実高ふれ愛隊日記

-石川県立大聖寺実業高校情報ビジネス科課題研究ブログ-

再録・芭蕉が語る「不易流行(ふえきりゅうこう)」

2013年10月26日 | 日記

隊員NO.4まこで~す

10月10日(木)の加賀市観光ボランティア大学13回講座で、西島明正さんに

山中温泉と松尾芭蕉」について教えていただきました。

今日は芭蕉の俳諧のこころを記した『山中問答』について、あさの先輩が昨年記録

された記事をご紹介します。

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1689(元禄2)年8月3日(新暦9月16日)、久しぶりに夕方まで雨が降り続きました。

松尾芭蕉山中温泉に逗留して7日目のことです。

この頃、芭蕉は金沢から同行している立花北枝の質問に答えて、俳諧のこころを

語っています。その芭蕉の言葉を北枝が書き記したのが山中問答です。

この山中問答は、芭蕉が唱えた正風俳諧を研究する上でとっても貴重な史料

なのだそうです。

『山中問答』

正風の俳道に志あらん人は、世上の得失是非に迷はず、烏鷺(うろ)馬鹿(ばか)の

言語になづむべからず。天地を右にし、萬物、山川・草木・人倫の本情を忘れず、

落花散葉の姿にあそぶべし。其すがたにあそぶ時は、道古今に通じ、不易の理を

失はずして、流行の変にわたる。然る時は、こころざし寛大にして物にさはらず、

けふの変化を自在にし、世上に和し、人情に達すべしと、翁申たまひき。

自然と人生に基礎をおく民衆的な文学を、「俳諧」という芸術に創り上げたのが

芭蕉です。そして芭蕉自身が諸国を行脚し、深く自然と人生に思いを込めながら

広めた俳諧を「正風俳諧」とよびます。「正風俳諧は万葉集の心なり。されば貴となく

賎となく味うべき道なり。」とは芭蕉不滅の名言です。

山中問答』の中にある不易の理を失はずして、流行の変にわたる」(=不易流行)と

いう考えは、芭蕉が『奥の細道』の5カ月の間に体得したものといわれています。

「不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、流行(変化)を知らなければ新たな進展

がない、しかもこの不易流行のもとは一つ、不易流行を、流行不易を動かす

不易」は変わらないこと、すなわちどんなに世の中が変化し状況が変わっても絶対に

変わらないもの、変えてはいけないものということで、「不変の真理」を意味します。

逆に、「流行」は変わるもの、社会や状況の変化に従ってどんどん変わっていくもの、

あるいは変えていかなければならないもののことです。

不易流行」はもともと俳諧に対して説かれた考え方ですが、何か人生すべてのことに

通じているように思えますね。

芭蕉堂←『芭蕉と山中温泉』(西島明正著)

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この世の中には、変えてはいけないものがあると同時に、変えていかなければならない

ものもあるのですね。とっても奥が深いです。「不易流行」って、大事にしたい言葉ですね。

 (ブログ作成にあたっては、西島明正著『芭蕉と山中温泉』を参照させていただきました)

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