Johanna Nicholls. 2012. Ghost Gum Valley. Simon & Shuster. Australia.
久しぶりのレビューは、オーストラリア人作家による大河ロマンス!
元ジャーナリストが書いたこの小説、私からはハートマーク4つ半
舞台は1830年代の英国植民地ニューサウスウェールズ州です。
流刑地としてどんどん受刑者が送られてくる一方で、少数派だけど英国の上流階級の人たち"Quality"や、"Free Settlers"として自らこの未開の地にやってくる人たちも増えはじめ、さらに赦免を受けて自由になった元受刑者"Emancipist"や、その子供達:生粋のオーストラリア生まれ"Currency Lad/Lass”など、英国とは異なる複雑な社会階層ができあがっていました。
1833年、若きIsabel de Rollandはプランタジネット王家の血が流れる由緒あるde Rolland家を借金地獄から救うため、家長である叔父が薦める相手と結婚することに合意します。
植民地ニューサウスウェールズに住む大富豪Garnet Gambleは、元受刑者のレッテルを「浄化」するため、de Rolland家の借金を肩代わりするかわりに生粋の豪州生まれである息子のMarmaduke Gambleと貴族のIsabelを結婚させようと画策します。
イギリス貴族の娘と結婚なんて寝耳に水のMarmaduke!
自らの結婚式で花嫁に見捨てられたという悲惨な過去があるMarmadukeは、結婚どころか独身女性には目もくれず、人妻専門。
父Garnetととの確執で家を飛び出してからは、経済的にも独立していたMarmadukeは自由奔放な暮らしをしていたのですが、ここにきてまた父の画策に翻弄されることになるものかとかなり抵抗します。
しかし、Isabelと結婚したら、かねてから所有したかった亡くなった母の土地Mingalettaを相続してもいいという約束を受けしぶしぶ承諾します。
Marmadukeのことを「植民地の野蛮人」と一線を引くIsabelと、自由奔放な独身貴族の生活を捨てる気はさらさらないMarmadukeは、初対面から火花が散ります。
しかしGamble邸の華やかさの裏にある謎や過去の幽霊そしてGamble家の人々が、MarmadukeとIsabelを「同志」として結び付けていきます。
受刑者達の貧困な住環境や法律に対する不満などから、暴動がいつ触発してもおかしくない不安定な社会情勢を背景に、家族の確執、名誉を守るための決闘、土地所有への執着、オーストラリア初の劇場の誕生、殺人事件裁判などが話に盛り込まれており、長時間のエピックドラマを見ているようでした。
それに加え、忘れてはならないのがMarmadukeとIsabelの愛。
Marmadukeは婚約した時点で不思議とIsabelの芯の強さに引かれる一方で、不思議な夢遊病に悩まされていることなどがわかってくると守ってあげたいとも思うようになります。
さらに、彼女のいとこSilasが見せる異常なまでのIsabelに対する執着心と彼女の幼少時代の秘密との関わりがわかってくると、MarmadukeはIsabelをSilasから守るため奔走します。
そんな頼りがいのあるMarmadukeにIsabelはどんどん惹かれていきます。
二人にはシェイクスピアや演劇など共通の趣味があったおかげで、最初に打ち解け始めるきっかけにもなりました。
Isabelはオーストラリアという過酷な流刑地・植民地に来て、皮肉にも初めて自由の味を知ります。
Marmadukeの父Garnet Gambleは短気でいつも怒鳴りちらし理解しがたい人物のようでもあるけど、いわば彼の(画策の)おかげでこのような自由や贅沢を味わうことができるようになったのです。
花嫁としてこの家族にせいいっぱい尽くそうと努力します。
彼女が本来持つ愛情の深さや人を信じる心で以って、Garnetも次第に心を開くようになってきます。そして父親と息子の凝り固まった関係をほぐしていき、「浄化」のためだけに英国から取り寄せた花嫁だったのが、彼女のおかげで真の家族へと変化していきます。
力強い物語で印象深いです。
この一冊、私の中では今年のNo.1になると思います。
ヒストリカルロマンスが好きな方にはオススメです。
オージースラングのコミカルさや荒々しさなど、ニュアンスなど分かりづらいと感じる人もいるかもしれませんが、リージェンシーやハイランダーものから一呼吸置いて、新しいものに挑戦してみるのもいいのでは?
私は元々豪州の流刑地・植民地時代には興味津々なので、こんな読み応えのある本(しかもロマンス!)に出合えたのは嬉しいデス。
(タスマニアの刑務所跡ポート・アーサーへ行った時は大興奮だったK)
この作家のデビュー作"Ironbark"も今度機会があったら読もうと思います!
Ghost Gum Valleyの1ページ目の抜粋をここに↓。
1ページ目からスッとその時代に引き込まれていきます…。
Sydney Town, Penal Colony of New South Wales,
December 1832
Marmaduke Gamble felt a surge of something akin to love for the bawdy mistress of his native land.
You'll never be a lady, Sydney. But you're my kind of woman. Lusty, voluputuous, gutsy, mercenary - but dead honest for all that.
The marine blue of Port Jackson's giant harbour, busy with convict transports and trading ships under sail, reflected the electric blue of a summer sky so high, so cloudless that Marmaduke was shocked to realise the truth. It had taken four years travelling the northern hemisphere for him to forget the magic of an Australian sky.
Ashley March. 2010. Romancing the Countess. Signet Eclipse.
私はAshley Marchの作品は初めて。
ネットでいい評価が出てたので、随分前に買ってありました。
結果はハートマーク4つ。
読み応えアリ
Sebastian(Wriothesly伯爵)は、美しくて非の打ち所のない完璧な貴婦人だと溺愛していた妻を事故で亡くします。
しかし、その事故で死んだのは最愛の妻だけでなく、妻の愛人もその事故で亡くなります。Sebastainは、最愛の妻を亡くしたことと同時に、妻に愛人がいたこと、さらにその愛人とは自分の親友Ianだった・・・と、何重ものショックを受けます。
息子Henryの出自を疑われてしまうと恐れたSebastianは、妻の不貞をなんとしても隠し通さなければならないと決心します。
が、Ianの妻、Mrs. Leah Georgeは次から次にスキャンダルを呼ぶような行為に走ります。
Leahは1年近くも夫Ianが浮気をしていたのを知っていました。
誰にも相談できず、表面では幸せな夫婦を装っていなければならず、生きながら心は死んだような生活を送っていました。
彼を愛していたし、彼も自分を愛していると思っていたのに。
Ianが死んだと分かった時、彼がこの世からいなくなってしまったことは悲しかったけど、同時に「もう彼を待つこともない、もう彼女の香水を彼の体から匂うこともない」と、囚われの身からすーっと開放された気持ちになります。
これからは何のフリをすることもない、自分の好きなように生きるんだと決心します。
ハウスパーティーをするなど、喪に服している未亡人がとうていやるようなことではないことを次から次にやってのけるLeah。
しかし、スキャンダルを避けたいSebastianがことごとく介入。
互いの妻・夫に裏切られた心の傷を負った二人のロマンスは、お互い傷ついているからとか、寂しいからとか、恍惚の間の出来事ではなく、このような悲劇の中で自分を見つめなおし、互いのことを改めて知り合い、恋に落ちていきます。
とても印象的なH/Hです。
ただ、SebastianとLeahの心情はあまのじゃくな書き方がしてあったので、読者はそこを読み取らないと、二人がどうやって恋に落ちるのか納得がいかないかもしれません。
本の裏表紙のあらすじにはSebastianがLeahを誘惑してスキャンダルを阻止…みたいなことが書いてあったけど、そんなに安っぽい話じゃなかったです。
各章の初めに、Sebastianの妻AngelaがIanに宛てたラブレターが出てくるのですが、それも悲劇の愛を描いていて切ないです。
でもLeahはCountess(伯爵夫人)じゃないのにナンデ題名はRomancing the Countessなのかな・・・。
ま、いっか
Kasey Michaels. 2010. How to Beguile a Beauty. Mills and Boon: High Society Affairs.
Lady Lydia Daughtryには愛する婚約者がいましたが戦死してしまいます。
戦死の知らせを持ってきたのがその戦友だったMalvern公爵。
最初はLydiaは愛する人の死の知らせを持ってきた公爵をどうしても好きになることができず、避けようとしていましたが、徐々に公爵の魅力に惹かれていきます。
でも公爵は別の女性と婚約発表間近。そんな人には惹かれてはいけないという気持ちと、亡くなった婚約者への気持ちとの狭間で困惑します。
公爵は死に際の友人にLydiaを大切にすると約束します。
死の知らせを届けた公爵はLydiaを一目見た瞬間から、大切に扱うだけではなく、自分のものにしたいと思うようになります。
しかしLydiaがどれだけ友人のことを愛していたかを知っている公爵は、彼女自ら婚約者の死を乗り越えて、自分を選んで欲しいと思うようになり、Lydiaを社交界のあちこちへエスコートします。
そんな中、公爵が婚約間近とうわさされるいとこがまとっていた宝石がいつのまにか偽物であることが分かったりと、ちょっとしたミステリーも絡んでます。
広く読者ウケはしても、お話は生ぬるいものが多いハーレクイン(Mills and Boon)。
色々出版社が枝分かれしてて、このHigh Society Affairsもその中の一つ。Mills and Boonとかハーレクインの独特なカバーを自動的に避ける私としては、こうやって姿を変えて出てくるハーレクインにまたやられてしまいました。
うまく書けてるんだけど、満足度は低めです。
Tracy Macnish. 2009. Stealing Midnight. Zebra Historical Romance.
久しぶりのレビューはコレ!
オススメの1冊なのでご無沙汰もゴメンして(?)
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
ゴシックノベルを匂わせる独特の雰囲気。
息子の急死から立ち直れず狂ってしまった科学者である父を持つOlwyn Gawain。
父の狂気と暴力のために屋敷から一歩も出られない生活がもう何年も続いていました。父は息子の死因を解明するために、死んだばかりの遺体を違法に手に入れては解剖を繰り返す日々。Olwynはそんな父の手伝いを強要されていました。
ある日、Olwynや父、またその助手が驚いたことに、手に入れた男性の「死体」が虫の息でまだ生きていました。
普段は父に逆らわないOlwynですが、この時ばかりは、このまだ若く容姿端麗な男性を命を懸けて守ります。父に銃をつきつけ、この男性を連れて屋敷から逃げ出します。
この生き返った死体、Aidan Mullinは公爵家の息子でした。Aidanはこの魔女のような雰囲気が漂い妖艶で、謎に満ちたOlwynに惹きつけられます。
AidanはOlwynを命の恩人として家族に紹介したいので、嫌がるOlwynを説得し、二人は公爵家へと旅を始めます。
日ごとにAidanはOlwynを好きになり始め、婚約者が待っているのに、なんとかOlwynを自分のもとに引き止めておきたくなります。
Aidanには双子の兄弟がいます。
実はAidanもその双子の片割れもどちらが兄か知らされていません。
両親の二人とも平等に育てたいという意向で、誰が跡継ぎか知らされていないのです。
それでも、AidanはもしOlwynが自分が公爵家の跡取りかもしれない、そうじゃなくてもOlwynには想像もつかないような上流社会の人間だとばれたら彼女を永遠に失ってしまうかもしれないと悩みます…。
(それでなくても婚約者もいるしね)
Olwynは、きっと自分には手の届かない世界の人間で、しかも婚約者のいるAidanと、彼が言うようにずっと一緒に居れたらと切実に思いますが、様々な理由から自分にはそんな人生は無理だと自分に言い聞かせます…。
Aidanの苦悩の一つ、「誰が跡取りかわからない」はOlwynが苦しんできたことに比べたら取るに足らないものだとも思ったけど、それでも全体的にはこの主人公二人の苦悩と心情はリアル感溢れ、読み応えがありました。
Olwynの父のことや、腐敗臭が漂う地下、Olwynの容貌などだけでも、このお話はゴシックな雰囲気たっぷり。でもAidanの誠実さと情熱や彼の家族の優しさでOlwynの心が打ち解ける時、暗い地下で一筋の暖かい光で体を温められたようになります
なんだか高尚なリージェンシーのお話を期待していたのにナニコレ?という読者がアマゾンではチラホラみられますが…。
ハイ。普通のリージェンシーロマンス小説です。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
外交官である父のおかげで、これまでほとんど海外で暮らしてきたGaill一家がロンドンへ帰ってきました。ちょうど年頃になったGailと美しい姉のEvangelineを結婚させるためにも家族は社交界デビューの準備で大忙し。
そんな忙しさから逃れるためGailはある日の早朝乗馬に出かけ、Max(Fontaine子爵)と出会います。
Maxが馬をコントロールしかねているところをGailが助けようとしたため、二人は池にボチャン。
MaxはGailが無理なことをしたと責めたため、二人の出会いは最悪なスタートとなります。
Maxは若い頃から父との確執が続いており、今年の社交界シーズンが始まるのを目前にその父から、今年中に結婚しないと勘当すると言い渡されてしまいます。
まず最初に適当に出席したパーティーでEvangelineと出会います。
月の光が差す人気のない温室…というロマンチックな雰囲気の中、美しいEvangelineについついキスしてしまったところを召使に見られてしまい、Maxは次の日に結婚を申し込み、二人は晴れて婚約。
が、Evangelineの妹があの気が強いGailだと分かり愕然…するも、会えば会うほどMaxは自分の婚約者よりもその妹であるGailのことばかりが気になってしかたありません…。
と、ここまでダラダラ話が進み、後は予測可能の展開でした。
アマゾンでは絶賛の読者がいますが…。
確かに文章表現のせいで出だしは「おっ、本格的か?」と思わせるものだったけど、その後徐々に表現は怪しくなってくるし、内容も先に読み進ませる面白みに欠けます。
H/Hのロマンスも生ぬるく、結果もお定まりです。
でもWallpaperのヒストリカルやリージェンシーロマンスが多い中、よくがんばったのと^^;、キャラクター達の個性が生きていたので、欠点はカバーできていたかと…。
子供向けのおとぎ話のような表現や話の展開ですが、たまにはこういうのもいいです。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
Gwendolyn Wilderが住むスコットランドの小さな村、Ballyblissにある荒城Weygraigにはドラゴンが住んでいると信じられています。
ただのうわさや迷信ではなく、実際に、夜な夜な吠え声が聞こえてくるばかりか、定期的に食べ物などを要求する手紙が村に届きます。
何を要求されるか分からず不安な村人達に、またドラゴンから新たな手紙が届きます。今回はその手紙に、"Innocent Blood(罪のない人々の血)"がどうのこうのと書かれていたので、村人は恐れや不安から勝手な解釈をし、"Innocent Blood(純潔の血=処女)"を捧げなければいけないと言い出します。
だいたい15歳あたりで処女とおさらばするのが普通…^^;のBallyblissでは、そんな純潔な女性を見つけるのは大変。それにドラゴンの生け贄にしてしまうんだから、いなくなってもあまり惜しまれない人を選ぼうということになります。
そして、ちょっと頭がおかしくなってしまった父の面倒を見ながら静かにくらしていたスピンスターのGwendolynが選ばれます。
実はWeygraig城のドラゴンの正体とは、昔この城の跡取りだったBernard MacCullough。自分の父親を裏切った反逆者を見つけ敵を討つためにBallyblissに戻ってきていたのです。友人のTupperと共に偽のドラゴンの存在を創り出したのも、その復讐計画のため。
いつものように食べ物を要求する手紙を村に送りつけたら、なんと村人達は城の前庭に杭にくくりつけられたGwendolynを残して去っていきました。
こんなひどいことをするなんてと憤ったBernardはすぐにGwenの縄を解きますが、ここで彼女をすぐに村に返すと彼の計画がダメになるかもしれないので、しばらく捕虜としておくことにします。
これといって目新しい筋書きではなく、お話も短め。でもおとぎ話を読んでいるようで楽しかったです。
Metzgerの作品は初挑戦です。RITA賞を獲得した作家さんだということだし、あらすじもおもしろそうだったので買いましたが、期待ハズレでした。
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Heroine:
Sensuality:
Harry Harmonは英国に仕えるスパイ。変装のプロです。
今度催されるとあるハウスパーティーにフランス側についた英国人スパイが混じっているということが分かり、参加することになります。
が、このハウスパーティーは、紳士達が各々の愛人をつれてくるスキャンダラスなもの。そしてその女性達も、美しさだけでなく様々な分野で競争し、男性達が賭け事をするというのも主な目的の一つです。
Harryは、女性の趣味のよさを見せ付ける放蕩者の仮面をかぶるために、美しいだけでなくこの競争事に勝つことができる、教育も受けていて何でもできる高級娼婦が必要になります。
そしてそんな女性に最も重要な要素は、うそをつかないということ。というのも、Harryは、ウソをつかれると口いっぱいに苦い味がするという特殊な能力を持っているのです。
両親に死なれ、財産もなく、弟と二人きりになってしまったSimone Ryland。住み込み家庭教師になり、弟の学費だけはやっと払うという生活がしばらく続いていました。が、住み込み先の家の主人や若い息子に襲われそうになるというのが何度かあり、結局、最後には自分の身を守ろうとして家の主人を火かき棒で殴って傷つけてしまい、職を失います。もちろん、紹介状などもらえなかったので次の就職も出来ずにいました。
食べ物もなくなり、売るものもなくなり、家賃も払えなくなると、住んでいたアパートのお向かいに見える売春宿へむかいます。
そして、ちょっと頭がおかしそうな老人Harrison少佐に紹介されます。
と、おもしろいのはここまで。
Harryが前半、Harrison少佐としてSimoneの前で生活していなければいけなかった理由や必要性がよくわかりません。売春宿の経営者でもある友人女性から連絡を受けてからSimoneに会うまでに時間がなかったというのが理由ですが、こじつけっぽいです。
どうしてもHarryが変装名人だということにしたかったんでしょうけど、たいしてこのことが重要な役割を遂げているわけでもありません。
ハウスパーティーに参加してからは、もっとお話はつまらなくなります。
スパイを探る部分のお話は、Harryが手紙でロンドンにいる関係者と手紙でやり取りするだけ。彼の命が狙われていると繰り返される割には、スリルもサスペンスもありません。
じゃ、ハウスパーティーで何が起こるかと言うと、高級娼婦達が縫い物や、水彩画、音楽の才能などを競い、男性陣が誰が勝つか賭けをするというものです。
色々な背景を持つ女性達それぞれがお話内で紹介され、それぞれの競争でその内の誰かが勝つわけですが、これがこのお話の醍醐味だったんでしょうか。
私は全然楽しめず、うたた寝ばかりでした。
HarryとSimoneのロマンスもよく探さないとダメなほど希薄。
それに、お話がおもしろかったら、ロマンス小説お約束のラブシーンもほとんどなくキスだけだったというのも気にならなかったでしょうね…(「え!?それだけ?それだけ?」)。
買って損した一冊でした。
Donna MacMeans. 2007. The Education of Mrs. Brimley. Berkely.
HRデビュー作。絶版になったパラノーマル作品もあるようです。
Story:
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Heroine:
Sensuality:
どうしてもこの仕事が欲しかったEmma Brimleyは、ある女学校の教師の口に未亡人として申し込みます。
Emmaの望みは願ったりかなったりで見事就職します。
が、学校に到着して自分の専門教科のほかにもあることを教えてもらうのが条件だということがわかります。
結婚前の子女のための性教育です…。
実はろくにキスもしたこともないEmmaは、これを引き受けないと田舎に追い返されるかもしれないという窮地に立たされます。
そこで、学校からの迎えの馬車の中でたまたま一緒になったLord Nicholas Chambersのことを思い出します。
この近くに住むChambersは、"Lord Bedchambers"と呼ばれる女たらしで有名。
女学校では彼の邸宅にも近づくなと厳しく言いつけられているほど。
でも、彼だったら何か役に立つ本を持っているかもしれないとEmmaはNicholasを訪ねます。
絵の才能を持つNicholasは、交換条件を申し出ます。
本も貸してあげるしどんな質問でも答えてあげるかわりに、自分の絵のモデルになることが条件だと。Emmaの困ったことに、ほとんど裸に近い状態でのモデルです。
『未亡人』とはいえど、教師としての立場もあるEmma。Nicholasと会っていることだけでなく、裸同然でモデルをしていることが世間に知れれば、スキャンダルになるどころか、仕事も失ってしまうので、周りには極秘で二人のレッスンが始まります…。
NicholasとEmmaの過去をもうちょっと掘り下げて説明して欲しかったです。これが物足りなかったから、NicholasがEmmaとの関係に思い切って踏み出していけない気持ちがよく伝わってきませんでした。途中から「何を渋ってるんだろう?」とばかり考えてました。
Emmaの亡くなった家族や、田舎に留まっていたくなかった理由などももっとよく知りたかったです。
でも、全体的には十分楽しめる一冊です。
ヒロインは完全な詐欺師だと思ったんだけど…。
Story:
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Sensuality:
売春宿のお掃除係のメイドだったApril Jardine。
そろそろ売春婦としてデビューして欲しいと経営者のマダムから迫られる今日この頃。一文無しで宿を出ていくかデビューするかの選択に迫られます。
と、苦悩していたAprilですが、ある日偶然にマダムがロンドンNo.1の高級娼婦だったころの日記を発見。当時の『顧客』やマダムの恋愛関係が微細にわたって書かれています。
Aprilはこの身分の高い立場にいる『顧客』達を利用して、一儲けする計画に乗り出します。
が、この詐欺行脚はJonah Hawthorneという公爵に出会い、裏目に出ます。
Jonahの息子Rileyは有名な判事でもあり、人のウソを見抜く能力が人一倍優れています。
RileyはAprilは絶対にウソをついていると確信しており、彼女の正体を暴き刑務所行きにさせると意気込んでいましたが、いつしか、その辺のロンドン貴婦人達とは違い快活なAprilとの会話を楽しむようになり、彼女を助けたいという気持ちに駆り立てられるようになっていきます。
クライマックスは、Aprilの裁判。Rileyが弁護人です。
これがいいと言う読者もいるかと思います。ドラマチックで、ハラハラします。
私は、全体的にありえないお話なのでちょっと引いてしまったし、裁判の様子も、詳しいことは知らないけど、リサーチ不足だったのでは?と思わされるところもありました。
ま、「ホントかよ~」な部分がなければこのお話は成立しないんでしょうけど。
作者が敬虔なキリスト教徒らしく、"Faith"とか"Forgiveness"のようなコンセプトがチラホラ。これも、お話全体と、特に「???」な裁判の展開と判決に影響しているのかな、とも。
でも最後まで読ませるドラマはあり、最初から最後まで楽しめます。
Marcosも期待の新人作家。次も期待。
オススメかな。
私は久しぶりに最後まで一気に読めるものに出会えたので、これは楽しめました。
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Sensuality:
Black Widowと呼ばれる謎の喪服の女性は、Devil's Chateauに収監されている男性を一人二人と連れ去っていきます。理由は快楽の虜にするためだといううわさ…。
そのうわさが本当かどうかは定かではありませんが、一つ確かなのは、連れ去られた男達は2度とシャトーには戻ってこないということでした。
拷問に継ぐ拷問を受け、餓死寸前のReed Harwoodは真っ暗闇の中でただ死を願っていました。
Black Widowのうわさは聞いたことがありましたが、まさか瀕死の状態の自分を選ぶとは思ってもみませんでした。
Reedが回復し始めると、このBlack Widowは実は若くて美しい未亡人であるFleur Fontaineであることが分かります。
死人意外彼女の魅力に抗うことなんてできないんじゃないかと思うReed。Fleurの純真な容姿と心の虜になっていきます。
あとは裏表紙のあとがきにも書いてないので、読んでからのお楽しみ。
感動モノでもないし、たくさんあるラブシーンはワンパターンになってしまっているし、サスペンスのほうもありきたり。
Fleurが子供が産めない体だという設定も、絶対最後には覆されるのはわかっているんです。
でも、H/Hの二人が惹かれあう引力のようなものはよく伝わってくるんです。
最近満足のいくものをあまり読んでいないせいもあるんでしょうか。私はこれ、満足でした。ハートマークが一つ減ったのは、上に書いたとおり。お定まりっぽいので新鮮さに欠けます。
私はコニー・メイソンは今回が初めてかも。他の作品も読みたくなったのでざっとチェックしてみたのですが、全部表紙がすごいですね。
今回のも人前では読めない表紙ですが、個人的にはちょっと気に入ってたりして。
Kat Martin. 2005. The Bride's Necklace. Mira Historical Romance.
Necklace三連作のBook1。
邦題は『花嫁の首飾り』だそうです。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
Whitting家に受け継がれる家宝、真珠とダイアモンドのネックレスはいわくつき。
そのネックレスを見につける者には最大の幸福が訪れる - 幸福に恵まれなかった場合は最大の不幸に見舞われる…。
変なジンクスですよね。
このネックレスがなくても、だいたい人の人生なんて幸・不幸の入れ替わりだし、人が幸・不幸を感じるのはだいたい主観によるし。
もとい。
とても美しいけどまだうら若い妹Clareが義父の性的いたずら、果ては暴行の標的になると分かると、姉のToryはお金になりそうな家宝のネックレスを持って妹と家を出ます。
上流出身のお嬢様2人、しかもClareは美人で心は優しくてもお金を稼ぐことに関してはまったく役に立ちません。Toryが困り果てて絶望のふちに立たされていた時、幸運にもBrant伯爵家のハウスキーパーとして雇ってもらうことになります。
最初は妖精のような雰囲気を漂わせるClareに目が行ったBrantですが、すぐに知的なToryのほうが気になり始めます。どうしても最初はClareの美貌の影になってしまうToryですが、実は彼女も魅力的。
Toryももちろんハンサムで危険な感じの伯爵に惹かれていきますが、身元がばれるのを避けるためもあり彼には本当のことは話せません。
でも徐々に、逃亡の生活の疲れや、好きな人に全てを話すことができない心の疲れからToryは一夜だけでもと伯爵と一夜を共にします。
フランスで戦争捕虜として捕まっている伯爵の親友を救い出す計画もお話に絡んできます。次のお話のヒーローとなる人で、かなり興味深いです。いわゆるWounded Heroですか。
1作目のクライマックスともなったこの救出劇自体や、この救出作戦でToryが買って出た役など、ちょっとそれはないでしょと思った部分があったのでハートマークは減りましたが、全体的には軽快で楽しめました。
Book2: The Devil's Necklace
Book3: The Handmaiden's Necklace
このトリロジーは2005年内に終了しています。翻訳ももう3作目が出たのかな?
そして、注目・期待のヒストリカル新シリーズ:
Book1: Heart of Honor (作者ページへリンク)
Book2: Heart of Fire
邦題は「ハイランドの戦士に別れを」。 ←? 誰もお別れは告げないけど…?
楽しめたけど、1作目のほうがうんと良かったです。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
1作目のヒーローの友人で出ていたGrimmと彼がずっと片思いしてきたJillianのお話。
Grimmは伝説のベルセルクの血を受け継いでいます。でも自分が何者だか知らないので、大切な人をこの恐ろしい力で傷つけてしまうかもしれないと、一人で生きていくと心を決めています。
それに因縁の敵も、何年もあきらめずにGrimmの命を付け狙っているのです。
1作目のヒーローの城で、それでも平和に暮らしていたGrimmですが、ある日Jillianの父親から「Jillianのために来てくれ」と一通の手紙を受け取り、すぐに駆けつけます。
前半はこの二人が再会して、Grimmが自分が何者であるか少しずつ受け入れていく様子と、JillianのGrimmに対する変わらない気持ちが描かれています。でもこの前半があんまりおもしろくありませんでした。
後半はGrimmとJillianがGrimmの長年の宿敵に立ち向かう様子。
楽しめたけど、予測可能な展開でした。
すごく気になったのは、言葉使いが現代的すぎるのと、H/Hの会話は、アマゾンで"Cheesy"「安っぽい」と表現している人がいますが、その通りだと思いました。
設定もクサかったです。
3人のハンサムで筋肉隆々のスコッツマンに結婚を迫られるブロンド美人…。
でもこの美女が好きな彼は振り向いてくれないからなんとかして振り向かせてみせるワ!、みたいな。
もちろん、現実だったら憧れる設定だけど、今回のお話では、ヒーローがあまりヒロインと絡んでこないし、ヒロインももう少し知的だったら良かったのになーという感じでした。
"I hate you!"とヒロインが叫んで終わる痴話げんかは高校生カップルレベルでした。「ブロンド女はバカだ」という世間で言われているジョークを証明するかのように、Jilllianは知的な女性とは言いがたかったです。
ブロンドといえば、1作目のヒロインが『ブロンド美人』だったので、2作目ではもっと容姿の違う女性にしてほしかったです。現実のモデル世界などでよくあるブロンドでスタイルのいい女性を偶像崇拝する傾向にはウンザリなので。
それに作者自身がブロンドですっきりとした容姿の女性なので、ヒロインの容姿の描写を読むたびになんだかキモかったです。
レビューサイトの評価です。
Amazon.com: ★★★★1/2
RT Reviews: ★★★★1/2
AAR: D+ (!)
Barnes & Noble: ★★★★1/2
>>My Review on Book1: ハイランドの霧に抱かれて
Deborah MacGillivray. 2007. In Her Bed. Zebra Historical Romance.
The Dragons of Challonシリーズ2冊目。
アマゾンでは、カルト宗教を思わせる熱狂したコメントが並んでいるばかりか、評価★★★をつけたレビューアーが作家本人からも噛み付かれています。おそろしや~。でも私からも「普通」のハートマーク3つです。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
Damian St.Gilesは見知らぬ場所で目を覚まします。
二日酔いのような激しい頭痛がするばかりか、ここがどこかも検討もつきません。
しかも、ベッドの上で素っ裸で鎖でつながれていたのです。
すると夢で見たような赤毛の美しい女性があらわれ、彼を誘惑し始めます。
Lady Aithinne Oglvieは領地や民を守るため、死んだ伯爵と結婚したと偽り、妊娠して跡継ぎを確保するという方法をとります。
三つ子の弟達がさらってきた『種馬』というが、Damian St.Gilesでした。
アマゾンでみんなから噛み付かれているReba Belleの言っていることに全て同意。
作家本人に言わすと、「ヒロインがDamianの言動を勘違いしているのをそのままとらえたのだろう。そんなあなたはきちんとお話を読めていない」と息巻いています。
コヮ…。
それにしても、自分のお話を弁護する作家って、あんまりカッコよくないヮ。
ま、どちらの言い分もわかりますが、やっぱり、Reba Belleに賛同です。
AithinneがどれだけDamianを思っても、彼は彼女のいとこTamlynに片思いしているんだと思い込んでいるあたりですが、その思い込みを覆す、読者もヒロインも納得の行くような展開は最後の最後の最後までなく、それも物足りないし、H/Hはケンカばかり。
DamianがAithinneを自分のものにするぞという気持ちは分かるのですが、それなのに、彼のAithinneに対する冷たい態度やTamlyn優先(とAithinneには見える)の言動を読んでいると、おもしろくないと感じるのはヒロインだけではありません。
パラノーマルがここ数年流行っているようで、このシリーズも「スコットランドと言えば…」のような神秘的要素もありますが、このお話ではマイナス作用になっています。
Damianは将来が見える力があり、彼の妻を夢に見ます。そしてその姿にそっくりなTamlynに思い込みの恋をしてしまうのです。その後、実はあの女性はいとこのAithinneだったんだと分かっても、この将来が見える力のおかげで「彼女はオレのものだ」と強く信じ込む気持ち以外、DamianがAithinneをどう好きなのか十分描写されていませんでした。
最初のH/Hのベッドシーンですが、DamianはAithinneをTamlynだと思い込んでいます。あとでTamlynではなかったと分かるんだけど、でもラブシーン中はずっとTamlynだと思ってるんです。
レビューアーのReba Belleが言うように、私もこれには最後の最後までヒロインの立場で苦い思いをしました。
一方、作者本人や信仰者のコメントによると、これはDamienがその後すぐにあれはTamlynではなかったんだと悟るから、何も悪いことではないんだそうです。
Reba Belleや私のように感じた人は、「きちんとお話を理解していない」んだそうですよ。
アマゾンがあまりにも高評価でレビューアーのコメントもすごい勢いなんですが、私はどうしても納得が行かなくてAARとRT Reviewsもチェック。
RT Reviewsでは★★★。
AARではこのBook2のレビューはないけど、Book1の"A Restless Knight"があり、それはC+。このBook2は1とプロットがそんなに変わらないそうなので、いい目安になるかと。
もう1冊別の本がレビューされてますが、なんとFです。
と、このあたりを見ると、MacGillivrayの人気はもしかしたら偏っているのかも、とも思います。
良かった点は…あるけどあんまり思い出せないです。
ヒストリカルの設定は、私はスコットランドの歴史には無知だけど(ほかの事に関してもそうだけど)、ウォールペーパーでないのは確か。MacGillivrayは、ヒストリカルロマンスではなくて、ヒストリカルを書いたほうが良さそうな表現力を持っています。
読んでも損はしないし十分楽しめるけど、ヒロインに感情移入するとマイナス面が目立つ一冊。
上條ひろみ(訳) ヴィレッジブックス ソニー・マガジンズ
Karen Marie Moning. 1999.Beyond the Highland Mist.Bantam Dell.
このハイランダーシリーズBook1は、RITA賞の中の2つの賞にノミネートされたんだそうです(でも受賞は逃した…)。
2007年5月にDellから再版されてます。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
若い神の彫刻さながらの完璧な顔立ちと、ヴァイキング戦士のような肉体を誇る伯爵ホーク。16世紀のスコットランドに住む女性は皆、彼に心を奪われていた。
しかも人間だけではなく、妖精の女王までもが彼の魅力の虜になってしまった。
それを知った妖精の王は逆上して、お抱えの道化に命じる - 絶対にホークに恋をしない未来の美女をホークのもとに送り込み、彼を苦しませてやれと。
道化が白羽の矢を立てたのは、類まれな美男にだまされて辛酸をなめた20世紀の女性エイドリアン。
いやおうなく16世紀にタイムスリップさせられた彼女の運命は果たして…?
以前、りおんさんの「ロマンス小説感想日記」で紹介されていて、ずっと気になっていました。
でもりおんさんの記事を読んでからもうしばらく経ってしまってたので、先日、タイトルも作者もうろ覚えの状態でたまたま、「こんなお話があった。気になってる」とカナさんに話したら、これではないか、「ゼヒ読んで」と譲ってくださいました。
感謝感激!
Emailで寄せてくださった感想にもウンウン。私も、2人の筋肉隆々の美男子に取り合いされるヒロインの立場になってみたら…なんて、「キャン」でしたヨ。
これぞロマンス小説の醍醐味ですよね。
現実なんて…。
話を暗くしてはいけません。
私が一番ドキドキさせられたのは、ホークのエイドリアンに対する「所有物欲」。
「彼女はオレのものだ!どこにもやらない」っていう一途で激しい彼の思いを読むたびに、もう足腰が立たなくなるんじゃないかと思わされました。
お話全体がすごく良かったので、わざわざ細かいことを言う必要はないのですが、私の性格が性格なので…。
エイドリアンが、20世紀の人生の中で友人らしい友人がいなかったのにはちょっと違和感を感じました。彼女がいなくなっても誰も心配しないの?お手伝いさんみたいな人だけ…?そんな「友人ゼロ」みたいな人って、大丈夫なの?って。
でも、我慢強くて、つらい過去を乗り越えようとしてるのに、魔法に左右されたりして。それでもたくましく生き抜いてる彼女は、絶対に嫌いにはなれませんよね。
もう一つ細かい点。
エイドリアンは、スコットランドもののドラマをよく見てたから、16世紀のハイランドにタイムスリップしたときもアクセントをうまく真似することができたとなっています。でも、16世紀の英語をスラスラ話せる言語学者さえそうそういないんですけど…。
でも、まぁ、この辺はロマンス小説なので…。
Book2はホークの友人グリムのお話のようですね。
早速、図書館で予約してしまいましたよん。
Karen Marie Moningのサイトは>>こちらから。
美人さんです。
Book2: To Tame a Highland Worrier 「ハイランドの戦士に別れを」
Book3: The Highlander’s Touch 「ハイランドの妖精に誓って」
Book4: Kiss of the Highlander
どれもAmazon.comでは読者の数も多いし高評価ですね~。
久々の中世モノ。
でも、がっかり・・・
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
Sensuality:
ヘンリー2世の頃のお話。
長期間続いた氏族間の争いを止めるめるため、Maggieは村中の女性を率先して教会に立てこもります。その間、女性たちは料理することも家族の面倒を見ることも全て拒否です。全て。
男性陣はだまっていられるわけもなく、英国の男爵の爵位ももつ、氏族長の弟Braden MacAllisterが幼なじみのMaggieのところへ交渉をしに行きます。
Bradenはとにかく、女性が自ら彼に体を投げ出すほどハンサムでセクシーということになっています。そういう女性と遊びくらす人生だとも。
Maggieは実は幼い頃から彼に片思いしていました。でも、ただの彼のまわりに数多くいる遊び目的だけの女にはなりたくないので、彼の誘惑たっぷりの交渉には一層警戒してかからなければいけません。
感想ですが、もう・・・、今回は本当はあらすじも書かずに、「ノーコメント」っていいたいところでした。ほんとにコメントするところのないお話なんです。
あるとすれば、文句だけ。
文章表現、お話の筋書き・展開、何もかも、読者の知性をバカにしてるの?としか言いようがないんです。お話が一貫していないし、キャラ描写も陳腐。
プロの作家の作品とは思えない稚拙さがあります。
ロマンス本専門店のお姉さんからのオススメだったし、作者自身いくつか他の作品も出してるし、名前はよく聞いていたので、ハズレではないだろうと思ってただけに、がっっっかりです。
ハッピーエンドにさえなればいいってもんじゃないです。