ぢろーらもは高校生の途中まで、実の伯母にピアノを習っていました。まあ、かなりダラダラ練習してたんでそんなに上達はしなかったんですけど・・・。
楽器をやっている人だと気をつけなくてはいけないのが、「近所に対する配慮」かと思います。けっこう楽器の騒音(?)トラブルってありがちですからね。楽器をやられている方だと経験した人もいらっしゃるかもしれません。
一応、ぢろーらもはぢろーらもなりに「ピアノは夜10時まで」というようにルールを決めておりました。当時の自宅は正面が駐車場、となりは祖母の家(厳密には、2世帯の家で壁をぶちぬいて扉をつけているので、外にでなくても行き来は可能)だったので、祖母もこのくらいの時間なら起きてますし、このくらいであればご近所への実害はあまりない、と推測できます。
このため、へたっぴーなぢろーらもではありますが、幸いなことにご近所からクレームをいただいたことはありませんでした。
ただ、高校1年のとき、クレームではないのですが「珍客」が訪れたことがありました。
その日もいつもどおり、夜にピアノの練習をしていました。そうすると、うちのインターホンがなりました。ん?誰だろう?新聞の集金??
で、開けてみると、見知らぬおじさんでした。
「いやぁ、ピアノ、お上手ですねぇ・・・」
・・・。
はぁ、それはどうも・・・、でもおじさま、明らかに酔っぱらってらっしゃいますよね・・・
ぢろーらもの演奏はたどたどしいですし、そんなにほめられたものではないですよ・・・。まあ、ほめられるのは悪い気分ではないですが・・・。
どうもこの人、祖母の家とは逆側のおとなりさんであるアパートの住人さんのようです。ぢろーらも家のピアノの位置からガラスと塀を隔てたところにある古いアパートで、クーラーがない部屋もあるのか夏なんかけっこう窓を開けっ放しにしていることもあるようでした。だから、ぢろーらもがピアノ弾いてて、唯一迷惑がかかりうるとしたらこちらさんですかね。
で、その方はぢろーらも家の玄関に居座り、しばらくぢろーらもはほめられるわけです(笑)。まあ、この方、音楽が好きなのはわかるのですが、いかんせん酔っぱらっているので同じ話の繰り返しになりますね・・・。この時点でうちの両親も心配になったのか、こちらにつきっきりになります。特に父は在宅で仕事をしている身、その間自分の仕事を中断することになりました。
そうこうしているうちに、この方、ぢろーらもに「いつものやつ、弾いてくれよ」と要求します。いつものやつ???どの曲を弾けばいいのかな???
伯母にレッスンを受けていたのはいわゆる「クラシック曲」です。ぢろーらもはこのとき、「じゃあ、ちょっとスピーディーな曲がいいかな・・・」と思い、中学生のときに習ったショパンの「子犬のワルツ」を弾いてみます。
で、しばらく弾いたところでこんなコメントをいただきます。
「違う!それじゃない!!」
はぁ、これじゃないんですか・・・じゃあなんだろう?
で、こう続きます。
「いつも弾いてる、あれだよ、ジャズの”パパパパーン”ってやつだよ・・・」
・・・。
・・・。
はい???
わたくし、生まれてこのかた、ジャズピアノなんぞ弾いたことはございませんし、多分この先もわたくしには弾けるようになるとも思っておりませんが・・・
「ほら、あれだよ、あれ!」
え、なんですか??まさか・・・。
ぢろーらもが当時弾いてた曲って、伯母に習ってたクラシックを除くと、ジャンルとしては1つしかありません。それは、「ゲームミュージック」です。でも・・・。
到底ジャズっぽいとは思えないけど、2者択一でいくとしたらこれしかありません。
当時よく弾いていたのは「イース」というゲームの音楽です。CDや楽譜が売ってたので音楽を聴いて気に入って、しかも弾けそうな曲を選んで、楽譜みて弾いてました。まあ、ピアノアレンジ版として売っている楽譜だから、だいぶ簡単にアレンジはしてるんですけどね。
そのときにぢろーらもが選んだ曲、それはイースⅢの「翼を持った少年」という曲です。ゲームの音楽はhttp://www.youtube.com/watch?v=sIWUJIb0ULc&feature=related にありますが、これをピアノで弾きやすいように簡単にアレンジされているものを弾きました。
で、こちらは一曲弾き終わります。で、その方・・・
「そうだよ、それだよ!」
・・・。
・・・。
はい??????絶対ジャズぢゃないんですけど・・・何をどう間違えたの???(苦笑)
そのあともリクエストに応じ、イースⅢからもう一曲くらい弾きました。
で、しばらく話すと「もっと音楽を勉強してもっといい演奏聴かせてくれよ、”パパパパーン”みたいな、さ・・・」みたいなモードにはいってきました。
いや、あなた、絶対音楽わかってないでしょ?(笑)このヨッパライにほめられても、全然嬉しくない・・・てか、早く帰ってほしいんだけどさ・・・。
うちの両親も「そろそろお帰りになっては・・・」と諭すのですが、このヨッパライ、「いや、そうじゃないんだよ・・・だからさぁ、もっとさぁ、こういう曲を弾いてほしいんだよ・・・」と、もう何十回も繰り返しになります。
で、かれこれ1時間くらい同じような話の繰り返しで居座ったでしょうかね・・・。いい加減家に帰すために、父がヨッパライを外に連れ出します。
しかし、その後10分~15分くらいたっても、父は戻ってきません。今度はぢろーらもが心配になって見に行きました。
そうすると、またそこで捕まって話が長引いてしまったんですね・・・。この日の「主役」であるぢろーらもがここに来てしまったのは失敗でした・・・。
で、そのあとしばらくして対応は終わったのですが、このときは「なんでお前はあそこで外に出てきたんだ!」と父に怒られることになります・・・。まあ、結果的に対応を長引かせてしまった、ということはありますが、それでも納得いかないな・・・まあ、今思えば、それだけ父の仕事の時間を中断させてしまった、というのはわかるのですが、このときは完全に意見は平行線でした・・・。
なんか、最後はうちの家族もすごく嫌な雰囲気になったな・・・さすがにもう勘弁だな・・・。
その次の日から、ぢろーらもはピアノを弾く時、3つある真ん中のペダルを固定して音が響かないようにしてピアノの練習をすることにしました。
そこから何か月かして、またこのヨッパライがうちに来たようです。ただ、そのときはぢろーらもは部活だか友達と遊びに行ったかで不在だったので、父が対応して10分くらいでお引き取りになったようです。やはりぢろーらもがいないと対応は早いのね・・・。
・・・。
その後、ぢろーらもはぢろーらも家のピアノではなく、祖母の家にあるピアノを21時~22時まで借りるようになりました。ここだったらアパートからはさらに壁を2枚隔てることになりますし、祖母の家は十字路の角になるので、さらに近所迷惑にもなりにくいです。
こうしてそれ以降、ぢろーらものピアノに関する珍客が来ることはなくなりました。めでたしめでたし・・・
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