隊員NO.3せりかで~す(^^;)
7月21日の加賀市観光ボランティア大学第8回講座が、加賀市美術館で開かれました。
講座では、加賀市美術館開館15周年記念として開かれた、山中挽物「木工芸」
人間国宝・川北良造先生の特別講演「木との対話 おつきあい」をお聞きする機会にめぐまれました。


約1時間のご講演からは、川北先生の”木のいのちを大切にする心”や
平常心を大切にされながら山中挽物「木工芸」に打ち込まれているお姿が
ひしひしと伝わってきて、すごく勉強になりました。
いろんなお話しを聞かせていただきましたが、今日は「百万塔」のお話しをご紹介します。
764年(奈良時代)、恵美押勝(えみのおしかつ)の反乱が起き、とても多くの方が亡くなりました。
その時の女帝・称徳天皇は犠牲者を鎮魂するためになんと「百万塔」もの仏塔を作らせ、
中に陀羅尼というお経(世界最古の木版印刷物)を入れさせたそうです。
「百万塔」もの仏塔は”ひのき”を材料にわずか5年8ヶ月という短期間で完成しています。
その百万塔のいくつかが現在も残っていて、川北先生は法隆寺や東京国立博物館で実際に見られ、
当時の工人たちの信仰にもとづく強い精神力に感動されたそうです。
先生によると、その百万塔はびっくりするほど大きさが一定で、その精巧な出来映えは驚くばかりだそうです。
また百万塔には、白土が塗られていて、白土が塗られた理由にはいろんな説があるのですが、
先生は木に携わる立場から、生材を使って一気に仕上げるため、”割れ止め”に使ったにちがいない、
と説明されていました。
1200年前の工人たちは、つねに木と対話しながら、その特性を生かし、現代にまで残る木芸品を
作っていたのです。
このお話をお聞きして、川北良造先生のものづくりに対するお考えが、とてもよく分かりました。
「木や漆や先人たちの知恵に、深い畏敬の念と感謝の心をもって、作品を作り続けたい」
先生は50年以上生きてきた木のいのちを生かして、さらに今後何百年もの間生き続ける木芸品を
作り続けているのです。
川北良造先生の木に対するとてもあたたかいお気持ちと「木のいのちを生かしきる」徹底したこだわり
を知ることができました。
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(加賀市観光ボランティア大学の第8回講座「九谷焼のルーツと東谷地区を訪ねて
-古九谷窯・重伝建保存地区-」は、大雨警報が発令される荒天のため、内容が変更になりました。)