マルイア温泉の朝食はビュッフェだったのでベーコンと焙り卵で今日一日の活力を詰め込む。 自転車の点検をし、チェーンに潤滑油を注し出発に備える。
千葉のお姉さんのお見送りで雨の中をルイス峠に向かう。今朝はかなり緊張している。ルイス峠についてメイルでは、今日は79km走る。最初勾配6%の坂を300m登る。他に100mの登りが何箇所かあると案内されていた。
GPSが1000mを表示すると止まって5分休む。この繰り返しで1時間もしたならば峠に着いてしまった。峠にはフィンランドのマキネンを真似していたのであろう、正面から衝突し山肌に押し付けられた2台の車の事故の処理をしていた。かれらに頑張れの親指エール・サインをもらって坂を下り始める。
注釈 マキネンとはフィンランドの有名なラリーレーサーで日本のスバルを駆使して山道を走る。時々山肌と仲良くなっていたりする。ルイス峠でラリーをやると楽しいでしょうね。
路側帯が少しあるのでかなり安心して走られる。まだ合羽を着ている相棒。
しばらく下ったところで雨もあがり日も射してきたので合羽を脱ぎルンルンの走りが始まる。テントを乗せたソロ・サイクリストが登ってくるので親指エールを贈る。昼は適当な広場を見つけてリーフトンで買った非常食を食べる。
ガイドブックに At the signposted turn off, turn left onto Hanmer Spring Road. と書かれていた。なんで turn off なのよと考えていたならば標識に turn off と書いてあった。turn off をダブルクォーティションで囲って欲しいよ。ハンマースプリングでビッビーとクラクションを鳴らしてくれたので見ると屋根に自転車をのせたお兄ちゃんが親指エールを贈ってくるので手を振って答礼。
道は平屋が点在する高級住宅街らしきところに入っていく。
ここで初めて叱られてしまった。道には我々しか居ないのでホームステイを探すべく行きつ戻りつするので道の右側を走ってしまうことになった。そしたら突然現れた乗用車のおじさんにおそらく「この糞たわけが、道の左側を走らんかい・・・」というように叱られた。言葉は理解できないが剣幕は十分に伝わってくる。ごめんという言葉もとっさには思い出せなかった。この年になってこんなに叱られるとかなり辛い気持ちがする。
すこし難儀したがアルベルゴ・ハンマーを探し当てるが家主は不在。その代わりに玄関に携帯がぶら下げてあり電話番号がメモに書かれていたので電話をすると同宿する客を迎えに行っており間もなく帰ってきた。
アルベルゴ・ハンマーの庭 借景作り
民宿をビジネスにしているところであるがクォールマークなどはなかった。その代わりに客を斡旋する会社がいっぱい登録されている。ICTもその一つである。それとここの親父でなくビート・パパは凄く有名であちこちでビートの朝飯は甘かったろうとい話がでるほど。ビート・パパはスイス生まれ、バスチャー・ママはスイス・ドイツ系ニュージランド人で二人とも旅行企画やホスピタリティのプロである。客間のあちこちに何気なくかわいい置物が飾ってあり、ロビーにはご婦人の喜びそうな装飾品が並べてあり欲しい人は買うことができる。とにかくお行儀良くしなければならない雰囲気。
参考 借景(しゃっけい)は、中国庭園や日本庭園における造園技法のひとつ。庭園外の山や樹木、竹林などの自然物等を庭園内の風景に背景として取り込むことで、前景の庭園と背景となる借景とを一体化させてダイナミックな景観を形成する手法。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%9F%E6%99%AF
とにかくご夫婦の趣味の総集編という感じ。女性ならばここに泊まれば自分がセレブになったような気がすると思う。
シャワーを浴びて町へ夕食に行く。街まではかなりの距離があるので自転車で出かける。町は観光客でごった返している。こんなに沢山の人を見るのは久しぶりである。どこに行っても大体似たようなものであることも分かってきたので、看板の大きなカフェバーに入りいつもの夕食を済ませてスーパーへ今夜の酒を買いに行く。
シャンパンを買って自転車でぶらぶらと走っていると、ホテルのレストランでボトルも売りますという看板を発見。じつはグレイマウスでウィスキーが欲しくて酒屋に行ったが専門店は既に閉店しており、コンビニで訪ねるとホテルへ行きなさいと言われた。その理由が分からないままにウィスキーは買えずしまいだった。ニュージランドでは強い酒はライセンス制になっておりスーパーなどでは販売できないのである。専門店は早く閉店するし、小さい町では専門店も営業できるだけの客がいないのでレストランなどがライセンスを得て販売しているのだ。ピュナカイキでもバーでウィスキーを買っている人を見かけた。
本日の走行距離79.0km, 最高速度57.9km/H, 平均速度15.0km/H, 移動時間5:16:12
ハンマースプリングは1日休養日になっているので今朝は朝食を頂いて、その後洗濯をすることにした。
実はビート・パパは料理のプロだった。ここのルールで次のメニューに氏名と食べたい時間を書いてキッチンの入口に前の夜にぶら下げておく。時間に食堂に行くとすぐに料理が出始めるのである。私は例によってクックドを注文した。メニューを私なりに解釈すれば「蜂蜜で醸したスイスベーコンと卵料理。料理の仕方は決めてください。添え物は焼きトマト」これだけならば普通の朝食であるが、焙り卵の中に糸のように細く、長く切ったレモンの皮が添えられその香が料理を一段と引き立てる。美しい山々を見ながら頂く朝食・・・極楽だね。
洗濯機の性能が悪いとビート・パパいわく。そのとおりで午前中は洗濯。雨も降っていたから丁度よい。洗濯が終わる頃には天気も良くなり昼ご飯を食べに出かける。もう、外食も興味の対象ではなくなったので適当に食べ一旦帰って水着に着替えて温泉に行く。3段腹や4段腹のおばさんに混じってゆっくりと湯につかる。帰りはぬれたまま上にシャツを着て走るので相棒は冷えすぎてチアノーゼが出てしまった。
明後日はいよいよクライストチャーチであるのでICTへ無事である旨架電するとすぐに以下の返事を受け取る。風が弱いことを望む。しかし文中の「Hi Shiro & Matasuru,」はなんだ。サイクリングだから股はするよ。Matasuruは相棒のYasunoriの笑える間違い。
Hi Shiro & Matasuru, great to hear you we have no problems and hopefully the weather has been good while you are cycling as it has been quite windy on the East Coast.
Good luck with the cycle back to Christchurch via Amberley tomorrow and hopefully we will see you on Tuesday at Adrienne & Trevors.
Kind Regards and happy cycling,
Paul & Kim
Paul Kelly,
Director,
Independent Cycle Tours New Zealand Ltd.
www.cyclehire.co.nz
info@cyclehire.co.nz
'Let us do the work while you enjoy the ride'
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