ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Regency Pleasures

2012年04月03日 | A

Louse Allen. 2005/2012. Regency Pleasures. Mills&Boon.


A Model debutante
Miss Talitha Greyは誰にもいえない過去があり田舎でひっそりくらしていましたが、亡くなった叔父の遺産を相続し、人生は一転します。

お金持ちの令嬢となったTalithaはロンドンでLady Perryのシャペロンの元デビューすることに。過去の暗い秘密を抱えるTalithaですが、Lady Perryには迷惑をかけまい、模範的なレディーになることを自身に誓います。

問題は、Lady Perryの甥Lord Arndale。容姿端麗なばかりでなく、Talithaの秘密を見抜いてしまいそうな眼差し…。


The Marriage
Debt
膨大な額の借金のせいで刑務所行きになるかという悲惨な状況に陥ったKatherine Cunningham。最後の手段は、絞首刑を待っている受刑者と結婚すること。そうすれば、犯罪者/夫が死んだ時点でKatherineの借金も帳消しになるからです。

が、Katherineが結婚した相手Nicolas Lydgateは実は貴族、しかも公爵家の跡継ぎであることがわかり驚きます。
初めて会った時から彼に不思議な好意を抱いていたKatherineは、Nicolasが無罪だという主張を信じ、彼を救うために奔走します。


Louise Allenの作品はあまり読んだ記憶がないなぁと思いながら手に取りました。
The Marriage Debtのほうは以前読んだ時に気に入ったので覚えていました(作家との題名は覚えてなかったけど^^;)

2作とも充実感あり。オススメ。


こっち↑が私が買ったほうのカバーでした。

リージェンシーコレクション
Regency Secrets:Julia Justiss
Regency Scandals:Sophia James (ゴミ箱行き)
Regency Rumours:Juliet Landon
Regency Improprieties: Diane Gaston
Rengency Marriages: Elizabeth Rolls
など


The Madness of Lord Ian Mackenzie

2010年01月28日 | A

Jennifer Ashley. 2009. The Madness of Lord Ian Mackenzie. Leisure Historical Romacne.

これ、見逃していた方、絶対読むべし!

Story:       
Dialogue:  
Hero:        
Heroine:    
Sensuality: 

90年代は忘れられない良い作品がボロボロ出ていたもんだけど、そういうものを創りだすにはヒストリカル・リージェンシーロマンス分野の作家さん達には最近はもうちょっとがんばってもらわないと…という低調気味が続いてたように思うんです。

でもこのJ.Ashley、やってのけてくれました!

現代だったらいわゆる自閉症とされるだろうLord Ian Mackenzie(公爵の弟)がヒーローです。
Ianはとても賢く、嘘がつけず、兄達や世話係も兼ねている側近以外との人間関係を築くのはとても難しいので、公爵の政治・外交の仕事の手伝いをしたり、趣味のアンティーク陶器を収集したりして人目を避けるように暮らしていました。

Ianの中で一番彼が怖れていたのは、自分の激しい怒りを抑えることができないこと。
彼の特異な性質もあいまって、子供の頃、自分の父によって「頭がおかしい」とされ精神病院へ送られてしまいます。
実験、治療と称する虐待を受け続け、Ianは悲惨な子供時代をそこで過ごしたけど、父が泣くなり、長男が公爵領を継ぐとすぐさま、ついに家に連れ帰ってもらうことができました。

が、世間はIanを「気ちがい」とみなしたままだし、Mackenzie家にまつわる悪いうわさなども兄達は一向に気にする様子もなく否定しません。


そんなIanの心を射止めるのは、Mrs. Beth Ackerly。
Bethも貧困のつらい子供時代を過ごしたけど、ロンドンの下町の牧師と結婚し、一時の幸せを味わいます。
牧師の死後、再び貧困生活に見舞われたけど、なんとかかんとか、とある上流社会の身寄りのない老婦人のコンパニオンとなります。
そして、この老婦人は彼女の遺産全てをBethに残し亡くなり、Bethはお金持ち未亡人となります。

もう情熱も悲劇もメロドラマもいらない、残りの人生は静かに暮らしたいと願うBethは、Ianと出会った瞬間、彼と関わりあうとまた色んなことに巻き込まれそうな予感がします。

Bethを一目見たIanは彼女がすごく欲しい!と思います。
高価で魅力的な陶器を目にして「絶対に手に入れたい」と思うような、捕りつかれたような執拗さで、IanはBethを自分のものにすると決心します。
比喩表現やジョークも分からなければ、恋愛感情も理解できないIanだけど、この捕りつかれたような思いが愛に変わっていく様子をたっぷり楽しめます。

この作品が他の作品と一味違うのは、お定まりのラブシーンからも脱出しているところ。
IanがBethを誘惑する手練手管、ご堪能アレ~


Ianには公爵をはじめ兄達が3人いるので、シリーズに期待
今回の作品内には次回作?の伏線がいっぱいでした。
楽しみ楽しみ


The Duke's Indiscretion

2007年06月25日 | A
Adele Ashworth. 2007. The Duke's Indiscretion. Avon Historical Romance.

Duke三部作の最終回。

Book1 "Duke of Sin"
Book2 "Duke of Scandal"

Story:     
Dialogue:
Hero:      
Heroine:  
Sensuality:

Lady Charlotte Hughesは昼間は伯爵の地味な妹、夜はロンドンを酔わす魅力的なオペラ歌手Lottie English。
謎に包まれた彼女に群がる数多いる紳士達の中で、LottieはColin Ramsey(Newark公爵)に憧れていました。
そしてある晩、幕の間になんと彼が楽屋に現れ、彼女の大ファンだと告白します。

時を同じくして、Charlotteの兄(伯爵:名前忘れた)にはスパイの容疑がかかっているのですが、Colinはその件の捜査上、伯爵宅を訪れます。
その時、自宅にいたLady Charlotteとも顔を合わせますが、ColinはCharlotteとLottieが同一人物だとは全く気づかず、Charlotteはショック。
しかも、唯一自分に残された大切なピアノを買い取ると言い出し、CharlotteはColinをギャフンと言わせてやるんだと決心します。
そしてなんと、その方法とは、自分の正体をばらした上での結婚の申し出でした。

         
ん?だから?という声も聞こえてきそうなCharlotteのいわゆる"Outrageous offer"は別にOutrageousでもなんでもなく、私にはかなり強引な結婚の申し込みにしか思えませんけど…

あちこちのレビューで「残念」の声があがっていますが、私もこれにはがっかりでした。最初の3分の1までは二人の片思いの気持ちがよく分かって良かったんですけどね。

Charlotteのオペラのキャリアにしても、ばれないように2重の生活を送っている部分の説明は全然信憑性がないし、Colinと強引に結婚した後だって、公爵夫人としてやらなければいけないことはたくさんあるはずなので、オペラ歌手としてのキャリアを維持していけるなんてのも信じがたいです。

さらに、最初にCharlotteはLottieとしてColinをさんざん誘惑しておきながら、結婚した後、ガラっと人柄が変わってお堅いSpinsterのようになってしまうんです。
で、Colinが本当の自分を求めていないとか言い出して彼を拒否しだした時にはColinにかなり同情しました。

でも、しかし!です。
新婚初夜のColinの言動にはザザザーと引きました、私。

ただのWallpaperヒストリカルになってしまっているだけでなく、ストーリーラインも別にこれといって何が起こるわけでもなく、ロマンスも目立たず、読み終わったら「やっと終わった!」とホッとする1冊。
ラブシーンはAshworthならではのホットなものだったけど、ストーリーや登場人物に関しては残念の一言。

What a Lady Wants

2007年03月12日 | A

Victoria Alexander. 2007. What a Lady Wants. Avon Historical Romance.

2007年1月1日にこの新シリーズの1作目"A Little Bit Wicked"が出たと思ったら、30日にはこの2作目が出てました。 早っ。

Story:     
Dialogue:
Hero:      
Heroine:  
Sensuality:

Lady Felicity Melvilleは社交界シーズンは5度の経験者。恋愛結婚を望んでいるうちに、友達はみんな結婚して子持ちの親に。

天文が好きで、ある夜、星空を観測しながら星に願いをかけます:
「私の運命の人を連れてきて」

………。

「お星様、せかすわけじゃないんですけど、今ここに、このバルコニーにその男性が降ってきてくれたりすればうれしいです。」


と、その時、隣の屋敷から激しい言い争いの声と銃声が!
アレヨアレヨと言うまに、お隣のLadyの窓から逃げてきた女たらしで有名なNigel Cavendish(Cavendish子爵の跡継ぎ)がFelicityのバルコニーに向けてやってきます。

この出会いでFelicityは、Nigelが自分の運命の人だと確信し、彼と結婚する!と決心し作戦開始です。

Nigelは炎に吸い込まれる蛾のようにFelicityの魅力に吸い込まれていきますが、結婚だけは今は絶対にしたくないと頑なに彼女の魅力に抵抗します。

彼が運命に抵抗してもがく様子は子供地味ていてかなりイライラします。いきなり色々な責任を担うことになった彼の苦悩はよく描かれていて同情もしたのですが、現実を受け入れられずに自分勝手な言動にはしって、かなりヒロインを傷つけるので(でもヒロインは気丈!)、今回のヒーローに魅力は感じませんでした。
でも、全体的には軽快でユーモアもあり、人物描写も冴えていて、楽しめる一冊です。

あとは、本のあらすじを読むとちょっとSpoilerかな~と思います。
お話の半分以上過ぎたところでしか起こらないことが書いてあります。

このシリーズの各小説の終わりに、"Ladies for Tea"という小話がついています。エピローグの後の、普通なら次の作品の1章目が紹介されているスペースです。
これまでのVAが書いたお話のヒロイン達が、現代のVAのティーパーティーに来て、色々おしゃべりしている様子です。ちらっと読んでみたけど、他人のつじつまのあわない空想の世界を垣間見る気持ち悪さがあったので、さっさと本を返却してきました。


A Little Bit Wicked

2007年03月11日 | A

Victoria Alexander. 2007. A Little Bit Wicked. Avon Historical Romance.

1854年、ロンドン。爵位アリ(か跡継ぎ)の花婿候補No1な紳士4人が賭けをします。結婚という罠を最後まで逃げ切った者が高級ブランデーと小銭を勝ち取る、ということに。
でもそれは象徴的な景品。本当は独身の自由をどれだけ長く楽しむことができるかということが一番重要な賭けの賞品なのです。


Story:     
Dialogue:
Hero:      
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Sensuality:

まず最初の(ラッキーな)レース脱落者はGideon Pearsall、Warton子爵です。

Gideonは昔、ある女性が彼女の婚約者にやきもちを焼かせるためだけに利用され、かけおち結婚した直後その結婚を無効にするというスキャンダルを経験していました。
本人にとっては、そのスキャンダルよりも、恋したと思った相手にただ単に利用されていたことと、それに気づかなかった自分のバカさ加減のほうが心に影を作っていました。そのせいで、Gideonは絶対にもう二度と恋はしないと心に誓っていました。

そんなワケで、最近急速に距離が近くなったLady Judith Chesterとの密会もそれ以上のものにする気持ちもなければ、都合のいいことにLady Chesterも、お別れはその時がきたらきれいさっぱりとしましょうと約束を取り付けます。

ですが、さばさばしたLady Chesterは実はもっと奥が深い女性だと分かり、もっと彼女のことを知りたくなってきます。それに、大恋愛だったという夫との間に何かあったようで、それも気になります。

Lady Chesterは、Lord Chesterが亡くなって以来、恋人は数人経験しましたが、今回のGideonのように一緒にいて楽しい人は始めて。
でも、彼女の心の片隅で固く閉ざされた夫の記憶を呼び覚ます人も、彼が始めてで、動揺し始めます。

        
これといって目新しい筋書きではないですよね。
でも、H/H達の心理描写がよくできていて、マンネリのような印象は全く与えません。
最初のほうのJudithのイタズラや、全体の二人の会話(=VAのウィット)が、お話のちょっと暗い部分をカバーしています。

AlexanderとS.Laurensはお友達同士だそうですが、今回の新シリーズ、LaurensのBastion Clubシリーズとそっくり…
でも、ま、これはこれ、それはそれ。
この新シリーズの2作目は"What a Lady Wants"で、これもワンパターンの印象は全くなく十分楽しめます。


When We Meet Again

2007年03月10日 | A

Victoria Alexander. 2005. When We Meet Again. Avon Historical Romance.

怒涛のように新刊を出すVAに関しては、もう、どれがどのシリーズでどのスピンオフかは説明ナシです…。


Story:    
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Heroine:  
Sensuality:


Pamela Effingtonはあるスキャンダルのため、数年前逃げるようにヨーロッパ旅行に出ます。生真面目で危険なことをしないPamelaは、Effington家の一員らしくないとよく言われていましたが、思い切って思い出にと、仮面をつけたまま名前も告げず、Avalon王国皇太子Alexeiと忘れがたい一夜を過ごします。

4年後、Avalonはロシアに吸収され、名ばかりの王子となっていたAlexeiはイギリスに亡命していました。

ひょんなことから、親戚(大叔母さんだったかな?)の遺産を相続することになったPamelaもイギリスに帰ってきます。
そして、相続する邸宅についてみると、なんとAlexei王子と彼の側近達が住んでいたのです。

そして、そこはロマンス小説の強味、なんだかんだ言い合ったあと、同居することになります。
さらに、Pamelaの社交界復帰のためにAlexeiと婚約をしたフリをすることになります。


             

ヒーローとヒロイン、脇役達もそれぞれ個性があって良かったのですが、お話の内容はちょっと期待はずれでした。Amazon.comではかなり高い評価になってますが、私からは低めのハートマーク2個半です。

国を失った王子としてのAlexeiの複雑な心境や、Pamelaの過去の心の傷などはとてもよく描けていたのですが、二人が近づいていく様子が物足りなかったように思います。
あと、個人的な好みの問題になるんだろうけど、Avalonとかそういう空想の国名が出てくると、どうしても「ナ*ニア国」を連想してしまい、気が散ってしょうがなかったです…


Duke of Scandal

2006年12月21日 | A

Adele Ashworth. 2006. Duke of Scandal. Avon Historical Romance.

このシリーズ1作目はDuke of Sinです。<
My Reivew

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期待はずれ。中盤ちょっとつまらなくなってしまったところがあったので、ガバッと飛ばし読みしたけど、お話の流れは損なわれませんでしたよ、なぜか…



Olivia Sheaはフランスで香水会社を経営するやり手で聡明な美女。が、人生最大の馬鹿な過ちを犯してしまいます。
ハンサムなEdmond Carlisleにだまされ結婚してしまったのです。
結婚初夜を待たずに財産をがっぽり盗み姿を消してしまった彼を探しだし、お金を返してもらい結婚も無効にするためにOliviaは一路ロンドンへ。

あるパーティーで、社交界の一遍通りの女の子達には飽き飽きしていたSamson Carlisle、Durham公爵のところにフランス人女性を紹介したいと知り合いが言い寄ってきます。パーティーにもデビューしたての幼い女の子達にもうんざりしていたばかりか、過去の経験からフランス人女性とだけはいかなる関係を持つことも避けたいSam。でも魔が差したのか、しぶしぶOliviaと対面。

Samがびっくりしたのは、彼女の美しさだけではありませんでした。彼女の美貌に見とれていると、OliviaはなんとSamのことを、彼自身も10年ほど会ってない双子の弟Edmondだと思い込み、金を返せと要求するのです。

       
ここからは、もちろん、SamがOliviaの言うことを信じずに色々疑り深くなったせいでどんどん話はもつれます。
最初にOliviaの視点からお話が始まっているので、Samってなんてバカな男なんだろうとOlivia本人であるかのようにイライラせずにはいられないし、うそつき呼ばわりされて悔しくなります。

でも、最初に言ったように、中盤ガクンとつまらなくなります。Edmondのやりそうなことだと分かっているのにSamがOliviaを信じようとせず嫌なことばかり言ってロマンスどころではなく、お話は遅々として進まないように感じます。

結局、二人でフランスへ行ってSamがEdmondのふりをして本人をあぶりだしてやる作戦に出ます。
そして私はこの辺から、EdmondがOliviaとコンタクトを取ったあたりまで一気にガバッと飛ばしてます。
が、ここから最後までは挽回してます。SamのOliviaなしではやっていけないという気持ちの描写などは作者Ashworthの魅力が前面に出てます。

 

全体的には、1作目が良かったので今回もかなり期待していたのですが、ちょっと残念な仕上がりです。
3人目の公爵のお話に期待することにします。


Duke of Sin

2006年10月30日 | A

Adele Ashworth. 2004. Duke of Sin. Avon Historical Romance.
                       
  

昔読んだことをすっかり忘れてたのでまた借りてきました。
最近、この"Duke"三部作の2作目"Duke of Scandal"が出版されてます。

Ashworthのブログは
こちら


Story:     
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Hero:      
Heroine:  
Sensuality:

「未亡人」・Mrs. Vivian Rael-LamontはCornwallの小さな町で静かに暮らしていました。ある日突然、Gilbert Montagueと名乗る舞台役者がやってきて、Vivianにある請求をします。

William Raleigh、Trent公爵が持っているとてもレアで高価なシェイクスピアの直筆サイン入りの原稿をもらってこい、さもなければVivianの秘密をばらすと脅します。

何年か前に妻殺しの容疑で裁判にかけられて以来、すっかり世捨て人の生活を送っていた公爵、Will。時々、屋敷に飾る
花を届けに来てくれるVivianのことはちょっと気になっていましたが、ある日突然彼女が表玄関から訪ねてきます。その理由は、この世で数えるほどの人しかその存在を知らないシェイクスピアの原稿をくれとのことですが、動機が不確かです。
彼女は率直で美しくて魅力的。でも、なぜこの原稿がほしいのか、誰からこのことを聞いたのかと聞くと、答えをはぐらかすばかり。

ほんの少ししか彼女のことは知らないけど、自分のことを「殺人者」だと偏見の目で見ることなく接し、どこからか暖かさがにじみ出ているVivianともっと一緒にいたいという思いから、Willは原稿をあげる代わりに"Companion"になるよう要求します。

Vivianも自分の人生がかかっているし、どこか影があるけど本当は誠実な公爵の魅力に惹かれOKします。 二人とも暗い過去があり、特にWillはこの二人の関係に安らぎを見つけます。でもこの関係がばれると村でのVivianの地位はなくなってしまうし、なによりもWillにとってショックなことに、Vivianはもう結婚はできなかったのです。

          

前に読んだ時は、Willが最後のあたりでVivianのことを信じきれていないのや、Willの暗~い雰囲気が嫌だったのを思い出しました。
でも今回もう一回読んでみて、Willの切ない思いがよく分かりました。ここまで求められるなんて、Vivianになってみたいヮ…!(
主人公は二人とも34、35歳あたり。大人の恋愛のお話

2作目、Duke of Scandalのレビューは<
こちら>。


The Husband List

2006年05月16日 | A

The Husband List
By Victoria Alexander (2000) Wheeler Publishing

Alexanderの作品は全部が全部アタリというワケではありませんが、がっかりすることもありません。

Story:   
Dialogue: 
Hero:     
Heroine:  
Sensuality: 6.5

未亡人Lady Gillian Marleyはあと2ヶ月で30歳。ある親戚の遺産を相続することになりましたが、ロマンスノベルではお約束、30歳までに結婚(再婚)するのが条件です。結婚するなら恋愛結婚だけと決めていたGillianですが、どうしても遺産を使ってやりたいことがあるので、信条を曲げて形だけの結婚に同意してくれそうなShelbrooke伯爵に結婚を申し込みます。が、伯爵はどうしても夫婦生活のない形だけの結婚という条件に同意してくれません。30歳まであと2ヶ月の間に何としてでも彼を説得しなければ…!

結婚適齢期の妹達と傾いた伯爵領地の邸宅を抱えたリチャード、Shelbrooke伯爵は先伯爵が使い果たしてしまった遺産を建て直し借金を返していかなければいけません。そんな彼にジリアンの申し出は彼の一生の願いがかなったかのようです。が、形だけの結婚という条件だけは受け入れる気はまったくありません。ジリアンが30歳になるまであと2ヶ月、何とかしてベッドも共にするよう彼女を説得しなければ…!

最初は結婚が互いにもたらす利益だけを考えていた二人ですが、そういう理由で結婚することに疑問が生まれはじめます。互いに惹かれあっていく中、もっと心から自分のことを必要として欲しいという願望も生まれ始めるのです。

コミカルな会話があちらこちらにみられ、軽快なお話を楽しめます。リチャードがジリアンの心を知りたくて使ったある手とはリージェンシーならではのロマンチックなものです。
ちょっと不満に思った点もありますが、何せお話が短いのであまり内容の濃いものを期待しても無駄なので触れないでおきます。

この作品は暇な時にどうぞ。


Love with the Proper Husband

2006年03月16日 | A
Love With The Proper Husband
By Victoria Alexander (2003) ビクトリア・アレクサンダー

風邪をひいて休んでいたときに読みました。快適な気分になるお話です。

Story:   
Dialogue:
Hero:    
Heroine: 
Sensuality: 6.5

ヒーローはPennington伯爵、Marcusです。ちょっと危険な感じのするヒーローの多いHRでは少数派の優しくて思いやり深いおとなしめの紳士です。

ヒロインはGwendolyn。子爵である父が亡くなると一文無しとなり、現実から逃れるかのようにアメリカへ渡り、自分には不向きな住込み家庭教師となり働いていましたが、遺言に間違いがあったと知らせをうけLondonに戻ってきます。

遺言の間違いは偶然にもMarcusの父の方にも発見されますが、実はMarcusの母親Lady Penningtonの仕業でした。

Marcusは30歳になるまであと3ヶ月ですが、それまでに父が遺言で示した相手、つまり、Gwendolynと結婚しなければほとんど財産を失うことになると弁護士から告げられます。
GwendolynはLondonに戻ってくると同時に、亡くなった姉夫婦の娘3人を引き取ることになり、もっとお金が必要になるという理由からMarcusと結婚する決心をします。

全くお互いのことを知らないところから始まったお見合い結婚ですが、マーカスの心の広さでもって二人は良い夫婦関係を築いていきます。お見合い結婚が恋愛結婚に変わる大成功のお話です。

全体的なプロットは、Lady Penningtonの息子を結婚させるためのちょっとしたウソと、グウェンが姪3人のことを秘密にしているのをマーカスは浮気と勘違いしたり、とあまり劇的ではありませんが、ダイアログが良いので楽しめます。

ヒロインのグウェンは精神的に強い女性という最初の印象はお話中盤で消えてしまい、あまり知的でもなく、魅力がなくなってしまうのですが、ヒーローの寛大さでもってフォローしています。

グウェンの姪3人も、子供だけどそれらしからぬセリフで笑いを誘います。 最初の部分でグウェンを通して作者は、現代の女性の多くが悩む問題を読者につきつけます。「結婚は女性の自由をうばってしまい自立できなくなってしまう。」ですが、これに対する答えは結局お話の中にはありませんでした。グウェンは結局間違った選択を繰り返しマーカスに助けてもらうというだけで、自由や自立性を犠牲にすることに対する納得のいく答えは見つかりませんでした。

ですが、全体的には軽快で楽しく読めるので、アマゾンの編集部のコメントとは反対に、私はこの本はちょっとオススメだと思います。