ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

the Secret to Seduction

2007年05月27日 | L

Julie Anne Long. 2007. The Secret to Seduction. Warner Books.

デビュー作"The Runnaway Duke"で人気を博したLong。どんなもんか一冊試してみました。

Story:     
Dialogue:
Hero:      
Heroine:  
Sensuality:

私の好みではありませんでした。
私の好みではないけど、好きな方は充分楽しめるだろうし、ハマッたりもするんじゃないかな…。

                     
牧師の娘Sabrina Fairleighは牧師見習いのGeoffreyとの結婚を実現させ、二人で異国の地で宣教活動をするのが夢。
それを実現させるためには資金が必要なので、GeoffreyのいとこRawden伯爵(Rhys Gillray)のハウスパーティーに参加し、説得に乗り出します。

苦悩する(?)詩人風のRhysは、ロンドンでの生活もマンネリで何をやってもつまらないと感じる毎日。不倫が原因で決闘をしてこれで命を落とすかもしれないと思った瞬間も、なんだか刺激のない人生だなぁと憂鬱でした。
そんなRhysはその決闘が原因でしばらく田舎でおとなしくするために自分の邸宅で親しい友人だけ招いてハウスパーティーをします。

Rhysは、強引に招待客について来ていたSabrinaとそこで出会い、田舎育ちで純真だけど頭の切れる彼女に興味を抱き始めるのに時間はかかりませんでした。
性的な欲望は罪だと言う信心深く世間知らずなSabrinaを「独善」だと批判したりして、Rhysは徐々にSabrinaの世界観に影響を及ぼしていきます。

Rhysは彼女と接近すればするほど、実は彼自身がSabrinaの家族みんながバラバラになってしまった原因だったので、ひどい罪悪感に苛まれていました。
でもSabrinaとは離れたくないという気持ちから、その暗い秘密を隠し通そうとします


                     
私はこの二人がどうして惹かれあったのか、何がお互い魅力的だったのかさっぱり分かりませんでした。
お話の題名やヒーローのニックネームがほのめかすほどセクシーなお話でもありませんでしたし。
さらに色々なレビューアーから"Witty"とうたわれる会話。私から言わせてもらえば、くさいし安っぽかったです。

ヒーローが詩人ということなのですが、彼を「ちょっと風変わりな『典型的な』詩人タイプ」にしたいのか、それとも「真剣に詩人」にしたいのか、それとも「ちょっと風変わりだけど本当は違う」としたいのかよく分からず、結局彼の人格がはっきりしないまま終わりました。
それに、彼がかいた詩は"scandalous and irresistible"だということだそうですが、私にはただ下品なだけにしか思えず、Longがどれだけ「ロンドンの貴婦人がセクシーなThe Libertineにむらがる」と描写しても説得力がありませんでした。
こういうものはあくまでも主観の違いですけどね。

詩人、画家、オペラ歌手と、芸術家揃いのお話でしたが、作家Long自身の「芸術家」にたいする固定概念しか見えてこず、私はどの人物にも親近感が沸かなかったし、全く人物描写も深いとは思いませんでした。
会話もだからウソっぽかったです。
オペラを聴いて泣けてきた時の描写やギリシャ神話の像を見たときの感想など、くさすぎるしお定まりでした。

途中で嫌になったけど、それでも最後まで読ませるストーリー性はあるから読めたのかと…。
私の感想は偏ってしまったけど、Julia Ross、Mary Jo Putney、Loretta Chase、Judith McNaughtなどが好きな方にはいいんじゃないでしょうか。

今回のは、幼い時に離ればなれになってしまった3姉妹のシリーズの最終回。
Book1:Beauty and the Spy
Book2:Ways to be Wicked

>>Julie Anne Long



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