傷だらけの天使のスローなブログ
ON THE ROAD
珠玉のホラーミステリー
メドゥサ、鏡をごらん講談社このアイテムの詳細を見る |
夏になるとつきものなのが『怪談話』
別に怪談やホラーが好きだからといって、霊魂の存在を信じたり、
超常現象を信じているわけではない。
例えば『歴史小説』が好きだったり、「ミステリー小説」が
好きなのと同じように、ただ純粋に『お話』として好きなのだ。
そして優れたホラー作家はあの『グリーンマイル』のスティーブン・キング
のようにストリーテーラーとして優れた人が多い。
日本のホラー作家の中で井上夢人は好きな作家だ。
彼はまたホラー作家であると同時に優れたミステリー作家。
この『メドゥサ、鏡をごらん』は本当に怖い。それでいて上質の物語。
『メドゥサを見た』というメモを残し
自分を自らコンクリートで固めて自殺した男の遺体発見から話ははじまる。
ミステリー仕立ての前半から一気に物語の中に引きずりこまれて
珠玉のホラーならではの人間ドラマから衝撃のエンディングへ。
ラストに関しては賛否両論があるが、それを含めて日本の
ホラー小説史の残る名作だと思う。
たしか一番最初に出版した時の帯広告は『リングより怖い』だった
と思うが、怖さの種類は微妙に違うと思う。
そしてこの話の良さは映画では再現できないものだと思う。
今から9年前にオレが一番最初にハードカバーで買ったときの表紙は
メドゥサ、鏡をごらん双葉社 |
こんな怖いモノだった。
けっこういろんな人に「これはスゴイ」と話して貸しているうちに
行方不明になってしまった。
最近文庫本がでたのをしって再購入してまた読んだが
何度読んでもその上質の怖さを味わえた。
やはりこの作品は珠玉のホラーだ。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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この井上さんのもおもしろそう♪
とはいえ。
日本のホラーってあまり読んだことないで
す。外国のだったら読んでる時だけハラハラ
ドキドキして楽しめばいいけれど、日本のは
読んだあとも怖いの引きずりそうで(汗。
よりリアルに感じてしまいそうだから(怖)
これは面白いですよ。
特に結末の一歩手前まではほとんどの人が高評価。
もうメチャクチャ井上ワールドに引きずりこまれます。
やはりラストは不条理の世界ですから、
どう終わらせるか、オチのつけ方に好みが別れますね。
『メドゥサを見た』・・・この言葉がものすごい意味を持つんですよ・・・とネタバレになるから止めときます。
図書館にあったら借りてみてください。
おススメですよ~