やはり中国は「宗教」に神経を尖らせている。
<完成目前キリスト教会堂、当局が取り壊し 中国温州、影響力増大懸念し圧力か>
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140429/chn14042917310008-n1.htm
■キリスト教徒が比較的多いことで知られる中国浙江省温州市で29日、完成目前だった教会堂が「違法建築」を理由に当局により強制的に取り壊された。信者の増加で存在感を高めるキリスト教会に対し、地元政府が圧力を強めているようだ。
取り壊されたのは同市の三江教会堂。28日から重機複数台が作業を始め、29日には建物の原形が見えなくなった。
信者によると、三江教会堂は約2千人の収容が可能で、温州でも有数の規模となるはずだった。工事が内装を残すだけとなっていた3月、地元当局が突然、建築面積が当局の認可より大幅に増えているとの理由で超過部分の取り壊しを命令。これに反発した信者が21日ごろから当局による取り壊しを阻止しようと教会堂に泊まり込んだり、周辺で千人規模のデモを行ったりしたという。(共同)■
昨日のNHKニュースは、こんなふうに伝えていた。
<中国当局がキリスト教会取り壊し>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140429/k10014110001000.html
■キリスト教徒が急増している中国では、行政当局が、違法建築という理由で大勢の信徒が反対するなかで教会の建物を取り壊すなどの動きが相次いでおり、今後、キリスト教への圧力が強まるのではないかという懸念が出ています。
中国では、貧富の格差などさまざまな社会問題を背景に、都市部と農村部の双方で、キリスト教徒が急増し、その数は1億人に上るともみられています。
このうち、特に信徒が多い沿海部の浙江省温州では、地元当局が信徒の寄付で建設され完成間近だった教会を、違法建築だとして大勢の警察官を動員したうえ重機を使って29日までに取り壊しました。
教会には、取り壊しに反対する信徒3000人近くが集まり、礼拝を行ったり賛美歌を歌ったりして取り壊さないよう訴えましたが、信徒らによりますと、教会の代表者が連行されたということです。
さらに浙江省の台州や舟山でも、教会の十字架を取り外すなどの動きが出ています。
これに対して、浙江省側は、違法建築の撤去は去年から進めているもので、国有企業なども含まれ、特定の宗教を対象にしていないとしています。
中国政府は、当局の管理を超えてキリスト教が広がることは、共産党の政権基盤を揺るがしかねないと警戒しており、教会の取り壊しという極めて異例な措置をきっかけに今後、キリスト教への圧力が強まるのではないかという懸念が出ています。■
<恐怖政治…中国の拷問施設「闇監獄」>と題したこのブログでも次のように書いた。
人権活動家らによると、中国当局が「邪教」と位置付ける非合法の気功集団「法輪功」や、非公認のキリスト教の「地下教会」のメンバー、民主活動家らも拘禁され、「洗脳班」で共産党に従うよう教育されるという。
恐ろしい組織である。中国の人権蹂躙の極地といっていいのかもしれない。共産党体制を内部から突く崩しかねない宗教集団を異様に恐れている姿も伝わってくる。中国では紅巾の乱、太平天国の乱など宗教集団が体制を揺るがしてきた例があるからだ。今、中国政府が一番恐れているのは、こうした大規模な農民や住民の反乱ではないかと思う。
宗教は、「共産主義」の教義を掲げる中国政府にとっての天敵なのだ。WIKIには<現代の中国では、中華人民共和国政府は憲法で中国人民の信教の自由を保障しているが、一方で外国の影響を受ける宗教組織の活動は認めない方針を採っており、政府が公認しない教会は政府の登録を受けられない地下教会となっている>とある。
「中国のキリスト教」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99#.E7.8F.BE.E4.BB.A3.E4.B8.AD.E5.9B.BD.E3.81.AB.E3.81.8A.E3.81.91.E3.82.8B.E5.AE.97.E6.95.99.E6.94.BF.E7.AD.96
中国にとっての不都合な真実は、宗教だけではない。また検閲のブラックアウトが起きた。
<中国でNHK番組中断 格差問題など取り上げる>
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140430/chn14043000520001-n1.htm
■中国で29日夜、NHK海外放送の番組が中断された。中国の作家、余華氏を「反骨の作家」として紹介し、中国の格差問題などを取り上げた内容。中国当局が意に沿わないため規制したようだ。
途中、毛沢東ブームを取り上げた場面はいったん見られるようになったが、大部分は画面が真っ黒で音も聞けなかった。中国では人権や少数民族、官僚の腐敗を取り上げたNHK海外放送の番組が見られなくなることがよくある。(共同)■
余華(ユイ・ホア、Yu Hua、1960年4月3日- )は中華人民共和国の作家である。
浙江省杭州市出身で、両親は医者で、1984年に作家デビューした。1992年に「活きる」がベストセラーとなり、その後チャン・イーモウ監督で映画化され話題となった。2005年には文化大革命から開放経済まで描いた「兄弟」が再びベストセラーとなり、2008年に来日した。
著書
活きる(1992年、2002年に飯塚容訳で角川書店に出版)
兄弟(2005年、2008年に[泉京鹿訳で文藝春秋に出版)
受賞
グリンザーネ・カヴール賞(イタリア、1998年)
芸術文化勲章(フランス、2004年)
第1回中華図書特殊貢献賞(2005年)
一方で、反日宣伝には熱心そのものだ。
<「抗日」外国記者に宣伝=靖国参拝で世論戦-中国政府が旧満州の戦争記念館ツアー>
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201401/2014011800047
■【瀋陽時事】中国政府は16、17の両日、北京などに駐在する外国メディア記者を対象に、日本のかいらい国家だった満州国(1932~45年)があった遼寧省で、抗日戦争記念館など計5カ所を案内するプレスツアーを実施した。安倍晋三首相の靖国神社参拝を受け、中国政府内で「日本軍国主義復活を断固抑えるべきだ」(専門家)との声が高まる中、旧日本軍の残虐行為を宣伝・強調し、外国メディアが中国の主張を支持するよう「世論戦」を有利に進めたい思惑があるとみられる。
企画したのは、外務省の外国メディア担当部局と遼寧省外事弁公室で、外国メディア40人近くが参加。31年、満州事変の発端となった柳条湖事件を記念した「九・一八歴史博物館」(瀋陽市)関係者は「一挙にこれだけ多数の外国人記者が参観するのは初めて」と歓迎しつつ、突如決まったプレスツアーのタイミングに関し「安倍首相の靖国参拝とは直接関係ない」と釈明した。「(安倍首相にも)参観してもらいたい」とも述べた。
ツアーに参加したのは、中国と同様に靖国参拝に反発する韓国の記者が16人と最も多く、続いて日本メディアに属する15人前後。残りは欧州、インドなどのメディア。欧州メディアなどは「(ツアー開催は)日中関係の悪化と関係している」とみているのに対し、韓国人記者は「日本軍国主義の歴史に関心は高い」と話していた。
記者団は、旧日本軍による米英軍など兵士の捕虜収容所跡地(瀋陽市)を取材。2013年5月に開館した陳列館の建物には「なぜ日本人はこんなに人情がなく残酷なのか考えたのは一度だけではない」という米国人の元捕虜の言葉が中国語と英語で刻まれていた。
また、遼寧省档案館(史料館)の趙煥林館長は、旧日本軍による1937年の南京事件に関する同館所蔵史料を公表し、虐殺を裏付けるものだと強調。記者からは「なぜこの時期に外国メディアに出すのか」と質問が出た。
一方、32年に旧日本軍が多数の村民を殺害したとされる平頂山事件の記念館(遼寧省撫順市)では周学良館長が「(事件を)日本の人民に宣伝してほしい。被害者人民に賠償、謝罪などがあって中日関係は安定かつ健全に発展できる」と訴えた。■
歴史に無知な外国記者(日本の記者も)が、中国側の説明を鵜呑みにし、まんまと騙されるのではないかと懸念する。ツアーには朝日の記者も参加し、記事を書いているが、「平頂山事件」などは中国の虚偽を朝日が伝えた事件である。
詳しくは「検証 旧日本軍の「悪行」―歪められた歴史像を見直す 」などの著作がある研究者、田辺敏雄氏のホームページを見てほしい。
<「朝日報道」を検証する ― 報道に裏づけなし >http://home.att.ne.jp/blue/gendai-shi/asahi-hodo/maegaki5.html
中国も怖いが、そんな中国に騙されて虚報を飛ばす記者も怖い。
<完成目前キリスト教会堂、当局が取り壊し 中国温州、影響力増大懸念し圧力か>
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140429/chn14042917310008-n1.htm
■キリスト教徒が比較的多いことで知られる中国浙江省温州市で29日、完成目前だった教会堂が「違法建築」を理由に当局により強制的に取り壊された。信者の増加で存在感を高めるキリスト教会に対し、地元政府が圧力を強めているようだ。
取り壊されたのは同市の三江教会堂。28日から重機複数台が作業を始め、29日には建物の原形が見えなくなった。
信者によると、三江教会堂は約2千人の収容が可能で、温州でも有数の規模となるはずだった。工事が内装を残すだけとなっていた3月、地元当局が突然、建築面積が当局の認可より大幅に増えているとの理由で超過部分の取り壊しを命令。これに反発した信者が21日ごろから当局による取り壊しを阻止しようと教会堂に泊まり込んだり、周辺で千人規模のデモを行ったりしたという。(共同)■
昨日のNHKニュースは、こんなふうに伝えていた。
<中国当局がキリスト教会取り壊し>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140429/k10014110001000.html
■キリスト教徒が急増している中国では、行政当局が、違法建築という理由で大勢の信徒が反対するなかで教会の建物を取り壊すなどの動きが相次いでおり、今後、キリスト教への圧力が強まるのではないかという懸念が出ています。
中国では、貧富の格差などさまざまな社会問題を背景に、都市部と農村部の双方で、キリスト教徒が急増し、その数は1億人に上るともみられています。
このうち、特に信徒が多い沿海部の浙江省温州では、地元当局が信徒の寄付で建設され完成間近だった教会を、違法建築だとして大勢の警察官を動員したうえ重機を使って29日までに取り壊しました。
教会には、取り壊しに反対する信徒3000人近くが集まり、礼拝を行ったり賛美歌を歌ったりして取り壊さないよう訴えましたが、信徒らによりますと、教会の代表者が連行されたということです。
さらに浙江省の台州や舟山でも、教会の十字架を取り外すなどの動きが出ています。
これに対して、浙江省側は、違法建築の撤去は去年から進めているもので、国有企業なども含まれ、特定の宗教を対象にしていないとしています。
中国政府は、当局の管理を超えてキリスト教が広がることは、共産党の政権基盤を揺るがしかねないと警戒しており、教会の取り壊しという極めて異例な措置をきっかけに今後、キリスト教への圧力が強まるのではないかという懸念が出ています。■
<恐怖政治…中国の拷問施設「闇監獄」>と題したこのブログでも次のように書いた。
人権活動家らによると、中国当局が「邪教」と位置付ける非合法の気功集団「法輪功」や、非公認のキリスト教の「地下教会」のメンバー、民主活動家らも拘禁され、「洗脳班」で共産党に従うよう教育されるという。
恐ろしい組織である。中国の人権蹂躙の極地といっていいのかもしれない。共産党体制を内部から突く崩しかねない宗教集団を異様に恐れている姿も伝わってくる。中国では紅巾の乱、太平天国の乱など宗教集団が体制を揺るがしてきた例があるからだ。今、中国政府が一番恐れているのは、こうした大規模な農民や住民の反乱ではないかと思う。
宗教は、「共産主義」の教義を掲げる中国政府にとっての天敵なのだ。WIKIには<現代の中国では、中華人民共和国政府は憲法で中国人民の信教の自由を保障しているが、一方で外国の影響を受ける宗教組織の活動は認めない方針を採っており、政府が公認しない教会は政府の登録を受けられない地下教会となっている>とある。
「中国のキリスト教」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99#.E7.8F.BE.E4.BB.A3.E4.B8.AD.E5.9B.BD.E3.81.AB.E3.81.8A.E3.81.91.E3.82.8B.E5.AE.97.E6.95.99.E6.94.BF.E7.AD.96
中国にとっての不都合な真実は、宗教だけではない。また検閲のブラックアウトが起きた。
<中国でNHK番組中断 格差問題など取り上げる>
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140430/chn14043000520001-n1.htm
■中国で29日夜、NHK海外放送の番組が中断された。中国の作家、余華氏を「反骨の作家」として紹介し、中国の格差問題などを取り上げた内容。中国当局が意に沿わないため規制したようだ。
途中、毛沢東ブームを取り上げた場面はいったん見られるようになったが、大部分は画面が真っ黒で音も聞けなかった。中国では人権や少数民族、官僚の腐敗を取り上げたNHK海外放送の番組が見られなくなることがよくある。(共同)■
余華(ユイ・ホア、Yu Hua、1960年4月3日- )は中華人民共和国の作家である。
浙江省杭州市出身で、両親は医者で、1984年に作家デビューした。1992年に「活きる」がベストセラーとなり、その後チャン・イーモウ監督で映画化され話題となった。2005年には文化大革命から開放経済まで描いた「兄弟」が再びベストセラーとなり、2008年に来日した。
著書
活きる(1992年、2002年に飯塚容訳で角川書店に出版)
兄弟(2005年、2008年に[泉京鹿訳で文藝春秋に出版)
受賞
グリンザーネ・カヴール賞(イタリア、1998年)
芸術文化勲章(フランス、2004年)
第1回中華図書特殊貢献賞(2005年)
一方で、反日宣伝には熱心そのものだ。
<「抗日」外国記者に宣伝=靖国参拝で世論戦-中国政府が旧満州の戦争記念館ツアー>
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201401/2014011800047
■【瀋陽時事】中国政府は16、17の両日、北京などに駐在する外国メディア記者を対象に、日本のかいらい国家だった満州国(1932~45年)があった遼寧省で、抗日戦争記念館など計5カ所を案内するプレスツアーを実施した。安倍晋三首相の靖国神社参拝を受け、中国政府内で「日本軍国主義復活を断固抑えるべきだ」(専門家)との声が高まる中、旧日本軍の残虐行為を宣伝・強調し、外国メディアが中国の主張を支持するよう「世論戦」を有利に進めたい思惑があるとみられる。
企画したのは、外務省の外国メディア担当部局と遼寧省外事弁公室で、外国メディア40人近くが参加。31年、満州事変の発端となった柳条湖事件を記念した「九・一八歴史博物館」(瀋陽市)関係者は「一挙にこれだけ多数の外国人記者が参観するのは初めて」と歓迎しつつ、突如決まったプレスツアーのタイミングに関し「安倍首相の靖国参拝とは直接関係ない」と釈明した。「(安倍首相にも)参観してもらいたい」とも述べた。
ツアーに参加したのは、中国と同様に靖国参拝に反発する韓国の記者が16人と最も多く、続いて日本メディアに属する15人前後。残りは欧州、インドなどのメディア。欧州メディアなどは「(ツアー開催は)日中関係の悪化と関係している」とみているのに対し、韓国人記者は「日本軍国主義の歴史に関心は高い」と話していた。
記者団は、旧日本軍による米英軍など兵士の捕虜収容所跡地(瀋陽市)を取材。2013年5月に開館した陳列館の建物には「なぜ日本人はこんなに人情がなく残酷なのか考えたのは一度だけではない」という米国人の元捕虜の言葉が中国語と英語で刻まれていた。
また、遼寧省档案館(史料館)の趙煥林館長は、旧日本軍による1937年の南京事件に関する同館所蔵史料を公表し、虐殺を裏付けるものだと強調。記者からは「なぜこの時期に外国メディアに出すのか」と質問が出た。
一方、32年に旧日本軍が多数の村民を殺害したとされる平頂山事件の記念館(遼寧省撫順市)では周学良館長が「(事件を)日本の人民に宣伝してほしい。被害者人民に賠償、謝罪などがあって中日関係は安定かつ健全に発展できる」と訴えた。■
歴史に無知な外国記者(日本の記者も)が、中国側の説明を鵜呑みにし、まんまと騙されるのではないかと懸念する。ツアーには朝日の記者も参加し、記事を書いているが、「平頂山事件」などは中国の虚偽を朝日が伝えた事件である。
詳しくは「検証 旧日本軍の「悪行」―歪められた歴史像を見直す 」などの著作がある研究者、田辺敏雄氏のホームページを見てほしい。
<「朝日報道」を検証する ― 報道に裏づけなし >http://home.att.ne.jp/blue/gendai-shi/asahi-hodo/maegaki5.html
中国も怖いが、そんな中国に騙されて虚報を飛ばす記者も怖い。