ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

Class Advisor

2007年09月03日 | 日々の出来事

 

  9月。米国では入学式のシーズン。

 今年ケネディスクールのMPPプログラムに合格し、その門をくぐる211名の新入生は、ケネディスクールが学生によって創られていることを初日から体験することになります。

 なぜなら、初めてボストンに到着したばかりの新入生を歓迎し、様々な疑問や不安に答え、そして新入生同士の顔合わせの機会を数多く提供する3日間のPre-Orientationや、入学式も含めた公式のOrientaionの企画・立案・実行が、9名の2年生、即ちClass Advisorによって担われるからです。

 そして僕は、このClass Advisorに日本人として初めて選ばれ、8人の仲間たちとともに、先週より一週間、大学に朝から晩までカンヅメになってPre-OrientaionとOrientationの企画に頭を絞り、そいてこの週末からはその企画の実行に汗を流しています。

 Pre-Orientaionは、「HIV/AIDSが蔓延する国々で強制検査を導入すべきか否か」等のテーマで行う国連形式のディベート、ボストンのホーム・レスを助けるボランティア活動、市内ツアー等のイベントや、留学生のためのQ&Aセッション、少人数に分かれた夕食、そして2年生も巻き込んだ大規模な飲み会等、硬軟取り混ぜた様々な企画が盛り沢山。

 見知らぬ土地に着いたばかりで、銀行口座の開き方や携帯電話の選び方、病院や郵便局の場所からインターネットのセットアップまで、僕が一年前まさにそうだったように、新入生は正に手探り状態。そんな彼らにできる限り情報と友人との出会いの場を与え、一日でも早くこの街に慣れてもらうことで、ケネディスクールでのタフな一年間を楽しく乗り切るためのアドバイスを自身の経験に基づいて示す・・・これが9名のClass Advisorのミッションなのです。

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 昨年の9月、入学したばかりの僕にとって当時のClass Advisorは正にヒーローのような存在でした。次々と飛んでくる質問に親切に応え、大学のことから町のなかまで何でも知っているかのよう。笑顔を絶やさず大イベントを次々とこなす彼らの活躍は、僕に強烈な印象を与えました。

 一方で、自分自身の状況は正に惨めなものでした。

 「ケネディスクールはインターナショナルな学校だ」と聞きながら、ふたを開けてみると、MPPプログラムについては75%がアメリカ人、英語圏出身者や英語圏の大学を卒業した者も加えるとその割合は95%を超える環境の中で、ただただ圧倒されてた自分。

 飲み会にいっても、騒がしい雰囲気の中、クラスメートの話が殆ど聞き取れず、なかなか楽しめなかった自分。

 質問をしようにも、他の友人達がその前にした質問とその解答が聞き取れないため、なかなか口を開くことができなかった自分。

 クラスのディスカッションについて行こうと必死になって手を挙げては、発言の途中で頭がこんがらがって立ち往生してしまった自分・・・ 

 こんな自分を進化させるために課した目標が、

 「この一年間思いきり努力して、来年はアメリカ人も含め新入生をリードできる、彼らの新しいスタートに貢献できるClass Advisorになろう!

というものだったのです。

 また、後半戦に入った留学生活の目標のひとつが、

 「ジャパン・コーカスの一員としてリーダーシップを発揮するだけでなく、一個人として、ケネディスクールのなかで、あるいはその枠を超えて、リーダーシップを発揮する経験を積み、自分を成長させる」

 というものであり、Class Advisorは今年の目標を達成する上での第一歩でもあるのです。

  明日はいよいよ入学式。様々な想いや志、そして不安を抱えてオリエンテーションに臨む新しい仲間とともに、残り1年となった学生生活を挑戦と成長の機会を貪欲に求めていきたいと思っています。

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