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愛大将棋部雑記

日々の日記。いわゆる雑記。当番の人は書くよーに。書かないと・・・・(¬ω¬)ニヤリ

2023年度自戦記~秋中四編~

2023-11-03 18:00:00 | 自戦記
N野です。丸一年もの間記事が更新されてないのはよろしくないですね。といわけで私が秋中四を振り返っていきます。内容は低棋力故ご容赦ください。またこの記事を読んでいる高校生・愛大生の方がいましたら、新入部員は絶賛募集中ですのでよろしくお願いします。部には全国大会出場者をはじめ心強い先輩方が在籍しているため、A級団体戦では本格的な勝負が楽しめると思います。
~団体戦編~
岡山大学戦 N島氏
朝から体調に不安がありましたが、私はフル出場がサイレント確定しているため気にしていても仕方がありませんでした。さて対局相手はN島氏になり、所感としては主力対決の結果はチームの士気に影響するので気合を入れなくてはといったところでした。また大会以外にも練習対局をしたことがあったり、勝手ながら棋風も似ている気がしていて個人的に推し選手なのですが、対局相手となったからには全力で勝ちにいこうという心持ちで対局開始。
戦型は私が先手の相掛かりになり以下の図へ。

ここで違和感を感じたので長考に沈み、思考は以下のとおり。
・相手から忙しくされたが、36飛と横歩を取るのは通説では評価されていないので形成は損ねていないはずだ。
・82歩93桂の交換を入れれば端は緩和されるが、2歩持った状態でないと角を通した後の33歩の楽しみがなくなってしまう。
・87歩から手を作られないか。
そして82歩を決断し以下93桂81歩成同銀76歩52玉95歩と自然に手を戻した局面では、上記の3つの懸念が解消されてペースを掴んでいると感じていました。

98歩に対してはどこかで端を手抜くよりないですが、本譜のような進行になった際にと金が角に当たらないようにすることが手番を握り続けるために必要だと読みをまとめて、33歩で決戦。以下同桂23歩11歩成22歩成同銀33角成同銀21飛成と進んだ局面では、一方的に飛車を成り込み、芳しい受けもないのではっきり抜け出しています。

その後は緩むことなく攻め倒して中押し勝ち。理論的に間違った手を指していない自覚があり、一致率も70%を超えていて快勝でした。
団体戦のスコアは3-4。大健闘でしたね。
山口大学戦 Z津氏

穴熊党で知られるお相手。53銀型であることや角交換を厭わないことからも堅さを重視されていることが伝わってきます。46銀でけん制してからこちらも堅く囲うといった趣向を見せてみましたが…

結局ここで37桂とし、千日手を打開する方法が思いつかなかったです。指し直し局では作戦負けを厚みでごまかそうとしましたが以下の図から45飛と踏み込まれて捌かれてしまいました。その後は中段玉で耐え続けましたが、流石の寄せに完敗。ここで長時間対局してしまったことが後に尾を引くことに…

団体戦のスコアは0-7。オーダーまで隙がないのは流石の一言でした。
広島大学戦 F田氏
ここからが地獄の始まりでした。疲労と体調不良のダブルパンチから、体が熱いが寒く感じる典型的なアレな状態で対局することに。対局中、熱い体を手のひらで必死に扇いでいたのですが、扇子の実用性をはじめて理解しました。今後は冷えピタとともに携帯してみたいですね。ちなみにこの後相手の扇子が壊れます。私は壁に体を当てて涼しさを感じるために離席していたため、その瞬間に立ち会うことはできませんでした。残念。

見るからに無策な後手が私です。以下87歩36歩同銀から96角一閃でフルボッコに。後日94歩を手抜かれると怖いという話をしたのですが、右玉党は皆ノータイムで受けるというのです。悲しみ。
団体戦のスコアは3-4。あっ自分のせいだ。
香川大学戦 U都宮氏
このあたりから冷や汗が止まらなくなり、駒が二重に見え始めます。当然記憶もあやふやなのでご容赦いただきたいです。このコンディションでU都宮氏に当たりたくなかったのでそのようにオーダーを組んだのですが、なぜかお相手がフルオーダーを組んでこなかったので当たってしまうことに。再び対先手右玉で序盤は大失敗。やけになって嫌味をつけていたのですが、なぜか逆転っぽい雰囲気から熱戦に。結局負けてしまったのですが、自分が相手側を持っていたらさっぱり勝っていた自覚があったので内容自体に後悔はあまりなかったです。
団体戦のスコアは3-4。他の勝った対局も苦しいながらも逆転勝ちだったそうで、おそらく降級する事実も受け入れられ力が抜けきってしまいました。ある意味心に余裕があり、待ち時間では穴角向かい飛車が検討されている様子を楽しく眺めていました。
徳島大学戦 B東氏
最後はきれいに散って帰ろうと思い、出場することに。戦型は相穴熊で序盤にペースを握られて苦しかったのですが、相手の速度計算に誤算があったようで速度が逆転してからは緩むことなく直線的に決めきることができました。コンディション的に複雑な長い将棋にしてはいけないと感じていたので、この展開は幸運でした。
団体戦のスコアはなんと4-3。いくつかの金星に救われる形になりましたが勝利をあげたことには変わりなく、岡山に3勝を取っていたため残留の可能性が急上昇。そこにF田氏が現れ、広島が降級とのこと。その場にいた全員の「は」がハモり、何度も星の数を数を確認したのですが確かにそうだったのです。
ともあれ九死に一生ながらA級残留を果たすことができました。日頃の行い、徳の積み方を考えるといつ降級してもおかしくないので、次の春中四までに愛大将棋部を盛り上げていきたいですね。(と思っているだけ)
~個人戦編~
団体戦から家に帰って熱を計ると普通に高熱があって納得でした。個人戦についてはとくに語ることはなかったので割愛したいと思います。しいてあげるならば、鬼ブロックを抜けて本戦まで残れたことと安田流中住まいで勝ち星を上げれたことくらいですかね。
ここまで駄文にお付き合いいただきありがとうございました。



中四国大会の振り返り 個人戦本戦編(井上)

2022-10-18 12:21:35 | 自戦記
このブログは後編です。
前編もぜひご覧ください。

まずは本戦1回戦。
後輩の雑記にもありましたが、対局前「お菓子を大量に持ち込んでいる不審者」の隣で突っ込んでました。
見たこと自体は2回目とかですが、やっぱり異様すぎて面白い。
対局は愛大生対決となり、こちらも相振り飛車。
仕掛けが早いのを咎めきり、ここは完勝といっていい内容でした。

本戦2回戦、、、の前に


????????
隣の席にいたのは山大生。
ハロウィンかと思いましたよ…

対局はまたまた相振り飛車。
駒組みはだいぶ苦しい感じでしたが無理矢理打開にいったのが功を奏しました
大駒を攻める受けができたのは自分の理想の将棋にも近く、
内容も伴ってのベスト16初進出でした。

いよいよ初の3日目。
相手は中四国名人ということで前日から気合い入っていました。
というのもこれには伏線があり、
大会前日のTwitterで煽られていたことで一発勝ちたいという思いがありました。

戦型は中飛車穴熊に自分が三間飛車+矢倉という珍しい陣形。


少し苦しい駒組みを強いられ、時間も使わされる展開。

このままじりじりといかれるとまずいと思い、堅さに差こそあるものの開戦。

どうもこの局面で4一竜(図は以降先後逆)とした手が悪手で、4六馬と急所に利かすことができて
形勢が戻り、互角になりました。


少し進み、6六歩と再び6筋の垂れ歩から攻めようとした局面。
本譜は6八香でしたがどうも6五に打つのが良く、以下6四香くらいですが、
6六歩~6五歩と拠点ができる展開が見えています。


なぜ先ほどの手が疑問手なのかというと、この端攻めの時に香車を持っているのが
大きく、威力が増しているからです。
これでも優位は500点ほどではありますが指しやすい展開になったのは間違いありません。


そして端の1点突破でいったこの局面、ここで勝ちが近いのではないかと感じました。


そして166手目、9九歩成で相手が投了。
自分にとっては秒読みで大きな間違いをしなかったこともあり、自信になる1局でした。
対局後は何人もの先輩方に褒めていただき、こんな嬉しいことはありませんでした。

中でも愛大Twitterで先輩から「勝ち切った!!!井上勝ち!!!素晴らしい勝利です!!!」って
書かれてたのは何か特別嬉しかったですね。
ほんとなんでかは分からないんですけど。

という訳で準々決勝に進出したわけですが、相手も何となく雰囲気から
分かっていたこともありまたまたきついぞ…と思っていました。

まあ生意気な道場の後輩でほんと世話を焼くヤツなんですが、
将棋だけは強いからどうしようにもできない。

対局は相振りの意向を示した自分に拒否をさせるような戦法に。
2局くらい同じ局面になったことがあったので驚きはしませんでしたが
正直無茶苦茶嫌なのをぶつけてきたなと。


苦しい駒組みをここでも強いられ、無理に仕掛けたところから何とか形勢を戻そうとした局面ですが
ここで何となくの感じで4五桂(図は以降先後逆)と跳ねたのがさらなる悪手でした。


数手進んだこの局面、3七角成と8六角成の両狙いが受かりません。
これが6五桂と跳ねたのが悪手の理由で、馬を作らすだけになりました。


以降、端を破られて厳しい局面に。
しかしここでとんでもないうっかりがあり、チャンスが回ってきます。
5四金。当然6三竜がありこれは来た!と思いました。


しかし、それも束の間の出来事でした。
竜に当てられた手に6三竜と行けず、弱気に3四竜としてしまったのが悪手。
7五桂に期待した手でしたが、いざ上部を厚くされると全く捕まりません。

さすがに2回は間違えてくれません。
以下、綺麗に寄せられて大会が終わりました。

ここら辺が上に行けない理由なんでしょうね。

まあベスト8という結果だけ見るとよくやった方なのではないかなと思います。
来年は理事長兼中四国名人みたいな快挙を当然目指していくつもりですが、
それにはもっと研究と実戦が必要ですね。
頑張っていきます。









中四国大会の振り返り 団体戦&個人戦予選編(井上)

2022-10-18 10:43:44 | 自戦記
部長の井上です。
今日は先日行われた第106回中四国学生将棋大会の振り返りをしていきたいと思います。

と、その前に
来期の中四国学生将棋連盟理事長を務めることが決定したのでここにも報告をしておきます。
今年は部長、来年は中四理事長と貴重な経験ができるのがうれしいです。
とりあえず大会を問題なく終え、任期を全うすることに全力を尽くします。

さて、大会ですが一言で振り返ると「なんか色々ありすぎてしんどい」っていう感想です。
個人戦を主に振り返ろうと思いますが、なかなかすべてが濃かった。

まずは団体戦です。
1回戦の徳島大学戦、2回戦の岡山大学戦と続けて過去大会で当たって負けていた方に連勝。
個人的には正直この上ないスタートを切りました。まあ、愛大としては2連敗でまずかったわけですが。
今大会はなぜか相振り飛車が多かったのですが、もしかしたら向いているのかもしれませんね。

3回戦の香川大学戦
ここで当時残留争いのライバルであった香川大学と当たりました。
ここも個人としては少し悪いところから逆転勝ちを収め、あとは結果を待つだけ。何とか皆良かったところは勝ち切ったようで5-2
これはでかかった。

しかし、4回戦の広島大学戦でやらかす。
秒を読まれて疑問手を指してしまい、少し良しの局面から逆転負け。
しかも、愛大の成績は3-4。
「ああ、戦犯ですねこれ」と悟りました。
これで再び残留争いに引き戻されました。

そして5回戦、相手は山口大学。
しかも相手は前々回の中四国名人。
前の対局を引きずったままこの強豪と当たっては、、、
完敗でした。
構想を意欲的にいきすぎたせいで薄いタイミングで仕掛けられてそのままやられました。
さて、愛大の結果は?と色々眺めましたがどれも勝ってない。結果覆った将棋はなく0-7…

ギリギリ1勝差で残留でしたが、大変心臓に悪い思いをしました。
4回戦のあの将棋を勝ち切れたら…とは今でも思います。

1日挟み、個人戦に話を変えます。
予選リーグでは前回同様、中四国名人と同じブロック。
どんだけツイてないんですかね。ほんと。

まあ1回戦から振り返っていきます。相手は広島大学のYさん。
千日手があり、指し直し局は相振り飛車。
途中、苦しくなり一時期は相手3一飛、3二香、3三香、3四香という4段ロケットが完成ししかも自玉が3八にいるという
大ピンチを迎えます。
しかし、自分でもここら辺はうまくなったかなと思いますが苦しい所を耐え、逆転を果たします。
ただこれで終わらないのが秒読みの怖さ。
1手のうっかりで奈落の底へ。2時間を超え、おそらく200手も余裕で越えていた大熱戦は負け。
予選敗退もちらつきます。

今回、良かったのはここからです。
負ければ終わりの2回戦、鳥取大学の方との対局は雁木に。
若干無理な攻めをしっかりと受けきり、終盤は少しまぎれたものの快勝。
勢いに乗れました。

この勢いのまま、3回戦も1回戦で負けた相手に同じ相振りでリベンジを果たしました。
2位通過ではありますが、厳しい予選を抜けました。

ちょっと長くなるので今回のブログではここまでにします。

次回は、「謎の刺客現る?」
    「同郷のライバル」
    「これからの目標」 の3本でお送りします。







2022 春中四国大会IN岡山の振り返り(個人戦)

2022-05-09 20:20:57 | 自戦記

 こんにちは! Hです。今日は個人戦を振り返ってみます。

 4日 個人戦

 ベスト16までは危なげなく勝ち上がれたので将棋の内容については割愛しますが、去年よりなんだか中四国の平均棋力が上がっているような感じがしました。というのも各大学の今年の1年生には強い方がごろごろいたからです(うちの大学はオーダーを見てもらえば分かる通りの超高齢社会)。強い人は活動が制限されている昨今の状況においても将棋部に入るほど将棋に飢えているものの、今年は中四国内で豊作だったのではないでしょうか。さて老害の感想はここまでにして次はベスト16の将棋を並べてみます。

 5日 個人戦2日目

 お相手は岡山大学のHさんです。ベスト32でうちのエースの後輩に勝利しており、厳しい勝負になると覚悟していました。戦型は私の先手中飛車で、後手が左金を3三から繰り出し抑え込もうとする趣向を見せたので早めに5筋の歩をきりました。

6八銀から5筋の位を主張する展開もあったと思いますが、比較的楽に指せる本手順を選びました。以下駒組みが続いて序盤のポイントの局面です。

実戦は4八銀から5筋を手厚くしました。ほかにも2八玉や4六歩などがあり難しいです。まあ2八玉が入らなかったので後悔することになったのですけどね...。なんだかんだ互角を維持しながら中盤になりました。

後手が6二飛車と寄ったところで6五歩と指した手が悪手でした。ここは相手の飛車に捌かれないように7五角とひいておけばこちらが有利でした。本譜は5六角から飛車角交換を余儀なくされ自玉の薄さが祟ってしまい自信がなかったです。

数手進んでこちらはまだ劣勢ですが、7五角と攻防の手を指しました。銀取りを受けつつ、4二角成もみた味の良い手です。難しい局面で相手は7四歩と角切りを催促してきましたが0手で相手玉の金駒を外すことができ優勢になりました。その後秒読みの中で一瞬劣勢になりましたが、勝ててよかったです。

 ベスト8に進出して次の相手は前回の秋中四覇者のYさんです。独特な戦法を用いて勝ち上がり中四国に衝撃を与えたことは記憶に新しいですね。さて戦型は私の向かい飛車にYさんはいつもの戦法できました。この記事を読んでいる人で知らない方もいらっしゃると思いますが、「いつもの戦法」といえば多分伝わるぐらい衝撃的な戦法です。

もうなんか凄いとしか言えませんね。ここから私は9五歩~9六香と指して端攻めを目指しました。後手は1三角~6五歩と攻めてきて以下の局面です。

ここで9八飛車の味がよくペースをつかみました。後手は端攻めを受けることが出来ないので、中央から暴れてきます。

ここで6八銀と退いたのが弱気な手で悪手でした。感想戦中に棋譜取りをしてくださった槇林さんから指摘されましたが、ここでは同銀しかなかったようです。以下一例で 7九角成 9三歩成 5二飛 7七桂 8九馬が飛車銀両取りで悪いようですが構わず8三と 9八馬 7三と 同金 6五桂と跳ねて、囲いや駒効率の分こちらが優勢だったようです。本譜は日和った手を指して以降はいいところがなく完敗しました。やはり中四名人は強かったですね。ここから山大の一回生二人に連敗して8位に終わりました。二日目は最初の対局以降勝てず不満の残る結果になりましたが、3日通して各大学の強い人と指すことが出来とても楽しかったです。またベスト8に4人が残るなど山口大学の快進撃には驚かされました。秋中四ではどの大学が活躍するのか楽しみですね、それではさようなら~

 

 

 

 


マキバオー2021秋中四振り返りpart2 -引退対局-

2021-11-27 20:00:06 | 自戦記

こんにちは、まきばおーです。

つい先日秋中四振り返りを書いたばかりなのですが、尊敬する先輩やきとり氏が「局面図も棋譜も無い、やり直し。(一部誇張有)」と言われたのでしぶしぶpart2を書いております。だって局面図とか準備するのめんどくさいんだもん・・・。

今回振り返る対局は、題名にもある通り僕の引退対局です。
対局相手は島根大学のSさん。戦型は先手Sさんの四間飛車に対して僕は左美濃~銀冠で持久戦調の将棋を選びます。

駒組辺りから詳しく見ていきます。まず1つ目のポイントが下図の局面。
この時点で振り飛車側の駒組に工夫が見られます。
このまま後手が何も考えずに銀冠穴熊を目指すと、先手は37桂~47銀~38金と逆雁木のように組み、地下鉄飛車から玉頭を攻める構想が部分的な定跡です。
その辺を考慮すると後手はここから銀冠一本を選べるわけではなく、持久戦を選ぶにしても、相手の形によって仕掛けを匂わせながら駒組をする必要があります。

本譜はここで図から74歩に39玉と引いてくれたので銀冠に組みやすくなりました。

39玉以降は
△2四歩      ▲6七銀      △3三角      ▲3七桂      △4四歩 ▲4七金      △2二玉      ▲2六歩      △4三金      ▲2八玉と進んで下図。

本譜はここで23銀としましたがこれが少し焦った手。
替えて73桂として振り飛車の65歩を阻止しておくのが実戦的には指しやすい展開になったと思います。
この戦型は何度も経験があるのでわかっていたはずなのですが、少し緊張していたのか玉周りにしか目がいってませんでした。

本譜23銀に65歩と突いた局面はまだまだ互角ですが、66銀と上がれることが確定しており、振り飛車としては不満のない展開。

図から23銀65歩以降は
△3二金      ▲6六銀      △7三桂      ▲7五歩と進んで下図。

73桂はかなり欲張りにいった手。図の局面で96歩がついてあれば84飛でなんてことないのですが、今回はそこで95角が生じているのがネック。
ここで持ち時間25分の内15分近くを投入。一見困っているようですが手つき良く△同 歩 ▲同 銀      △4五歩としたのが勝負手。

同歩には77角成~46歩(取ると57角)、45同桂にも77角成として銀を逃げておけばまずまずと読んでいました。

「その仕掛け、読み筋ですよ?」と言いたげなほど堂々とした姿勢だったのが効いたのか、先手はここで95角。46歩の取り込みが入るのは後手にとってはものすごい大きなポイントです。

本譜は図から
▲9五角      △4六歩      ▲同 金      △8三飛 ▲5五歩と進んで下図。

本譜はここで94歩と突いたのですが、先に86歩と突き捨てておく方が得でした。
86歩に同歩はそこで94歩とすれば飛車角交換を強要でき、57角が残っている分居飛車が指しやすいです。86同角にはいきなり86同飛~57角が残っており、居飛車優勢です。
しかし先に述べた通り、仕掛けの段階で持ち時間のほとんどを投入。95角の対応を考えている間に持ち時間を全て使い切り、既に秒読みだったのが惜しかったです。

本譜は図から
△9四歩      ▲7七角      △8六歩      ▲同 銀      △4八歩と進んで下図。

手筋の歩ですがこれは疑問手。
これは仕掛けの75歩と突かれた局面辺りからずっと読んでいた歩で、どこで入れるのかのタイミングにずっと迷っていました。
本譜は同金に対して76歩88角86飛と勢いよく飛車を切り飛ばし59銀と玉形差を武器に一気に攻めたてますが、やや無理攻め。
48歩を入れていなければ同様に進んで86飛と切った後に57銀~46銀成として桂頭を攻めていけば居飛車側の方針がわかりやすかったです。

もちろんその順も読みには入っているのですが、細かい分岐による膨大な変化を読んでいたのもあり秒読みに追われて「どこかで入れる予定だったし読み切れない今打つしかない」といった感じで打ってしまいました。これは反省。

本譜は図から
▲同 金      △7六歩      ▲8八角      △8六飛      ▲同 歩      △5九銀 ▲5八飛      △4八銀成    ▲同 飛      △6五桂      ▲6六角      △6七金と進んで下図。

65桂に66角としてくれたのは少し助かった気がしています。
実際は他の手もあるのかもしれませんが、対局中の僕にとってこの局面は67金打とノータイムで盤上この一手。相手玉へのとっかかりができて少し元気が出ました。

本譜は図から
▲7五角      △5七桂成    ▲9八飛      △6四銀      ▲4四歩      △同 角 ▲6四角      △同 歩      ▲4五銀と進んで図の局面。

ここで手拍子に55角と出たのがチャンスをダメにしてしまいました。
替えて47歩が正着です。以下44銀同金の局面は先手から速い手が無く、49歩と受けるくらいですが、そこで88歩が見えにくい好手でした。

放置していると48歩成同歩同成桂で成桂が寄せに使えていてハッキリ居飛車優勢なので同飛と取るのが普通(ソフトが読んでる75角は秒読みで指せる手じゃない)ですがそこで77歩成とすれば先手が困っています。
同桂には同金が飛車当たり。手を進めて98飛と逃げても後手の77の駒を87に寄せれば飛車が捕まっています。

このチャンスを逃してしまってからはSさんの攻めが鋭かったです。
本譜は先手が45銀打とした局面から
△5五角      ▲同 金      △同 歩  ▲4四歩      △3三金寄    ▲4一銀 と進んで下図。

41銀打に替えて43銀打をずっと読んでいてそこで42歩と受ける予定だったのですが、読んでいない手が飛んできてここで完全に読み筋がバグりました。
なんてことはなく、42歩と受ければ読み筋と合流しますし、58金と攻め合ってもまだまだ互角の良い勝負です。しかし秒読みとあの緊張感は怖いものです。

本譜はここで48金打としたのが悪手。持ち駒の金は39角~28金の詰めろに残しておかなければいけませんでした。
図から
△4八金      ▲3二銀成    △同 金と進んで下図。
形なのでノータイムで32同金と取りましたが、これが敗着。
以下43歩成で金が斜めに誘われた局面は守りの金が何も働いていません。
遡って41銀の局面で42歩と受けておけば32銀成に形良く同金と取ることができるので、銀冠の生命力を信頼している自分の棋風的にはそちらを選ぶべきでした。

本譜は以下43歩成に39角と先に王手を決めたのも焦りすぎ。27玉が一生捕まらない玉で、ますます局面を悪くしてしまいました。
図から
▲4三歩成    △3九角      ▲2七玉      △4三金      ▲8二飛      △3二銀打  ▲4四歩      △3三金      ▲4二飛成と進んで下図。

これが詰めろになるのをすっぽ抜けていました。
どうしようもないので12玉と早逃げを試みますが、31角と打たれて必至。
28角成~38金~13銀打と粘りになっていない粘りをしましたが、普通に詰まされて負け。最後の数手は棋譜を汚してしまいました(でもたかが学生将棋で棋譜を汚すとか考える必要は無くて、粘れるなら手順の限り粘るべきってのが持論)。

 

と引退対局について長々と振り返りをしてみました。
これでやきとりも満足したかな・・・?

次に雑記を書くのは卒業の時になんか老害っぽいこと書くくらいだと思ってたけど、自戦記書くのは楽しいね。棋譜準備するのめんどくさかったけど。

最後に棋譜をはっつけて終わりとします。
1年生時から信頼をもって使ってきた銀冠で引退ならまあいっかと思います。勝ちたかったけど。

特に面白いことを書いてるわけではなくてただただひとり感想戦を垂れ流したけど果たしてやきとり以外に需要があるのかは謎。

 

先手:S(島根大4年)
後手:まきばおー(愛媛大4年)
▲7六歩      △8四歩      ▲6八飛      △6二銀      ▲1六歩      △1四歩
▲4八玉      △4二玉      ▲3八銀      △8五歩      ▲7七角      △5二金右
▲7八銀      △3二銀      ▲6六歩      △5四歩      ▲5八金左    △3一玉
▲4六歩      △5三銀      ▲3六歩      △3四歩      ▲5六歩      △7四歩
▲3九玉      △2四歩      ▲6七銀      △3三角      ▲3七桂      △4四歩
▲4七金      △2二玉      ▲2六歩      △4三金      ▲2八玉      △2三銀
▲6五歩      △3二金      ▲6六銀      △7三桂      ▲7五歩      △同 歩
▲同 銀      △4五歩      ▲9五角      △4六歩      ▲同 金      △8三飛
▲5五歩      △9四歩      ▲7七角      △8六歩      ▲同 銀      △4八歩
▲同 金      △7六歩      ▲8八角      △8六飛      ▲同 歩      △5九銀
▲5八飛      △4八銀成    ▲同 飛      △6五桂      ▲6六角      △6七金
▲7五角      △5七桂成    ▲9八飛      △6四銀      ▲4四歩      △同 角
▲6四角      △同 歩      ▲4五銀      △5五角      ▲同 金      △同 歩
▲4四歩      △3三金寄    ▲4一銀      △4八金      ▲3二銀成    △同 金
▲4三歩成    △3九角      ▲2七玉      △4三金      ▲8二飛      △3二銀打
▲4四歩      △3三金      ▲4二飛成    △1二玉      ▲3一角      △2八角成
▲同 玉      △3八金      ▲同 飛      △1三銀      ▲2二金

 


以上、まきばおーでした、またね。