フィリピンの顔

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巧妙な手口  -なぜ?-

2010年03月03日 | 気をつけて!!
色んな詐欺のやり方があるものですね。

なぜこんな大金を騙されるのでしょう?

私も、疑問に思っていました。

この巧妙な手口を解析分析とは言えませんが、
私なりに考えてみました。

まずは先日の記事、ここを読んで下さい。

気をつけて! (前号)



●騙された人たちは、普通は簡単に騙せる人たちじゃない。

海千山千の人達を束ねて来たような人たちです。
だから、騙されない様に気をつけているので、騙されるかも知れないと思いながら話に乗る場合は、人に話さず自分だけで調べようとする。


●目標のお金は高額と言うよりも巨額である。

高額と言えば、「騙されるよ。」「旨い話には裏がある。」と、出鼻をくじかれる。
これ程巨額になれば、普通の人は持った経験が無いから、「有り得ない。」と言われるだけで終わるので、話せなくなる。
それに、自分だけに来たチャンスだとも思う。
「一攫千金」の度を越えて想像がつかなくなる。

●まず疑う人達だから、疑問が無くなると「信じる」事になる。

これは引き算で、5つの疑問があって1つ、2つ、と回答して、最後に疑問は「ゼロ」になる。
ところが、疑問が「ゼロ」になると、今度は「信じる」が生じます。
経験豊富なお二人なら、きっと「疑ってかかれ。」と「信じろ。」の二つが頭の中で葛藤します。
「儲」という字を分けると、「人」の「言う」事を「信じる」「者」が「儲かる」。
特に「Aさん」はコンサルタントで、哲学的な物の考えをする人です。
「Bさん」も、先駆者でした。

●騙した方は説得力が無く、騙された方は説得力がある。

騙した方は、演技が巧みで、「ボケ役」を演じて、説得力の無い普通の人間を演じた。
勿論、相手の疑問には答えられる準備はしていた。
騙された方の人は、相手の曖昧さを自分で解釈して、納得した後には、資金作りに考えられない説得力があった。

●大使館員と「サム」とでもめる。

相手のアフリカ人同士で説得されれば、騙された人は疑ったでしょうが、アフリカ人二人で「疑問」と「回答」をやってのけた。
例えば、「詐欺師A」と「詐欺師B」が、2人であなたの所に1万を貸してくれと説得しても拒否出来るでしょうけど、あなたの目の前で、「詐欺師A」と「詐欺師B」が喧嘩を始めて、「詐欺師A」が「詐欺師B」に『金を払え!』と揉めてれば、おそらくあなたは仲を割って、『2人とも喧嘩をするな。俺が立て替えてやる。』となるんじゃないですか?

●騙された二人は、男気(漢気・仁侠)のある二人。

もし自分がお金を作れば? 
1、「サム」を助けられる。
2、紹介者の顔を立てられる。
3、自分の周りの者も潤う。
で、1と2はお金を立て替えた時。 3は倍返しで大金が入った場合。
であり、これが「欲」を否定して「大義名分」が出来上がる。
「損」しても諦める事が出来、「儲け」ると他人を救えるという性格。
簡単に言えば、「汚い金でも綺麗に使え」

●期限を切られる。

これは、考えたり調べたりする時間を制限されてしまう。

●どちらも皆、現在の状況から脱出したい。

言わずもがな。です。

●普通の儲け話と違う。

これがどう違うのか、考えます。



★普通の儲け話と違う点。

普通は、儲け話を持ってくる人はお金を持っている人で、
貴方に、こうすれば「貴方も金持ちになれる。」と教えます。

もう一つは、お金を持ってない人が貴方に「金儲けがある」と言う、
儲け話は、信じがたいものです。

一攫千金って、頭の中に大金を描かなきゃいけませんね。

ところが「サム」の場合は、「目の前に大金がある。」です。
しかも、「サム」自身のお金。
そして、目の前の「サム」は、貧乏。

そこに居る「サム」は自分(騙された人)と結構似た様な状況環境です。
異国の地に居る。現状を変えたい。言葉が解かり難い。金持ちになりたい。
フィリピン人を話の中に入れたくない。過去に悲惨な経験がある。等々...

目の前に積まれたお金は手で触れる。 これは「絵に描いた餅」じゃ無い。


★もう少し、「疑い」(怪しい)部分と「疑問解消」を考えます。

実際にこんな問答をやった訳じゃありません。
騙された「Aさん」に私が訪ねた事が多いですが、少しまとめてみただけです。

疑問:どうして大金を持ってる?
返事:アフリカで、戦争のどさくさに紛れて銀行を襲った戦利品。

疑問:戦争やってるんですか?
返事:やってるよ。民族紛争や内戦など。

疑問:銀行を襲ったら犯罪で追われてるでしょう?
返事:戦争中だし、行員は皆死んでて分からないよ。

疑問:それがどうしてここに?
返事:何とかドバイまで渡ったらしい。そこからフィリピンに送った。

疑問:送れるんですか?
返事:ドバイ政府からフィリピンのアフリカ大使館留めで送った。

疑問:大使館は中身を調べないんですか?
返事:ドバイ政府とアフリカ政府の特別便だからね。

疑問:で、なんで高い保管料ですか?
返事:中身が土地の登記書や何か高価な証券て言ってるからでしょ。

疑問:鍵を開けたりしないんですか?
返事:政府間の極秘ってなってるから本人しか開けられない。

疑問:政府って、調べたんですか?
返事:アフリカ大使館の人間の身分証明書をチェックした。

疑問:そのお金、見たんですか?
返事:見たよ。金網が外れない様になってて、指で5枚取って両替した。

疑問:そのお金は?
返事:偽札じゃなかったから、両替して「サム」にあげた。

疑問:どのくらいのお金があったんですか?
返事:上っ面だけが本物かと思ったけど同じ所から5枚取ったから、大体全部本物として何億かあった。


こんなやり取りは、完全に騙されてアフリカ人と連絡が取れなくなる1週間前の話です。

文頭で述べたように、私が中に入る余地はありません。

私は、アフリカ人達とは会っていませんが、「サム」は小心者を装っていて、大使館のアフリカ人と絶対にグルだという尻尾を出さない様にしていたと言う事です。

それは、大使館員と「サム」だけの時でも、顔見知りという様子は無く、請求する者と支払いをする者、保管料から法外な手数料を自分の物にしようとする悪い者と、自分のバッグを取り返したい善良な者のような振る舞い。

ただここで、「サム」が善良な人間だったら、そう簡単に信じられないと思いますが、銀行強盗などやった過去に悪い事をして来た人間だと言う事をポロッと口に出すような人間だから信じてしまった。

完璧な人間には、「化けの皮を剥いでやれ」と、信じ難いが、過去は泥棒でしたと言う人間は、「正直に言ってくれた。」と信じてしまう。

人間の心理でしょうか?

ましてや、メールで「サム」は自分の写真を送って来た。

これは、世界中に張り巡らせているネットに掲載しているようなもの。
そのメールに軍服姿で大金を目の前にして堂々と顔を出している。

自分のバッグをチェックしてるのに大使館員から怒鳴られる。
それを、お金を少しでも抜き取ってくれと「サム」は「Aさん」に促す。

「サム」は、パスポートまで「Aさん」に渡す。

騙す相手の「Aさん」では無く、相棒の大使館員にオドオド怯えている。

「Aさん」を、騙す相手と言うよりも、自分を助けてくれる相手だと思ってるように振舞う。

「Aさん」と「サム」はまるで運命共同体の様に思わせる。


う~~ん...
シックリしませんねぇ...
こうしましょう。
騙されたのが私だと思って下さい。
その方が話が早いから。

いきますよ。

見た! 凄い大金を! 目の前で!
1億以上あるんじゃあないか!?

凄いなあ! 2400万立て替えれば2倍にして返すってぇ!?
この大使館員なんて、殆どは自分の懐に入れてしまうんだろう?
1千万くらい口の中に放り込んでやれば良いんじゃないかぁ?
どうせ中身がこんな大金だとは知らないんだろう?

それにしてもこの「サム」って奴、今困ってんだろォ?
上手く取り入って、山分けにしようかぁ!
いやいや。何とか騙して全部取ってやろうかな~♪
やっぱ可哀想だから「サム」にも1千万位は持たせてやろうかなぁ♪

文句言うようだったら、何もかも喋るぞ~って、脅しちゃおう♪
大使館がこの中身が分かると「サム」は怖いだろう?
どうせ盗んで来た金なんだろ~がぁ。
こっちは証拠の写真もあるからな~♪
フィリピンの刑務所で一生過ごすかって脅しちゃおう♪

かくして私は1千万円を渡してしまうのでありました。

辻褄(つじつま)が合うでしょう?
詐欺師「サム」は、騙す相手から騙される様に演技をしていた。
騙し盗ろうとした私は、まんまと騙されてしまった。

ちょっと例え話が飛躍しましたけど、
ほぼ言いえていると思う箇所は、

詐欺師「サム」は、騙す相手から騙される様に演技をしていた。

でしょう?



凄く巧妙なやり方だ。


・・・・・・


ここまで書いてて思うんですけど、今日のこの記事が理解して頂けるようなら、
私は立派な詐欺師ですね。(笑)

で、理解し難いようであれば、私も騙され役でしょう。


事件前に私は聞いていましたけど、とてもアドバイスの使用がありませんでした。
どういう伝で、何が起こっているのか理解できず、しかも「秘密厳守」と言われ、
しかも真剣に出資者を募っていました。 出したお金を1日で倍にしてやると。

この記事は、騙された人のことを笑うのじゃなく、手伝いをしたかっただけです。

私には流石に投資を勧めませんでした。
逆さに振っても鼻血も出ない状態ですから。(笑)

知り合いにお金持ちはいますが、どんなに貧困生活を続けても言えなかった。
気心の知れたホンの4、5人にだけ、チケット代やミルク代を借りてますけど...

そう言えば、
ボクシングのパッキャオに投資をするように聞いてくれって言われました。
1千万円を1日で倍にしてやるって。
でも、パッキャオは1回の試合で15億円を稼ぐ人ですから無理ですよ。
自慢のコンパレというだけで、投資を持ち掛ける程仲良しじゃありません。

兎に角、
笑い事じゃなく、私は危険を承知で「サム」達「犯罪組織」を訴えます。

知り合いの「Bさん」を騙して死なせた挙句、ものの一月も経たないうちに、
知り合いの「Aさん」も騙して、大金を持ち去った連中を許せません。



大金を騙し取り、連絡不通になった「サム」の事を、何と言ったと思います?

3日も経ってからですよ。

国家捜査局【NBI】の前で「Aさん」は、

『偽アフリカ大使館員から「サム」が殺されるかも知れない。』

『「サム」を助けてやって下さい。』って...


・・・・・・



グルだって! そんな奴ら!!



笑えないのは、

「Aさん」が言った、

『もし、大金が入ったら、Pinoyさんも楽になれる。』




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