毒のあるおとぎ話『パヒューム・ある人殺しの物語』(2007年8本目)

    
いい香りと官能的な匂いは根本的に違うんだろうな~

原作は世界的なベストセラーのようだけどを読んでいないので、
これは映画からのみ受けた感想。


まずオレは、この映画を観た人の映画の感想よりも、
「この映画を観た人が想像した【究極の香水】の香りはどんな匂いなんだろう?」
ということの方により興味があるな~。


いい香りならバラの花から作れるんだろうけど、
官能的な匂いとなると、やはり動物から出るフェロモンの方だろうとは
なんとなく想像できる。

gooの辞書で【フェロモン】を調べると
動物の体内で生産され体外へ分泌放出して
同種個体間に特有な行動や生理作用を引き起こす有機化合物。

とある。

となると人間の同種個体といえば・・・必然的に人間。

主人公グルヌイユは風貌や幼少の頃からの行動、
超能力的な嗅覚などまさに動物であり、
彼には体臭がなかったというが
彼の作る『究極の香り』こそが
彼の体臭であり、フェロモンそのものような印象を受けた。

彼を産み落とした母親から始まって、
彼に関わった人間が全てが不幸な死を遂げるオカルト的なことや
おぞましい誕生の仕方などから、
あのジャッカルの腹から生まれた
オーメンの悪魔の子ダミアンをちょっと連想してしまったけど、
グルヌイユは『究極の香水』を使って
ダミアンのように世界制覇をたくらむことはなかった。

『究極の香水』作りために犯す殺人にも、悪意は感じられないし、
殺人や死体に快感を覚える性的異常者という感じも受けない。

だから最後に自分が魚のはらわたの悪臭の中に産み落とされた
パリ一番の悪臭のする場所の魚市場に戻り
自分の作り出した究極の香水を浴び
至福の表情を浮かべて、この世から消えていくという行動からも
悪魔というよりは、不思議なフェロモンをだす生き物といった感じを受ける。

『それは昨日まで人だったもの』って宣伝キャチコピーだけど
彼には生まれた時から消えていくまで
人間らしさを感じることはなかったな~。
最初から人間ばなれした異質な生き物だった。

あの『究極の香水』作りも
自分をこの世から消すためだったように感じた。
その匂いを作るためにのみ、ひたすら生きたように感じる。

映画ではこんな不思議な生物が生まれてもおかしくないなと思わせる
中世のヨーロッパの怪しげな雰囲気がよく描かれていた。

この世にも不思議な物語に
現実世界から異空間へトリップできた。

『パヒューム』の公式サイト

PS:まさか、あの最後の一滴から続編なんてことは・・・・ないとは思うけど...

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観賞したシネコンの109シネマズ富谷には
こんな立体パノラマの宣伝ブースがあった





ブースの中央の台の上には
撮影で使われたのと同じ【究極の香水】が置かれていた










コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (サラ)
2007-03-14 23:23:26
TBありがとうございました。
究極の香水の香り、ワタシも同じ事を考えました。
でも、それを嗅いだら、あんな風になったら、怖いですよね。でも興味シンシンです(笑)
 
 
 
コメントありがとうございます (傷だらけの天使)
2007-03-15 23:56:52
サラさん>
『猫にマタタビ』みたいなものなんでしょうかね。
人間にとってそんな匂いがあるなら、一度は嗅いでみたいです(笑)
 
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