ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

What I did for a Duke

2012年01月13日 | L

Julie Anne Long. 2011. What I did for a Duke. Avon Historical Romance.



タイトルにDukeが入っているのには弱い私。
シリーズ自体にもあまり興味がなかったのに、Julie Anne Longで失敗した記憶もあまりないし…と即買いでしたが…。
私からはダメだし。ハートマーク一つ。
                       

妻殺しや決闘、面白半分で人を撃つなどのうわさと悪評につきまとわれ、Duke of Falconridgeは何年も社交界から恐れられていました。
ある晩、Ian Everseaが公爵の婚約者の部屋へ忍び込んでランデブーしているところを捕まえ、必ずこの仕返しはさせてもらうとIanに宣言します。

その仕返しの方法とは、Ianの妹Genevieve Everseaを誘惑し、処女を奪ったあと、彼女を捨てること。

しかし、Genevieveに実際に会ってみると、彼女の率直で誠実な面や、静かな表情に隠された情熱に気づき、惹かれています。

              

公爵としての地位やお金がある人がリベンジにやけに執着したり、処女を誘惑して心を傷付けたあと捨てるなんてひどいことを考える人間が恋愛小説のヒーローだなんて・・・。

それに、いくらWallpaperものだと分かって読んでいても、もう少し貴族の敬称など気をつけてもいいんじゃないの?
編集さんも何も思わなかったの?
公爵に対してYour Graceと言わないばかりか、"Falconridge"と誰もが呼び捨てはないでしょ…。

憎しみが愛に変わる、身分が高い人とか、お金持ちとか、おとぎ話の要素はあるけど、お話に深みはないし、ヒーローがいやな感じで、最後まで読まずに捨てようかと思いました。

よく参考にする一般の読者のブログDear Authorでは大絶賛のA評価。
彼女が指摘するように、H/Hが会話を通してお互いを知り、絆を深めるとかのくだりは分からないでもないけど、私には特に感動する部分はありませんでした。

私からは、「買って損した一冊」。


The Year of Living Scandalously

2011年03月08日 | L

Julia London. 2010. The Year of Living Scandalously (The Secrets of Hadley Green). Pocket Books Romance.




ヒーローとヒロインはアイルランド出身。

ヒーロー、Declan O'connor(Donnelly伯爵)は良質の馬を繁殖させることで貴族の間では有名。
新しくAshwood伯爵婦人となった(←ありえない)Lily Boudineがオークションに出した馬を買うため、Hadley Green(英国)にやってきます。
が、お屋敷で伯爵婦人として彼を出迎えたのはLilyではなく、Keira Hanniganでした。

KeiraはいとこのLily Boudineの名を借り、新しいAshwood伯爵婦人として屋敷や領地の指揮・管理にあたっていたのでした。

いつもわがままで我が道を行き、これまでも散々トラブルに巻き込まれてきたKeiraにあきれるDeclanは、伯爵婦人の名をかたって人をだます手助けはしないとバッサリKeiraを切り捨てようとします。
それに対しKeiraは必死で秘密を守って欲しいと頼んだばかりか、伯爵家に代々伝わる家宝である宝石を捜す手助けをして欲しいと頼みます。
その宝石とは、Lilyが子供の頃した証言のせいで絞首刑に処せられた男性が盗んだとされているものです。
しかし、当時のことを知れば知るほどその男性は無実だったのではないかとKeiraは思い始めたのです。

                      

わがままで強引で自己中なヒロイン…。でもその美しい容貌とアイリッシュグリーンの瞳で微笑みかけられると、自分でも気づかないうちに彼女の意のままになってしまうヒーロー。

と書くと、『風とともに去りぬ』を私は連想してしまったんだけど、この↑作品のH/Hはそんなに魅力的でもなかったし、二人のロマンスも物足りなかったです。
Declanが「絶対イヤ」「やらない」とかなんだかんだいいながら、結局Keiraのためにあれこれやってあげてかわいいなぁと思ったのは後半だけ。
最後の最後までKeiraのことは、優しいところはあったけど、ロマ小のヒロインとしては欠点だらけすぎて救いようがなかったです…。

次の作品のヒロインLilyですが…。

ヒストリカル&リージェンシーファンならお気づきだと思うんですけど、この時代に女性が爵位を継ぐことはできませんよね。
しかも、Lilyは先伯爵の妻の姉妹の娘なので、男系でもなければ直系でもありません。

なので、次の作品ではヒストリカル&リージェンシーファンは、そういう結構重要な背景知識を思いっきり無視して読むことになりそうです。

その次回作。
この1作目で、KeiraとDeclanがAshwood伯爵家の盗まれた家宝の行方と、その盗みの濡れ衣を着せられ処刑された男性Mr.Scottのことなどを途中まで調べたけど、次回のLilyのお話で全容解明となるのかな…?
Mr.Scottの息子が、謎のデンマーク出身の伯爵になっていて、1作目でKeiraに会いに来ているんです。
Ashwood家を破滅させるというリベンジに燃えてる暗い男なんです。

そういう伏線があったので、私は次作も読みたいデス。
でもロマ小的にはあまり期待していません。
図書館で借ります。


Bride Enchanted

2009年11月04日 | L
Edith Layton. 2007. Bride Enchanted. Avon.

なんだか狐につままれたよう…。
ヒストリカルのパラノーマルです。



Eve Faradayは知性も兼ね備えた美人だけど、まさかロンドン社交界で一番の花婿候補で、誰もが憧れる容姿のAubrey Ashfordから求婚されるとは思ってもいませんでした。

突然の彼の交際の申し込み、そして求婚という展開にとても懐疑的なEveだけど、彼の魅力のせいで判断が鈍りそう…。

色々考えた結果、Eveはこんなチャンスはもう二度とないだろう、しかもAubreyのなんとも説明しがたい引力のような魅力に抗うことができず、結婚の申し出を受けます。

短期間の間にAubreyと出会い、交際、結婚にまで至ったEveは、Fair Isleという彼の故郷で彼の屋敷で暮らし始めると、謎めいたAubreyに対し本当に私は彼の本当の姿を知っているんだろうかと戸惑い始めます。Aubreyにはどこか魔法がかったようなオーラが…。

実はAubreyは普通の人間ではありませんでした。が、Eveに対する気持ちは誠実で、真実そのもの。

Aubreyが自分が何者であるか真実をEveに告げて初めて、2人の結婚生活が一生続くものかどうか、2人の愛は本当かどうか試されるのです。

                 

随分前に読んで、私好みのコテコテリージェンシーではなかったのでがっかりしたのを覚えてるんだけど、題名の通り"魔法がかった"このお話、とても印象に残ってます。
ロマ小の世界では"Enchanted"はよく、「彼の魅力という魔法にかかった」という感じで比ゆ的に使われることが多いので、その類の題名だと思って手に取った一冊。
本当に魔法系でした。
でもバリバリのパラノーマルってわけでもなく、おとぎ話のような柔和な感じでおさまってます。


The Book of Scandal

2009年03月04日 | L

Julia London. 2008. The Book of Scandal. Pocket Books.
久々のオススメマーク付き。

Story:      
Dialogue:  
Hero:        
Heroine:    
Sensuality: 

表紙をめくると、「この物語は子供を亡くした全ての女性にささげます」と書いてあるので、「あ~、妊婦の私はこういうネガティブなの読まないほうがいいかも…」と最初はブルーでした。
でもこのお話はそのような悲劇に見舞われたヒロインがもう一度立ち直ろうと努力する様や、子供を亡くしたせいで心が離れてしまい別居していた夫婦がその悲劇を乗り越え、もう一度やり直そうと努力し、もう一度恋に落ちるお話。
ハンカチのご用意を~。

                   
1800年代。
幼い息子の死後、楽しかった結婚生活は急にその土台の無さを見せ、崩れてしまいます。
Nathan Grey(Lindsey伯爵)は酒におぼれ、目的もなく遊び続ける生活はロンドンにまでも聞こえてきます。
一方、妻Evelynのほうも、思い出がたくさんつまった城にいるのも耐えられなくなり、ロンドンで宮廷侍女となっていましたが、彼女が色々な男性と浮名を流しているのも有名な話となっていました。
そうやって3年間、夫婦は手紙をたまにやり取りするだけで、別居生活となっていました。

が、ある日、Caroline王女が過去の色々な情事をしたためた"The Book of Scandal"の中でEvelynのことも触れられている、もしかしたらその本が出版されてしまうかもしれないということがNathanの耳に入ります。

Nathanは伯爵家の名誉を守るために、いよいよ3年間の壁を乗り越え、Evelynを城に連れ戻す決心をし、一路ロンドンへ。

3年ぶりに会った妻は成熟してさらに美しくなっており、Nathanの彼女に対する思いは蘇ります。

が、かたくなに城にはもどらないと言い張るEvelyn。
スキャンダルが暴露されるまでにもう時間がないと悟ったNathanは外出先でEvelynをさらって家に連れ戻します。

                       

Julia Londonはちょっとダークで激しい感情の描写がいいです。
が、実はこれまでに読んだJ.Londonのもので「コレ大好き!」というものはないんです。
でもどうしても時間をおくと変な魅力に駆られ、「これも読んでみようか」と手が出るのはそのせいなのかなーなんて。

>>Wicked Angelにしても>>The Rogues…シリーズにしても、>>The dangers of…(Desparate Debutante)にしても、最後には何か一言ネガティブなコメントを残してる私。

でも、今回のThe Book of Scandalは気に入らない点はありませんでした。

ただただ悲嘆にくれ人生をダメにしてしまうのではなく、かつて幸せをもたらしてくれたその小さな命や様々な思い出を大切にしていくことのほうに意義を見出す…。
その過程で、
心も体も離れていた夫婦は過去の互いの過ちを認め合い、やり直すというよりは新しい人生を築いていきます。

ただ、ハートマークが満点にならなかったのは、私の偏った好みと、妊娠しているせいです…。子供が1歳で死んじゃう話はやっぱり暗いです。
それに、Mary Baloghのような潔癖なまでの純愛がやっぱり好きな私。
他のジャンルでも色んな悲劇を使ったお話はあるので、自分が言っていることはものすごく勝手なのは分かっています。
けど、ロマンス小説ではロマンスを中心にして欲しい私はハートマーク減らしちゃいました。

アマゾンなどで一つ目立つネガティブなコメントがあります。
「Nathanの女遊びは何のお咎めもなしなのに、Evelynが他の男性に対し気持ちが傾きかけていたことに対してNathanの非難が集中していたのには納得いかない。」

確かに、その時代普通だった「男は女遊びしてもいいけど、女は身も心も貞節を守らなければいけない」というダブルスタンダード。
だいたいロマンス小説ではそのダブルスタンダードに対してH/H達かそのどちらかが疑問を抱き、それに抗います。そういうのが現代に書かれたヒストリカルロマンスの醍醐味でもあります。

でも、この"The book of scandal"では、Nathanの「性欲を満たすためなら仕方が無かった。でも心では貞節を守っていたから自分はOK」というままでやり過ごされています。
これに対し納得がいかない現代の読者がいても不思議じゃありません。
私も「え~~」と理不尽さは感じたけど、お話全体としては次々とページをめくりたくなる展開で良かったですよ。


The Edge of Desire

2008年12月05日 | L

Stephanie Laurens. 2008. The Edge of Desire. Avon Historical Romance.

Bastion Clubシリーズ7作目。クラブメンバー最後のお話だけど、あともう一つ、ボスのDalzielのお話もあります。

Story:       
Dialogue:  
Hero:        
Heroine:    
Sensuality:  

今回のあらすじは今までのワンパターンを覆すか!?と期待感を持たせるものでした。
Christian Allardyce(Dearne侯爵)は若い頃「必ず戻ってくるから待ってて」と約束した恋人Lady Letitia Randallに裏切られ、彼女は別の男性と結婚してしまった…というもの。

彼女がMr.Randallというどこの馬の骨とも知れぬ男性と結婚して8年後、突然LetitiaはChristianを訪れます。
Randallが撲殺され、Letitiaの弟が殺人犯容疑をかけられている。助けてくれるのはChristianしかいないと懇願しに来たのです。

彼女の姿や香りと共に昔の記憶が甦りますが、約束を破ったLetitiaに最初は復習をしてやるつもりで、彼女の依頼を承諾し、まずは接近することに…。

                   

と、良かったのは最初の数章だけでした。
この最初の3分の1までで、ChristianはLetitiaがどうして彼との約束を破ったかが分かってくるだけでなく、二人の関係は急展開。Laurensならではのラブシーンを入れたかったからでしょうか。

結局、ロマンスというロマンスはそこまで。あとはRandallの殺人ミステリーが残っているだけ。これが「どうでもいいんだけど」と思わせる程度。

気になって仕方なかったのは、最近のLaurensの表現。
ブチブチと切れる文章ばかりかと思えば、ダッシュを使った挿入表現。読みづらいです。
売りだったラブシーンもなんだか妙チキリンな表現ばかり。もう「空へ舞い上がっ」たきり帰ってくるなと何度思ったか。
詩的だと本人は思ってるんだろうけど…。

ヒーローのChristianは良かったけど、Letitiaは高慢チキで好きになれませんでした。
あと、Letitiaの血筋に見られるという激しい気質のことの説明も多すぎでくどかったです。もうわかったから…って。

と、最初の数章以外は良いことナシのBastion Clubメンバー最後のお話。
読まなくても損はしません。
こんな判で押したようなお話を続々と出して、本人も出版社側も良しとしてるなんて。詐欺じゃないですか。作家の名前だけで売ろうって魂胆でしょうね。
実際、私は「今度こそ」と思って買っちゃったし。

このお話は最終章の前に終わっていて、最終章は次のDalzielのお話のプロローグのようになっています。なんと、Dalzielの正体がそこで明らかに^^;
爵位くらいはこれまでのお話で想像できてたし。
なんか読む気なくなっちゃった…。


>>Spotlight on Stephanie Laurens 2

(Prequel: Captain Jack's Woman)
Book1: The Lady Chosen
Book2: A Gentleman's Honor
Book3: A Lady of His Own
Book4: A Fine Passion
Book5: To Distraction
Book6: Beyond Seduction


The Dangers of Deceiving a Vicount

2008年06月05日 | L

Julia London. 2007. The Dangers of Deceiving a Viscount. Pocket Books Romance.

以前読んだJ. Londonの作品はあまり好きになれなかったものばかりですが、切ない部分が記憶に残ってたりするんです。
ありきたりのものしか書けない作家さんとの違いははっきりしています。

今回のこの作品はDesperate Debutante3連作の3作目です。

Story:      
Dialogue: 
Hero:        
Heroine:   
Sensuality:

Lady Phoebe Fairchildはデザインやお裁縫が得意。実はMadame Dupreeの名前で密かに社交界の貴婦人方のドレスを作っていました。
自分が貴婦人であることや、姉達の結婚相手が政治的な重要人物であることなどから、まさか服を縫って売っているなんてばれたらお家の恥。
それを知っているPhoebeの雇用人はそんな彼女の立場を利用し、William Darby(Summerfield子爵)の家で住み込みで働く仕事を引き受けるよう強要します。かなりの高収入になるので。さもなければ正体をばらすぞ、と。

Phoebeは不吉な予感を覚えながらもMadame Dupreeとして子爵家へ。Williamのわがままでどうしようもない妹達のドレスを作ることになります。

WillはPhoebeの美しさと誠実さに惹かれ、Phoebeも謎めいてハンサムなWillの魅力の虜になってしまいます。でも、Willはお針子となんて結婚はできず苦悩。Phoebeも家族も守るためにMadame Dupreeとしての身分を通さなければいけないのです。

                   

これまで読んだ勘違い・すれ違いのお話とは違って、今回は私好みの「秘密が最後にばれたら…」というやつです。
でも他の作品と共通しているのは、ヒーローがヒロインのことを拒絶し、読者も否応ながらヒロインと一緒に絶望の淵をさまよわなければいけないところでしょうか…。
私はヒーローが絶望の淵にいるほうが好きなんですけどねぇ (笑

前半はH/Hの絡みが少なくてちょっと物足りませんが、でも本人達の知らないところで互いのことが気になっているんだと想像させるものはあります。

Willの生い立ちはよく描かれていたし、彼の家族思いなところには心が温まります。
この物語の土台でもあるPhoebeの『仮面』はちょっと信じがたいですが、努力家でこれまた家族思いでもある彼女には頭が下がります。

「もうこれでしばらくはLondonの作品は遠慮」なんて宣言してた私ですが、訂正しないといけませんね
これを読んでこのトリロジーのほかの作品も読みたくなりました。

Book1: The Hazards of Hunting a Duke
Book2: The Perils of Pursuing a Prince

その他レビューしたもの:
Wicked Angel
The Rogues of Regent Streetトリロジー(+スピンオフ)のうち2冊


The Devil's Temptation

2008年05月13日 | L
Kimberly Logan. 2007. The Devil's Temptation. Avon Historical Romance.

う~ん…。Avonのスタンダード、下がりましたね。



Lady Maura Daventryは、心中したとされる母の死因は実は殺人だったと確信しています。母の日記や母宛に書かれた屈折したラブレターなどを手がかりにMauraは淫蕩なパーティーに潜り込んだりして独自に捜索していました。

が、行く先々で出会うのは、Devil's ownのニックネームを持つHawksley伯爵。

彼の父、先代のHawksley伯爵というのが実は、Mauraの母の愛人で彼女を殺し自分も自殺したとされています。

父のスキャンダルのせいで今でも汚名を被ったままのHawksleyは、社交界からはつまはじきにされ、あまり気にしないとは言いつつも、本当は孤独。
まだうら若いMauraの美しさとエネルギーに吸い寄せられます。
色々な怪しい場所でMauraと鉢合わせになる毎に、彼女は何かのトラブルに巻き込まれているんだろうと心配し、彼女に打ち明けるよう詰め寄りますが、Mauraは話しません。

Hawksleyの父の汚名を晴らすことにもなるのに、Mauraは色々とわけの分からない理由でHawksleyにはだまっていたほうがいいと心に決めているので、追いかけっこになります。


                 

月並みか、それ以下ですねー。
作者の表現力、登場人物のセリフ、話の展開、どれもClicheでつまりません。
ザザザーっと流し読みでした。

Beyond Seduction

2007年11月08日 | L
Stephanie Laurens. 2007. Beyond Seduction. Avon Historical Romance.

Bastion Clubシリーズ、6作目。
あと1冊でメンバー全員片付いたことになるけど、もう一人、みんなのボス、謎のDalzielが残っています。

Story:         
Dialogue:    
Hero:         
Heroine:     
Sensuality:  

今回は、ホントに「ノーコメント」だけ書いてアップしておこうかと思ったくらいです。

出だしは「お!」と良好だったのですが、2章目を過ぎた辺りから、お話の筋といい、S.Laurens特有のアツアツのラブシーンも全てワンパターン。

あらすじも名前を入れ替えただけで同じだし、感想もあんまり他のと変わらないので、今回のレビューはこれだけです。

お話自体は、もしかしたらそんなに悪いものじゃないのかもしれないんです。
でも、S.Laurensの作品はほとんど読んでるファンの私からしてみると、最近のネタ切れ・ワンパターンには本当にがっかり。

次に期待・・・していいのかなぁ。


>>Spotlight on Stephanie Laurens

The Duke's Proposal

2007年07月14日 | L
Leslie LaFoy. 2007. The Duke's Proposal. St.Martin's Paperbacks.

Turnbridge3姉妹トリロジーの最終回。
この3作目はあらすじが良かったので手に入れましたが、1作目の"
Her Scandalous Marriage"でやめておけば良かった…。
アマゾンで高評価を残している人はWallpaperでOKという読者達でしょうか。

Story:    
Dialogue:    
Hero:         
Heroine:     
Sensuality:  

ヒロインLady Fiona Turnbridgeは1作目で選択性無言症だったような子です。
ブロンドで翡翠のような目が印象的な美しいレディーに成長していました。
捨て猫や捨て犬など、怪我をしているとなおさら放っておけない性格で、実は地道に医学も勉強しているのでかなりの知識も持っています。

ある晩、行方不明になっていた飼い猫をやっとの思いで見つけると大怪我をしていました。
一人では治せないので、元軍医でもあるDunsford公爵の家を訪ねます。
そしてFionaは嫌がるDunsfordを銃で脅してまでして猫の手術をするよう懇願。

手術はうまく行きましたが、一晩2人っきりで過ごしたことが次の朝にはバレてしまい、二人は婚約することに。

FionaはDunsfordに少し憧れてはいましたが、いざ婚約してみるとお人形としてしか扱ってくれないDunsfordと本当に幸せになれるのかと自信がなくなります。

Dunsfordは、知らず知らずのうちにFionaなしではやっていけなくなるのですが、まだまだ自分勝手…。

     

LaFoyになんでヒストリカルを書くの?と聞いてみたいです。
1作目でもそうなんですけど、登場人物にその時代の服を着せてあるだけ。
言葉遣いはNYの下町?みたいな感じだし、その時代背景を活かした部分がほとんどないんです。
一晩一緒に過ごしたのが見つかったから結婚…、という部分だけヒストリカル。

でも、このかっこいいドクターをヒーローにしたお話が書きたいのなら、コンテンポラリーでもなんとでもなったはず。
実際、お話の中ではヒロインはDunsfordを公爵としてではなくて、ドクターとして考えているんです。

あと、アマゾンでは鋭いユーモアがいいとか書かれていますが、そのユーモアさえもヒストリカルじゃありません。"buy a vowel/consonant"とかなんとかそんな表現を使ったジョークがあったのですが、これって、"Wheel of Fortune"っていう現代の米国のクイズ番組のせいでよく使われるようになったんぢゃ…?
他のジョークも一見おもしろいなって思うんです。会話も軽快な部分もあるのでそれで楽しめた読者もいたんでしょうね。
でも上に挙げた例のように、ヒストリカルの雰囲気は伝わってこないユーモアなので、この作者はコンテンポラリーのラブコメを書いたほうがいいでしょう。

ヒーローはあんまり学習能力のない自分勝手な人なので、全く魅力は感じません。
ヒロインはやさしくて完璧。
・・・完璧すぎ。
それにヒーローのどこに惚れたのかもよく分かりませんでした。

前半はとにかくWallpaperの部分が目に付くし、H/Hのロマンスもおもしろくなくて、飛行機の中で読んだのですが「なんでこれを持ってきたんだ」と自分に腹が立ちました。
が、後半は少し挽回してヒーローが改善し始めたので、読み終わることができ、ハートマークも2個となりました。

あと、ロマンス小説お約束のアツアツラブシーンはほとんどありません。


私はLaFoyはしばらく避けます。

the Secret to Seduction

2007年05月27日 | L

Julie Anne Long. 2007. The Secret to Seduction. Warner Books.

デビュー作"The Runnaway Duke"で人気を博したLong。どんなもんか一冊試してみました。

Story:     
Dialogue:
Hero:      
Heroine:  
Sensuality:

私の好みではありませんでした。
私の好みではないけど、好きな方は充分楽しめるだろうし、ハマッたりもするんじゃないかな…。

                     
牧師の娘Sabrina Fairleighは牧師見習いのGeoffreyとの結婚を実現させ、二人で異国の地で宣教活動をするのが夢。
それを実現させるためには資金が必要なので、GeoffreyのいとこRawden伯爵(Rhys Gillray)のハウスパーティーに参加し、説得に乗り出します。

苦悩する(?)詩人風のRhysは、ロンドンでの生活もマンネリで何をやってもつまらないと感じる毎日。不倫が原因で決闘をしてこれで命を落とすかもしれないと思った瞬間も、なんだか刺激のない人生だなぁと憂鬱でした。
そんなRhysはその決闘が原因でしばらく田舎でおとなしくするために自分の邸宅で親しい友人だけ招いてハウスパーティーをします。

Rhysは、強引に招待客について来ていたSabrinaとそこで出会い、田舎育ちで純真だけど頭の切れる彼女に興味を抱き始めるのに時間はかかりませんでした。
性的な欲望は罪だと言う信心深く世間知らずなSabrinaを「独善」だと批判したりして、Rhysは徐々にSabrinaの世界観に影響を及ぼしていきます。

Rhysは彼女と接近すればするほど、実は彼自身がSabrinaの家族みんながバラバラになってしまった原因だったので、ひどい罪悪感に苛まれていました。
でもSabrinaとは離れたくないという気持ちから、その暗い秘密を隠し通そうとします


                     
私はこの二人がどうして惹かれあったのか、何がお互い魅力的だったのかさっぱり分かりませんでした。
お話の題名やヒーローのニックネームがほのめかすほどセクシーなお話でもありませんでしたし。
さらに色々なレビューアーから"Witty"とうたわれる会話。私から言わせてもらえば、くさいし安っぽかったです。

ヒーローが詩人ということなのですが、彼を「ちょっと風変わりな『典型的な』詩人タイプ」にしたいのか、それとも「真剣に詩人」にしたいのか、それとも「ちょっと風変わりだけど本当は違う」としたいのかよく分からず、結局彼の人格がはっきりしないまま終わりました。
それに、彼がかいた詩は"scandalous and irresistible"だということだそうですが、私にはただ下品なだけにしか思えず、Longがどれだけ「ロンドンの貴婦人がセクシーなThe Libertineにむらがる」と描写しても説得力がありませんでした。
こういうものはあくまでも主観の違いですけどね。

詩人、画家、オペラ歌手と、芸術家揃いのお話でしたが、作家Long自身の「芸術家」にたいする固定概念しか見えてこず、私はどの人物にも親近感が沸かなかったし、全く人物描写も深いとは思いませんでした。
会話もだからウソっぽかったです。
オペラを聴いて泣けてきた時の描写やギリシャ神話の像を見たときの感想など、くさすぎるしお定まりでした。

途中で嫌になったけど、それでも最後まで読ませるストーリー性はあるから読めたのかと…。
私の感想は偏ってしまったけど、Julia Ross、Mary Jo Putney、Loretta Chase、Judith McNaughtなどが好きな方にはいいんじゃないでしょうか。

今回のは、幼い時に離ればなれになってしまった3姉妹のシリーズの最終回。
Book1:Beauty and the Spy
Book2:Ways to be Wicked

>>Julie Anne Long


The Taste of Innocence

2007年05月26日 | L

Stephanie Laurens. 2007. The Taste of Innocence. Avon Historical Romance.

Cynsterシリーズ。
Avonの大御所Laurensの時代はもう終わったと言っていいかも?

Story:      
Dialogue: 
Hero:       
Heroine:   
Sensuality:

"A Secret Love"のヒロインの弟、Meredith伯爵(Charles Morwellan)とSarah Conninghamのお話。

Charlesは結婚することにしますが、愛のために家族みんなを犠牲にした父と同じ人生は歩みたくないので、形だけの結婚をすることにします。
お相手には、昔からの知り合いで近くに住むSarahを選びます。

Sarahは実は少女の頃からCharlesに片思いしていましたが、今まで自分に目もくれなかったCharlesがなぜ今になって自分を花嫁に選んだのかが腑に落ちません。
それに絶対に恋愛結婚をしたいSarahですが、またとない好条件の上に親の説得もあって、数週間の交際期間(相手の動機を探る期間)を置いてから返事をするとCharlesに約束します。

前半はこうやって、二人のランデブーで占められ、後半は二人が結婚してからのお話です。
Charlesは父のようになりたくないので、結婚に愛は不要とSarahの気持ちを踏みにじってまでも冷たい態度で通します。
「そんな人、私だったら置いて出て行く」と思わせるような言動もありましたが、賢くて優しいSarah、我慢強かったです。

全体的には、やっぱり相変わらずのワンパターンで、人物名を入れ替えれば、Laurensの他のどのお話とも区別がつかなくなります。
今Loretta Chaseを読んでいるのですが、Chaseの人物・心理描写を考えると、Laurensのそういう技術は低いというか、皆無というか。
これでもAvonのお抱え人気作家と言えるんでしょうか。そのうちお荷物になりますよ。
ファンとしては悲しいです。

ロマンスもサスペンスも別にこれといって読者を引き込むようなものではありません。
それでも私はこれを読んだ頃はロマンス本に飢えていたせいでしょうか、(ラブシーンは飛ばして)最後まで読めました。
でも、アマゾンのレビューアー達の「つまらなさすぎて最後まで読まなかった」という意見もわかります…。

これは読まなくても損しない一冊。
でもLaurensを読んだことない方は、彼女のアツアツリージェンシーの世界を一度お試しアレ
>>Spotlight on Stephanie Laurens


Her Scandalous Marriage

2007年03月24日 | L

Leslie LaFoy. 2006. Her Scandalous Marriage. St.Martin's Paperbacks.

Wallpaperヒストリカルです。

Story:     
Dialgoue:
Hero:      
Heroine:  
Sensuality:

Wallpaperじゃなかったとしても、つまらなくて読み終わるのに随分かかりました…。
何も起こらないし、H/Hの二人もこれといった魅力もナシで。

新しくRyland公爵になったDraytonは、先々公爵の愛人の娘3人を引き取り、無事に結婚させないと、ある程度の資産が手に入りません。
前公爵が飲んだくれて遊びほうけて公爵領の管理を怠っていたため、少しでもお金を手に入れて家計を立て直したいDrayton。

最初に、一番年上の娘で服屋を経営していたCarolineを引き取りに行きます。
Draytonは一目でとても美人で聡明なCarolineに惹かれます。

苦痛なく読めるのはここまで。

このあと、頑固そうだったCarolineが簡単に折れて二人は関係を持ちます。
Draytonはただハンサムなだけ。Carolineが「魅力的」なのは家事がうまいからというだけ。そして簡単に、妊娠のことも考えず、結婚していない男性に体を授ける…。
アホじゃないですか?
ラブシーンもあっけなく、つまんない。

あと、売春宿で育ったSimoneと、選択性無言症のようなFionaの少女二人も引き取ります。Simoneは現代の黒人街で育ったような口ぶりで、作者LaFoyはヒストリカル・リージェンシーロマンス作家としてやってはいけないことをやってしまいましたね。
Fionaの無言症は徐々に良くなりますが、お話の本題と絡んでいないので何のためにこういう設定にしたのか結局分からずじまい。

登場人物たちが上流社会に馴染もうとする努力のお話でもありますが、作者自身が現代の知識人ぶった民主主義絶対思想のフィルターを通してしか物事を見れていないので、「じゃ、なんでリージェンシー時代のお話なんか書いてんの???」と思わせる、私の大嫌いなタイプのお話でした。


The Duke's Scandalous Secret

2006年11月27日 | L

Lane, Connie. 2004. The Duke's Scandalous Secret. Pocket Books Romance.

Story:      
Dialogue: 
Hero:       
Heroine:   
Sensuality:

全然おもしろくありません。
でももしかしたら、Heyerを読んだあとだったので、こういうWallpaper Historicalは特に許せなかったのかも。

ネタばらしというほどのネタはなかったけど、やっちゃいますね。

Thomas Flander、Ravensfield公爵は祖先が食い尽くしてしまった財産をなんとか立て直すため、Mrs. Mordefiとしてゴシック小説を書いていましたが、世間には絶対に秘密です。お話の中でも最後までばらしませんでしたが、バレバレです。

ヒロイン、Miss. Lynnette Overtonは実はThomasに昔一目ぼれしたという設定です。が、なんだかこの辺の話もあっさりしていて、「あ、そ」って感じです。

ある晩、彼女の乗る馬車が故障したので都合よく近くにあった公爵の家に泊まることになります。
公爵は秘密があるので、最初はなんとしてでもLynnetteを追い返そうとします。が、Lynnetteは彼を落とす願ってもないないチャンスとばかりに、ほんの少しだけ捻った足をおおげさに捻挫のように見せかけ、彼の親切心を利用して長々と滞在することに。
こういうみっともない行動をするLynnetteはまったく魅力的なヒロインじゃないし、ヒーローも特にこれといった深みもなく、後は流し読みでした。

あと、Lynnetteも人に言えない事実とかいうのがあります。母親が泥棒の無実の罪を着せられたまま亡くなっているのですが、この真犯人のことが分かる暗号のページが母親の日記にあったんです。これを巡ってLynnetteが誰かから付け回されたりするのですが、これも最後の3分の1の辺りで誰が犯人か分かるし、お話全体に面白みに欠けるため、もうどうでもいいやという感じでした。

これは避けて通るのがいいかと。


To Distraction

2006年09月28日 | L

Stephanie Laurens (2006) To Distraction. Avon Historical Romance.

Bastion Clubシリーズ5作目。
これで結婚していないメンバーはあと2人となりました。
このメンバー達の謎のボス、Dalzielのお話もこれを読んでマスマス楽しみになりました。
Anthologyで短編として出したら怒るで。

Story:      
Dialogue: 
Hero:       
Heroine:   
Sensuality:

つい最近、新しくPainton子爵となったJocelyn Deverellはそろそろ結婚を真剣に考えなければいけなくなりました。あちこちのパーティーに顔を出したけど、自分のメガネにかなう女性はナカナカいません。そこで、ちょっとエキセントリックだけど自分のことをよく理解してくれている叔母のところへアドバイスを求めに。そして叔母の薦める女性とは、Miss.Phoebe Malleson。

Phoebeは結婚は絶対しないと誓った魅力的なスピンスター。それにちょっとした秘密の「事業」もやっているので、結婚どころではないというのが彼女の意見。
ハウスパーティーにPhoebeを探してやってきたDeverellは、一目で彼女が自分の妻に最適と判断し率直に彼女を探しに来た理由を話します。が、Phoebeのほうは上に挙げた諸々の理由で、きっぱりとあきらめるよう話します。
これで簡単に引き下がることもできるけど、説明しがたい彼女の魅力に惹かれ、Deverellは慎重に、長期戦で行く覚悟をします。

ここで、ローレンスファンならお見通しなのですが、Deverellは「結婚が嫌なら…」とほのめかし、二人の関係は深まっていきます。

Phoebeのちょっとした「事業」とは、雇用人のセクハラやそれ以上の行動の犠牲者になっているメイド達を助け、新しい職を探してあげるというものです。それに絡んで、白人売春婦売買業者とぶつかり合って、危険な目にあったりしますが、危機一髪でDeverellが助けに入ったシーンでは彼はかっこいいし、スリル満点。
それ以来、Deverellはいつの間にか彼女の「事業」の一団の一人となっていきます。
決して、Phoebeに気に入ってもらおうと思ってやったことではないのですが、DeverellはPhoebeのそばにいるのを楽しむだけでなく、この「事業」にやりがいを見出していきます。

威張り散らすことなく、いつもPhoebeの意見を尊重しサポートするDeverellの存在が、彼女にとってもだんだんと自然になっていき、「事業」を始めるきっかけとなった男性とのトラウマ的な経験も癒されていきます。

今回も、お話はラブシーンを重ねつつ二人の心の絆も深まっていくという、ローレンスならではのパターンです。ホントに他のストーリーラインを思いつかないと、ローレンス、ダメになってしまいますよ!でも、今回のお話は、Georgette Heyerをものすごく意識していた頃の昔のローレンスの作品を彷彿とさせるものがあり、主人公二人の心理がよく描かれていました。
このシリーズの前4作やCynsterシリーズとはちょっと違った雰囲気になっています。

欠点を言えば、ローレンスの創るキャラクター達はほとんどみんな同じ。お話の中では十分個性的だけど、このBastion Clubシリーズのヒーロー達とヒロイン達を並べて比べてみたときに、誰がどのお話だったのか区別がつきません。

ハートマークは3つ半。十分楽しめましたが、ローレンスは過去にもっといいもの書いてます。

Bastion Clubシリーズ
[(シリーズの芽)Captain Jack's Woman]
1.The Lady Chosen 
2.A Gentleman's Honour 
3.A Lady of His Own 
4.A Fine Passion 


Wicked Angel

2006年09月14日 | L

Julia London. 1999. Wicked Angel. Dell

Story:      
Dialogue: 
Hero:       
Heroine:   
Sensuality:

前に
The Rogues of Regent Streetシリーズ3冊(+スピンオフ1冊)のうち最初の2冊を読んで嫌になったJulia London、再び、です。

Londonに関しては、どこかで短編を読んで気に入った記憶があるような、ないような。だから他のももうちょっと読んでみようと思って、これを借りてきました。

Rogueシリーズよりはマシでしたが、彼女のスタイルのせいでしょうか、私の好みではありません・・・。

    
がめつい伯父のせいで、2年前にバイエルン王国に住む死に際の老伯爵
と結婚させられたLauren Hill。伯爵が亡くなり、イギリスの田舎へ帰ってきました。
老伯爵との結婚は形だけだったし、契約通りに跡継ぎを生むこともなかったので、Laurenは以前のようにMiss. Hillとして生活していました。
ある日"Mr. Christian"と名乗る紳士と出会い、恋に落ちます。

Alexander Christian、実はSutherland公爵は忙しい日常と家族同士が決めた婚約者のプレッシャーから逃れるため一人で田舎を訪れていました。そしてLaurenを一目見た瞬間、天使と出会った錯覚に陥ります。
AlexもLaurenと一瞬でも長く一緒にいたいけど、公爵としての立場や婚約者への義務を怠ることができず、現実へと引き戻されます。

その後Laurenは、またまた彼女を結婚させようとする伯父の画策でロンドン社交界へ引きずり出されます。そして彼女の伯爵未亡人としての地位だけでなく美しい容貌も手伝って社交界のうわさ・人気の的になります。
そんなLaurenと再会してびっくりしたのは、もちろんAlexだけではありません。
実はAlexは公爵だったと分かってLaurenもびっくり。そんな高貴な人が私なんか相手にするわけがなかったんだ、しかも婚約者もいるし、と傷つきます。



それでも二人は離れることができず、Alexが必死になってLaurenに会うチャンスをつくろうとするのは切ないです。

後半3分の1は、Rogueシリーズのように、すれ違いが始まり、嫌気が差してきます。

Spoiler
Alexは婚約解消を考え始めますが、両家の昔からのつながりや政治的な力の影響、紳士の「名誉」などもあってできないというのが大きな動かしがたい理由でした。結局、結婚式数週間前にまだ招待状が出されていないことを知り、やっと婚約破棄します。
でも、あれ?そんな理由でよかったの?「名誉」とか両家のつながりとかいう理由はもうこれでチャラなんだ・・・。
お話の流れからAlexの気持ちはよく分かったけど、これまでの3分の2のお話のなかで、ヒーローとヒロインのロマンスの邪魔になっていたものが、最後のほうでこうやってあっさり取り除かれ、これまでの苦痛はなんだったの?と思わずにはいられませんでした。

でも、時すでに遅し。Laurenは元夫の息子と婚約していました。
その後、Alexはしぶとく説得に試みますが、Laurenは「名誉」のため婚約は破棄できないと、涙涙のお別れ。Alexはもうこんなワケの分からない女はゴメンだ、とロンドンへ去ります。もちろん、Laurenはしばらくして間違いに気づき、彼を追ってロンドンへ。そこで彼女はAlexから公の場でシカトされますが、辛抱強く彼と話せるチャンスを待ちます。
そしてAlexの母親の助けの元、二人はチョロチョロっと話合い、ハッピーエンドです。

あ~・・・。こういう展開、好きじゃないんだぁ。
最後の二人の会話も全然納得のいくものじゃなかったし。

もうJulia Londonはしばらく遠慮させていただきます。