ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Julia London

2006年07月25日 | L

Julia London 
The Rogues of Regent Street Series

           


最初の2作を読んで、シリーズ読破は中断決定。
「おしん」のように耐えに耐えるヒロインと、勘違い・すれ違いのお話が好きな方はどうぞ。

"The Dangerous Gentleman" (2000) Dell 
Rogues of Regent Streetなんてうたわれてみんなの憧れの的、Adrian Spence、Albright伯爵はいとこのPhillipを決闘で図らずも殺してしまいます。それを期に、長年確執が続いていた父親から勘当され、世襲の遺産以外のものは全て弟に行き渡ることに。Adrianはそんな父親といつもひいきされている弟に仕返しをするため、弟が思いを寄せていたLilliana Dashellを奪い、スピード結婚。田舎暮らしから開放され、ハンサムなAdrianと結婚できたLillianaは幸せの絶頂でしたが、そのうちAdrianの冷たい態度に一人でひっそり泣く生活が始まり、結婚生活は座礁に乗り上げます・・・。

"The Ruthless Charmer"  (2000) Dell 
Julian、Kettering伯爵は、長年Claudiaに片思いしてきたのですが、ClaudiaはPhillipの生前に婚約寸前までいった関係だし、Phillipが死んだのは自分の責任でもあると信じているので、彼女との将来なんて夢のまた夢。
Claudiaは少女時代をずっとJulianに恋焦がれて過ごしましたが、Julianの無関心さに失恋し、社交界デビューしてからはPhillipと交際。そしてPhillipが死んだのはJulianのせいだと思い込んでいるためJulianのことが(本当はまだ気になるけど)許せません。
が、あるパーティーで二人はスキャンダラスな状態で発見され、結婚することに。本当はお互いのことが好きな二人ですが、Claudiaは、Julianの妹と実は借金まみれで暴力的な男と駆け落ちするのに結果的に手を加えることになってしまい、Julianは激怒。二人の結婚生活はもう修復不可能な状態に・・・。

 
先日の"Whitney, My Love"と似ていて、読み進むことはできるんだけど、主人公達、特にヒーローを好きになれませんでした。
とにかく真剣なお話で、ユーモアもあまりなく、主人公の二人がすれ違い、ケンカばかり。
2作とも、ヒーロー達が友達だった人を死に追いやってしまった暗い記憶に悩まされているので、お話は全体的にどんより。
ヒロインはヒーローからのひどい仕打ちにも関わらず尽くすのですが、こういうのは私の好みじゃないんです。
2作読んでみてワンパターンだったし、ロマンスもあまりなく読んでいて楽しくないので、このシリーズはここでオサラバです。


A Fine Passion by Stephanie Laurens

2006年06月09日 | L

Stephanie Laurens (2005) A Fine Passion. Avon.

Johanna Linsey と並んでHRの大御所 Stephanie Laurens の Bastion Club シリーズの4作目です。(チラっと前のシリーズのCynsterさん達も出てたりして。)

Laurensの作品は話のスジがワンパターンで表現がくどい、とここ数年の間に批判が増えてきています。
この作品もAmazonでそのような批判をあびており、全体的な評価は両極に分かれています。私からは満足のハート4つです。

Story: 
Dialogue: 
Hero:   
Heroine: 
Sensuality: 7.5

元スパイの紳士7人は、爵位有り金有りのパワフルハンサム集団。
結婚の罠を仕掛けるご婦人方からわが身を守るために、最後の砦 Bastion Club を結成します。

いまのところメンバーのうち3人がすばらしい女性と出会って結婚したけど、Jack(Warnefleet男爵)はもう少しで頭の悪そうな女の子と結婚という罠にはめられてしまいそうになり、社交界にはうんざりし、田舎へ退散します。

そこで出会ったのは、気の強いブルーストッキング Lady Clarice Altwoodです。
Clariceは過去のスキャンダルのせいで田舎で静かに暮らしていましたが、怪しい馬車事故を目撃したり、いとこのJamesが反逆罪の疑いをかけられたりと事件が起こり始めます。

我の強いJackとClariceは出会った瞬間からガチンコ対決!
こんな二人のやり取りが私は気に入りました。Amazonではこれが嫌だという人もいます。

ワンパターンのLaurensですが、以前彼女のホームページにあったEssayを読んで、ヒストリカルロマンスに対する情熱は誰よりも深いことがよく分かりました。
ソワレやボール、魅惑的なワルツのシーンなど、決して時代背景をおろそかにせず、且つ、ヒーローとヒロインの熱烈なラブシーンもたっぷりのLaurensならではのお話は、ワンパターンのかげりが出ていてもまたすっと発売と同時に買ってしまうんですよね・・・。

5作目は8月末日発売の「To Distraction」です。


What Price Love?

2006年04月25日 | L

What Price Love?
By Stephanie Laurens (2006) ステファニー・ローレンス
Story:         

Dialogue:   

Hero:          
Heroine:     
Sensuality:  7.5

A disappointment....
シンスター家のシリーズをずっと読んできたファンにはがっかりの最新作です。(私はしかもハードカバー買ってしまった・・・。)

ヒーローは、シンスター家シリーズの4作目DemonFelicityのお話で出てきたDillonです。Felicityのいとこで、この4作目では、まだ若かったDillonが競馬の八百長に関わり合った結果、命を狙われることになり、フェリシティとデーモンに助けてもらっています。

今回の話では、ディロンはすっかり大人になっており、一生懸命働いてきたので周りからの信頼を取り戻し、競走馬登録簿の管理者となっていました。もちろん、家柄の良さだけでなく、ダークな容姿と飄々とした性格は、ロンドンのレディー達とお母様方からいつも四方から囲まれてしまうほど。
ディロンはジョッキー・クラブから依頼され、ニューマーケットの競馬場で起こる八百長を捜査していました。ある日、息を呑むほど美しいアイルランド女性Miss. プリシラ・ダリングが現れ、競馬好きの伯母のためにも登録簿を見せてほしいと願い出ますが、本当の動機は別のところにあるのはディロンの目には明らかです。

プリシラ -本当はプリシラ・ダロウェイ伯爵令嬢- は、競走馬の厩舎で働くのだと家出して行方不明になってしまっていた双子の弟ラッセルを探すためロンドンへ来ていました。彼の行方をつかむ手がかりは競走馬登録簿にあるのですが、ディロンは頑として見せようとはしません。
こうなったらプリシラは女の武器を使ってディロンを誘惑しようとします。一方、ディロンはなんとしてでも彼女から本当の理由を聞きだそうとします。
          
           

今回の作品でそろそろローレンスのファンが減り始めても私は驚きません。本当にお話がワンパターンでつまりませんでした。ラブシーンはたっぷりあるけど、どうして主人公の二人がここまでひかれあうのかさっぱり分からないし、表現もワンパターンです。

主人公の二人が恋の駆け引きをする道具として、無理やり登録簿にした感がありロマンスにうまく絡んできません。

お話の筋が薄っぺらすぎるし、物語そのものの描写が乏しいので、競馬や馬の登録簿に関する参考書を読んでいる錯覚に陥ります。

ハードカバーは買わないことをオススメします。