goo blog サービス終了のお知らせ 

愛大将棋部雑記

日々の日記。いわゆる雑記。当番の人は書くよーに。書かないと・・・・(¬ω¬)ニヤリ

秋中四国大会を終えて(井上)

2021-11-22 16:11:34 | 自戦記

1回生の井上です。今回は11月20日から岡山県倉敷市で行われいる秋の中四国大会をいち早く振り返っていきたいと思います。

 

まず、団体戦からです。結果から言うと無事6戦全勝で終えることができました。

想像以上の活躍ができてホッとしているところです。今回はその中の2局を振り返ります。

2戦目の徳島大学戦の相手は春中四でも対戦があり、その時は終盤にミスが出て負けていました。

今回は3手詰めを逃すという申し訳ない事をしてしまったものの、苦しい将棋を逆転して逃げ切るという自分の得意パターンで

強豪の方に勝てたのがとても嬉しいです。

 

そして、6戦目の広島大学戦。相手の戦法は一間飛車。

私は陽動振り飛車を選択し、相振りに誘導できたのが大きく自分の土俵で戦うことができ、序盤でリードを奪いました。

終盤も大きなミスなく、会心の出来で6連勝を飾ることとなりました。

大学としては3勝3敗の5位でした。来年からも勝ち続けて愛大を引っ張る存在でありたいと思います。

 

次に個人戦。異変が起きたのはここからです。持ち時間が変わったのもあるかもしれませんが予選2局はいずれもギリギリの戦いに

なりました。特に2戦目では秒読みで手が見えなくなり、勝勢が一手で敗勢に。気づいた時には5手詰め。何とか気付かれなかった

ものの未だ敗勢。しかし、ここで諦めなかったのが良かったです。きっと将棋の神様が見てくれていたのでしょう。

相手の要の竜を抜き大逆転。なんとか1位で予選を通過しました。

 

決勝トーナメント初戦。私はこの対局で岡山を去ることとなった訳ですが、自分の悪いパターンが出てしまいました。

それは時間の使い方です。団体戦から私はずっと飛ばして使っていました。ここまではそれでも結果が出ていたのですが

この対局は序盤で抑え込まれ不利に。そこで時間を使っても意味がありません。入玉に最後の望みを託しましたが

上部の駒数が足りないためすぐ捕まってしまいました。

 

この結果、個人戦は目標のベスト16には届かずベスト32で敗退となりました。

これからは県内のアマチュア大会で代表を取ること・来年春の中四国大会でベスト8入りを目指して精進していきます。

最後に皆様応援してくださりありがとうございました。


中四国オンライン交流戦 個人戦1日目 ~部長編~

2020-10-07 00:13:07 | 自戦記

おはこんばんにちは、部長のマキバオーです。

前回の中四国オンライン交流戦 団体戦に引き続き、個人戦について書いていきます(めっちゃ遅くなりました)。

今大会の個人戦、結果から言うと4位という望外の成績となりました!
これは部内でも鼻高々・・・!かと思いきや、部内には1位と2位がいました、わけがわからん

 

てことで個人戦振り返っていきます。

昨春中四では本戦トーナメントで、前秋中四では個人戦予選の初戦にて徳島大学の大谷さんにボコボコにされた苦い記憶がありますが、めでたいことに大谷さんは学部を卒業されましたので今大会そのような悲劇は起こりません。さぁ気分良く振り返っていきましょう!

 

予選第一局のお相手は鳥取大学3回生の吉田さん。
この対局だけ棋譜を保存し忘れてしまったのですが、戦型は(たしか)角換わりでした。中盤の入り口でこちらから仕掛けましたが、その中で読み落としがあり一気に劣勢に。ヒィヒィ言いながら受けていたらお相手にもついに読み抜けがあり形勢がこちらに。その後は危なげなく押し切りました。

 

予選第二局のお相手は、これまた鳥取大学3回生の伊藤さん。
戦型は後手の伊藤さんによる四間飛車に対して銀冠を組んでいきました。
こちらの銀冠を見た伊藤さんは駒組を工夫してきます。

82銀~62銀と金無双のように駒組を進めてこられました。後に84歩~85歩としてきたり、41飛~81飛などと地下鉄飛車をしてきたりするのかなと考えていたりいなかったり。84歩~83銀~32金~41飛~81飛としてくる形は銀冠穴熊対策としては有名な形の一つですが、もちろん対策をしています。実戦経験は少ないのであまり自信はありませんが、そのような展開へと直行するのはなんとかなるかなとか思いながらも、玉頭戦になるのは避けられないため、銀冠を組み始めたのが早すぎたのかなあと、この時点で指してる間は反省気味です。萎えぽよ~。

その後玉頭と角のラインを生かして攻め込まれましたが、途中で2枚替えに成功。優勢を築きそれを維持しながら終盤へと向かいます。
終盤はだいぶ怪しいことをして途中で評価値が一瞬互角に戻っていたり相手に触れていたりもしましたが、なんとか勝ち切りました。よかった(ヨカッタ)。

 

ということで2局とも怪しいところはありながらもなんとか無傷の2連勝で予選抜け。前日の団体戦から続いて5連勝です!

 

愛大勢は6人が予選突破と素晴らしい結果を残しています!

そして運命のトーナメント決定。シードに入れなかったのは残念沢山指せるからラッキーですね!
勝てばベスト16ということで気合が入ります!

 

さてと、僕の対局相手は・・・

 

 

なんで同士討ちやねん

いやしゃーない、ここは先輩としての威厳を見せてなんとかするしかない。

 

 

 

 

泣きそう。

 

 

 

 

 

てことで振り返っていきます。レッツ部内戦。

後手が僕です。
戦型はノーマル三間飛車 対 居飛車銀冠

振り飛車も銀冠に組んでくるのかなと思いながら駒組を進めていたら、先手の次の手が面白い構想でした。

38飛!
何もしなければ35歩から棒銀のように攻めが決まります。

居飛車としてはその後角頭を攻め続けられるのは嫌ということで、角を捌くための64歩。
以下
6四歩(63)   ( 1:30/00:03:08)
3五歩(36)   ( 0:07/00:03:57)
3五歩(34)   ( 0:02/00:03:10)
3五銀(46)   ( 0:02/00:03:59)
6五歩(64)   ( 0:01/00:03:11)
3四歩打     ( 0:13/00:04:12)
6六角(33)   ( 0:13/00:03:24)
4八金(49)   ( 2:05/00:06:17)
8六歩(85)   ( 0:36/00:04:00)

と進んだ局面が以下の図。

この86歩は疑問手。
先手に歩を渡してしまうと25歩からの玉頭攻めが気になるため、
ここは大人しく62飛などと回っておくのが無難だったと思います。

しかし疑問手を指したら疑問手が返ってくるのが学生将棋(偏見)
ここで86同角とされました。
99角成があるため、これは少し居飛車が良くなったのかな~って感じでしたが、正直何もわかりません。ただ86同角に代えて86同歩 77角成~86飛は25歩がめちゃくちゃ気になります。そうなったら気合で12銀と引こうと思っていましたがだいぶ怪しい。

86同角以後は下記のように進みました。
9九角成(66)   ( 0:13/00:04:13)
7七桂(89)   ( 1:43/00:08:53)
8六飛(82)   ( 2:19/00:06:32)
8六歩(87)   ( 0:04/00:08:57)
7七馬(99)   ( 0:01/00:06:33)
6一飛打     ( 1:16/00:10:13)
6四角打     ( 0:19/00:06:52)
4六銀(35)   ( 0:43/00:10:56)
4四歩(43)   ( 1:02/00:07:54)
3六銀(27)   ( 0:38/00:11:34)
4五歩(44)   ( 0:08/00:08:02)
4五銀(36)   ( 0:02/00:11:36)
4四歩打     ( 0:01/00:08:03)
3六銀(45)   ( 0:05/00:11:41)
3四銀(23)   ( 0:48/00:08:51)

で局面図はこんな感じ。

前局面と見比べると、飛車が61に打ち込まれてはいますが、34の拠点が外すことができたのが大きいのと桂香の駒得となっているため、この時点では居飛車有利~優勢を意識していました。

64角は角を持ったらすぐに打ちたかった角です。28の逃げ道を塞げば先手玉は一気に狭くなりますし、本譜のように35で威張っていた銀が46に引くのは、ピッタリにも見えるものの25歩からの攻めが無くなるのでそれだけで大きな価値があります。

上図で先手の指し手は55歩と角と馬の道を止めに来ましたが45歩と突き違えていきました。自玉の近くで駒がぶつかるのは怖いですが、それは先手も後手も同じことですし、こちらは馬道さえ通しておけば自玉は安全だろうという考えです。

上図以降の指し手は以下の通り。
5五歩(56)   ( 0:23/00:12:04)
4五歩(44)   ( 0:20/00:09:11)
4五銀(36)   ( 1:27/00:13:31)
4五銀(34)   ( 0:03/00:09:14)
4五銀(46)   ( 0:33/00:14:04)
3三歩打     ( 1:47/00:11:01)
8一飛成(61)   ( 0:26/00:14:30)
2七桂打     ( 1:22/00:12:23)
4九玉(39)   ( 1:13/00:15:43)
8六角(64)   ( 0:05/00:12:28)
5八金(48)   ( 0:57/00:16:40)
6七銀打     ( 1:25/00:13:53)
5七金(47)   ( 0:42/00:17:22)
4七香打     ( 1:14/00:15:07)
4七金(57)   ( 0:58/00:18:20)
5八銀成(67)   ( 0:04/00:15:11)
5八飛(38)   ( 0:02/00:18:22)

で局面図は下図。

64の角は86から覗いて活用できました。
先手は23香からの強襲が最後の切り札として残っていますが、変に駒を渡さない限り後手玉がすぐに詰んだりすることは無さそうです。

さて後手の僕はここらへんでもうケリを着けに行きたいと考えていました。

ここでのソフト推奨手は68馬!(評価値は-3000点で後手勝勢)なんか筋の悪そうな手なんですが・・・ちゃんと読んでいけばなるほどな手です(ソフトの読み筋はここでは割愛)。

もちろんそんな手は見えないマキバオー。
「飛車持てば早そうだな~」とのんきに考えていた僕はここで悪手を放ちます。

 

59金!

う~ん、悪手!w

取ってくれれば寄りですが、もちろん38玉と逃げられてしまい、一気に先手玉が遠くなってしまいました。

評価値的にはまだ後手有利なものの、3000点を超える勝勢から1000点を切るほどまで下がってしまい逆転ムードが立ち込めます。

58金と飛車を拾うくらいですが先手は待ってましたとばかりに23香と最後の攻勢に出てきます。

寄せられたら負け。凌いだら勝ち。ただそれだけの勝負です。

前局面図以降の指し手は以下の通り。

3八玉(49)   ( 0:07/00:18:29)
5八金(59)   ( 0:02/00:15:18)
2三香打     ( 0:22/00:18:51)
2三金(32)   ( 0:51/00:16:09)
3一銀打     ( 0:31/00:19:22)

一見普通の銀打ちに見えますが・・・これが先手痛恨の悪手!

本譜12玉で後手玉への寄りがなくなってしまいました。

31銀に代える手としては35桂でした。金が逃げれば23ぶち込んで先手勝ちなので34香や41歩で受けますが、本譜よりはだいぶアヤがつきそうです。

上図以降12玉27玉と先手も一旦自陣に手を戻しますが、なにしろ後手玉がとても遠いためここで勝負あり。

上図以降の手順は以下の通り。

1二玉(22)   ( 0:45/00:16:54)
2七玉(38)   ( 0:40/00:20:02)
5五馬(77)   ( 0:27/00:17:21)
4六歩打     ( 0:22/00:20:24)
4九飛打     ( 0:55/00:18:16)
4二銀成(31)   ( 0:09/00:20:33)
4二銀(53)   ( 0:55/00:19:11)
3二銀打     ( 0:54/00:21:27)
2九飛成(49)   ( 0:52/00:20:03)
2八桂打     ( 0:27/00:21:54)
3五桂打     ( 0:51/00:20:54)
3六玉(27)   ( 0:35/00:22:29)
2七銀打     ( 0:10/00:21:04)
3五玉(36)   ( 0:15/00:22:44)
3四香打     ( 0:23/00:21:27)
3四銀(45)   ( 0:03/00:22:47)
3四金(23)   ( 0:06/00:21:33)
 投了         ( 0:08/00:22:55)

投了図は下図参照。

なんとか勝ち切りることができ、後輩に先輩としての意地を見せつけました!(途中で詰みを逃している顔)

 

ということで、交流戦とは言えども将棋人生初の中四ベスト16、2日目へ駒を進めることができました!

 

さて、2日目でマキバオーはどんな戦いを繰り広げ、どこまで勝ち進むことができたのか・・・(あれ最初にネタバレしてたような)。

 

 

 

この次も、サービスサービスぅ!


中四国オンライン交流戦 幹事編

2020-09-25 20:06:24 | 自戦記

こんにちは。個人戦は予選敗退してしまったので、団体戦の1局を取り上げていきます。

広島大学のEさんとの一戦で、相振り飛車になりました。※後手が僕です

この辺りでは5五歩と突いて位をとる手が有力でした。先手陣は悪形で

金銀が壁になっているのが痛いです。しかし、7二玉 6八金 6二金 6五歩と進み、5五歩と指したのが悪手。同角ととられて何とかなると思ってましたがどうにもなりませんでした。

紆余曲折を経てここまで進みました。先手有利ですが、駒効率の高さでは後手が勝ってます。ここから 6六銀 5九香 7五銀 4六歩 同銀と進みました。5六歩で銀挟み出来そうですが、7六銀 4七歩 7四飛があるので簡単にはとられません。実戦はここから受け間違いがあり逆転しました。力戦は指してて楽しいのがいいですね。

最後に愛大団体戦準優勝、個人戦優勝、準優勝、ベスト4おめでとうございます。僕も上位に入れるよう強くなりたいです。三日間お疲れ様でした。


中四交流戦決勝 (稲田対西村)

2020-09-23 12:02:54 | 自戦記

 こんにちは、副部長の稲田雄飛です。 
連休中に行われた中四交流戦について振り返りたいと思います。今回は個人戦決勝について書きたいと思います。時間のある時にそれまでの対局についても振り返りたいと思います。   

 自分でも信じられなかったのですが、なんと個人戦決勝に進出することができました。対戦相手は西村先輩ということで、大勢の人が見ている中で部内戦をすることとなりました。

 西村先輩が雑記で述べられていたように、(部内でもネタにされてるので触れたくなかったですが笑)愛大将棋部には稲田攻めと呼ばれるものがあります。名前の通り僕がひたすら攻めるだけです笑。わざわざ名前がついたのには理由があります。一言で言うと成立してないからです。  

 稲田攻めがどのようにして生まれたかを僕の将棋人生(めっちゃ短いですが)とともに書こうと思います。対局については次の段落に書くので、興味のない方はこの段落は飛ばしてください。高校の時二段 の友達がいて、8枚落ちで負けたところから僕の将棋人生がスタートしました。1年間ボコられながら指し続け、追いついて二段になったまでは良かったのですが、指導者がおらず、棋力が並んでしまったことで無理攻めが矯正されることがなくなりました。ところが流石は愛大将棋部の先輩方、独特の攻め筋に最初は面食らっていましたが、大した狙いがないことに気付くとしっかりと咎めてくださりました。こうして稲田攻め=成立しないという1つの方程式が成立しました。始めは、強い先輩に囲まれ、1年間挑み続けて追いつこうと思いましたが現実はそこまで甘くはありませんでした。そこで「稲田攻め」を封印し、棋風を一度壊して新たに作る作業を1年の終わりごろから始めました。初めは前より弱くなりとても苦しかったですが、3年生の頃には四、五段くらいになりたかったのでプロの将棋を見たり、floodgateを見て斬新な攻めを吸収しようとしました。また、お互いに手がない時は攻めて来られないというごく当たり前のことに気付き、手渡しをしては潰されるというのを繰り返し、成立条件を模索しました。予想していたより早く、夏休みの終わり頃に新たな棋風ができつつありました。

  お待たせいたしました(待ってないかもしれませんが)本題に入ります。決勝戦は角換わりになると予想しました。なぜならこれまで、研究量、終盤力ともに圧倒され、ほとんど勝ったことがなかったからです。そこで、新たな戦型をぶつけようと思いました。それが「38金49飛26角型腰掛け銀」です。僕は後手番でしたが、便宜上今適当に名前をつけたので何かいい案があればDMお願いいたします笑。さて、本譜でも局面を誘導することに成功しました。

 ここまできたらあとは攻めるだけです。前の段落を読んで頂いた方は、あなた稲田攻め封印しませんでしたっけ?と思われたかと思います。しかし、新たな棋風は自分から攻めないため、序盤からミスが許されず読みの量が膨大になってしまいます。研究が不足していたり、強い人が一目で見える手が見えていないのが原因だと思いますが…見えないものはしょうがないので初戦から序盤から長考するというのを9時間続けた結果、ベスト8の後の休憩で集中力が途切れた瞬間、頭痛に発熱、吐き気が僕を襲いました。そこで、序盤に読み抜けして終わるより、例え無理攻めでも攻め続けた方が勝機があると思い、超攻撃的陣形を築きました。

84角は工夫の一手で57の地点を桂馬とともに攻めたり、単に66銀と出来ないようにする狙いがあります。65歩からいよいよ開戦です。同歩同銀69飛66歩65銀同桂66銀と進みました。

69飛の工夫もあり、なかなか攻めが続きそうもありません。しかし、稲田攻めに引くという選択肢はありませんし、劣勢の局面から始めるのは慣れっこです。盤面を見渡すと45に桂馬がいました。45銀同歩66角同飛55銀69飛と進み、角をぶった切って天王山を取りました。戦線拡大を図るため83歩同歩を入れたらもう66桂しか絡みつく手は残っていません。95歩も入れたかったのですが、手抜かれてさらに受けられそうだったのでやめました。66桂67銀と進み、単に78桂成も考えましたが、攻めが止められそうです。そこで、飛車交換を挑みました。57桂成同金78桂成同銀69飛成同銀と進み、飛車交換に成功しました。ところが駒を渡し過ぎたため、どこに飛車を打っても受けられて攻めが止まる未来しか見えませんでした。

 そこで68歩。どうしますかと聞いてみます。返答は同玉。なるほど、同銀を期待していたためあまりいい返答が得られませんでした。66銀も考えましたが、金を引かれて続かなそうです。そこで第2の罠87飛です。実はこの87飛59銀以下の詰めろとなっております。当然気づかれますが、どう受けても89の桂馬が取れるので駒の補充ができます。

 ところがこれを指した後指に電流が走ります。

「ビリッ⁈」

 悪手を指したときにたまにでる感覚です。指す前に流れてくれよと思いますが、そこまで高性能では無いようです。始めは77角などを考えていたのですが、いろんな受けを当てはめていくと、どうやら84角が激痛です。もともと形勢が悪いのはわかっていたので、ここはお祈りタイム。信仰するものはありませんが、将棋をしていると祈りたくなることもあります。

 本譜24角。59銀を消した手かと思っていましたが角筋の先に53の地点が照射されています。これは詰めろでしょうか?稲田攻めの代償として相手側の持ち駒には飛車角銀桂桂歩歩歩歩歩。最後の5枚の歩があざ笑うかのようです。幸いまだ秒読みに入ってなかったので時間を使います。詰みを見つけられなかったので66銀と上から攻めることにしました。対して58金。なるほど、詰みはないようです。89飛成としました。これが最後のお願いです。本局二度目のお祈りタイム。対して54歩と指され、56桂から激しい対局の幕を閉じました。


 記事が長くなってしまったので、棋譜の方は割愛させてもらいます。僕が無理攻めの中で何を考えていたのかを楽しんでいただけたらと思います。

 形勢は終始悪かった模様ですが、諦めずに攻め続けてよかったです。
対局後西村先輩に褒めてもらったのが1番嬉しかったです。

 個人戦、団体戦と対局して頂いた皆様、ありがとうございました。とても勉強になりました。大会期間中、1局ごとに成長を感じられて楽しかったです。

 祖母井君を始め、運営に携わってくださった皆様、オンライン上での開催ということもあり、慣れないことだらけで普段の大会より多くの負担がかかってしまったと思います。お疲れ様でした。そして大会を開催していただきありがとうございました。

 長い持ち時間の将棋だと序盤から長考ができて、今まで見たことのない景色をたくさん見ることができたので、日常生活に支障の出ない程度に取り入れたいです。
また秋の大会があるかわかりませんが、もし開催されたら今回より対局数も大幅に増えると思うので、序盤の研究をしっかりして、思考量を減らして途中で潰れないようにしたいです。

 当面の目標は稲田攻め=成立していないの方程式を壊すことです笑

 勢いだけで優勝してしまい早くも肩書きに押し潰されそうですが、今後も精進します。

 とても長くなりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございましたm(_ _)m


中四オンライン交流戦 個人戦決勝(西村)

2020-09-22 10:24:48 | 自戦記

 この連休中に行われた春季中四国大会代替オンライン交流戦の個人戦決勝について振り返ります。相手は同じ愛媛大学の後輩、稲田君です。練習対局ではほとんど負けたことがないですが、団体戦とトーナメントの両方で中四名人経験者の鍋谷君を倒すなど急成長しています。

 

 戦型は角換わりになりました。先手が私です。

1図:40手目84角

 後手は72金61飛84角型と珍しい形ですが、これが稲田流です。

 ここで88玉は当たりが強くなるだけ、35歩同歩45桂は34銀で続かないと考え、45桂と指しました。22銀なら35歩として、同歩は24歩同歩同飛23歩53桂成同玉54飛同玉45角、44歩は34歩45歩同歩でどうか。本譜は44銀24歩~29飛65歩と進みました。45桂44銀の交換を先手のポイントと見るか、質駒を作って攻めを呼び込んでいると見るかは難しいところです。後者と見るのであれば、45桂に代えて58金や69飛もあったかもしれません。

 65歩以下は同歩同銀69飛66歩65銀同桂66銀と進みました。

2図:55手目66銀

 途中65同銀に69飛が受けの手筋で、銀がどくと61飛成があるので簡単には攻め切れません。先手は怖い形ですが相手に合わせて受けるだけなので、形勢はともかく指しやすいと思っていました。

 ここからの稲田君の攻めが見事でした。以下、45銀同歩66角同飛55銀69飛86歩同歩66桂67銀57桂成同金78桂成同銀69飛成同銀68歩同玉87飛。

3図:74手目87飛

 一気に長手数進めて恐縮ですが、稲田流の勢いを感じ取ってください。途中57桂成に代えて78桂成同銀を入れてから75歩や66銀打が普通ですが、稲田流はそんなことしません。駒損を厭わず攻め続ける様は愛大将棋部では「稲田攻め」と呼ばれています。

 さて、ここまで適当に受けるだけでしたが、ようやく私が考える番が来ました。87飛自体は59銀からの詰めろであり、それをただ受けるだけでは89飛成からジリ貧なので、攻防手が求められます。本譜は26角と指しました。しかし、結論から言うと敗着でした。というのも、以下66銀打58金89飛成が詰めろでないと読み、そこで54歩と詰めろをかけて一手勝ちと考えていたのですが、以下56桂59玉69竜同玉68銀から頓死してしまったからです。

 感想戦ですぐに指摘されたのが、26角に代えて84角でした。

仮想4図:75手目84角

 感想戦やその後のソフト検討で色々調べましたが、これが最善手のようです。

 56銀打や89飛成は84角が効いて詰めろが続かず、66銀打は同金同銀51銀31玉42銀打22玉(同金は詰み)66角と王手で銀を抜けます。かと言って今更受けに回っても、61飛がさらなる攻防手になるので、先手勝ちです。

 結局、「稲田攻め」は無理筋だったという結論になりますが、それでも最後まで最善を尽くした稲田君が素晴らしかったです。

 

 振り返ると頓死筋や84角がどうして見えなかったのか首を傾げたくなるのですが、これが実力ということでしょう。決勝までは致命的なミスなく指せていただけに残念です。最後に、今大会に関わった皆様に感謝を述べて終わります。特に、理事長の祖母井君は不慣れな仕事ばかりだったと思いますが、円滑な運営でした。ありがとうございました。


春季中四国大会代替オンライン交流戦・個人戦決勝
2020年9月21日
先手:西村拓海(愛媛4)
後手:稲田雄飛(愛媛2)
▲2六歩      △3四歩      ▲2五歩      △3三角      ▲7六歩      △4二銀
▲4八銀      △8四歩      ▲3三角成    △同 銀      ▲8八銀      △6二銀
▲7八金      △6四歩      ▲4六歩      △7四歩      ▲4七銀      △8五歩
▲7七銀      △7三桂      ▲6八玉      △4二玉      ▲3六歩      △3二金
▲3七桂      △6三銀      ▲1六歩      △1四歩      ▲9六歩      △9四歩
▲2九飛      △8一飛      ▲4八金      △7二金      ▲5六銀      △5四銀
▲6六歩      △6一飛      ▲7九玉      △8四角      ▲4五桂      △4四銀
▲2四歩      △同 歩      ▲同 飛      △2三歩      ▲2九飛      △6五歩
▲同 歩      △同 銀      ▲6九飛      △6六歩      ▲6五銀      △同 桂
▲6六銀      △4五銀      ▲同 歩      △6六角      ▲同 飛      △5五銀
▲6九飛      △8六歩      ▲同 歩      △6六桂      ▲6七銀      △5七桂成
▲同 金      △7八桂成    ▲同 銀      △6九飛成    ▲同 銀      △6八歩
▲同 玉      △8七飛      ▲2六角      △6六銀打    ▲5八金      △8九飛成
▲5四歩      △5六桂      ▲5九玉      △6九龍
まで82手で後手の勝ち