ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Mary Balogh: The Proposal & The Secret Mistress

2013年08月31日 | B

お久しぶりー!のレビューです!

ワンパターン化してきたような気がして避けていたMary Baloghの作品ですが、
やっぱり新シリーズはムシできないでしょ!


コテコテのリージェンシーの世界を与え続けてくれるM.バローグ。
勢いは衰えてないとは思うんだけど、Slightlyシリーズのようなスパークが弱くなったような。

今回の新シリーズはヒーロー/ヒロインがなんらかの障害を持っていますが、こういう設定に抵抗感を持つ読者もいるようです。


 The Proposal (2012) 

新シリーズThe Survivors' Clubの1作目。


ヒロインとヒーローがお互い最悪な第一印象から、徐々に愛の気持ちへと変わっていく使い古されたパターン。
ここでバローグなら彼女独特のツイストを加えてくれる…と期待するところですが、イマイチ盛り上がりに欠けました。

Gwendoline(Lady Muir)は、若くして夫を亡くして以来7年間、浮き沈みのない平穏な日々をすごしてきましたが、ある日社交界デビューした当時の知り合いから、夫を亡くして寂しいと手紙が届き、しばらく彼女のところに滞在することになりました。

全く再婚する意思などなかったGwenですが、滞在先の近くのビーチを散歩中に、岩場で足をくじいてしまい、Lord Trenthamに助けられます。
彼とのこの劇的な出会いがきっかけで、Gwenの短かった結婚生活やその後の"平凡"な生活からは感じえなかった感情が彼女の中に沸き起こります。

一方、Hugo(Lord Trentham)はLady Muirのことを、美しいが甘やかされて中身のない貴族令嬢だろうと決め付け、彼女の魅力に惹かれながらも近づく気はありません。
というのも、Hugoの貴族称号は代々世襲されてきたものではなく、お金持ち商人の息子が戦争で手柄を立てたのでもらったもので、貴族には偏見があったのです。
が、貴族になったからには花嫁をもらい跡継ぎを生むようにと周りからプレッシャーがかかっていました。
Lady Muirの住む上流社会を毛嫌いするHugoは、彼女と交際するなんてありえないと思う一方、こんなにもこの女性を自分のものにしたいと思ったこともありません。

結婚に関してはとても用心深くなっているGwenと、女性に対してとても不器用なHugo。
それに加え、社会層の違いというのが二人の溝を深めていますが、お互い話し合い譲歩しあってその溝を埋めていきます。
BaloghならではのH/Hのダイアログが冴えていましたが、ロマンスはドキドキ感に欠けます。
                              
                             


 The Secret Mistress
 (2011) 

こちらはミストレストリロジーの1作目です。
(上のSurvivors' Clubとは関係ありません。)

More Than a Mistress と No Man's MistressはこのブログのSpotlight on Mary Baloghで簡単に紹介してあります。
 

*Spotlight on Mary Balogh記事中に、More than a mistressのカットされたエンディングへのリンクがありますが、リンク先のバローグのウェブサイトから削除されておりもう読めません。*

今回のこのThe Secret Mistressは短編でもよかったんじゃないかと思うほど単調で、変化のないお話でした。

Lady Angeline Dudleyは由緒正しい家系の出身のため、結婚相手もそれ相応でないといけないというのは物心ついた頃から意識していました。
しかし自分の兄弟達のようなワイルドな男性には辟易しているので、Angelneは心の奥底では実はやさしくて穏やかな男性と平凡な結婚を望んでいます。
運よく(?)、Angelineは嫌な男から迫られているところをHeyward伯爵(Edward Ailsbury)に助けられます。
伯爵はAngelineがまさしく理想とする実直な紳士。
Angelineはこの人に決めた!となりますが、果たして伯爵を振り向かせることができるでしょうか…。

Edwardも自分の家系を受け継いで子孫を残すためには、伯爵家に相当するきちんとした家柄の貴婦人と結婚しなければいけないと思っています。
忠実で人を尊重し、礼儀作法が成っているとてもよくできた貴婦人と。

が、ロンドンに到着するや否や、Angelineに出くわします。
とても美しく華麗なAngelineに魅惑されますが、彼の穏やかな生活を脅かしかねない存在でもあります。

Angelineはのファッションは派手で立ち居振る舞いはおてんばそのもの。
こんな女性とは結婚できないと思うEdwardですが、ある月夜の晩に交わしたキスでEdwardの中で何か変化が起こります…。
なんにせよ、女性にキスをしたからには紳士としては結婚しないといけない、ということで、Angelineに結婚を申し込みますが…。

                           

このThe Secret Mistressは随分前に読みましたが、あまり印象に残っていません。
愛人というよりは、結婚後「愛人のように情熱的に振舞って夫の心を奪う」というような筋だったと思います。
Mistressシリーズなのに厳密にはMistressではないんですよね。

今思うと、このトリロジーの中で一番私が気に入っているのはNo Man's Mistressです。
ハートマーク3つではなくて、4つか5つでもよかったんじゃないかと思うほど印象に残ってます。



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