用動力台車枠時代と大きく変わらない。
我ながらFS-547非動力台車枠の起用は当たったと思える。
但し安定度は比べものにならなかった。
特に3816の側梁は試作品独自と思われる1点止めが採用されていたため雲泥の差が生じている。
この後成田寄FS-047(547)動力台車枠も更新を行った。
ゴム系接着剤の塗布は上野寄と変わっておらず取付孔清掃に手を焼かされている。
台車枠の整形は上野寄と同時に行っており工程の大半は接着剤残滓除去に追われた。


動力台車枠更新を終えた3816用動力ユニット。

撤去された転用動力台車枠は用途不要になった。
今のところサックスブルー成形FS-547(047)台車を掃く3700形の増備は考えていない。
中古製品の導入もTR-180A床板装着編成に絞っており出番が巡ってくる確率は低い。
ただ製品化されている[K'SEI]CIマーク未貼付編成は3708F前期仕様だけのため急展開があるかもしれない。
再用時に施す整形はピボット軸受の拡大で済む。
万が一の備えとして保管品へ廻している。
成田寄FS-047(547)動力台車枠も無事更新を終えた。
後は組み立てるのみだったがモーターカバーの傷が目に入った。
急遽修正工程が組まれ手当てに移る。


スペーサー挿入試行時の傷だと思われたモーターカバー。

動力ユニット更新車は3700形T車の床下機器位置を基準に部品移設を行った。
試行当時から床下機器部品とモーターカバーに空間が生じると気付いたらしい。
一時的にスペーサーの追設を図ったが余り傾斜抑止効果が得られず即撤去した記憶がある。
モーターカバーの傷はこの際に生んだと思われた。
実際に触れると傷ではなく溶解だと判った。
かなり狭隘な箇所にあり修正は小さく折り畳んだラプロス#8000と3M製研磨フィルムを用いた。
結果は芳しくなく目立たなくするまでには至っていない。
今までも気付かず車体裾の影に入る場所であり最低限の措置で見切っている。


外観差が縮小した3706,3816 (3708F-1,3816F)。

この作業での収穫は床下機器部品の固着度だった。
主力はゴム系接着剤ながら強力に固定されていた。
溶解痕の隠蔽工程では爪楊枝で空間確保を要する安定度を誇っており剥離は心配無用だと思われる。
試作品で強度確認を行えたのは幸いと言えた。
動力ユニット更新車共通で抱えるモーターカバーとの空間は過度の負荷を与えない限り耐えてくれるだろう。
動力台車枠更新が完了した3816と3706(3708F-1)の差は動力台車成形色及び床下機器位置だけになった。
[K'SEI]CIマークの有無により離合齟齬を抱えるものの十分な見附に至ったと想う。




3816中期仕様(3818F:FS-047(547)動力台車枠更新)。

FS-047(547)動力台車枠(直販品)に交換された3816が竣工した。
これで台車枠傾斜の都度修正から解放される。
まさか3816の転用動力台車枠が1点止めだとは思わなかった。
妙に補正回数が多く気にはしていた。
根本的に支持箇所が少なくずれるのは当たり前だった。
側面見附の変化には繋がらなかったが取扱い性は大幅に向上したと言えよう。
モーターカバーの溶解痕も車体と嵌合させてしまえば埋没する。
試作品ならではの弱点は大凡解消されたと思う。




3706+3816 (3708F-1+3818F:コアレスモーター搭載動力ユニット装着車+動力ユニット更新車)。

3818Fは改修を終えており再出場となる。
今入場での台枠直結式スカート化及び電球色LEDライト基板交換は行わない。
白地[特急]種別幕は3400形から流用した製品印刷のため分解工程の簡略化が期待出来る。
しかし電球色LEDライト基板(直販品)があと2両分しか手元になく見送りになった。
入場順もLED表示器編成を優先する方向で3818Fの再入場はしばらく先になるだろう。
その代わり純正仕様同等へ格上げされたFS-047(547)動力台車枠は他のTR-180床板装着編成に無い武器となる。
在籍する3700形[K'SEI]CIマーク貼付編成では唯一の幕式表示器を持っておりその特異性を活かしたい。