Insanity&Genius SATOSHIのBlog続編
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この初芝居という曲は元々は
昭和の唄弾き語りの会
の作曲のお題「初芝居」
で作ったものです。

モリさんはそのお題が発表
されるとその会場の席で
何やら書き始め終わりには
「できたよ」と見せてくれた
のがこの歌詞です。

会場で書き上げただけに
ものすごく短い歌詞で
全部で9行しかありませんでした。

内訳は6行の
1コーラスに
2行の2コーラス目
※繰り返しと書かれた後に
もう1行でした。

でもその歌詞の1行目

踏み出したつま先から
そっと持ち上げた手を仰ぎ

この1行だけでもこの歌詞に
ものすごく心に刺さるものを
感じたので、
家に帰ってすぐに作曲に
とりかかりました。

ところがやはり即興に近いかたちで
書かれた歌詞だけによく読んでみると
ちょっとバラバラな場面設定と
1番と2行しかない2番の
ともにAメロにあたる部分の音数が
どうしても合わない。

でも何度も歌詞を読み返してメロディーを
考えているうちに1コーラスの6行を
入れ替えてほんの一部の言葉を変えると
1つの物語が出来た。

メロディーと音数が1番と合わなかった
2行しかない2番は1行目と2行目を
入れ替えたら意味も通じるようになり
しかも偶然にも音数も1番と合うようになった。

あとは短い詞で曲を作るための常套手段
Bメロとサビは両方1番の繰り返し。

それでもまだ短いのでさらに常套手段の
ラララでフレーズを付けたし
約3分半の曲に仕上げました。

それから1年程の間、ほとんど
同じことを1番2番と繰り返す歌詞
のままライヴで演奏していた
初芝居ですが、この状況設定と
物語がこれだけで終わるのはいささか
もったいない気はしていました。

それから約1年後に「涙」と
題されたモリさんから
貰った歌詞がありました。

後に「夢路の終わり」という
曲になるこの歌詞ですが、
この時期のモリさんは、
僕以外にも沢山の人に歌詞を
書いていていささか粗製乱造気味
なところがあり、ま、正直、読んでみても
内容がバラバラで何が言いたいのか
サッパリわかりませんでした。
でもサビにあたる部分の2行だけは
光るものを感じたのだけれど
この世界観は何かと似ている
気がするな?

何だ?

初芝居だ!

同じことを2回繰り返していた初芝居に
テーマが共通していてメロディーにも
上手くはまることに気づき
1番のほとんど繰り返しだった
2番につなげることが出来ました。

こうして1年以上の時間をかけて
この初芝居は完成しました。


1稿目を僕にくれたモリさんは
その後、同じ初芝居という歌詞を
2稿書き、2稿目は自分で曲をつけ
て歌っていましたが、
3稿目は僕以外の方にも書いてと
頼まれたので作ったようですが、
曲が作れないと返品されました。

この初芝居というテーマに乗ってきたのか
2稿目、3稿目とだんだん歌詞が長くなっていて
3稿目は僕が貰った1稿目の4倍ぐらいの
長い長い歌詞でした。

その後、返品された3稿目にもモリさんは
自分で曲をつけ2稿目よりも
3稿目の方をよくライヴで
唄っていました。

モリさんの生前、唯一の録音音源になった
のはこの3稿目の初芝居で僕の曲とは
全く別の曲です。


初芝居
作詞 森山隆
作曲 SATOSHI



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