朝10時にチェックアウトし、荷物はホテルに預け、市内のBanjo'sというパン屋さんのカフェで軽めの朝食の後、タクシーでEntally Estateへ。
この邸宅は1819年に建てられ、1910年頃までの家具などが展示されています。
リージェンシー(1811-1830年)オタクの私にはヨダレもの!!!
市街地から18kmほどの牧草地に悠々と広がるエンタリーという名前の私有地は1819年にトーマス・リーベイ2世によって設立されました。
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外見はちょっと地味?
このトーマス2世の母メアリー(旧姓ヘイドック)は英国で15歳の時に馬を盗んだ罪で死刑を言い渡されますが、叔父の介入でシドニーに流刑となります。
メアリーは刑期を終えた後、東インド会社で阿片の輸入をしてリッチになっていたトーマス(1世)と出会い、結婚。二人は農場、貿易、輸送会社経営などでシドニーからタスマニアに至るまで進出していきます。
特にメアリーにはビジネスの才能がありカリスマ的でもあったのか、今では20ドル札の裏に肖像が載っています。
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Drawing Room(食事の後Withdraw「引き下がる」部屋)
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書斎。本を数多く所有しているのは知性をひけらかすというよりは、本は高かったので富の象徴でもありました。
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メアリーは夫の死後もビジネスで成功し、元囚人だったにもかかわらず、上流社会でも受け入れられ地位を確立します。
シドニーのCircular Quayはこの夫婦にちなんで名づけられたとか。
最初のエンタリー邸もシドニーのGeorge stに建てられましたが、後にシドニー初の銀行Bank of NSWが建てられ、そして現在ではその跡地にWestpac銀行が建っています。
トーマス2世は船長として両親の会社を受け継ぎます。
そして、タスマニアに渡り、政府から300エーカーをもらい(くれと言ったらもらえた時代で、しかも政府所有のお店や囚人を6ヶ月間借してもらえる)、エンタリー邸を建設。妻のリカルダと共に農場経営などで成功します。
トーマス2世は1842年に亡くなり、邸宅は長男のトーマス3世に受け継がれました。
3世の人生はちょっとスキャンダラスだったようだけど、長くなるので割愛…。
2階は主に寝室と子供部屋。
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寝室
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洗面用具とベッド暖め器。
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お風呂。ヤカンのような部分から熱いお湯を継ぎ足せたのかな。
↓この家の目玉、子供部屋。
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おままごとのティーセットやお人形の家、本やパズルなど、おもちゃがたくさん!
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お人形は1年に5mmほど髪が伸びるので教会で悪魔祓いしてもらおうとしたそうです。でもその頃、邸宅を管理しているスタッフ達に怪我や事故が起こり始めます。
邸宅内でも不審な物音や人影目撃の情報が増えたため、悪魔祓いは断念することに。お人形の髪の毛は今でも伸び続けています…。
というのはウソ。
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マスターベッドルーム。ここでトーマス2世が亡くなったようです。
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これはリージェンシーのもうちょっと後の時代のトイレ。手を洗う部分もついてますねー。
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何気に次の部屋へ入っていくと…、ウワッ、ウェディングドレス。びっくりしたヨ…
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写真では案外キレイにうつってるけど、実際はかなり黄色くて生地もかなり古いのが一目で分かるほどでした。誰が着たのかは分かりません。古いウェディングドレスも怪奇現象のネタになりやすい。
また階下へ。まだまだ見る部屋がたくさん!(ダイニングルームやワインセラーなどたくさんあったけど割愛)
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ピアノフォルテ。キーボードはダメージが目立つけど、彫刻も素敵だし、感動!ピアノフォルテはハープシコードと現代のピアノが混じったような音。(もちろんこれには触ってはいけないけど)
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キッチン。かまどの左に黒いダッチオーブンがあります。これで料理すると風味がすごく良かったと書いてありました。
現代英語でダッチオーブンは、お布団の中でオナラして布団の中にいたみんなが「料理」されてしまう意味で使うことのほうが多いです。
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温室や素敵な庭をぬけて裏手へまわると、小さなチャペルがあり、その横には大きな厩舎・馬車小屋などがある広~~い裏庭がありました。
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馬車小屋。左手の小さな建物がチャペル。
この馬車小屋、地味に見えるかもしれないけど、個人的にはこの風景に膝を折って泣きたい気分になるほど感動した私。初めてこんな大きな、イラストやドラマで見るような典型的なデザインの馬小屋を目にしました。
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手前のがフェートンという2頭立て4輪馬車。奥のが4頭立て馬車。他にもいろんな種類の馬車がたくさんありました。成金!
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日傘付きの椅子(馬をつける部分があるから引いてもらうのかな)や乳母車、初期の自転車も置いてありました。
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初期のトラクター!!!すんげーでかいの。
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てか、これのほうが古い?これもトラクター。でもトラクターって一口に言うものの、これでどんな作業をしたのかはよく分かりません…。
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ブドウ畑。
トーマス3世が亡くなると、親戚のGeorge Arthurに受け継がれますが、Scenic Preservation Board(遺跡保存委員会のようなもの)の要望で1947年に政府が買い取ります。
2005年にはGunns Limitedという木材製品会社が買い取り、この邸宅と敷地の管理のために500,000ドルの費用をかけているそうです。遺跡保存だけでなく、レストランやワインセラーの開設も手がけており、シャンペンやピノ・ノワールなども製造しています。
[文字制限のため、パート2へ続く…] (Day 1、2、3)