<紙>さんLOG

「パソコンヲタクの雑記帳」
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部活:座学 その6

2009年08月17日 | 理科部 部活
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座学 その5」に続いて、いよいよ最終章に入りました。


第7章 化学反応を予測する
 7-1 アルケンの化学反応を予測する
   ・構造異性体
     ・・・・・・・・・・> (1)
   ・どちらの構造異性体ができるか予測する
     ・・・・・・・・・・> (2)


(1)のポイントは、
1.化学反応「エチレン + 臭化水素 -> 臭化エチル」
 つまり、H2C=CH2 + HBr ---> CH3-CH2Br
 これは、たいていの高等学校の教科書に載っている。

2.では「プロピレン + 臭化水素 -> 何が出来る?臭化プロピル?」
 つまり、CH3-CH=CH2 + HBr ---> 何ができる?
 次の、2種類が考えられる。
  CH3-CHBr-CH3   2-ブロモプロパン(臭化イソプロピル)
  CH3-CH2-CH2Br  1-ブロモプロパン(臭化プロピル)
 2重結合の2つの炭素の内、水素と臭素がそれぞれどう付くのか?

3.そこで、構造異性体の話し。
 他の例として、
  1-プロパノール(プロピルアルコール)   CH3CH2CH2OH と
  2-プロパノール(イソプロピルアルコール) CH3CHOHCH3 がある。

 構造異性体については、「座学 その2」で書いた「Newton 6月号」で勉強しました。



(2)ここが本論。
1.「エチレン + 臭化水素 -> 臭化エチル」と云う反応は、
 実は2段階で起きている。
 「エチレン + 臭化水素 -> カルボカチオン中間体 -> 臭化エチル」
 H2C=CH2 + HBr ---> H3C=C(+)H2 + Br(-) ---> CH3-CH2Br
  ()付きは電荷(正か負か)
 のように、中間に“カルボカチオン中間体”が入る。

“カルボカチオン中間体”とは?
Wikipedia「カルボカチオン」では、
  カルボカチオン(carbocation)は炭素原子上に正電荷を持つカチオンのことである。
とありました。
なお、カチオンとは“陽イオン”のことですね。

さらに、中間体と遷移状態の違いについては、
このppt文書」の7ページの図での表示が分かりやすいですね。

脇道に逸れましたが、戻って、

2.本題の反応「プロピレン + 臭化水素 -> 臭化イソプロピル」も、
 “カルボカチオン中間体”を経ての2段階で起こる。

 では、プロピレンの3ヶある炭素の内どの炭素に水素が付いた、
 “カルボカチオン中間体”が出来るのか?
 これについては、--->「マルコフニコフ則」がある。
 ・・・でも、「分子軌道法計算」で(簡単に)求められる!

 答え:最終的には、
 CH3-CHBr-CH3  2-ブロモプロパン(臭化イソプロピル)
 が出来る。(正確には、圧倒的に多く出来る。)
でした。
 反応式では、
 CH3-CH=CH2 + HBr ---> CH3-CH=C(+)H3 + Br(-) ---> CH3-CHBr-CH3
と云うことでした。

ところで、「マルコフニコフ則」って?
それは、「マルコフニコフ則」です。(ン?)
つまり、
  アルケンに水素化合物HXが付加する際、Hは、C=C結合 or C≡C結合のうち
  H原子がより多く結合しているC原子側に付加しやすい。
  わかりやすく言えば、付加するHは自分の仲間の多いC側にくっつきたがるわけです。
  だから、プロピレンでは、Hが1つの左側より、
  Hが2つの右側にHが優先的に結合する・・・・・
と云うことでした。

  「分子軌道法計算」では、両カルボカチオン中間体の生成熱が(簡単に)求められる。
  この値を比較することで、どっちのカルボカチオン中間体が出来やすいかが分かる。
  と云うことで、反応の進み方・生成物が分かる。
なのですね。

と云うことで、今日の 部活動 は終了です。   



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