樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

恐るべしヒョウ・・・ササユリどころかケヤキまでも

2007-06-12 | 壊れかけてる森林
昨日のブログで ササユリ泥棒の犯人は こんな季節に
吹き荒れ積もった雹(ヒョウ)かもしれないと書いたが
ササユリどころでは、なかった。

お昼に本社の横を通ったら、伐採した広葉樹っぽい木が
トラックに積まれていた。
最近、ナラ枯れの伐採を頼まれたりしていたので
それかな?と思ったら ケヤキだった。

なんで こんな時期に?

木には伐り旬がある。用材として使うものは、なるべく
秋以降に伐る。

聞いてみると うちの工場の横の川がヒョウで増水して、
ケヤキが川に倒れて そのままにしておくと、川をせき止めて
二次被害が出るといけないという事で、レッカーやさんと共に
わが社からも 出動し撤去作業をしていた。



かなり、局地的に降ったらしく 次の日も影にはヒョウが
残っていたらしい。

あーしかし もったいない。旬がよければ、数年後にはテーブルや
玄関の框に使えたかもしれない。
えい だめもとでいい。懇願して 直径50cm長さ3m位のを 1本
残しておいてもらった。
ちょうど 写真の長い方の根元のあたりかな。

ケヤキというのは、とても暴れて扱いにくい木だそうだ。
おまけに乾燥しにくく 堅い。
今は、どうか知らないが10年以上 乾燥させるものも珍しくないと
前に聞いた事がある。

宮大工さんにも 杉かヒノキかは聞かなかったが 5年ほど伐採して
から山に置いておき、腐る部分(外側の辺材・白い部分)は腐らせて
中心(心材・赤い部分)のシロアリや腐朽菌に強い 耐え抜いた
木を昔は使ったと聞いた。
ケヤキは、もっとかかるらしい。

昔の人は すごいね。長持ちする所しか 使わなかったのよね。
しかも、その材自体が 防蟻、防腐効果ありと実証積みなんだから
恐れ入る。

木はね、強度や乾燥だけではないのです。
その土地の虫や気候に強いという成分も 大切なのです。

この話は またの機会に・・・

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2 コメント

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ケヤキ (市川純雄)
2007-06-14 19:41:17
ケヤキてすごい木なんですね。名馬と同じで扱いにくいのですね。愛知川の藤居本家の酒蔵は総ヒノキ造りだそうです。なんでもいいものを長く使いたいのですが経費的にたいへんです。
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長く使うこと (樹子)
2007-06-15 08:29:24
昔は、長く使えるように 直せるように家を造ってきました。
ここ20~30年は、一代で終わる もしくは 建直す家になってしまいました。
何年持たせるかによって 使う木の樹齢や質、家の造方も変わってきます。
酒蔵は、そのお酒を育てる菌を造る場所でもありますし長持ちさせなければなりませんものね。
100年の樹齢の木は 使い方で100年以上持たせる事が出来ます。
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