戦後70年。戦勝国のアメリカ、中国(本来は国民党の中国、共産党の中国ではない)の歴史認識強要が強まる年だ(韓国は戦勝国ヅラしてその尻馬に乗ってくる)。
そのキーワードの一つが「歴史修正主義」だ。
<【阿比留瑠比の視線】
米国の傲慢な歴史修正 戦勝国は全てを正当化、敗戦国は我慢…もつわけがない>
http://www.sankei.com/politics/news/150112/plt1501120017-n1.html
■戦後70周年を迎える平成27年は、歴史認識をめぐる「歴史戦」の年になる。米紙ニューヨーク・タイムズなどは早速、日本の保守勢力に「歴史修正主義」のレッテルを貼ってきたが、戦勝国の立場にあぐらをかき、歴史を修正してきたのはどちらか-。
そんなことをぼんやり思いながら昨年末の休暇中、高校書道部を舞台にした漫画「とめはねっ!」(河合克敏著)を読んでいて、思わず息をのんだ。
作中、見開きで大きく紹介されていた昭和20年3月10日の東京大空襲を題材にした元教師の書家、井上有一氏の書「噫(ああ)横川国民学校」(群馬県立近代美術館所蔵)があまりに衝撃的だったからだ。
「アメリカB29夜間東京空襲 闇黒東都忽化火海 江東一帯焦熱地獄」「親は愛児を庇(かば)い子は親に縋(すが)る」「全員一千折り重なり 教室校庭に焼き殺さる」「噫呼何の故あってか無辜(むこ)を殺戮(さつりく)するのか」「倉庫内にて聞きし親子断末魔の声 終生忘るなし」
書幅いっぱいに埋め尽くすように書かれた文字は、積み重なり、苦しみながら焼き殺された人々に見える。自身は一命を取り留めたものの教え子を失った井上氏が、血涙で書いたかのような印象を受けた。
約10万人が死亡した東京大空襲は、非戦闘員の殺傷を目的としており、もとより国際法違反である。米田建三・元内閣府副大臣の調査によると、東京大空襲の「作戦任務」(同年3月9日付)の目標は、軍事施設ではなく「東京市街地」と明記されている。最初から一般住民を標的にしていたことは明らかなのだ。
また、東京大空襲・戦災資料センターが東京都から寄贈された被害者の名簿3万人分のうち、年齢が分かる人について調べた結果がこの空襲の性質を表している。
それによると、被害者の年齢層で最も多いのは0~9歳の20%で、次いで10~19歳の18%だった。実に4割近くが未成年だったのである。これは通常の戦争遂行行為ではなく、米軍による子供の大量虐殺(ジェノサイド)にほかならない。
しかも米国は戦後、こうした自らの罪を日本人の目から隠そうとした。明星大戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏の著書「抹殺された大東亜戦争 米軍占領下の検閲が歪(ゆが)めたもの」(明成社)によると、連合国軍総司令部(GHQ)は検閲で、例えば米軍の東京大空襲での国際法違反行為を指摘したこんな文章を削除した。
「無辜の一般市民に対して行へる無差別的爆撃、都市村邑(そんゆう)の病院、学校、その他文化的保護建物の無斟酌(しんしゃく)の破壊、病院船に対する砲爆撃等、計(かぞ)へ来らば例を挙ぐるの煩に堪へぬほど多々あつた」(信夫淳平氏「我国に於(お)ける国際法の前途」)
「米国は原子爆弾と中小都市焼爆で日本全土を荒廃し数百万人の非戦闘員を殺傷せしめた」(石原莞爾氏・宋徳和氏対談「満州事変の真相」)
米国は、自分に都合の悪い歴史は堂々と修正し、歴史から抹殺しようとしてきたのである。当時、日本に対する空襲について「史上最も冷酷、野蛮な非戦闘員殺戮の一つ」(ボナー・フェラーズ准将)と自覚していたのは間違いない。
焼夷(しょうい)弾を使用した夜間無差別爆撃に踏み切ったカーチス・ルメイ少将の下で、作戦計画作成に当たったロバート・マクナマラ元国防長官は記録映画「フォッグ・オブ・ウォー」(2003年公開)の中でこう赤裸々に証言している。
「ルメイも私も戦争犯罪を行ったのだ。もし、負けていればだ」
だが、戦勝国は全部を正当化し、敗戦国はすべてを我慢するなどという状態が70年以上ももつわけがない。米国は傲慢になりすぎない方がいい。(政治部編集委員・あびる るい)■
アメリカの言う「歴史修正主義」は、自らが犯した民間人の大量殺戮を糊塗するための言葉である。だまされてはいけない。まさに勝てば官軍なのだ。
【河村直哉の国論】も先月こう書いていた。
<「歴史修正主義」という日本叩き 真珠湾攻撃73年 民族の歴史を公平に見たい>
http://www.sankei.com/west/news/141212/wst1412120005-n1.html
■今年、12月8日は真珠湾攻撃から73年となる。この年、重要書の翻訳が刊行された。日米開戦時のアメリカ大統領、フランクリン・デラノ・ルーズベルト(FDR)と同時代に共和党議員だったハミルトン・フィッシュの「ルーズベルトの開戦責任」(草思社)。原著は1976年の刊行。ひとことでいえば、ルーズベルトが日本に戦争を仕掛けさせたというものである。
プロパガンダ戦として
本を紹介する前に、現代の状況を見ておこう。昨年から今年にかけて、「歴史修正主義(リビジョニズム)」という言葉に触れる機会が多かったことと思う。たとえば今年3月、ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「安倍首相の危険な歴史修正主義」という社説を掲げた。「首相の修正主義的な歴史の利用は、東シナ海や南シナ海の領土紛争での中国の攻撃的な姿勢でもめているこの地域にとって、危険な挑発である」などとするものだった。
ニューヨーク・タイムズは露骨な反日的論調で知られる。この社説は、慰安婦問題で日本が過去に行った韓国女性への謝罪を撤回するかもしれない、などと事実誤認も含んでいたから、日本政府が抗議し、そのくだりが訂正されたものが現在の電子版には載ってる。しかし見出しは変わっていないし、趣旨もそのままである。
一連の慰安婦問題ではっきりしたように、捏造(ねつぞう)された、誤った歴史は修正されなければならない。しかし、誤っていてもその歴史が都合のいい側には、それを修正しようとする動きに「歴史修正主義」のレッテルを否定的に貼る。このようなレッテル貼りは、日本たたきというプロパガンダ戦の性格をも帯びる。
・・・・・・・・・・・
アメリカによる「洗脳」
日本の降伏後、アメリカはいわゆるウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(戦争の罪を知らしめる計画)により、日本の戦争は悪であったというように日本人を「洗脳」していく。日本人自身による日本の卑下、罪悪視などという、現在になお大きく残る日本の左傾傾向は、そのような由来を持っているのである。
民族の歴史を公平に見ようとすることは、修正主義でもなんでもあるまい。戦後の一方的な偏りを脱して公平に過去を見、非とすべきは非とし、是とすべきは是としたい。それが独立国たるものの態度というべきだろう。またその態度があって、外国との対等な関係も築けるものだろう。フィッシュはいっている。
「日本人はあの戦いを最後まで勇敢に戦った。二度と米日両国の間に戦いがあってはならない」『産経新聞』は次のように論じている。
占領期に連合国軍総司令部 (GHQ) が実施した「戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画」(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムと同義)は、今も形を変えて教育現場に生き続けている。(中略)文芸評論家の江藤淳は著書『閉された言語空間』の中で次のように書いている。
~「いったんこの(GHQの)検閲と宣伝計画の構造が、日本の言論機関と教育体制に定着され、維持されるようになれば、(中略)日本人のアイデンティティと歴史への信頼は、いつまでも内部崩壊を続け、また同時にいつ何時でも国際的検閲の脅威に曝され得る」~
6年前に自死した江藤の「予言」は、不幸にも現実のものとなろうとしている[32]。
洗脳は今も続いているのである。教育とマスコミによって。
アメリカでは今なおこんなことも容易ではないのだ。
<【歴史戦】
慰安婦「強制連行」記述の是正を正式要請 外務省、米教科書会社に 協議は継続のもよう>
http://www.sankei.com/politics/news/150112/plt1501120014-n1.html
■外務省は11日までに、米カリフォルニア州ロサンゼルス市や同市近郊の公立高校で使用されている世界史の教科書に、旧日本軍が慰安婦を「強制連行」したとする史実と異なる記述がされている問題で昨年末、教科書の出版社に記述内容の是正を正式に要請したことを明らかにした。政府関係者によれば、出版社側からは明確な回答が得られず、協議は継続していくことになったもようだ。
問題の教科書は、米大手教育出版社「マグロウヒル」(本社・ニューヨーク)が出版した「伝統と交流」。先の大戦を扱った章で「日本軍は14~20歳の約20万人の女性を慰安所で働かせるために強制的に募集、徴用した」「逃げようとして殺害された慰安婦もいた」などと、強制連行があったかのように記述されている。「日本軍は慰安婦を天皇からの贈り物として軍隊にささげた」と明白な虚偽内容も含まれている。
また同教科書では、日本の江戸時代を考察する項目で用いられている地図に「日本海(東海)」と韓国側の呼称も併記されている。
外務省によると、在ニューヨーク総領事館員が昨年12月中旬、マグロウヒル社の担当幹部と面会し「慰安婦と日本海呼称問題で重大な事実誤認や日本政府の立場と相いれない記述がある」として記述内容の是正を要請した。
・・・・・・・・
11月26日付の中国のネットメディア「環球網」によれば、米ラジオ局「ボイス・オブ・アメリカ」の中国語サイトは同月25日、日本政府の要請に対し、マグロウヒル社の広報副部長が「(教科書の内容は)学者たちが慰安婦の史実に基づいて書いたもの。われわれは著者たちの作品、研究、記述を支持する」と、訂正に応じないとする声明を発表したと伝えていた。・・・・・・・■
中国の関与もよく分かる事案である。
●訃報
▽恥ずかしながら、どんな人なのか知らなかった。遅まきながら…。
<中條高徳氏死去 「英霊にこたえる会」4代目会長>
http://www.sankei.com/economy/news/150107/ecn1501070045-n1.html
■「アサヒスーパードライ」作戦の陣頭指揮をしたアサヒビール名誉顧問の中條高徳(なかじょう・たかのり)氏が昨年12月24日に呼吸不全のため死去していたことが7日、分かった。87歳だった。通夜・告別式は近親者で行った。喪主は長男、宗徳(むねのり)氏。
昭和27年、朝日麦酒(現アサヒビール)に入社。営業畑を歩み、営業本部長として会社再建の立役者となった。副社長などをへて、平成10年に名誉顧問に就任。21年から「英霊にこたえる会」の4代目会長も務めた。■
<【産経抄】戦争のこと教えて 1月12日>で、どんな人かを知った。
http://www.sankei.com/life/news/150112/lif1501120016-n1.html
アサヒ10・4%、キリン59・7%。これは昭和61年のビールのシェアである。当時アサヒビールの営業本部長だった中條高徳(たかのり)さんは、「生」を主力として立て直しを図り、翌年発売した「スーパードライ」を大ヒットに導いた。今やアサヒはシェア1位である。
▼70歳を超え、第一線を退いていた中條さんに、ニューヨークに住む孫娘から手紙が届く。高校のアメリカ史の授業で戦争の体験談を聞く、という課題が出た。戦争のことを教えて、というのだ。
▼中條さんは、陸軍士官学校の生徒として終戦を迎えた。学校に入り直し、ビジネスの世界に入っても、あの戦争を片時も忘れたことはない。毎朝、靖国神社に参拝し、そこに眠る人たちの声に耳を傾けてきた。かねて近現代史をほとんど教えない日本の学校の歴史教育に疑問を抱いていた中條さんは、孫娘の質問に一つ一つ真剣に答えていく。
▼「アメリカとの戦争は正しかったと思う?」「あってはならない戦争を、日本とアメリカはやったのだ。その責任は日本とアメリカの双方にある」。2人のやりとりは、『おじいちゃん戦争のことを教えて』と題して平成10年に出版され、ベストセラーとなる。
▼その中條さんの訃報が、先週届いた。昨年末に87歳の生涯を終えていた。「君たちが生きているのは、天皇陛下の終戦のご聖断があったからだ。本土決戦になっていたら、君たちは生まれていなかったんだよ」。昨年ある会合で同席した同僚記者は、中條さんのこの言葉が忘れられないという。
▼きょう成人式を迎える若者の「おじいちゃん」は、戦争を知らない世代も含まれている。まず、この本で自らが学び、孫へのプレゼントにしたらどうだろう。小学館文庫で今も書店に並んでいる。
胸に響く話である。
そのキーワードの一つが「歴史修正主義」だ。
<【阿比留瑠比の視線】
米国の傲慢な歴史修正 戦勝国は全てを正当化、敗戦国は我慢…もつわけがない>
http://www.sankei.com/politics/news/150112/plt1501120017-n1.html
■戦後70周年を迎える平成27年は、歴史認識をめぐる「歴史戦」の年になる。米紙ニューヨーク・タイムズなどは早速、日本の保守勢力に「歴史修正主義」のレッテルを貼ってきたが、戦勝国の立場にあぐらをかき、歴史を修正してきたのはどちらか-。
そんなことをぼんやり思いながら昨年末の休暇中、高校書道部を舞台にした漫画「とめはねっ!」(河合克敏著)を読んでいて、思わず息をのんだ。
作中、見開きで大きく紹介されていた昭和20年3月10日の東京大空襲を題材にした元教師の書家、井上有一氏の書「噫(ああ)横川国民学校」(群馬県立近代美術館所蔵)があまりに衝撃的だったからだ。
「アメリカB29夜間東京空襲 闇黒東都忽化火海 江東一帯焦熱地獄」「親は愛児を庇(かば)い子は親に縋(すが)る」「全員一千折り重なり 教室校庭に焼き殺さる」「噫呼何の故あってか無辜(むこ)を殺戮(さつりく)するのか」「倉庫内にて聞きし親子断末魔の声 終生忘るなし」
書幅いっぱいに埋め尽くすように書かれた文字は、積み重なり、苦しみながら焼き殺された人々に見える。自身は一命を取り留めたものの教え子を失った井上氏が、血涙で書いたかのような印象を受けた。
約10万人が死亡した東京大空襲は、非戦闘員の殺傷を目的としており、もとより国際法違反である。米田建三・元内閣府副大臣の調査によると、東京大空襲の「作戦任務」(同年3月9日付)の目標は、軍事施設ではなく「東京市街地」と明記されている。最初から一般住民を標的にしていたことは明らかなのだ。
また、東京大空襲・戦災資料センターが東京都から寄贈された被害者の名簿3万人分のうち、年齢が分かる人について調べた結果がこの空襲の性質を表している。
それによると、被害者の年齢層で最も多いのは0~9歳の20%で、次いで10~19歳の18%だった。実に4割近くが未成年だったのである。これは通常の戦争遂行行為ではなく、米軍による子供の大量虐殺(ジェノサイド)にほかならない。
しかも米国は戦後、こうした自らの罪を日本人の目から隠そうとした。明星大戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏の著書「抹殺された大東亜戦争 米軍占領下の検閲が歪(ゆが)めたもの」(明成社)によると、連合国軍総司令部(GHQ)は検閲で、例えば米軍の東京大空襲での国際法違反行為を指摘したこんな文章を削除した。
「無辜の一般市民に対して行へる無差別的爆撃、都市村邑(そんゆう)の病院、学校、その他文化的保護建物の無斟酌(しんしゃく)の破壊、病院船に対する砲爆撃等、計(かぞ)へ来らば例を挙ぐるの煩に堪へぬほど多々あつた」(信夫淳平氏「我国に於(お)ける国際法の前途」)
「米国は原子爆弾と中小都市焼爆で日本全土を荒廃し数百万人の非戦闘員を殺傷せしめた」(石原莞爾氏・宋徳和氏対談「満州事変の真相」)
米国は、自分に都合の悪い歴史は堂々と修正し、歴史から抹殺しようとしてきたのである。当時、日本に対する空襲について「史上最も冷酷、野蛮な非戦闘員殺戮の一つ」(ボナー・フェラーズ准将)と自覚していたのは間違いない。
焼夷(しょうい)弾を使用した夜間無差別爆撃に踏み切ったカーチス・ルメイ少将の下で、作戦計画作成に当たったロバート・マクナマラ元国防長官は記録映画「フォッグ・オブ・ウォー」(2003年公開)の中でこう赤裸々に証言している。
「ルメイも私も戦争犯罪を行ったのだ。もし、負けていればだ」
だが、戦勝国は全部を正当化し、敗戦国はすべてを我慢するなどという状態が70年以上ももつわけがない。米国は傲慢になりすぎない方がいい。(政治部編集委員・あびる るい)■
アメリカの言う「歴史修正主義」は、自らが犯した民間人の大量殺戮を糊塗するための言葉である。だまされてはいけない。まさに勝てば官軍なのだ。
【河村直哉の国論】も先月こう書いていた。
<「歴史修正主義」という日本叩き 真珠湾攻撃73年 民族の歴史を公平に見たい>
http://www.sankei.com/west/news/141212/wst1412120005-n1.html
■今年、12月8日は真珠湾攻撃から73年となる。この年、重要書の翻訳が刊行された。日米開戦時のアメリカ大統領、フランクリン・デラノ・ルーズベルト(FDR)と同時代に共和党議員だったハミルトン・フィッシュの「ルーズベルトの開戦責任」(草思社)。原著は1976年の刊行。ひとことでいえば、ルーズベルトが日本に戦争を仕掛けさせたというものである。
プロパガンダ戦として
本を紹介する前に、現代の状況を見ておこう。昨年から今年にかけて、「歴史修正主義(リビジョニズム)」という言葉に触れる機会が多かったことと思う。たとえば今年3月、ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「安倍首相の危険な歴史修正主義」という社説を掲げた。「首相の修正主義的な歴史の利用は、東シナ海や南シナ海の領土紛争での中国の攻撃的な姿勢でもめているこの地域にとって、危険な挑発である」などとするものだった。
ニューヨーク・タイムズは露骨な反日的論調で知られる。この社説は、慰安婦問題で日本が過去に行った韓国女性への謝罪を撤回するかもしれない、などと事実誤認も含んでいたから、日本政府が抗議し、そのくだりが訂正されたものが現在の電子版には載ってる。しかし見出しは変わっていないし、趣旨もそのままである。
一連の慰安婦問題ではっきりしたように、捏造(ねつぞう)された、誤った歴史は修正されなければならない。しかし、誤っていてもその歴史が都合のいい側には、それを修正しようとする動きに「歴史修正主義」のレッテルを否定的に貼る。このようなレッテル貼りは、日本たたきというプロパガンダ戦の性格をも帯びる。
・・・・・・・・・・・
アメリカによる「洗脳」
日本の降伏後、アメリカはいわゆるウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(戦争の罪を知らしめる計画)により、日本の戦争は悪であったというように日本人を「洗脳」していく。日本人自身による日本の卑下、罪悪視などという、現在になお大きく残る日本の左傾傾向は、そのような由来を持っているのである。
民族の歴史を公平に見ようとすることは、修正主義でもなんでもあるまい。戦後の一方的な偏りを脱して公平に過去を見、非とすべきは非とし、是とすべきは是としたい。それが独立国たるものの態度というべきだろう。またその態度があって、外国との対等な関係も築けるものだろう。フィッシュはいっている。
「日本人はあの戦いを最後まで勇敢に戦った。二度と米日両国の間に戦いがあってはならない」『産経新聞』は次のように論じている。
占領期に連合国軍総司令部 (GHQ) が実施した「戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画」(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムと同義)は、今も形を変えて教育現場に生き続けている。(中略)文芸評論家の江藤淳は著書『閉された言語空間』の中で次のように書いている。
~「いったんこの(GHQの)検閲と宣伝計画の構造が、日本の言論機関と教育体制に定着され、維持されるようになれば、(中略)日本人のアイデンティティと歴史への信頼は、いつまでも内部崩壊を続け、また同時にいつ何時でも国際的検閲の脅威に曝され得る」~
6年前に自死した江藤の「予言」は、不幸にも現実のものとなろうとしている[32]。
洗脳は今も続いているのである。教育とマスコミによって。
アメリカでは今なおこんなことも容易ではないのだ。
<【歴史戦】
慰安婦「強制連行」記述の是正を正式要請 外務省、米教科書会社に 協議は継続のもよう>
http://www.sankei.com/politics/news/150112/plt1501120014-n1.html
■外務省は11日までに、米カリフォルニア州ロサンゼルス市や同市近郊の公立高校で使用されている世界史の教科書に、旧日本軍が慰安婦を「強制連行」したとする史実と異なる記述がされている問題で昨年末、教科書の出版社に記述内容の是正を正式に要請したことを明らかにした。政府関係者によれば、出版社側からは明確な回答が得られず、協議は継続していくことになったもようだ。
問題の教科書は、米大手教育出版社「マグロウヒル」(本社・ニューヨーク)が出版した「伝統と交流」。先の大戦を扱った章で「日本軍は14~20歳の約20万人の女性を慰安所で働かせるために強制的に募集、徴用した」「逃げようとして殺害された慰安婦もいた」などと、強制連行があったかのように記述されている。「日本軍は慰安婦を天皇からの贈り物として軍隊にささげた」と明白な虚偽内容も含まれている。
また同教科書では、日本の江戸時代を考察する項目で用いられている地図に「日本海(東海)」と韓国側の呼称も併記されている。
外務省によると、在ニューヨーク総領事館員が昨年12月中旬、マグロウヒル社の担当幹部と面会し「慰安婦と日本海呼称問題で重大な事実誤認や日本政府の立場と相いれない記述がある」として記述内容の是正を要請した。
・・・・・・・・
11月26日付の中国のネットメディア「環球網」によれば、米ラジオ局「ボイス・オブ・アメリカ」の中国語サイトは同月25日、日本政府の要請に対し、マグロウヒル社の広報副部長が「(教科書の内容は)学者たちが慰安婦の史実に基づいて書いたもの。われわれは著者たちの作品、研究、記述を支持する」と、訂正に応じないとする声明を発表したと伝えていた。・・・・・・・■
中国の関与もよく分かる事案である。
●訃報
▽恥ずかしながら、どんな人なのか知らなかった。遅まきながら…。
<中條高徳氏死去 「英霊にこたえる会」4代目会長>
http://www.sankei.com/economy/news/150107/ecn1501070045-n1.html
■「アサヒスーパードライ」作戦の陣頭指揮をしたアサヒビール名誉顧問の中條高徳(なかじょう・たかのり)氏が昨年12月24日に呼吸不全のため死去していたことが7日、分かった。87歳だった。通夜・告別式は近親者で行った。喪主は長男、宗徳(むねのり)氏。
昭和27年、朝日麦酒(現アサヒビール)に入社。営業畑を歩み、営業本部長として会社再建の立役者となった。副社長などをへて、平成10年に名誉顧問に就任。21年から「英霊にこたえる会」の4代目会長も務めた。■
<【産経抄】戦争のこと教えて 1月12日>で、どんな人かを知った。
http://www.sankei.com/life/news/150112/lif1501120016-n1.html
アサヒ10・4%、キリン59・7%。これは昭和61年のビールのシェアである。当時アサヒビールの営業本部長だった中條高徳(たかのり)さんは、「生」を主力として立て直しを図り、翌年発売した「スーパードライ」を大ヒットに導いた。今やアサヒはシェア1位である。
▼70歳を超え、第一線を退いていた中條さんに、ニューヨークに住む孫娘から手紙が届く。高校のアメリカ史の授業で戦争の体験談を聞く、という課題が出た。戦争のことを教えて、というのだ。
▼中條さんは、陸軍士官学校の生徒として終戦を迎えた。学校に入り直し、ビジネスの世界に入っても、あの戦争を片時も忘れたことはない。毎朝、靖国神社に参拝し、そこに眠る人たちの声に耳を傾けてきた。かねて近現代史をほとんど教えない日本の学校の歴史教育に疑問を抱いていた中條さんは、孫娘の質問に一つ一つ真剣に答えていく。
▼「アメリカとの戦争は正しかったと思う?」「あってはならない戦争を、日本とアメリカはやったのだ。その責任は日本とアメリカの双方にある」。2人のやりとりは、『おじいちゃん戦争のことを教えて』と題して平成10年に出版され、ベストセラーとなる。
▼その中條さんの訃報が、先週届いた。昨年末に87歳の生涯を終えていた。「君たちが生きているのは、天皇陛下の終戦のご聖断があったからだ。本土決戦になっていたら、君たちは生まれていなかったんだよ」。昨年ある会合で同席した同僚記者は、中條さんのこの言葉が忘れられないという。
▼きょう成人式を迎える若者の「おじいちゃん」は、戦争を知らない世代も含まれている。まず、この本で自らが学び、孫へのプレゼントにしたらどうだろう。小学館文庫で今も書店に並んでいる。
胸に響く話である。