一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

□ 蔵の湯東松山温泉 「蔵の湯東松山店」 (元100湯)

2005-10-07 23:49:57 | 元100湯
 埼玉というと今までは温泉郷というものが存在せずに、一部秩父地方に見られるように、冷鉱泉がときたまあるとように、昔ながらの高温泉に恵まれず温泉として、埼玉の温泉って何処だろうと考える人も多い。
 しかし、今は日本一とも言える温泉掘削ラッシュに沸いており、日本の温泉の1つの形態ともなりつつある、日帰り温泉のスーパー銭湯での温泉掘削が非常に多くなっている。元来スーパー銭湯という浴用施設は、変わり湯(薬湯)やジャグジーなどの風呂がありお風呂好きな人が、ゆったりと入浴し、風呂上りに1杯といったように体と心のケアをするような目的ではあるが、最近では温泉導入といったように、更に強力なケアが求められているのだろう。

 そんな温泉施設が近所にあったならどんなに楽しいものか、蔵の湯に入浴している常連さんの顔を見れば一目瞭然である。蔵の湯は、元来温泉施設を持たない、温浴施設であったが、開場5周年記念の一環として、駐車場に温泉掘削の櫓をたてた。東松山の地層は温泉が湧出するには難しい地層であると言われたが、地下1200mより待望の温泉が湧いた、成分総量は17g/kg 非常に濃い温泉である。

 温泉が湧出して、関東周辺温泉みしゅらんオフ会に参加させていただいたときに、こちらのオーナーさんのご厚意で、工事現場で見かける鉄製のごみ収集箱のなかに温泉を張りその中に皆で入浴した。不感温度というべき37度の源泉は、地下湧出直ぐのお湯で、鮮度感の高い温泉を楽しませていただいた。
 鮮度感があり、非常によい香りがしていて、浴感も穏やかだったので、誰もが4gくらいのお湯だと思っていたのだが、舐めてみるとかなりの塩辛さと肌にしみこみような浴感で誰かが高張性まで行っているのではないかと言い出した。
 その後やはり17gと高い濃度の、温泉であったためそのやさしい浴感は、温泉の成分の濃さとはあまり関係ないものであったことが、今でも不思議である。

 さて、その後も2回ほど蔵の湯に入浴させていただいたが、こちらのオーナーさんの熱意で、あの仮設の浴槽と変わらないお湯に入らせて頂いた。温泉はナトリムー塩化物泉で若干カルシウム成分もあるが、成分的には純粋塩化物泉で、その純粋さから穏やかな浴感を醸し出しているのだろう。しかしここの温泉の最大なる特徴はやはりその匂いであろう。東松山は関東平野でもかなり内陸部に属しているのだが、強いヨード臭と若干の臭素臭が感じられる。
 これは、新潟平野でみられるガス田掘削時に湧出した温泉と似た匂いなのでる。そんなクセのある温泉は、関東にはありそうでないお湯なのかもしれない。

 最近ここ蔵の湯では、加水、加熱、源泉かけ流し湯をおこなっている、濃い湯も楽しいのだが、やはり温泉は鮮度感を求める我々にとって非常に喜ばしいことである。ここの温泉は毎分30mg/min と濃い湯には恵まれたが湧出量には恵まれなかった、濃い温泉でポンプが故障したのもあるが、以降加水して温泉を維持している。はっきりいってこの温泉の10倍くらい湧出量のところでも湯使いが悪い施設は沢山ある、限りある資源のなかで、考えられること全てを実践しているここの施設には多くの共感が得られる。

 それは、情報の公開がインタネットのHPでもあらわせられているし、お湯使いの方法の張り紙でも表されているが、それよりなにより、入浴してとても気持ちのよいお湯になっていることが全てであるのだろう。湧出量の少ないお湯でも、ここまで出来るといったものが、湯守としての執念がこの温泉を造りだしているのだろう、脱帽である。

源泉名 蔵の湯東松山温泉  泉温38.1℃  湧出量37.3L/min PH7.75
Na=5574 K=25.4 NH4=0.4 Mg=24.4 Ca=900.6 Sr=31.6 Ba=2.0 Mn=0.7 Fe=4.4
F=2.3 Cl=10260 Br=44.7 I(ヨウ素)=14.2 HS=0.02 SO4=16.2 HCO3=50.0 メタケイ20.4 メタホウ=116.3 CO2=16.8 成分総量17110 mg/kg (平成16年5月分析)

文/画像 ガメラちゃん@takayama