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ボストンのローガン空港を土曜日の朝9:00に発ってから実質約14時間、ロンドンヒースロー空港、ムンバイ空港と乗り継いで、予定通り本日午後4:30ついにハイデラバードに到着しました。
着陸後、機内のトイレでコンタクトレンズを付けてから飛行場に降り立つと、乗客を乗せた送迎バスの後ろ姿が小さくなっていくではないですか!到着早々、照りつける太陽とむっとするような湿気、そして飛行機の爆音が支配する滑走路に10分ほど取り残されることに。
ようやく戻ってきた送迎バスに乗り込むと、初めて目にする茶褐色のインドの大地が滑走路の先に広がっているのが見えます。
工事中かと思わせるような空港内は一応冷房がきいているため、ほっと一息。ここでハイデラバード市内の地図でも購入しようとあたりを見回すも、ただ椅子が並べられているだけで売店らしきものは一つもなし・・・
仕方がないので小さく店を構えた旅行代理店のカウンターでインドの民族衣装サリーをまとった女性にハイデラバード市内の地図がほしい旨伝えると、引き出しをごそごそと漁った末、笑顔で小さなパンフレットを渡してくれました。広げると、実に簡単な観光用のハイデラバードの地図。これではとても、目的地であるBasixのゲストハウスまでたどり着けそうにありません。
住所をタクシーの運転手に伝えれば連れて行ってもらえるでしょうが、まったく右も左もわからないし、携帯も持っていないのでぼったくられるのは必至。早くも不安に駆られます。とりあえず空港でトイレでも済ませてじっくり行くか・・・と個室の扉をあけると目に飛び込んできたのは、
いきなり遭遇。インド式“ウオッシュレット”。。。。
『地球の歩き方』を読んで知ってはいましたが、まさか空港までこれとは。。。
インドのトイレは基本的に紙がありません。紙をつけるところすらありません。その代り、写真にあるように便器の前方に蛇口と小さな取っ手付きのバケツのような容器が用意されています。
用を足しながら、改めて『地球の歩き方』で“トイレの仕方”のページをチェック。水を容器にためて、その水と左手を使って“手動ウォッシュレット”を決行!すると案の定、お尻がビチョビチョに。
まぁ熱いしすぐ乾くだろう、、、という訳で、残った水で左手を洗い清めて終了。。。なかなかいい感じです。インドでは左手は不浄の手とされていると聞きますが、文字通り“不浄”なんだなぁ、とインド着陸後即座に身をもって実感。
さぁ、気を取り直してタクシーでゲストハウスに向かおう!と空港入り口を出るとお約束の怪しげなオジサンたちが「タクシー?」次々と声をかけてきます。ソウルの「Bullet Taxi」の苦い思い出が蘇えってくるので、ひたすら無視。空港を出てすぐのところに大通りがあるはずだったので、とりあえずそこまで歩こうとするも、いきなりスラムが広がっていて、とても歩けるような雰囲気ではございません。
そこで、すごすごと空港の建物まで引き返しタクシーを拾うことに。ちなみにこちらがRajiv Gandhi ターミナルの建物。
しかし、タクシーといっても、アメリカや日本で見るようなタクシーは一台もありません。その代り、大量に犇いているのが3輪のオートリキシャー。
運転手に住所を示すと、眉をしかめてどうもよく分らないといった表情。すると周りにどんどん人が集まってきて意味不明な言語であーだ、こーだと大議論。議論の末、場所が特定できたようで、運転手が僕に乗るように催促。しかし、ぼったくられるわけにはいかないので、「いくらだ?」と尋ねると「200ルピー(約500円)」との返事が。
それが高いのか安いのかよく分かりませんが、500円という金額自体はそんなに高くないので、このオートリキシャーに乗り込むことに。そして僕を乗せたオートリキシャーはガタガタと音を立てながらハイデラバードの街へと出て行きました。
日曜の夕方ということもあってか道は比較的すいていて、オートリキシャーは順調に進みます。道脇には雑然とした露店と高級ブランド店とが混然一体となって並び、幹線道路の中央では、高速道路の建設が進められています。
時に、ゲストハウスの管理人からは空港からは30分もあれば十分と聞いていました。しかし、40分たっても一向に着く気配がありません。痺れを切らして、「今どこにいるんだ?」「あとどのくらいなんだ?」と運転手の兄ちゃんに尋ねると、彼はおもむろに車を止め、一人でオートリキシャーを下りてしまいます。
どこに行くのかと思いきや、どうも彼は通行人に道を来ているよう・・・
一体大丈夫なんだろうか。。。。
しかし、戻ってきた彼は、「もう大丈夫」というサインをしながら再びガタガタとオートリキシャーを走らせ、小さな街路に入って行きました。
しかし、網の目のような街路をさまようこと15分。再び彼は車を止め、また露店のおじさんに道を来きにいくではありませんか。しかも、今度は戻ってきて肩をすくめながら一言。
"No Idea...”
「はぁ!?さっき大丈夫っていったやん!」と思わず激しく突っ込みを入れたくなります。こんなところで下されてたのでは、それこそどうなるかわかったものではない。しかし、彼は動じることなくフラフラとオートリキシャーを走らせては止め、道行く人に尋ねては肩をすくめながら“No Idea..."を繰り返します。
そうこうしているうちに、あたりはだんだん暗くなってきます。しかも何やらゴロゴロと雷雲がたちこめ雨まで降ってきた。不安度が70%くらいまで上昇。
オートリキシャーは相変わらず狭い路地をグルグルとまわり、そしてとうとう辺りは真っ暗に。真っ暗やみの住宅地に彼は車を止め、また出て行きました。しかも今度は彼は出ていったきり5分以上たっても帰ってきません。
「あぁ、何ということだろう。ひょっとしたらさっき空港で議論していたヤツらも、みんなグルで僕をだましてどっかに連れて行こうとしてるんじゃないか。。。」
とあらぬ不安が立ち込めてきます。
いよいよ不安度が100%になり、よっぽど車を捨てて逃げてしまおうかと思ったとき、運転手の兄ちゃんが目つきの鋭い初老の男を連れて現れました。二人が口をそろえて言ところでは、どうも目の前の建物が目的地だそうです。
しかし、まっっっっっっっっったく信用できません。そのおじさんに「ここはBASIXのゲストハウスか?」と尋ねると、彼は首をかしげるばかり。
激しく不安に駆られますが、ふとその建物を見上げると「CELESTIAL HOMES」と僕が聞いていたのと同じ名前。念のため彼に「僕はBASIXのインターンなのだけれど、ここはゲストハウスか?」と再度尋ねると、彼は
「そうそう、私が電話で話したラマナですよ。」
と笑顔で、しかし首をかしげながら返します。
あ!
思い出した!
インド人は首を縦に振らないんだった!!
そう、インド人は(地方によるかもしれませんが)、基本的にイエスの意思表示は首を横に傾けるのです。去年インドでインターンをした先輩にその話は聞いていましたが、実際にやられるとかなり戸惑います。
ともあれ、ゲストハウスに案内されると、ラマナさんの奥さんも笑顔で、(くびをかしげながら・・・)迎えてくれました。ラマナさんの話では、ここはゲストハウスといっても、BASIXの従業員である彼の家だそうで、そこの部屋をインターンや地方の支店から出張でやってくるBASIXの従業員に貸している、要はホームステイのようなものだそうです。
僕がよっぽど動揺し緊張していたのか、ラマナさんはひたすら、
「まぁ、落ち着いて。心配いらないから。」
と繰り返します。そして 「ここが君の部屋だよ。」と言って案内された部屋は、
思いのほかきれい!冷房も網戸も、お湯の出るシャワーもトイレットペーパーもついています。シャワーを浴びてようやくほっと一息。
夕飯は、ラマナさんの奥さんの手料理。お二人ともベジタリアンだそうで、今日のメニューはスープとBeet rootという野菜を使ったカレー、そしてマンゴー。基本的に何でもおいしく食べるものの辛いものだけは苦手、というインドで暮らすには最大の弱点を抱える僕ですが、今日のカレーは本当においしく頂きました。
ふと見ると、お二人はスプーンを一切使わず、器用に手で食べています。インド人はスプーンやフォークを日常生活では使わないとのこと。しかし、僕が真似しようとすると、ボロボロと周りに散らばるばかりなので、見かねたラマナさんがスプーンを出してくれました。
夕食を終えた後、「妻に連絡が取りたいのだけれど、国際電話が話せる場所はありませんか?」と尋ねると、
「歩いてすぐのところに公衆電話がある。そこなら国際電話ができるはず。ついてきなさい。」
とのこと。しかし、たどり着いた先は、一人では絶対に入れないような廃屋のような建物。その建物の中は、さらに小部屋に分かれていてその中に古びた電話が置かれています。なんとか無事到着した旨を伝え、$0ルピー(90円)ほど払って退散。
時刻は夜10時を少し回っていました。
それにしても、インドに到着してから5時間しかたっていないのに、怒涛のようなカルチャーショックの連続。果たしてここで6週間もきっちり働けるんだろうか。。。
こんな調子では、インドの人々のために働くどころか、逆に足を引っ張りそうですが、まぁ何とか明日から頑張ります。
という訳で、どんどん歩きまわって、人の話を聞いて、このスゴイ国インドから色々学ぼうと思っています。