ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Australia(DVD)

2009年08月11日 | Audio Visual

サボってました。ごめんなさ~い。
お久しぶりです。

日本のほうは豪雨とか台風なんですよね?
でももう各地梅雨も明けて夏らしくなってきたんじゃないでしょうか?

地震もあったようで。心配ですね。


こちらは、冬です。

山火事の被害にあったあのコアラが先日亡くなったんだけど、剥製にされることになったそうです^^;

メルボルンの冬は雨がシトシトよく降りやすく、天気は予測不可能。
1日中降るってことはないけど、そんな日は寒いので家にこもりがち。

冬の始まりに上陸した新型インフルエンザも普通のインフルエンザも猛威をふるっているようです。

うちのG、一日何度も手洗いをし、ドアノブも直接触らないとか、色々気をつけてたんだけど、ちょっと風邪をひいてしまいました。

オフィスの女の子がある日風邪をひいて出勤してきたんだけど、どうやらそれがうつったようです。

その子と症状が全く同じなので、「うつされた」と彼はブリブリ怒っています。

Gは先週2日間欠勤し、金曜日に会社へいくとその子も復帰してたので、なんと、「風邪をひいたら菌を広げないよう出勤してくるな」と怒ってやったそうです。

私だったらこんな上司やだねぇ。
「もう大丈夫?」の一言くらい言ってあげてヨ。
その女の子にすごく同情…。

                        

Nicole KidmanとEwan McGregorの"Moulin Rouge!"で有名になったオージー監督Baz Luhrmanの"Australia"と、イギリスiTVのドラマシリーズ"Lost in Austen"を借りてきました。

Baz Luhrmanはレオナルド・ディカプリオとClair Danes主演の"Romeo + Juliet"の監督だったんですね。知りませんでした。
昔見ました。

この監督、映画界ではMoulin Rouge!で結構有名になったのではないかと思うんだけど、豪州では80年代に長寿番組だった"A Country Practice"というドラマシリーズの脚本も何本か書いてたようです。

さて、このB.Luhrmanが製作・脚本・監督をした"Australia"、豪州国内では世界的に有名な監督がオーストラリアを舞台にした大作を作ったってんで、大騒ぎでした。

そんな鳴り物入りで公開されたAustraliaだけど、評価はイマイチ伸び悩んだ…という結果になりました。

というのも、「ただのロマンス」だったからです。
「ただのMills & Boon(ハーレクイン)じゃないの」という評価もどこかで読みました。

ありゃりゃ。またロマンスがバカにされてますね…。

捨てる神あれば拾う神あり(?)
この世にはロマンスオタクがいることをお忘れなく。
ロマンス本のためにブログまでやっている私。これを読んでくださってる皆様。
この映画、オススメです。

ヒュー・ジャックマンがザバーッ、ザバーッと水浴びするシーン。
ワタシ、昇天したヨ(←中国語なまりで)

ザヴァ~~~

Moulin Rouge!が気に入った方はこれも楽しめますヨ!

時は1930-40年代。
Nicole Kidman演じる英国のLady Sarah Ashleyが、夫であるLord Ashleyをそんなに魅了する土地や牧場を見るためDown Underへやってきます。
(牧場といっても赤土が延々と広がる乾燥地に牛…、というかんじ)

Lady Ashleyが登場するシーン:さっそうと馬を乗りこなす貴婦人、豪しゃな建物、美しく花が咲き誇る庭園…。

Drover(家畜追い)が登場するシーン:砂埃が舞い散る向こうに延々と広がる赤い地平線、誇りまみれで日焼けした男達が集まるパブ、オージースラング、そして(今現在でも豪州名物?の)ケンカ(Pub brawl)…。

という2つの情景が交差。
Lady AshleyがDroverと会い、牧場まで向かう車の中でのシーンなども、最初はコミカル。

牧場につくと、なんとLord Ashleyが殺害され死体がちょうど発見されたところでした。

お葬式を済まし英国に帰る直前、実は殺人犯はBlack(先住民のことをBlackと呼んで差別していた)ではなかったのではないか、という疑問が出始めます。

牧場も実は金の亡者である大牧場主にだましとられそうになっていたことがわかり、Lady Ashleyは牧場を守るため自分で軍に牛を売る決心をします。
そのためにはDrover(Hugh Jackman)を雇い、2000頭もの牛を率い過酷な赤い砂漠を渡って行かなければいけません…。

                     

ケアンズやシドニーなど観光・リゾート地の印象をもたれやすいオーストラリアだけど、この映画にはオージー本人達がノスタルジーに浸れる昔懐かしいこれぞオーストラリアというシーンやセリフがたくさん。

日本でいうと、「少年H」みたいな本を読むと、真夏の暑い日ざしに光る開襟シャツや、せみ時雨…、と当時を知らなくても当時の映像が目に浮かび、ノスタルジックになりませんか?

この"Australia"はそういうものを感じさせるものがあるんです。
無限に広がる赤い地平線、灼熱の乾燥地…と、オーストラリアの生活って本当はものすごく過酷な面もあるんです。
でも過酷であるだけに、それを生き抜くオージー達にはこの国はとても美しいんです。

でも、ノスタルジックオーストラリアを抜きにしても、Moulin Rouge!のような映像(衣装、セットなど)やシンプルな筋書きだけどベタベタのロマンスも十分楽しめます。
ボリウッドからもすごく影響を受けているこの監督の映画、色とりどりの映像がとてもきれいでした。

プロットに豪州の悲しい歴史「盗まれた世代」や、日本軍のダーウィン攻撃などが使われていて、これがいろんな方面で物議を呼んだみたいだけど、ぶっちゃけ、このお話にツイストを加えたりするためで、史実にはこだわってないように思えました。
先住民の人権問題も豪州ではとっても繊細な問題なんだけど、それに関するプロパガンダも含まれているとは私には思えませんでした。

Gone with the Windを意識したそうで、お金持ちで甘やかされているけど実は強い女性と、何かと言うと助けに来てくれる白馬の騎士的な男性が登場するという部分は重なっていたかと。
Gone with the Windではレットが最後スカーレットのもとを去ってしまい、スカーレットは一人で強く生きていくワと決心するところで終わっています。
うわさでは実は"Australia"でも最後はDroverが死んでしまい、Lady Ashleyが一人強く生きていく…というものだったんだけど、試写会であまりにも「ヒューを殺さないで」という声が多かったため、映画のヒットも狙い、ハッピーエンドにしたとか。

DVDのおまけにはカットされたシーンが二つほどあるだけ。
俳優さん達のインタビューや撮影風景などもっとつけてほしかったです。

私からはオススメの


                      

もう一つ、DVD。

イギリスiTV製作のドラマシリーズ"Lost in Austen"。
これは私からは
Austenブームに便乗しただけのChick Flickで、内容はお粗末です。
現代に生きるAmanda Priceはつまんない仕事をし、家に帰ってきても彼がカウチに座ってビールを飲みながらスポーツを見ているだけ…な毎日。
そんなアマンダが現実逃避できるのはJane AustenのP&Pを読んでいる時だけ。

ある日突然、そんなアマンダのバスルームの壁がP&Pの世界とつながり、なんと、Miss Elizabeth Bennet本人が出てきます。

アマンダはそのドアを通ってP&Pの世界へ行き、Mr Darcyと恋に落ちてしまいます…。

うーん、Austenが生きていた、実際に存在した時代にタイムスリップしてしまうんじゃなくて、彼女が創ったお話の世界へ入り込んでしまうっていうところが不健康な幻覚っぽすぎて私は入り込んでいけませんでした。
あまりにP&Pが好きでそういう世界を想像をしちゃう気持ちは分かるけど、このドラマでは失敗でしたね。アマンダが頭悪すぎるし、全然共感できません。


と、最近はそんなところです。
もっとがんばってブログ更新しま~す!


Jane Eyre (BBCドラマ)

2007年12月07日 | Audio Visual

2006年版Jane Eyre、やっと見ました!
イギリスでは去年放送されて、半年後にはアメリカ、そして先週週末、豪州でもやっと放映。2週に渡って2時間ずつでした。(CMがないのでトイレはがまん)

豪州は英連邦の一部なんだから、こういうBBCの番組はもっと早くこっちに来てもいいんじゃないかと思うんもんなんですけど、豪州のTV界は活気もなければお金もないようなので、それと関係してるのかな…。
買えるのはアメリカのB級シットコムばっかりだし…。


もとい。
このJane Eyre、まだ見てない方、オススメです! 私は今からもう一度見たいくらい。
これを見たかったため、先週末の友人の引越しパーティーから早めに抜け出したほど。
BronteBlogからはしっかり太鼓判が押されているし、ブロンテに関しては昔数冊読んだだけで無知な私もウンチク無しですごく楽しめました。


エピソード1で、「(よく見たことないけど)あれ?Bleakhouseみたいだな」と思ったら、プロデューサーが同じだそう。脚本はNorth and Southを手がけた人のようです。

このドラマが放映されて以来、Toby Stephens扮する情熱的なMr.Rochesterも話題になっています。
特に、シャツの胸がはだけていたシーンあたりが…。
Darcyに負けてませんよ!私も、惚れました。
Mr.Thornton (North and South)とMr.Darcy (P&P)に負けず劣らず、超セクシーで情熱的で、ぶっきらぼう…。

Tobyは大女優Maggy Smith(ハリポタのマゴナガル教授役の人)の息子で、これ以前にも活躍していたのですが、私が知っているのは
Cambridge Spiesだけ。
OrlandoにOthello役で出てたって言われても思い出せないし、ボンド映画Die Another Dayで悪者として出てたなんて知りませんでした…。

でも私のように、このMr.Rochester役で「この人誰!?今までどこにいたの?」と惚れた人は他にもたくさんいるようです。

                   

TobyのインタビューもYoutubeでどうぞ。
Rochester役の時とのギャップにちょっとびっくり。(笑
でもRochesterについて語るTobyもこれまたセクシー。

役について語ってるその部分だけここに書き出してみました。

Jane Eyreは大人気の名作で、Mr.Rochesterに関しては色々な解釈がされていますが、ご自身ではどう見ましたか、という質問のところから:
Q: Everyone has the different vision of Mr.Rochester. How did you see him?

T: From the book, actually, ... the main thing I got from him was, first, the reader or the audience should see him as this rather taciturn, enigmatic; ... person who is brusque to the point of being rude. But there's something more to him. And slowly as the novel or the series unravels, you begin to see that there are reasons for the way he is ... the way he is... and that actually underneath it, there lies a great deal of passion and warmth underneath it. And it's how that... that seeps out ... that the character really comes to life ....

 <
実際に本を読むと、読者はすぐにRochesterという人は、寡黙で謎めいてて、失礼だと思わせるほどぶっきらぼうな人だという印象を受けるはず。でも本当は彼はもっと奥深くて、お話が進むにつれて、なぜ彼がそんな風に振舞うのかが分かってくる。それに、そんな彼の振る舞いの裏側には、実はすさまじい情熱と暖かみが隠されていているということも。その部分が少しずつ表に現れ始める様が - そこで真にRochesterという人物が息づいてくるんだ。>


もう一つ、やっぱりこれを聞かずにはいられない!:
Q: Is this your Mr.Darcy moment, you think?

T: Well, I don't know... I think it's a very different beast(大物) than something like Pride & Prejudice. I think Bronte writes very very intense relationships between two or three people... And I think the relationship between Jane & Rochester is an incredibly intense relationship.  And I think that is a very different relationship from something like Darcy and ...[Elizabethって言いたかったんだと思う], and Jane Austen.  

ダーシーのような地位を確立したのではないか、それについてはどう思うかという質問だと思うのですが、Tobyは、DarcyとRochesterはかなり違う(から比べ難い?)という点と、ブロンテの人間関係描写はものすごく感情面が激しく描かれていて、これもオースティンとはかなり異なるという点を述べるだけに至りました。

たしかにブロンテとオースティンは違いますよね。オースティンはどちらかというと、人間観察に優れていると言っていいでしょうか。

でも、Mr.Darcyのような(歴史に残るほどシャツ姿がロマンチック?な)ヒーロー役を確立したことに関しては、Tobyは謙遜してるんじゃないですか。
私の中では、DarcyとThorntonに並んでRochesterはこれでしっかり『ヒストリカルコスチュームヒーロー』の殿堂入りですよ。

(どんな殿堂やて…)

でも、Jane Eyre Competitionの勝者Lauraという人がBronteBlogにこのドラマ版の感想を寄せていますが、TobyのRochesterにはがっかりだったと言っています。

   "
Mr Rochester is one of my favourite characters; he is enigmatic, charming, unpredictable, outspoken and sometimes even manipulative. As you all know, there are many layers to his persona, but Toby seems to have struggled with capturing all of these idiosyncrasies and instead gives (in the first episode at least) what seems to be quite a black and white account. When not being overly gruff, his manner often seems affected and it even comes across that he is not taking the character very seriously…

He improves, however, in the second hour, helped along by the fact that he smirks a lot less and is perhaps not quite so sarcastic. It also doesn't do any harm that he is, indeed, partially shirtless in one of the scenes… (Mr Darcy, eat your heart out ;)"


確かに、薄ら笑いやキザっぽい振る舞いはありましたね…。
でも、別のインタビューを見ると、TobyはRochesterは"theatrical"「芝居じみているところがある」と見ていて、そしてそれをどうやって現代の視聴者向けに演技するかを考えなければいけなかったと言っています。だからそんな風(『薄ら笑い・キザ』)になったのかなーと。
キザといえば、youtubeにあるJaneとRochesterのラブシーンのリンクを下のほうに貼っておきましたが、その動画に対するコメントの中で「Tobyってヒモ("ponce")
っぽい、いい意味でヒモっぽい」と書き残して批難(Thumbs-downのサイン)を浴びている人がいます。
…ぷ。
言ってることは分からないでもないです。でもこれはTobyの顔だちのせいじゃないかと。


さらにLauraは、エピソード2から彼の演技が良くなると言っていますが、それも確かかと思います。それに、Rochesterという人物像がよく見えてくるのはその辺りからでもあります。
実際、上に引用したTobyのインタビューの中でも、彼は「お話が進むにつれて」と言っていますし。

Jane役のRuth Wilsonも忘れてはいけません!
彼女こそ、絶賛を浴びるべき演技でした。

彼女の
インタビューもどうぞ。

RuthのJaneは素敵でした。
(上唇が気になる顔だけど)無言の演技が冴えてます。視線やほんのちょっとした表情の変化だけで、セリフはないのに、Janeがその時何を思っているのかちゃんと伝わってきます。
上で引用した感想を書いたLauraも褒め言葉一色で、(新参の)RuthはTobyより輝いてたと言っています。

  
"The foremost thing I took away from the preview was that Ruth Wilson was an absolute delight as Jane. She brought a lot of natural charm to the part and although her performance was subtle, the viewer is left in no doubt of what she is feeling in each scene. In my eyes, she has provided the best performance yet for this character. Ruth's Jane is full of humanity, soul and honesty and she instantly wins your sympathy."

彼女が次にどんなドラマ・映画に出てくるか楽しみです。

                 

全体的には、Lauraは、セリフが随分変えてあったり、Janeの幼少時代がかなり少なかったのも残念だったと言っていますが、それでも撮影場所は原本のゴシックな雰囲気を醸し出すのに完璧だったし、感情表現も素晴らしかった、すごく楽しめたと言っています。

              

YoutubeでMr.RochesterとJaneの切なくも熱いラブシーンが見られます。カットになったシーンもついてます。

<Spoiler Alert このシーンの説明ですが、お話を知らない人には以下ネタばらし有り>

このシーンは、Rochesterに実は妻がすでにいることが発覚し、Janeとの結婚式が台無しになった後のことです。
「二人で暮らそう。兄妹の振りをしてでも。お前に罪深き人生は背負わせない」と切実にJaneを説得する場面で、JaneがRochesterのもとを去ってから回想しているところです。(だから最初の数秒間は画像が動きません)

<Spoiler終わり>


>
Bronteanaにブロンテ関係の記事アーカイブやリンクがあります。


Wives and Daughters

2007年04月11日 | Audio Visual

BBC TVドラマシリーズ(DVD) Wives and Daughters (全四回)
原作 Elizabeth Gaskell 1866年初版 
邦題は「妻たちと娘達」

私からは満足のハートマーク4つです。


ヒロイン、モリー・ギブソンの大好きな父が再婚することになります。
全く気の合わない継母ハイアシンスと同居することになったのには色々腹の立つこともあり、父を取られたかのようで戸惑うことばかりですが、ハイアシンスの娘シンシアとは一目会った瞬間から新しく姉妹としての関係を楽しんでいました。

シンシアはどんな男性も振り返るような美人で、明るく、(本人は意識してないけど)ちょっとコビを売るような物言いや仕草で、男性好きのするタイプ。
その美しさと、ハイアシンスの母の縁結びの努力が実ってか、近くに住む由緒あるハムリー家の次男ロジャーは、シンシアに魅了されます。

実はモリーは、昆虫好きで誠実でハンサムなロジャーに片思いしていました。
が、そんなモリーの気持ちをよそに、ロジャーはシンシアと婚約してしまいます…

研究のため、2年間英国を離れることになっていたロジャーは、シンシアを束縛するのはかわいそうと、婚約は公表せずに旅立ちます。

ですが、遠征先(アフリカだったかな?)からのロジャーの手紙を待ち焦がれているのはモリーだけ。
誠実で丁寧で思いやりのこもった手紙に、シンシアは返事を書く暇を見つけるどころか、(BBCドラマ版では)遊んでばかりで、それに何か隠し事もあるようです。

シンシアはある紳士とのトラブルに巻き込まれていました。
そんなシンシアを助けようと介入するやさしいモリーですが、なんと手助けしているうちに街中ではモリーに関する悪いうわさがたってしまいます…。

        
モリーとロジャーのロマンスは、遠距離だけにドラマ内ではこれと言って何も起こりませんが、モリーの失恋や遠くにいるロジャーを心配する気持ちなど、切ないです。

私はギャスケルの作品はドラマ版を2作見ただけだけど、ギャスケルがお話に織り込む「本当の愛」の姿、シンプルですかそれだけによく分かると思います。

シンシアから「読んでもいいわよ」と渡された彼の手紙を隅々まで読み、彼の研究を追い自分でもノートをとるなどするモリーの姿は、「報われなくてもいいから」という素直で一途な愛を映し出しています。
それに、シンシアはロジャーには相応しくないと思っていても、彼女をトラブルから救おうとするモリーは、お話の最初では継母に対してかなり子供じみた態度だったのに、この辺りではかなり成熟し、見返りを求めない優しさも見えるようになってきます。

お話はモリーとシンシアのことだけでなく、シンシアの秘密、モリーと父親、父親とその新しい妻の関係の様子、ハムリー家のゴタゴタなど、見所はたくさん

役者さんもみんな良かったと思います。

>>日本ギャスケル研究会のサイト

私の"North and South"「北と南」のレビューは>>こちら


Corpse Bride

2007年01月19日 | Audio Visual

やっとこのDVDを見ることができました。Tim Burtonの"Corpse Bride"です。
大好きなJohnny Deppが主人公のVictorの声をやっています。
アニメーションやお人形に費やされた技術もすごいらしいのですが、お話も私からは大満足の
です。
ビクトリア期を意識した背景でのちょっとしたロマンスなので、このブログのテーマからそんなに逸れてないですしね

ロシアの童話?か何かがオリジナルだそうです。

主人公のVictorとVictoriaは2日後に結婚式を控える婚約者同士ですがまだ会ったことはありません。

漁業でリッチになった(いわゆる卑しい身分の)Victorの両親は、この結婚により上流社会へ進出することができるし、一方、貧乏貴族のVictoriaの両親は家計を立て直すことができるので、二人がためらっていても何がなんでも結婚式はさせる勢い。
(ヒストリカルロマンス小説でもよくある設定じゃないの

全く乗り気でない二人でしたが、実際に会ってみるとお互いに良い人だというのがすぐ分かり、恋に落ちます

ですが、結婚式のリハーサルでVictorは緊張のあまり誓いの言葉が言えず、司祭に怒られ、一人森の中で練習していました。
そしてVictorがきちんと誓いの言葉を言えた瞬間、なんと指輪は地面から突き出た花嫁Emilyの死体の薬指にはまっていたため、死んだ花嫁と結婚してしまい黄泉の世界へ連れ去られてしまいます。

一方、VictoriaはVictorを救おうとがんばりますが、誰も彼女の言うことを聞いてくれません…。
        
ものすごくきれいなアニメーションで、お人形が欲しくなりました
Victorがピアノを弾くシーン、とても良かったです。
なんとしてもVictoriaの元に戻りたいVictorは一生懸命Emilyから逃れようとし、彼女を怒らせてしまいますが、仲直りの時に二人で弾くピアノのシーンも良かったです。

こうして二人の間に友情が芽生えますが、やっぱり元の世界へ戻りたいVictor。でも何ももう手立てはないかのように思われ…。

このアニメーションは2時間もなかったと思いますが、おもしろくて最後まで釘付けになります。ちょっとしたミュージカル形式で楽しいです。(でもVictorは歌わないの

DVDについているおまけの製作過程や、声優さん達のインタビューも楽しめます。


昨日のJournalでは暑い日が続いていると書きましたが、今日は朝から雨が降っています!ずーっと暑くて乾燥した日が続いていたので、ほぅっとします。空気に湿気があって、肌もうれしい…
この乾燥した気候、紫外線(と、水も硬水だからかな?)のせいで、髪が痛みやすいです。口のまわりなどもパリパリになるほど乾燥してたんですよ

今日は予報では最高気温34度でしたが、このまま雨のせいであまり気温が上がらず涼しい日になればいいのに…。今日はこれから眼科検診なので、外出しやすい気温のままでいてほしいです。 


North and South

2006年12月11日 | Audio Visual

BBC TVドラマシリーズ(全4回) North and South (DVD-2005年発売)
ヴィクトリア期の女性作家 Elizabeth Gaskell原作。
1855年初版。

A Must See!  

友達との約束はキャンセル。家事はムシ(私の場合はいつも)。家族や恋人にも邪魔されないようにスケジュール調整して下さい。
というのも、4部作なので、おまけ(特にRichard Armitageのインタビュー!)を見る時間は別で、最低でも4時間は邪魔されない環境を準備しなければいけません!!! 
ハンカチの用意も!

1850年代の産業革命の頃の北部の産業都市を舞台にしたお話。階級の違う主人公二人のロマンスでもあります。
産業都市Miltonの汚い環境になじもうと努力する美しくて芯の強いMiss.Margaret Haleと、決して失敗は許さない厳しいMr.John Thorntonが主役。
キャラクターだけでなく、役者さん二人もとても印象的です。

キリスト教会に信義を見出せなくなったRichard Haleは教会を去り、妻と娘Margaretを連れてイギリス北部の産業都市Miltonへ引っ越します。
イギリス南部の緑の多いHelstoneできれいな家に住み、中産階級の豊かな暮らしをしていたHale一家でしたが、Miltonでは自分達より身分の低い商人や、他人に関心など持たない貧しい労働者達との付き合いが始まります。

それでもMargaretは徐々に労働者達数人と友達になり始めます。しかし、彼らの働く工場の厳しい社長Mr.John Thorntonに対してだけは、初めて会った瞬間から、彼の労働者に対する扱い方などから激しい嫌悪感を抱きます。
数日後、父のもとにプラトンを勉強しに来たThorntonに、Margaretははっきりとそんな自分の気持ちを告げます。

ですが、聡明で自分の意見をはっきりと言うことができ、思いやりにあふれた彼女に対するThorntonの気持ちは強くなる一方。

次第にMargaretは、労働者たちの労働条件の悪さはもちろん、Thorntonなど雇用者側の意見も理解し、板ばさみのような状態になりながらもMiltonでの生活を学んでいきますが、そこでの生活にどうしても馴染めない母のつらさに始まり、様々な困難が続きます。

同時に、麻の需要は減るばかりか、市場ではアメリカ産の安い麻が出回り、Miltonでは低賃金での労働が何年も続いていました。
そして労働者達の不満はつのり一触即発の状態になっていきます…。

時代背景とロマンスがうまく絡んだ、忘れ難い作品です。
          

Johnの母親がこれまた「鉄の女」(でいい感じ)なんですが、息子にはベタベタで、彼もそんな母親を大事にしています。この二人の親子愛には負けます。
Johnのちょっとおバカな妹はこのお話の唯一のユーモラスな部分です。
Hale夫妻も、Hale家の家政婦や、組合をひっぱったMr.Higginsというカリスマ的な労働者も、みーんないいキャラクターで、いい役者さんが演じているし、それぞれの顔が心に残ります。

そして何をおいても無視できないのはThornton役のセクシーなRichard Armitageです!
いつもしかめつらのMr. John Thorntonを演じきったArmitage 
Mr.Darcyを超えています。

Armitage自身がロマンチストなのか、かなり役にはまったようです。役作りのためにたくさん勉強もしたそうで、実際に北部にある博物館にも見学に行ったとか。
最も印象に残ったシーンは?と聞かれて、とてもロマンチックなシーンを3つ挙げています。
Margaretにプロポーズするシーン、MargaretがMiltonを去ってしまうときの馬車を見送るシーンと、Margaretとのキス

私もこの3つのシーン、とっても気に入ってます。
中でもThorntonが、Margaretの乗った馬車を見送りながら"Look back at me...!"と懇願するようにつぶやくところです。

Armitageのキスシーンの感想は、

" 'Was a fine way to spend an afternoon..."
って、顔がにやけてました。でもこのニヤケ顔もかっこよいのです・・・

全く別の役柄だけど、しかめっ面でぶっきらぼうで片思いの女性に思いっきり嫌われる…、と、Mr.Darcyとの共通点もあるMr.Thornton。
Mr.Thorntonとして人気を得たけど、Collin FirthのMr.Darcyと比較されることについてはどう思うかという質問に対しては、「Collin Firthのあの大人気のアタリ役と比べてもらえるなんてすごく光栄に思う」と言っていました。

今度、Jane AustenのPersuasionがTVドラマ化されるようですが、UK Historical RomanceではWentworthの役は彼にしてほしかったヮというコメントも見られます。

North and South Website

原作にはかなり忠実だと思うとArmitageが言っていましたが、どんなでしょうね。読んでみたくなりました。
BBCがTV化したGaskellのもう一つの作品"Wives and Daughters"も見ました。これも良かったので、近々レビューしますね。