ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

The Dressmaker

2012年11月28日 | D-E

Posie Graeme Evans. 2010. The Dressmaker. Simon & Schuster Australia.

ヒストリカルフィクション



1850年代、ロンドン。

ケンブリッジ大学出身で村の牧師である父を持つEllen Gowanは裕福ではないものの、愛情に恵まれた子供時代を過ごします。
しかしEllenの13歳の誕生日に悲運が訪れます。
父が急死し、Ellenと母は家を追い出されることになってしまい、母の親戚の元に身を寄せます。そこで肩身の狭い生活がしばらく続きます。

Ellenの人生は紆余曲折を得て、少女から若き女性へと成長していきます。
そしてとてもハンサムで口のうまいRaoul de Valentinと出会い、結婚。
が、ちょうどEllenが妊娠していると分かった頃、RaoulはEllenを捨て家を出て行きます。
芯の強いEllenは何としてでも生き延びる、この子を育てるんだと自分に言い聞かせ、ドレスショップで仕事を得ます。
ここで初めてEllenはドレス作りのセンスを発揮することになり、数年後には自分のドレスショップをオープンするまでに至ります。

何年かするとEllenのセンスや技術が買われ、彼女の店は貴族などの間ですっかり有名になり、ビジネスは軌道に乗っていました。
がしかし、Raoulが再び彼女の前に姿を現し、Ellenが愛するものや築いてきたもの全てを奪い取ると脅し始めるのです。

                        

Posie Graeme-Evansのこの一冊は、ビクトリア期に生まれながら、器量にも才能にも恵まれたばかりにその時代の逆風に合うが、時代の先を行き強く生きていく女性の姿を描いたもの。

最初はナカナカ話が進まなかったけど、Ellenの父親が亡くなる辺りから本が置けなくなります。

Ellenの恋に恋する少女時代のロマンスや大人の愛が話に盛り込まれているし、時代背景では豪華絢爛な舞踏会の様子から場末の売春宿までビクトリア期の様々な場面が展開し、この本を読み終わった後もタイムスリップしたような余韻が残ります。

情熱さに欠け、終始単調な物語調なところが物足りなさを誘うかもしれませんが、私は十分楽しめました。

物足りないと感じる人は結構いるようで、 goodreads.comでの評価は3.5です。



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