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2月16日(金) いわき出張。

2024年02月19日 18時57分22秒 | 2024年

 6時半起床。

 朝食は後回しにして、荷造りを終わらせる。

 妻と娘を見送ってから、身支度を整えて家を出る。今日から1泊2日のいわき(福島)出張である。

 新幹線で東京まで出て、日本橋の「COFFEE LOTUS」(珈琲ロータス)で朝食。

 チーズトーストと珈琲を頂く。

 何度か食べている焼きサンドイッチに入っているチーズが優しい味で美味しいので、今回はチーズを主役にしてみた。パセリも振られていて、とても美味しい。

 珈琲を飲みながら、フレッシュフルーツをゆっくり味わう。鉄路の出張の際にはこのような朝の過ごし方が鉄板になりつつある。

 マスターの「いってらっしゃい」に元気を頂き、いざ出発。

 品川まで戻る。東京駅で待っていてもいいのだが、始発駅から乗りたいというのは鉄道マニアの性である。

 先発の普通列車が赤電の復刻カラー仕様だった。国鉄時代の昭和60年まで運転されていた401系の通称「赤電」のリバイバルカラーである。

 品川9:45発の常磐線特急ひたち7号に乗る。

 本日2度目の東京駅を通る。

 本日2杯目の珈琲を車内販売で購入し、プライムビデオにダウンロードしておいた「ガレージセール・ミステリー アンティーク探偵ジェニファー」を観ながら過ごす。

 勝田駅(だっと思う)で、昨年秋にデビューしたイベント専用車両「E501 SAKIGAKE(さきがけ)」を発見。今日は珍しい車両に出会える日のようだ。

 紅梅・白梅と刀の柄の糸巻をイメージしてデザインされたそうである。

 元々乗車率は50%以下だったが、水戸、勝田、日立で続々と人が降りていき、いつの間にか車内はガラガラになった。

 磯原以北は私にとって初乗車の区間。いずれは仙台まで乗って常磐線を制覇したい。

 正午前に泉に到着。

 小名浜地区への最寄り駅である。

 仕事の時間まで余裕があるので、駅前からバスに乗って小名浜へ向かう。運転手さんがとても気さくな方で、道を聞いたら期待以上の情報が盛り沢山で楽しかった。ありがとうございました。

 まずは、「割烹しが」で昼食。

 昨日電話をして、あんこう鍋(どぶ汁)を予約しておいた。

 私は「どぶ汁風」を食べたことはあるが、本物のどぶ汁はこれが初めてである。どぶ汁というのは、鮟鱇の肝と味噌で味付けし、水を一切使わず野菜の水分だけで作られたもの。普通のあんこう鍋とは見た目から全く違う。

 あん肝を大量に使用しているので、スープは驚くほど濃厚である。旨みがガツンとくる。

 あんこうの身や皮、ゼラチンのところもじっくり煮込まれている。

 そして、スープを吸った野菜が本当に絶品である。ねぎや白菜をこんなに美味しく食べる方法は他にないだろう。

 〆は雑炊。

 濃厚なスープを吸ったご飯がまた格別である。今のところ、最後の晩餐に食べたいものの1位はこれかもしれない。

 大満足で食事を終え、腹ごなしに小名浜の街を散歩する。

 私の中で小名浜は「アルコ&ピースの平子さんの地元」というイメージが強く、歩いているとラジオで話されていた幼少期のエピソードが蘇ってくる。

 メイン通りを外れ、海へ向かう。

 小名浜というと港町、中でも漁港というイメージが強かったのだが、大型客船が停泊するドッグも整備されているそうで、かなり大きな港である。

 大きいだけでなく、綺麗に整備・管理されている。ゴミひとつない。

 鮟鱇漁に出ているのはどんな船なのだろうとキョロキョロしてみるが、当然ながらどれかは全くわからない。

 カッコいい組合だ。調べてみると、小名浜からはカツオの一本釣り船などが出ているようである。

 頑張って坂を上り、港が見える丘公園に出る。かろうじて小名浜港全体が見渡せる(?)。

 更に坂を上り、いわきマリンタワーに到着。

 せっかくなので展望台まで上ってみる。高所恐怖症にとっては結構怖いタイプの展望台である。

 小名浜の港と街全体が一望できる。改めて大きな港町であることを実感させられる。

 この高さから太平洋を眺めるのも貴重な体験である。

 北東方向の景色も素晴らしい。おそらく、これから仕事で向かうのはこちら側だ。

 関係機関の方にマリンタワーまで迎えに来て頂き、仕事が始まる。

 仕事を終え、17時前にいわき駅まで戻ってくる。このまま特急に乗ったら普通に日帰り出来るんじゃない?という心の声は無視する。

 失礼ながら、いわき駅前が想像していたよりもはるかに栄えていて驚いた。

 いわき駅がまだ平駅だった頃、おそらく私が小学生の頃までだったと思うが、父がこの近くの大学(短大?)に週1回ドイツ語を教えに行っていたことを覚えている。金曜日の朝から行って何コマか授業をして、1泊して土曜日のお昼に帰って来ていた。その頃からずっと「平(いわき)ってどんな場所なんだろう」と思っていたので、今日来られたのは感慨深いものがある。

 居酒屋「旬」で夕食。

 本当はコーラはボイコットしているのだが、他に頼めるものがないので一時的にボイコットは解除する。

 お通しは白魚。こういうお通しは嬉しい。

 お刺身3種盛り。いわき名物のひとつともいえるヒラメ、ホウボウ、メジマグロなどの地産魚種が並ぶ。豪快な厚切りで味がよくわかり、やはりヒラメの美味しさが際立っていた。

 めひかりの唐揚げ。メヒカリもいわき名物の代表格である。身が柔らかく、ほくほくした食感。

 白子の天ぷら。白子はメニューにあるとつい注文してしまう。

 最後は、お店の一番人気だというどんこの煮付け。どんこの正式名称は「エゾイソアイナメ」だそうで、見た目のイメージとは違って白身がふわふわした淡白な味。正直なところ、私はそれほど美味しいとは感じなかった。

 私は開店直後に入店したのだが、出る頃には満席になっていた。かなりの人気店のようで、金曜日の夜に入れたのはラッキーだったのだろう。

 いわき駅まで戻り、三万石でお土産兼今日の夜食用の「ままどおる」などを購入。

 18:38発の普通列車に乗り、湯本へ。

 その名の通り、いわき湯本温泉の玄関口となる駅である。

 有名なハワイアンズもこの駅が最寄りだ。

 宿泊先から事前に連絡が入っており、湯本温泉では今日の早朝に源泉から各旅館へお湯を運ぶ配管にひびが入って漏水が発生し、お湯が出なくなっているとのこと。破損個所の復旧作業は夕方には終了したそうなのだが、ポンプの試運転や貯溶層(お湯を汲み出すために一時的に溜めておくタンク)への貯湯などに時間が掛かるため、各旅館ですぐにお湯が出るわけではないらしい。何とも大変な日に当たったものである。

 駅前のローカルコンビニに寄り、水やお茶などを購入。

 メイン通りの商店街を歩く。お土産屋さんは既に閉まっているが、飲食店は結構賑わっている。

 湯本駅の発車メロディーは童謡「シャボン玉」だった。作詞者である野口雨情が一時期湯本温泉に滞在していたことから選ばれたらしい。

 先日、磯原にある野口雨情記念館を訪問した際に、「シャボン玉」は生後1週間で亡くなった娘さんを想って作られた曲であるという一説(諸説ある)を知ってから、この曲を聴くと胸がジーンと熱くなる。

 19時過ぎに今日の宿泊先「心やわらぐ宿 岩惣」に到着。女将さんに出迎えて頂く。心配された温泉については、既にお湯の供給が始まっており、あと1時間ほどで入れるようになるとのこと。良かった。

 久しぶりの温泉宿に胸が高鳴る。

 温泉の準備が整うのを待つ間、先ほど買ったお土産兼おやつを開ける。さて、どれから食べよう。

 バレンタイン限定商品のホワイトチョコのかかったマドレーヌ(?)と、サービスで頂いたくるみ柚餅子を食べる。くるみ柚餅子がとても美味しい。これも買えば良かった。

 飲み物は酪王カフェオレ。

 列車移動の後半から見ていたYouTubeチャンネル『PIVOT』の「ひとりっ子家庭子育て術」の続きを見る。私たち親世代が経験してきた学校教育と現在の学校教育は大きく異なっており、自分たちの成功体験が通用するとは限らないので、早めの情報収集が不可欠であるという指摘に身震いする。

 20時前に大浴場へ。脱衣所に温泉が届くまでの経路が掲示されており、今回の配管トラブルの原因箇所もよくわかった。これから週末のかき入れ時なので、早期に復旧して何よりです。

 大浴場一番乗り。ここの温泉は本物の源泉かけ流しなので、文字通りの一番風呂である。

 お湯もたっぷり出ており、温度もゆっくり浸かっていられる適温。硫黄泉の泉質も素晴らしく、最高の時間を過ごした。復旧にご尽力された方々、本当にありがとうございました。

 部屋へ戻り、おやつ第2弾。定番のままどおる、期間限定のチョコままどおるを食べる。安定の美味しさである。飲み物は酪王ののむヨーグルト。

 布団に横になり、深夜までドラマ鑑賞。途中で一瞬今回の出張の報告書を作ろうかとも思ったのだが、そんなのもったいないと思い直してゴロゴロし続けた。

 1時前に就寝。たくさん歩いたので疲れてはいるが、温泉のおかげで身体は軽く、気持ち良く入眠することが出来た。