グラフティ

一昨日の『青春のポップス』は今一つだったな。
50年代~60年代のアメリカンポップスが多かった。
歌ったのは昭和30年代当時日本語の詞をつけて歌っていた往年の歌手達。
別に嫌いじゃないけどやはり原語のほうが好きだ。

実は今の40代中頃の人はこのアメリカンポップスを時間差でリアルタイム経験している方が多い。

それは1974年に日本で公開された映画『アメリカングラフティ』と1977年のソニーのラジカセ『ジルバップ』のテレビコマーシャルの影響からだ。

『アメリカングラフティ』は『スターウォーズエピソード3』で今をときめくジョージルーカス監督の作品。
話の内容はカリフォルニアの小さな町の高校3年生たちのある一夜の出来事を
描いた青春物語。

アメリカは日本と違い新しい期は秋から始まる。だからこの映画に出てくる主人公たちはこの夏の休日が終わればそれぞれが別の道を歩みはじめる。
まして小さな町なので卒業すれば町を出ていく生徒のほうが多い・・そんな一番楽しい時期が終わる直前の夜の恋やカーレースなど過ぎていく季節のなかの甘酸っぱさを描いた逸品。
ハリソンフォードが脇役ででている。

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『ジルバップ』・・・・・ソニーのステレオラジカセの愛称。

リーゼントとポニーテールのカップルがこのラジカセから流れるロックンロールの名曲「At the hop」に合わせてジルバを踊るこの商品のテレビCMがすごい人気になった。

この二つの作品はそれ以前からあった矢沢エーちゃんや舘ヒロシのクールスなどのツッパリ系リーゼントには決してない『明るいアメリカンロカビリースタイル』をオレたちの前に見せてくれた。

このころいろんなものが流行った『リーガルの白(グレー)に黒か茶のコンビ靴であるサドルシューズ』『バックプリントがしてあるボーリングシャツ』『コットンスーツ』『スタジアムジャンバー』
自分の一世代上の人たちが夢中になった以前のアイビーブームがアメリカ東海岸のエリート大学生のファションなら、こちらは西海岸の普通の若者のアメリカンカジュアルがルーツである。

そんなムーブメントも1978年に当時の若者のトレンドリーダー的雑誌の『ポパイ』がとサーフボーイを取り上げたことから急速に終焉を迎え多くの者はリーゼントだった髪型をやめ前髪をたらし始めた。
こうして突如1970年代後期に日本で盛り上がったアメリカンオールディズブームは終わる。

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たしか1990年代にこのアメリカングラフティのその後的な作品ができたはずだ
・・・アメリカングラフティでの主人公だったカップルはその後めでたく結婚するのだが子供のことで問題をかかえていたり、違う登場人物はベトナム戦争で戦死していたりとあの夏の日以降彼らがたどった道はアメリカの苦悩そのものだったという内容だったと思う。

アメリカングラフティはある意味1962年というアメリカの一番輝いていた時代の最後の夜を描いた『アメリカそのものの青春物語』でもある・・アメリカで公開前はヒットは難しいと言われていたらしいのだが・・いざ公開されると若者以上に当時を懐かしむ中高年に受けて大ヒットになった。さすがジョージルーカスだ。

その後アメリカのポピュラー音楽もシンプルで単純なポップスから社会性の高い作品やより手の込んだ作品音楽に流れが変わってきた。
そういえばソニーのラジカセ『ジルバップ』のCMも翌1978年にはビリージョエルの「ストレンジャー」に変わった。

しかしやはりいつの時代でも懐かしい匂いを持つ季節の夏にオールディズの曲はよく似合うと思う。

ん?1978・・・・おぉ~~宮城県沖地震の年だよ ((( ;゜Д゜))))
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