樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

ナラ枯れとウィスキー 松枯れとマッタケ

2007-06-08 | 壊れかけてる森林


少し前に ナラ枯れという現象がおきているのを知った。
秋でもないのに、山が赤いのだ。
松枯れは ずいぶん前から問題になっていた。
写真は、葉はみどりだけど すでに虫にやられているコナラ。
伐採前に 写真に収めました。

突然 話は飛ぶがある機会があって 唯一の国産材で
出来ているウィスキー樽の原酒を頂いた。
原木は ミズナラ である。

私は お酒が好きだ。
それまでは、アイラのシングルモルトなどを 好んで頂いていた。

が その国産ミズナラの樽で長期熟成されたウィスキーは
今まで 頂いたどんなものとも比べてはいけないと
思うほど 高貴な日本の香りがした。

日本の宝ですよ。あのウィスキーは…
絶対 後世に残して欲しいと思う。子孫にも味合わせて
あげたい。こなんウィスキーが出来たなんて 日本の誇りだと
おもった。

が そのミズナラの木を中心に ナラ枯れの現象が始まっている。
もちろん 今 その樽材になるミズナラの生産地にはナラ枯れは
おこっていない。

が どんどん北上していったら どうしょうと不安になる。
大きなミズナラの木に虫が付き コナラや他の木に蔓延していくのだ。

樽材にするには 樹齢150年位ないとだめらしい。
木というのは 同じ種類でも 育つ気候や場所によって
成分や目のつまり具合が違う。
一見 条件が悪い場所の方が 良いという事もある。

樽材の話は 別として ナラ枯れがおきる直接の原因は
虫なのであるが それはその木が弱ってきたから 虫が
つきやすくなるようだ。
なぜ 弱るか。やはり 土壌の影響は大きいと思う。
ミズナラの下には、下草が生えにくい。くるみもそうだ。
土壌が痩せていても共生する菌根菌の助けを借りて成長で
きるという特徴がある。特殊な土壌を作っているのだ。

手を加えない事で 土地が富栄養化になり 
木が生きにくい状況を作ったり 水質さえも悪化させていると
いう話を聞いた事がある。

ミズナラが新しい芽を出すには、どんぐりを小動物が 踏み荒らされた
場所に運び 大きな動物がそれを踏み固めて発芽していくらしい。

おー酔っ払いの諸君よ、昔の恐竜の代わりに おいしいウィスキーの
種を踏み固めてみないかい と 叫びたい。

虫に食われる位なら 樽にして飲みたいと心底 思ってしまった。
救える木は、手入れをほどこし 後世のために
危ない木は、樽にしてもらって 何十年か先のうまい酒に…

何もしないと 山中蔓延してしまうのだ。

あれ しかし どこかで聞いた話だ。

そう 松の木も荒れた土地に最初に生える。
しかも 他の木が生長してくると ゆずってしまう。
豊かな森では 育ちにくいらしい。

もしかしたら ミズナラも 松も メタボ状態なのかもしれない。
そのどちらも 土壌の菌類と密接な関係がありそうだ。
もちろん 土壌が酸性化したら その菌にも影響は出るだろう。
菌に影響が出たら 共生している木も弱って当たり前だ。

松枯れの前には 確か マツタケが取れなくなった。

あー裏山で取れたマツタケを 炭で焼いて 食べたい!

動機は、不順だが これが持続ある森林の循環である。
昔から 人もねずみやいのししのように 森に対しての
役割があったのよね。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ウィスキー (やまかん)
2007-06-11 20:12:49
戦争でオーク材入らなくて楢を使ったんだよね~~
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そうよー (樹子)
2007-06-11 22:25:48
最初は、ダメだしされてたんやけど
今は、もう 絶品。

高いとこに生えていて、もうすぐナラ枯れが
やばそうな ミズナラの木 見つけたら
教えてちょ。
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