ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

The Price of Desire

2008年10月14日 | R-S
今回は、Avon Redから出たLeda Swannのを2冊まとめて。

表紙がきれいだったというだけで、あとは何も考えずに選んだこのHottieはニュージーランド人作家によるもの。
実はLeda Swannとは、CathyとBrentという仲良し夫婦作家のペンネームです。

仲良しはいいんだけど、お話の書き方はもっと二人とも勉強したほうがいいですね…。


The Price of Desire
               

Story:      
Hero:         
Heroine:  
Sensuality: 

Caroline Clemensは、銀行家の父が投資に失敗し自殺したせいで何もかも失います。
これが社交界最後の日だろうというパーティーで、Dominic Savageと出会います。
このパーティーの後、幼い妹たちと弟と一家心中するつもりだったCarolineは、カリスマ性あふれるDominicとアツイひと時を過ごします。
その後、やっぱり心中できなかったCarolineは子供たちを連れてWorkhouseへ(この辺は悲しくて切なくて、いい本を見つけたと思ったんだけど…)。

Workhouseで過酷な日々を過ごしていたCarolineと妹弟達。でも体の弱い妹のことなど色々と気がかりなことが出てきて、ここで生き抜いていけるかどうかすごく不安になっていたところへ、Dominicが来ます。

パーティーの夜に美しいCarolineと過ごしたひと時が忘れられなかったDominic。
彼女の家族を養ってやる代わりに、Carolineを自分の愛人にする契約を交わします。



Mistress
                
Story:       
Dialogue:  
Hero:        
Heroine:    
Sensuality: 

CarolineとDominicがすったもんだの末、めでたく結婚してから数年後の話です。
女学校の教師として働いていたCarolineの妹、Emilyのお話。

定収入はあるとは言え、新しい服を買い換えるのもままならないほどの教師の給料で、女学校という閉ざされた環境で、世間知らずなのにやたら厳しい教師に囲まれた生活に不満を感じていたEmily。
人生って本当はもっと色々あるんじゃないかという思いが強まる一方のそんなある日、道端で写真ハガキを売っていたアメリカ出身の写真家Eric Twyfordと出会います。

Ericは美しいEmilyを一目見て写真のモデルにとスカウトします。
それが、ただの写真ではなく、男性が女性のいないところで見て楽しむスキャンダラスな写真です。

Emilyは、人生に対する不満感と、高額なモデル料に魅了され、思い切って引き受けます。
徐々にEricに惹かれるEmily、そしてセクシーなEmilyに肉体的には反応を見せるEric。でもキスもしてくれないEricにもどかしさを感じ、Eric誘惑に乗り出します…。


                              

Avon Redだからお話の内容にはあまり期待はしてはいなかったけど、これはさらにがっかり。
Leda Swannは内容云々ではなく、クリエイティブライティングの授業でも受けてきたらいいのにと思わせるほどのアマチュア作家。(か、才能がない)
感情表現や状況描写、話の展開が下手で、H/Hの会話もお粗末。
だからラブシーンも、普通のロマンス小説よりは具体的だけど、それだけ。

あんまりこんなひどいものを書き続けたら、「もしかしてこの夫婦…バカップル…?」って思われますよ!

これは妊娠が分かってから、PMTのような症状が出ててひどく頭がボーっとしてた時に衝動買いだったのですが、まさしく失敗の2冊でした。

Mistress or Marriage?

2008年05月08日 | R-S
Elizabeth Rolls. 2002. Mistress or Marriage? Mills & Boon.

ハーレクイン/Mills&Boonです。

Story:

何年かぶりに英国に帰ってきた矢先のDavidは叔母から訪問を受け、「後継者問題」について口やかましくお説教されます。
叔母の『アドバイス』と、David自信の過去の失恋や亡くなった兄の浮気な妻のことを考えると、感情は一切抜きにして血筋のいいお嬢様と形だけの結婚をするのが一番と考えます。

ロンドンで何も知らずに、「氷のお嬢様」とあだ名されているようなレディーを花嫁候補に選び、Davidは田舎の邸宅に戻ってきます。

戻ってきたら、強くて美しいMiss Marsdenと出会います。

彼女に対する所有物欲は強まる一方で、Davidと氷のお嬢様との婚約の話は進んでいきます…。



                   



最初のあたり、DavidがMiss Marsdenがどんな女性か勘違いして、二人のドンパチが始まるあたりは楽しく読み進めます。
「やっぱりRollsを選んで良かった」と思ったのですが、後半はありきたりの展開であまり深みのないお話になってしまっています。
Mills&Boonのもので満足のいくものに出会ったことはまだありません…。


The Kissing Bough

2008年05月06日 | R-S
Joan Smith. 2004. The Kissing Bough. ISIS Publishing.

写真がなぜか左寄りです…。



短編とまではいかないけど、短いHQ系のお話。

クリスマスの少し前、Nicholas Morganは戦争から戻ってきますが、秘密で婚約していた婚約者も一緒に連れて帰ってきます。
Nicの家族はてっきり幼なじみのJaneと結婚するものと決め付けていたのでびっくり。
でも一番驚いて傷ついたのはJane本人でした。
しかも、いつしかNicと結婚するのを憧れ彼の帰還を待ちに待っていたJaneの心をさらに重くしたのは、彼の婚約者はまだうら若く、邸宅内でMrs.Morganとしての役割を教えることになってしまいます。

Nicとの結婚はもう希望の余地はないし、Janeは、じゃ、もう一人の幼なじみが結婚しようって言うし、考えてみようと彼と時間を過ごすようになります。

Janeが自分以外の男に接近するのを見て、Nicはなぜかイライラ。
それに婚約者は子供のように振舞ってわがままばかり。結婚すればMrs.Morganとしてふさわしい人になると自分に無理やり言い聞かせるNicですが…。


                  
適当に図書館で手に取りました。
Janeが失恋しても結構ひょうひょうとしている様には拍子抜けしたし、NicのJaneに対する気持ちも十分描写されていませんでした。
時間があるときに手元にこれがあれば読んでもいいけど、別に読まなくても損はしない1冊です。

Pemberley By The Sea

2008年03月25日 | R-S

Abigail Raynolds. 2007. Pemberley By The Sea. Intertidal Press.

Story:       
Dialogue:  
Hero:        
Heroine:    
Sensuality: 

現代米国版Pride & Prejudiceという感じです。

海洋学者のCassie Boultonと、ケネディ家のように政治家一家として有名なWesting家の息子Calder WestingⅢとのロマンス。

あらすじは最後の3分の1を除いては、大筋P&Pと同じです。
CassieとCalderの最初の出会いはあるダンスパーティー。Cassieの大学関係の研究者や学生の気楽な集まりだったのですが、友人を探しにきていたCalderをCassieがダンスに誘うとムゲに断られる、とオリジナルのお話と平行します。
そのせいで新鮮味には欠けるかもしれませんが、特に前半は二人の思い込みや、言葉が足りなかったせいなどもあって、ロマンスはP&P以上に切ないかも。

Amanda Grangeの"Mr.Darcy's Diary"と共通する部分も。
Calderがどれだけ本当はCassieのことを思っていたのかなど、彼の感情面を読むのはドキドキ、楽しかったです。

最後の3分の1あたりにさしかかると、お話を読み進ませるものに欠けます。
原作のWickhamに匹敵するようなツイストもありません。
代わりに、Cassieの生い立ちの秘密がお話に少しずつ織り込まれていたり、彼女が自分とCalderの家族を守るために取った行動など、色々なことがCalderとの関係に影響してくる設定になっていましたが、安っぽい展開でした。

でも、全体的には十分楽しめました。
DarcyとLizzyが現代で出会っていたなら…、という一冊。
ヒーロー側の気持ちもたっぷり知ることができて楽しめます。



*ワイセツサイトからの偽コメントが多いため、現在この記事に対するメッセージは受け付けていません。
申し訳ありませんが、この本に関してコメントをくださる方は他の記事やメッセージフォームを通して連絡下さい。


Dangerous Lover

2007年12月06日 | R-S
Lisa Marie Rice. 2007. Dangerous Lover. Red Avon

コンテンポラリー、Hotです。 


恵まれた家庭で育ったCaroline Lakeですが、彼女の人生は6年前のクリスマスにすっかり変わってしまっていました。
交通事故で両親をなくし、その事故で寝たきりになっていた弟をずっと看病。でもつい数週間前に亡くなってしまいます。
父親が残した借金もあるので、売れない本屋を経営し、あちこち修理が必要な自宅ではある老夫婦に部屋を貸してお金を工面していました。
でもクリスマスの数日前に、暖房のきかない家で何度も気管支炎になった妻のために、申し訳ないと謝りつつも老夫婦は去ってしまいます。

Carolineは、今年はついに一人ぼっちのクリスマスだわと言い知れようのない寂しさに拉げられそうになりながらも、クリスマス前日は店で働いていました。
もともとあまり客は来ないのに、吹雪き始めたせいもあり、外には人の気配さえない日でした。

そこにJack Prescottと名乗る謎めいた、でもたくましてセクシーな男性が現れ、部屋を貸して欲しいと申し出ます。

Jackは子供・少年時代をホームレスとして過ごしていました。
そんな中、時々ボランティアとしてホームレスの世話をしていたCarolineと出会い、ずっと片思いをしていたんです。
18歳の頃、ある軍人の養子となり彼の人生はガラリと変わりますが、それからも12年間ずーっとずーっとCarolineだけを思い続けてきました。
30歳になったJackは、亡くなった父の会社を売り、さらに2億ドル相当のダイアモンドを手に入れ大金持ちになっていました。そして、全く手の届かない存在だったCarolineを自分のものにするために戻ってきたのです。

               

なぜかEroticaはTrade Bookとして出されているものがほとんどで、PBより高いのが痛いです…。
でも、ヒロインにず~っと片思いするヒーローのお話には弱い私。即買いでした。JackのCarolineに対する強い気持ちや、Hotなラブシーンには期待を裏切られませんでしたよ。

オススメしたいけど、イマイチ強く押せない理由もあります。
Jackと彼のダイアモンドを付け狙う悪者のDeaverの部分のお話がすんごくつまらないんです。私はザザザーと流し読みでした。
多分、DeaverがH/Hの幸せを破壊しに徐々に迫ってきていることを強調してハラハラさせたかったのかもしれませんが、あまりにありきたりでつまらないので、本の半分を無駄に読まされているような気がしてなりませんでした。

お話の終わり方もちょっと尻切れトンボでしたが、午後の白昼夢には最適の一冊です。

嘆きの城

2007年11月14日 | R-S
嘆きの城」 デボラ・シモンズ作
        石川園枝 訳 (1996年)

原作:
Deborah Simmons. 1994. The Squire's Daughter. Harlequin Historical.

Story:       
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Hero:        
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Sensuality: 

いただいた翻訳本を読みました。

あらすじはそのまま裏表紙に書いてあるものをここに:

ワージントン侯爵ジャスティン・セント・ジョン ---
ロンドン社交界に名を馳せる極めつけの放蕩者。
彼はクレアが14歳のころ初めて恋した男性でもあった。
無邪気な憧れを胸に、隣家の古い石造りの城を訪れたあの日から、クレアの夢は、彼と --- お城に住む王子様と結婚することだった。

結局、彼の女癖の悪さと一方的な別れの言葉で、無残にもその夢は破れ、彼女の心に大きな傷を残した。
ところが、18歳となったクレアが晴れて社交界入りしたとき、目には見えない運命の歯車が回りだした。
相も変わらず女たらしの伊達男は、何を思ったのか、クレアの父親を通して結婚を申し込んできた。
それも愛のない結婚を!


(あ~、あらすじを訳さなくていいのって楽ダワ…)

                

ハーレクインらしい愛らしいお話でした。
アマゾンで酷評されているほどひどいお話だとは思いませんでしたが、ただ、HQ特有のフォーミュラに沿ったお話なので冒険心に欠けてはいます。

あと、このお話のキャラクター達のセリフやお話の語り口調そのものに少し稚拙な印象を受けましたが、半分はヒロインが幼稚なせいと、半分は翻訳のせいもある気がします。
それに全体的にこの作品の翻訳日本語は、そのまま原文が透けてみえるような、すごく不自然な日本語表現が多くて読みづらかったです。

(もう一ついただいた翻訳本「ハイランドの霧に抱かれて」の1章目だけ読んでみたけど、こちらの日本語は大丈夫そう。)

さらにもう一言。
クレアの「大きなハシバミ色の目」には参りました。
何度も何度もくどいほどこの表現が出てきて、「もうわかったから!」と作者に言いたいと同時に、ハリポタに出てくるドビーとか、昔流行ったホラー映画(?)のギズモの目とか、最近子供達の間でブームのおしゃべりする毛深いおもちゃFurbyを想像してしまいましたよ(Furbyの目は青い?)。

くどい表現はこんな効果をもたらすので、やめてほしかった…。

A Compromised Lady

2007年11月04日 | R-S
Elizabeth Rolls. 2007. A Compromised Lady. Harlequin Historical Regency.

His Lady Mistressのヒーローの双子の弟Richardが今回のA compromised Ladyヒーローです。
Raquelさんをはじめ皆さんから、この兄のお話もオススメとの情報をいただいております。Thanks!

Story:           
Dialgoue:      
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Heroine:        
Sensuality:     

子供の頃はイタズラ好きで快活だったThea Winslowですが、大人になった彼女にはそんな面影はなく、地味な服を着て、自分の存在自体なるべく人に気づかれないように生きているかのようでした。
そんなTheaですが、自分勝手な父の言いつけで、(またまた)結婚相手を見つけるためにロンドンへ行くよう言いつけられます。

そこで8年ぶり(だったかな?)に幼なじみのRichard Blakehurstと再会します。
あんなに元気だったTheaに一体何があったんだろうとRichardは彼女のことを心配しますが、二人の手が触れ合った瞬間、ドキリ。彼女の生気がなかった目にまた光が灯ったかのよう。Richardは昔の元気なTheaを見たいと思い始めます。

TheaはRichardと接近すればするほど、彼を幼なじみ以上の一人の男性として意識し始めます。
が、同時に、以前社交界デビューした時の暗い記憶がよみがえり、彼にこれ以上思いを寄せてはいけないと自分に言い聞かせなければいけないのでした。

                


彼女の過去の暗い秘密というのは、HRファンならだいたい想像がつくと思います。
この手のお話の展開でイライラするのは、「なんで彼にこの秘密をさっさと話してしまわないんだろう」というところだと思うんですけど、このCompromised…ではヒロインがどうしてもこの秘密を話せない事情と彼女の心情がよく書かれていていたので、多少のイライラはあっても、Theaに十分感情移入できたし、同情しました。

それと、お話の最初から最後までずーっと温かく包むような愛情でTheaとの関係を築いてきたRichard、おいしいです。ムシャムシャ。
ここまでですでにかっこよさを見せつけたRichardに惚れた私。でもさらにTheaの秘密が分かってからの彼の態度にも惚れて腰砕けです。

あと、ティッシュが手元になかったので、服の袖が大変なことになりましたよ。(笑


この一冊は本棚にキープです。

Awaiting the Fire

2007年09月21日 | R-S
Donna Lee Simpson. 2007. Awaiting the Fire. Berkley Sensation. Paranormal Romance.

ゴシック・パラノーマルは初挑戦の私。
ちょっとがっかりな結果に。

Story:  
Dialogue:
Hero:  
Heroine:
Sensuality:

ゴシック・パラノーマルとうたっているけど、ゴシックな感じはあんまりなかったような…。

Simeon St. Ange(Wesmorlyn伯爵)は、ドイツの伯爵婦人Charlotte von Wolframと婚約を前提として英国に招きます。

家族が勝手に決めた結婚など、はなから真剣に考えていなかったCharlotte。
Wesmorlyn主催の舞踏会で伯爵自身と会ってみて、こんな結婚はありえないと確信。自由奔放なCharlotteには、伯爵は冷たくて堅苦しくて独善的すぎるのです。

こんなにおてんばで手に負えないような女は自分の婚約者としてはふさわしくないと不愉快に思うWesmorlynですが、Charlotteの美しさや内から光がこぼれ出るような快活さに魅力を感じ、Charlotteが婚約を解消しようとしているのが気に入りません。

第一印象は悪かったけど、これからゆっくりお互いのことを知れば修復できるのではと、舞踏会の次の日にCharlotteを訪ねると、『病気』で寝ていると門前払い。
何か様子がおかしいので探ってみると、Charlotteと異母妹のFannyは二人でFannyの母親を探しに行くといって出て行ったきり、行方不明だと分かり、Wemorlynは二人を探しに行きます。


最後、Charlotteの兄、Christoph(伯爵)のお話へと続いています。


                               


ヒストリカルの設定で、狼男とかそういうのが色々出てきても「大丈夫かな、すんなり受け入れられるかなぁ」とちょっと心配だったのですが、元々はオカルト少女だった私。その辺は全く問題ありませんでした。(笑

問題アリだったのは、Charlotteの知性でした。
ある程度は魔法のせいもあったんだけど、異母妹Fannyの母親を探しに行くことになるくだりが、かしこい人のやることじゃないように思えてなりませんでした。
言い換えたら、お話のプロット自体に納得が行かないんですよね。
最後の最後でCharlotteは兄に「バカなことをした」って謝るんですけど、やっと読者にも謝ってもらったヮって感じがしました。
それに、CharlotteもFannyもメソメソ泣いてばっかりだったし。


あと、個人的な思想の問題でもあるけど、ヒーローの設定の関係でキリスト教系の用語が結構使われてるんです(彼の名前からだいたい想像がつくかと・・・)。
二言目には「聖書では・・・」とか、Wesmorlynの口からボロボロ出てくるんです。
結果的には、彼の考え方は間違ってたことになるんですけど。
でも、たとえ彼の考え方は間違っていたと認めても、Wesmorlynの背景自体が、無神論者の私には読んでいてかなり心地悪かったです。



とか書いてたら、さっきうちに宣教者が来ましたよ。
私にはWickednessがあるから、神様に祈って治してもらいましょうだって。
あの人たち、なぜ私がWicked Womanだと知っていたんでしょうか・・・

ま、何を信じるかは個人の自由だけど、強引な勧誘はお断りです。




・・・もとい。

これのシリーズだと思いますが、"Awaiting the Moon"と"Awaiting the Night"
もあります。
AARでの評価は、MoonのほうはB-、NightのほうはC-となってます。


パラノーマルねぇ。
吸血鬼ものだったらいけると思うので、今度はそういうのを探してみます。
何かオススメがあれば、みなさんからも教えてくださいマセね。

The Wicked Lover

2007年02月06日 | R-S
Julia Ross. The Wicked Lover. Berkley Sensation Historical Romance.

男装ものです。

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Hero:        
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実はジョークは私の好みではないし、独特の世界を作り出している言葉の選択も私にはメロドラマチックすぎます。でもお話自体は魅力があり、どうかな、Mary Jo PutneyやLiz Carlyleが好きならRossもいけるかも。私は読んだことはないけど、Samantha Saxonが好きな方もいけるかも、というのがロマンス本専門店のお姉さんの意見です。



Mr. Robert Sinclair Dovenby(Dove)はハンサムでレディーキラー(死語…?)で有名。Lady Grenhamとの愛人関係を持っていたいのですが、ボンファイヤーとともに終わりを迎えます。ある日Doveが帰ってくると、彼の家の前でLady Grenhamが彼の服や小物を派手にボンファイヤー放り込んでいるところでした。
彼女が怒って彼をふった理由とは、いつものようにDoveの部屋へ行くと、別の女性がいたから。
この辺のシーンでのDoveのジョークは良かったんだけど。

浮気した覚えのないDoveは困惑したまま部屋に上がっていくと、みすぼらしい女性と彼女についてきた下男”George"と名乗る若い男の子がベッドにしばられいました。

"George"とは、Doveが実は反逆人ではないかという疑惑を探り確認するために送られたスパイ - Sylvie Georgiana、Montevrain伯爵夫人(未亡人)です。

ベッドに縛り付けられていたGeorgeをほどいているときに、Doveはすでにこの下男は女性だと気づいていましたが、知らないふりを通します。
彼女がなぜ来たのか気になるし、男装の下に隠された魅力的なこの謎の女性も気になります。

Georgeからしてみたら運良く、Doveの秘書としての仕事を引き受けることになり、二人はたっぷり一緒に時間を過ごすことになります。
この仕事を引き受けるまでは伯爵夫人としての身分やその美貌も使い、必要とあらばベッドを共にして情報収集もしてきたSylvie。今回のターゲットはとてもハンサムで女性を魅了するのが日常茶飯事なDoveのため、深みにはまらないよう男装することになったのですが、彼の魅力によってGeorgeの仮面の下は心も体も女のSylvieなんだと思い知らされることばかり。
スパイの仕事に集中できなくなってきます…。

     
途中、Ross独特の『ジョーク』たっぷりの会話など何度かつまらなくなる部分など、私とは合わないそういう部分を差し引いても、主人公二人に人間味があり良く出来ているので、最後どう終わるのか気になる一冊です。

Rossの別の作品"Night of Sin"もレビュー待ちです。
ちょっと前にJournalで「2作目"Night of Sin"」と書いてしまったと思うのですが、シリーズではありませんでした。ごめんなさい。

The Slightest Provocation

2007年01月31日 | R-S
Pam Rosenthal. 2006. The Slightest Provocation. Signet Eclipse.

こういう表紙のにはなぜか期待してしまうので、お店で見たときに衝動買いしてしまいましたが、私の好みではありませんでした…。

Story:       
Dialogue:  
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Heroine:    
Sensuality: 

でも、Julia Rossが好きならRosenthalもいけるんじゃないでしょうか。
登場人物たちの言動がものすごく現実的です。大多数のロマンス小説によくある完璧に近い主人公達とは違って、このお話の主人公達は欠点もたくさんあり、人間味に溢れ、親近感が沸きます。

若くして駆け落ちしたKit StansellとMary Penley。情熱的な新婚生活にかげりが見え始めると、もともと政治的思想が合わなかったこと、Kitがまだまだ若くて落ち着かなかったことなどから、Kitが舞台女優と浮気し始めます。
仕返しにMaryはKitの親友を誘惑します。ある日この二人がほとんど裸でベッドにいるところをKitに目撃され、二人の関係は修復不可能に。
離婚はありえないので別居の道を選びます。

そしてお話は9年後に二人が再会するところから始まります。

と、登場人物もドラマの筋書きもいいんだけど、展開が悪かった…。
再会してからまたケンカして別れ、でもそこからまた再会するまでが長いんです。何十ページも何も起こらないし。
その間、互いに回顧する部分が頻繁に出てきますが、そんなにおもしろくもないのにチョロチョロと小出しでイライラッ。Italicsで読みにくいし。

何度も会ってしまううちに9年前の間違いを少しずつ修復していく筋書きなんでしょうけど、そんな風には見えませんでした。いや~な雰囲気のケンカばっかりで。

KitのやっぱりMaryじゃなきゃ嫌なんだと思う気持ちや、Maryに社会に貢献している自分の姿を賞賛してほしいという、すがるような気持ちには切なくなりましたが、Kitの浮気の仕方からしてねぇ。許してもらおうって方がおかしいんじゃないの?って。
しかも、浮気した本人の言い訳はお定まり:
  若かったし「妻」とかそういうものに違和感を感じた、とか、友達から「妻だけでいいの?」ってからかわれたとか、ちょっとマンネリ化してた…、とか。

浮気は明らかなのにそうじゃないと自分に言い聞かせて家で一人待っていた、若くて一途なMaryがかわいそうで仕方ありませんでした。

こういうKitの罪を許した上での二人の2度目の愛は、納得のいくものではありませんでした。

ラブシーンはたくさんあり、色々なサイトのレビューではホットホットとなってます。
確かに、ちょっとしたプレーなんかもあったりするし、登場人物が現実的だけに生々しいのですが、スローなお話の展開の中で浮いてます。


好みが分かれる一冊かと。

Lost in Temptation

2007年01月12日 | R-S

Lauren Royal. 2005. Lost in Temptation. Signet Eclipse Historical Romance.

The Sweet Temptation Trilogyの1作目です。

Story:   
Dialogue:
Hero:     
Heroine: 
Sensuality:

Royalは昨年末から気になっていたのですが、初挑戦は期待はずれに終わりました。

各章の最初に代々家に伝わるお菓子のレシピとそのちょっとしたおまじない効果が書かれているのですが、お話の内容とほとんど絡んでいません。

         

いつも人のいうことはきちんと聞いてきたLady Alexandra Chaseは少女の頃から兄の友達Mr. Tristan Nesbittに片思いしていましたが、Alexandraは侯爵家の娘。TrisはただのMrだし、なにより異性の相手として見てもらえないのでほとんどあきらめていました。

7年後、ジャマイカでプランテーションや農業などの勉強をして帰ってきたTristan。叔父家族が次々と亡くなったため、Hawkridge侯爵となっていました。
Alexandraとの結婚も不可能でなくなったのですが、彼女とも誰とも結婚しないと宣言します。
というのも、彼が叔父を殺した殺人犯だといううわさが社交界ででまわっていたためです。

Alexandraはこの悪いうわさを断ち切ってTrisの名誉挽回をしようと一生懸命になりますが、Trisは夢遊病のために自分でも自信がないのでとにかくやめるようにAlexandraに強く言い聞かせます。

            

Trisの自分を信用できない気持ちも分かりましたが、家の召使や彼を知る人は誰も彼が殺人犯だとは思ってないのに、もう少し勇気を出して踏み切ったらどうだぁ!と言ってやりたくなりました。
さらに、このお話の矛盾点は、TrisもAlexandraのことが昔から好きだったとか言ってるのに、Trisはこの7年の間に恋した相手が数人いたとか、結婚までいって式当日に自分を捨てた女性がいたことです。え?Alexandraのことは忘れられなかったんじゃないの?って。

        
ちょっとしたサスペンスありのお話なのに、かなり単調な読み心地でした。
2作目はAlexandraの妹JulianaとStafford伯爵の"Tempting Juliana"で、もう発売されてます。


The Rogue Report

2006年12月07日 | R-S

Barbara Dawson Smith. 2006. The Rogue Report. St. Martin's Paperback.
久々にいいものに出会いました。

Story:     
Dialogue:
Hero:      
Heroine:  
Sensuality:

Amazon.comのレビューアー達とは大反対。私はこれ、オススメです。
よくみると、Amazon.comの「Was this review helpful?」のところにはNoとした人のほうが多いので、私とよく似た感想を持った人もたくさんいるはず!

確かに、この感想を残した人達が言うように、ストーリーラインは簡単に予測がつく、どっかで読んだようなお話です。
でも、ヒーローとヒロインがそれぞれセクシーなだけじゃなくて、聡明でがんばり屋さんで印象的です。特にヒロインのLady Julia Corwynの家族思いの優しさや強さには、Jack William Mansfield、Rutledge伯爵でなくても惚れてしまいそう

貧乏な伯爵Jackは、お金持ち令嬢と婚約していましたが、社交界のダメ男をレポートするThe Rogue Reportのせいで破棄されます。
色々自分勝手な理由から、この新聞を書いている人に復讐してやるんだと誓います。

この新聞を書いているのは、8年前に未婚の子を産んだJuliaかもしれないということが簡単にわかり、彼女が校長をしている私生児たちのための学校へ数学の先生として潜入します。
Mr.Jackmanとして先生になったJackと、規律正しい校長先生のJulia。あとの展開はテンプレート通りという感じです。
一般市民のMr.Jackmanと恋に落ちるJuliaと、仕返ししてやるはずだったのが、美しく思いやり深いJuliaにこれまで感じたことのない気持ちを持ち始めるJack。そして、最後のほうですっかりJuliaの信頼を得たあと、Jackのウソがばれる・・・。
でも二人がお互いどういうふうに惹かれあうのかよく分かるし、JackがJuliaを失いたくないという気持ちにはドキドキ
二人とも性格がきちんと出ているし、ワンパターンの筋書きは気になりませんでした。
それに、シンデレラストーリーの応用みたいで、私は好きです。

前半はユーモアも忘れず、Jackの授業初日の様子などおもしろいです。
(自分も教える立場にいるだけに、ちょっと心配してしまったり。)

最後の方では、JackがひたすらJuliaを説得します。これはこれでいいのですが、結婚した後Juliaが社交界に戻ることには一切触れられていないのが気になりました。もう戻りたいとは思わないとJuliaはお話の中で言っていましたが、伯爵と結婚すれば避けられないことなので、どうするのか知りたかったです。でも、ま、基本はJackがどれだけJuliaのために変わったか、ということなんでしょうね。

Dawson Smithは他にもたくさん出してますね。また読むのが楽しみなものが増えて嬉しいです


The Switch

2006年11月29日 | R-S

Sands, Lynsay. The Switch. 1999. Leisure Books.

Julia Quinnほどのキレはないかもしれないけど、Sandsもいいかも。

Story:   
Dialgoue: 
Hero:       
Heroine:   
Sensuality:

Heyerの"The Masqueraders"の真似そのものじゃないの!と思わせる出だしでしたが、読み進むうちに全く違ったおもしろい展開にどんどん引き込まれていき、本が置けませんでした。

双子姉妹Charlie (Charlotteのニックネーム)とElizabeth Carlandは両親を亡くし、後見人である叔父がお金のために二人を無理やり結婚させようとします。しかもそれぞれの相手というのが年配のヘンタイで、Charlieの相手なんて特に、妻殺しのうわさもあるような悪漢です。

だまって言いなりになるわけにはいかないCharlieとBethは、ロンドンへ叔父と向かう途中、宿泊先のホテルから抜け出します。

Charlieは男の子"Charls"に変装し、Bethと二人で母方の叔父の所へ逃げる計画でした。

が、そこへちょうどRadcliff伯爵が通りかかります。
Radcliffが叔父にばらすといけないと思って用心し、彼があれこれ聞く質問にその場で思いついたうそで切り返すCharlie。ロンドンへ向かうというのもその場の思いつきのウソでした。

が、二人に奇妙な父子本能が働いたRadcliffは、双子姉妹の困ったことに、ロンドンまで連れて行ってあげるというのです。
急遽計画を変更せざるを得なくなった双子姉妹と伯爵の3人はロンドンへ向かいます。



ここまでは典型的な設定ですが、ロンドンへ着いてからは次は何が起こるのかとどんどん読み進みたくなる展開になっています。

もちろん、Radcliffは"Charls"が女の子だなんて知らないので、なんでこんなにCharlsのおしりが気になったりするのか自分のことが分からなくなる様子や、CharlieがBethと入れ替わって"Beth"になったときの彼の反応など、かわいそうだけど、おかしくて笑ってしまいます。

最後のほう、Radcliffが"Charles"が実はCharlieだと分かってからロマンスがおろそかになっていますが、それでもお話全体にユーモアが溢れていて最後の最後まで楽しませてくれる一冊です。

気が向いたらゼヒどうぞ


An Unlikely Governess

2006年10月07日 | R-S

Karen Ranney. 2005. An Unlikely Governess. Avon Historical Romance.

ゴシック小説的な香りが漂うこの作品、アマゾンでもAARでも全体的な評価は良いけど、私からはハートマーク2個半。

Story:    
Dialogue: 
Hero:      
Heroine:  
Sensuality:

コレラで両親や友人を亡くし身よりもなく、結婚の話も立ち消え、この世にたった一人になってしまったMiss.Beatrice Sinclair。貧しさのせいであともう少しで餓死しそうというところで、わずか7歳の公爵の家庭教師の仕事にありつきます。
この公爵家には最近妙なうわさが付きまとっていますが、餓死するより不幸なことはない、とBeatriceは気にしないように自分に言い聞かせます。

公爵が住む城でBeatriceが出会ったのはMr.Devlen Gordon。公爵のいとこで、お金持ち、ちょっと謎めいた雰囲気を漂わせたハンサム紳士。
誰かが幼い公爵の命を狙っているせいで、公爵は毎晩悪夢にうなされ誰のことも信じることができません。でもそんな公爵がたった一人だけ信頼できるのはこのDevlen。
公爵を心の底から心配し守ろうとする優しい面と、何人もの愛人を過去に持った危険でセクシーな面を持ち合わすDevlenにBeatriceは惹きつけられてしまいます。

Devlenは、気丈で自分の意見をはっきり言うBeatriceに初めて会った時から惹かれますが、身分の違いや結婚はまだ考えたくないという理由から彼女には深い係わり合いを持たないよう距離をおくようにしますが、抵抗しがたい…。

            
お話は全体的にものすごく暗いし、DevlenとBeatriceの会話が全然おもしろくありません。ユーモアがあるわけでもなく、この会話によって二人の関係が深まっていく様子がわかるわけでもなく、一本調子の内容の薄い会話ばかり。
お話の中盤は、わがままでどうしようもない7歳の公爵を一生懸命しつけするBeatriceと公爵の奇妙な会話が中心になります。これはこれで良かったのですが、どこでDevlenとロマンスが始まるのかと不思議にならずにはいられませんでした。

離れていてもお互いのことを考えていたには考えていたBeatriceとDevlen。
結局、自分を抑えきれなくなったといって、距離をおいて実家に帰っていたDevlenは公爵家へ戻ってきます。戻ってきたとたん、Beatriceに「お前が欲しい」みたいなことを言うのですが、あの一連のセリフにはひいてしまいました。「お前とあんなこともしたい、こんなこともしたい」とか、セクハラやないの…。
ラブシーンは結構濃厚なところもありますが、Beatriceの変わりようにびびるかも。

悪くはない作品だとは思いますが、私には魅力がよく分かりませんでした。


The Chivalrous Rake by Elizabeth Rolls

2006年06月30日 | R-S
Elizabeth Rolls (2006) The Chivalrous Rake.
HQ Regency

私にとっては初Rolls。ナカナカでした。

Story:    
Dialogue: 
Hero:     
Heroine:  
Sensuality:

Mr.Jack Hamiltonは、楽しみだった狩りのシーズンに入りましたが、落馬して怪我をしてしまったので客をもてなすような雰囲気には全くなれず、傷を癒しながら静かに毎日を過ごしていました。
ですがある日前触れもなく、牧師であるDr.Bramleyと娘のCressidaが現れます。着の身着のまま、一文無しの親戚をまさか追い出すわけにもいかずJackは、ヒロインCressidaとの初対面は完璧とは言いがたいものでしたが、結局彼らを暖かく迎え入れます。

ちょっと短気で毒舌なCressidaは、自分だけでなく父親までも汚名を着せられ、逃げるように唯一の親戚を頼ってJackの家までやってきました。
ぼんやりとした父親を一番に気遣い、自分のことは後回しにする優しいCressidaですが、Jackとははなっからドンパチ。ケンカばかりしてしまいます。

Jackは本当は、召使一人一人まできちんと考慮するような騎士道精神たっぷりの紳士。でもロンドンの結婚市場での経験から、Cressidaの魅力に捕らわれそうになる度に「だまされるものか」とCressidaをずるい女扱いをしてしまいます。
Cressidaは、「やさしい紳士」の言葉にはもう二度とだまされない!と何度も自分に言い聞かせますが、Jackの本当の魅力は抵抗しがたい…。
でも、ほんの少しでも「本当は彼はもしかしたら…」と思わせるようなことがある度に、Jackから冷酷な言葉を浴びせられ傷つきます。

本当はJack自身が恋に落ちるのをふせぐための自己防衛の言動と、本当のことを話さない・話せないCressidaの言動のせいで、どんどん二人の間の溝は深まり、互いに思う気持ちはすれ違っていきます。

          
お手本どおりのようなコテコテのこのリージェンシーロマンス、本当はハート4つかなとも思ったけど、ヒーローがヒロインに対して失礼な場面がいくつかあったので、3つ半です。
リージェンシーロマンスにはよくあるシーンで、良い・悪いは読者や状況によりけりですね。今回のは私はちょっといただけませんでした。

でもでも、全体的には十分楽しめるリージェンシーロマンスです。