１０月２２日（木） 最初で最後のバリウム。

　6時45分起床。

　妻と娘を見送ってから身支度を整える。今日は午後から健康診断で胃のレントゲンがあるので、朝から何も食べることができない。それどころか、朝8時までの水1杯以外は水分も取ってはいけない。常時何かを飲んでいる私にとってはかなり厳しい試練である。

　9時過ぎに出勤。危うく給茶機に向かいそうになるのを思いとどまる、ということを何度か繰り返す。

　午後から健康診断へ。初めてのバリウムに緊張していたのだが、聞きしに勝る飲みづらさだった。発泡剤を飲んだ瞬間からお腹がパンパンになるし、何よりバリウム自体がとても口に入れるものと思えない味で、何度も襲い来る吐き気を堪えながらチビチビと飲んだ。しかも、検査技師が嫌な人で、少しずつしか飲めない私に対してもっと早く飲めと煽ってきたのが本気で頭に来た。言われて飲めるくらいなら最初から飲んでいる。煽られて良いことなんか何もないのに、一体こいつは何を考えているんだろう。刑法さえなければ、間違いなくぶん殴っているところだ。ただ、あまりにバリウムを飲むのがつらすぎたので、当初心配していたアクロバティックな動きをさせられることによる腰の痛みはそれほど気にならなかった。というか、吐き気でそれどころではなかった。今回は何とか飲み干して無事に検査を終えることが出来たが、もう2度とやるまい。絶対にやるまい。

　検査終了後に飲んだ下剤の効果がいつ出るかわからず不安なので、昼食はコンビニで買ったおにぎりをオフィスに戻ってから食べる。この選択は大正解で、食べてから15分ほどで第1波が訪れ、その後30分おきくらいに第2波、第3波がやってきた。1時間ほどで2リットル近い水分を摂取したこともあるのだろうが、下剤の力おそるべし。

　ちなみに、検査から帰ってきた私の顔色が相当悪かったようで、腰が痛いのではないかと先輩方から心配されてしまった。そうではなくてバリウムが気持ち悪すぎて…という話をしたら、それでも昔よりはだいぶ飲みやすくなったんだよと言われた。飲みやすくなってこれなのか。昔のことを考えたら恐ろしい。とにかく、もう2度と胃のレントゲン検査はやらない。来年からは自腹で胃カメラを飲むことにする。もちろん、麻酔を打ってもらって。

　定時で退社。自転車に乗るのが苦労するので娘のお迎えは妻に任せ、帰宅する。妻は夏頃にバリウム初体験を済ませているのだが、あまりの気持ち悪さに途中でギブアップしているので、最後まで飲み切っただけでもすごいと褒めてくれた。お互い、来年からは胃カメラにしよう。

　入浴と洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。

　夕食は昨日何となくコンビニで買っておいたカップラーメンと、週末に妻がスーパーで買ってきてくれたピザ。実質的に今日初めてのまとまった食事なので、お腹いっぱい食べる。

　その後もお腹は快調で、バリウムの排出はスムーズに完了したようである。汚い話ですいません。

　日付が変わる頃に就寝。

１０月２１日（水） 魔女の一撃。

　6時45分起床。

　妻と娘を見送ってから朝食。

　さあ着替えようかと、しゃがんでいるところから立ち上がろうとした瞬間、腰に激痛が走る。一瞬後ろから誰かにバットで殴られたのかと思ったが、すぐにその痛みが身体の内側から来ていることに気づく。あまりの痛みに動くことができず、しばらくその場でうずくまる。なんだこの痛みは。

　しばらくしてから、意を決して立ち上がる。身体を動かすのがめちゃくちゃ怖かったが、一度立ってしまえば歩く分にはそれほど痛みは強くならない。まあ、そもそもがずっと痛いからなのかもしれないが。

　会社に電話をしてお休みを頂き、駅前の形成外科へ。駅まではタクシーに乗る。歩けるかなと思って30秒ほど頑張ってみたのだが、すぐに諦めてたまたま通ったタクシーに助けを求めた。

　病院でレントゲン撮影と診察を受け、先生から病名を言われる。聞いたことのない複雑な名前だったが、後から看護師さんが「要するにぎっくり腰です」と教えてくれた。その後、電気治療とアイシングを受け、コルセットをつけてもらって病院を出る。コルセットをつけるとだいぶ楽になった。

　同じビルに入っている薬局で、処方された痛み止めや湿布、漢方などを受け取る。薬剤師さんが気さくな方で、ぎっくり腰の際の注意点などについて色々と教えてくださった。

　駅前のコンビニで食べ物を調達し、帰宅する。会社のメールを開くと、私の症状を聞いた隣の部署の大先輩（獣医さん）が色々とアドバイスを送ってきてくださっていた。ありがとうございます。

　さっそく漢方薬を飲んでみる。血流を良くするものと、痛みを緩和するものだそうだ。控え目に言ってもめちゃくちゃまずい。良薬は口に苦しであることを信じたい。

　昼食は何か美味しいものを食べようと思い、先日購入した山上蒲鉾店の板付蒲鉾3種類（極上・特上・上）を食べ比べてみることにする。これら3種類は全て原材料に天然の生グチを使用し、かつ化学調味料無添加なのだが、ランクによって生グチの配合量や見落とし歩合（日本酒でいうところの精米歩合）が異なる。この差によって、旨みや食感（弾力）に差が出る。

　食べ比べてみると、思っていた以上に違いがわかる。味の濃さと弾力が違う。特に極上とその他2種類の違いはわかりやすい。ただ、これは一概にどちらが美味しいというよりも、あっさりめがいいか濃厚なほうがいいか、好みやその時の気分によって食べ分けるもののように思う。実際、私は風味が強くて弾力のある極上が好きだが、妻はもう少しあっさりしている特上や上板のほうが好きだったりする。

極上（下）、特上（右）、上（左）。

　しばらく間を置いてから、コンビニで買ってきた冷凍パスタを食べる。カルボナーラを買ったつもりが、ペペロンチーノを買っていた。蓋を開けて匂いをかぐまで全く気付かなかった。

　おやつは冷凍のたこ焼き。

　娘を保育園へお迎えに行く。コルセットのおかげで何とか自転車には乗れるが、坂道は上れない。それに気づいたのは保育園から家へ帰る途中だったので、娘を乗せたままの自転車を根性で押して坂を上った。素直にお迎えは妻にお願いすれば良かった。

　入浴と洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。いつものように、横になっているところに娘がダイブしてきて肝を冷やす。こんなものを今まともに受けたらと考えるだけで冷や汗が出る。

　明日は健康診断があるので、夕食は抜き。

　当初はコルセットをしたまま寝ようと思ったが、さすがにお腹が苦しいので外す。それでも、朝に比べるとかなり楽になった。やはり、すぐに病院に行ったのは正解だったのだろう。

　日付が変わる頃に就寝。

１０月２０日（火） ラストコール。

　6時45分起床。

　妻と娘を見送ってから朝食。チョコレートパンを2つ食べる。

　9時過ぎに出勤。

　今日はオータムセールの2日目（最終日）。今日で今年の競走馬の公設市場は全て終了となる。

　昼食は「魚金（其の弐）」のカキフライ定食。もう年なのだろうか、4つめを食べるのがちょっとつらい。味は美味しいし、脂っこさも少ないほうだと思うのだが、3つを食べ終えたくらいで胃が重たくなってくる。

　オータムセールは無事に全て終了。最後の上場馬にかけられる「ラストコール」の声に力がこもっていた。今年私は全てのせりをオンラインで見てきたが、生産者の方々が手塩にかけて育ててきた若駒たちが競り上げられていく様子は見ていて感動するし、一方で買い手がつかなかったり非常に安い値段で買い叩かれていると心が痛くなるなど、それぞれの上場馬のドラマを見ているようだった。ネット中継でもこれほど心を動かされるのだから、現地で見たらもっとだろう。来年は是非。

　定時で退社し、在来線で帰ってくる。

　娘を保育園へお迎えに行く。一緒に延長保育を受けているお兄さんお姉さんに可愛がってもらえていて、娘はたいそうご機嫌だった。ありがとうございます。

　ほどなくして妻も帰宅。入浴と洗濯を済ませてから、娘を寝かしつける。

　日付が変わる頃に就寝。

１０月１９日（月） 今年最後の市場、開幕。

　6時45分起床。寒くなってきたからだろうか、娘の寝起きが悪い。元々良くはなかったのだが、どんどん悪くなっているような気がする。眠さで機嫌が悪いのもかわいいし微笑ましいのだが、朝型人間の私としては気持ちがわからないので対応が難しい。

　妻と娘を見送ってから身支度を整える。

　9時過ぎに出勤。

　今日から2日間で、今年最後の競走馬のせり市、北海道市場・オータムセールが開催される。今年のせり市は総じて盛況だが、最後がどうなるか注目している。

　昼食は海鮮居酒屋「やひろ丸」の日替わりランチ。普段は魚がメインの日替わりが、今日は鶏のクリームシチューだった。こういう変わり種の日もあるのか。じっくり煮込んであって美味しいし、身体も温まる。

　オータムセールのネット中継を見ていたら帰るのが遅くなってしまった。今年のこれまでのせりと同様に、売却率、平均売却価格ともに上々のようである。生産者の方々はコロナ禍の中で売れ行きがどうなるか不安が大きかったようだが、蓋を開けてみれば大盛況といっていい結果になっている。やはり、中央も地方も競馬が開催され続けているということが大きいのだろう。それがこれからも続くことを祈る。

　帰宅は19時半過ぎ。ちょうど妻が保育園から娘を連れて帰ってくるタイミングだった。

　娘と一緒に入浴し、寝かしつける。普段、娘の歯磨きは妻がすることが圧倒的に多いのだが、今日は珍しく「おとうさんにしてもらいたい」と言ってくれた。こういうのは地味に嬉しい。

　夕食は妻が買ってきてくれたサーモンのお刺身と、そのまま食べるにんにく、キムチなどでご飯をかきこむ。

　日付が変わる頃に就寝。

１０月１８日（日） お散歩尽くし。

　9時起床。

　朝から妻が買い物へ行くというので、私は娘とお散歩に出掛ける。娘の希望で妻が向かった遠くのスーパーまで追いかけることになり、歩き始める。

　まずは近所の神社の中を通る。銀杏の実がたくさん落ちていて、娘に匂いを嗅がせてみたところ、期待通りの「くさい！」というリアクションが返ってきた。本人も嬉しそうで、何度も嗅いではくさいくさいと繰り返して笑っていた。

　普段は神社の境内で遊びたがる娘だが、今日はお母さんを追いかけたいという気持ちが強いようで、ほぼ素通り。銀杏の力も及ばず、私の予定ではこの場所でお茶を濁す予定だったので、これは想定外だった。

　覚悟を決めて、スーパーへの道を歩き始める。いつどのタイミングで抱っこをせがまれるかわからないのでヒヤヒヤである。

　道沿いのお宅の庭先で南天の実が綺麗に色づいている。娘はこれをトマトだと言い張っていた。

　スーパーの隣にある公園に到着。残り100mくらいになって抱っこをすることになったが、ほとんどの道のりを自分で歩き抜いた娘の体力に驚かされる。後からグーグルマップで調べたら、1.5キロ近くの距離を歩いたことになる。大したものだ。

　自動販売機でジュースを買い、ベンチに座って休憩。

　その後は公園で遊びながら妻の買い物が終わるのを待ち、帰りは娘を妻の自転車に乗せ、私はひとりで来た道を戻る。

　11時過ぎに帰宅。ちょうど宅急便で注文していた山上蒲鉾店さんの蒲鉾が届く。

　昼食は妻がスーパーで買ってきたピザ。他にもたくさんの食材を買ってきたようだ。買い過ぎて会計金額が10,000円までいってしまったらしい。せっかく大きな冷蔵庫が来たから色々な食材を入れてみたいという気持ちはよくわかる。

　妻が娘を連れて買い物（今度は娘の衣類）へ出掛けたので、私はテレビで競馬観戦。牝馬3冠レースの最終戦、秋華賞を観る。結果は、見事にデアリングタクトが史上初の無敗の牝馬3冠を達成した。王道の強い競馬だった。私は昨年度のPOGで指名していたサンクテュエールを買っていたので、馬券は完敗。しかし、結果こそ伴わなかったものの、3冠レース全てに出走し、きちんと走り抜いたこと自体が素晴らしい。これからも、残りの競走馬生活を怪我なく走り抜けられますように。

　夕方、娘が再び外へ行きたいというので、今度は2人で公園へ遊びに行く。午後の買い物で妻に買ってもらったスコップとブルドーザーのおもちゃを使いたいらしく、それぞれを両手に持って嬉しそうに公園まで歩いた。

　砂場に入り、スコップとブルドーザーの両方を使って砂を掘り、砂場の淵に盛り付けていく。娘曰く、プリンだそうだ。私も娘の指示に従ってお手伝いし、最終的には砂場の淵がプリンだらけになった。テンションが上がりすぎて一度転んでしまい、若干手を怪我してしまったが、帰らせられるのが嫌で「いたくない」と言い張って遊び続けているのが可愛らしく、また逞しさも感じた。

　18時前に帰宅。結局、今日娘は3回も散歩に出掛けたことになる。大した体力だ。

　夕食は、妻がトンカツとかぼちゃコロッケを揚げてくれた。トンカツはもちろん、普段かぼちゃサラダとして出てくるかぼちゃと玉ねぎの組み合わせがコロッケになったかぼちゃコロッケがとても美味しかった。

　入浴と洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。

　私もかなり眠かったので、かなり早めに布団に入る。

　22時半前に就寝。