京の話題

12000年以上続いた「平安京」の文化・寺社仏閣・お祭り等を紹介します。

京の話題(平安京その228)日本で最初の水力発電・インクライン

2012-05-13 01:51:14 | 京の話題

ちょっと、平安京のテーマにはそぐわないですが、京都とは古い町のわりに、日本で最初の物が多く有ります。ガス灯・路面電車・女学校等。

外から見て保守的に見えるようですが、案外革新的な都です。何でも、良いと思うものが、すぐに取り入れます。

明治維新後、京都は10万人以上の人が江戸へ移り、京都の人口が激減しました。産業も衰退していくばかりです、その為、京都復興のため大事業として計画されたのが「琵琶湖疏水とインクライン」です。

この琵琶湖疏水はの意義は大きく三つ有ります。一つは、琵琶湖から京都に水を引き水道を(日本初の高速ろ過式浄水場)作る事です。また、琵琶湖から京都への水運が可能となり15分の1の勾配で下る為、疏水の中にレールをひいて、インクライン(傾斜鉄道)により三十石舟をそのまま台車に載せて上下させることが出来ます。その上、この水の流れで水力発電も可能となり、一石三鳥の利点が出来ます。(今の縦割り行政では絶対出来ない事です)

インクラインとして上下した台車が保存されています。水で見えませんがこの下にレールが有り、台車に三十石舟を載せて、上下さします。

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また、市街地の上に水を流すため、煉瓦で今までに無かった、特殊な工法(ねじりまんぼ、と呼ばれています)で煉瓦を組んでいます。

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「南禅寺」http://blog.goo.ne.jp/itodoya/d/20111111を参拝された方は境内で、このような煉瓦造りを見られた事が有ると思います。(これが、インクライン下の、ねじりまんぼ、です。よくサスペンス等のロケに使われます)

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この工法はひじょうに強度が強く、地震にも壊れないと言う、特殊な煉瓦組です。

しかし、この琵琶湖から京都までの工事は(今みたいに重機など有りませんでした)未熟な土木技術でした。その工事の計画から監督まで任された、わずか21歳の若き「田邊朔郎」(たなべさくろう)でした。

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不可能と思われる工事が完成したのは、明治23年9月で、その完成の祝いで、大文字の送り火が灯され、祇園祭の、月鉾・鶏鉾・天神山・郭巨山等が建ち並び、提灯行列まで行われたと、当時の、新聞に載っています。

この発電所で、日本で初の路面電車開業につながりました。(現役です)

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今でも、現役で発電している水力発電所。この電気で日本で初めて路面電車が走りました。

少し、平安京とはかけ離れましたが、この大事業は京都遷都復興(東京に遷都されたため、京都復興の大事業)のものとして、取り上げました。

(たわごと)

EU圏二番目の大国、スペインの崩壊?スペインの失業率はEU圏最高の約25%です。(日本は4.5%位かな)また30歳以下の失業率は二人に一人という驚くべきものです。一つの原因は「定年制」が無いことですが。それ以上の原因はリーマンショックです。スペイン人は非常に持ち家思考が高く、バブル時には全世界からスペイン語を話せる人達が集まってきました(何しろ、世界では、英語よりスペイン語の方がよくつかわれていると言う事です)家を持つために、40年や50年ローンは当たり前、しかしリーマンショックで、失業率が急増、ローン地獄で、家を手放すはめに。経済はめちゃくちゃです。スペインもギリシャと同じで使用通貨がユーロ の為、どうする事も出来ません。昨日も、円高・ユーロ安。ギリシャの次はスペインかな?

他国の(対岸の火事)では有りません。ギリシャに端を発し、スペインまでデフォルトになると、世界経済は目も当てられなくなります。ますます円高・株安で日本の経済にも大影響。

このユーロ危機でギリシャとフランスが離脱?アメリカは関わらないです、その結果、頼れるのは日本か?