「天道虫(てんとうむし)の会」

私たちは、今井信子さんのライフワークでもある「ゆらぎの里」での音楽活動に賛同して、「天道虫の会」を立ち上げました。

第13回ゆらぎの里ヴィオラマスタークラス2017レポート(その2)

2017-02-28 09:41:40 | 日記

諸角さんのレポート(その2)です。

 

今年の小樽ヴィオラマスタークラスでは素晴らしいことがたくさんありました。素晴らしさの重要性とか注目度とかの基準で順番を考えずに、ただ思いつくままにまとめてみました。

私が見た素晴らしいこと(1):新しい風
今回米国からヴィオラ奏者小笹文音((Ayane Kozasa、愛称アヤネさん)、ゲストチェロ奏者ポール・賢司・ウィアンコ(Paul Kenji Wiancko、愛称ポールさん)が参加されました。アヤネさんは受講生として参加しましたが、現在米国フィラデルフィア管弦楽団に所属しフィラデルフィア室内管弦楽団ヴィオラ首席奏者です。プロフィールによると、カーティス音楽院卒業後、ドイツ、クロンベルグアカデミーにてマスター修了。2011年プリムローズ国際ヴィオラコンクール優勝、同時に最優秀室内楽賞、最優秀委嘱作品賞受賞。アスペン、マールボロ、ラビニア音楽祭などに数多く招かれ、アメリカ、ヨーロッパ各地で演奏活動を続けているそうです。一方、ポールさんは、プロフィールによると、チェロ奏者兼、作曲家として米国、ヨーロッパ、中南米、日本、および南アフリカで広く活動、ソロ奏者として世界各国のオーケストラとの協演も多く、またミドリ、ヨーヨー・マ、グァルネリ弦楽四重奏団から、テリー・リレー、エッタ・ジェームズ、ジョー・コッカー、スタンリー・クラークなど多彩なアーティストとも共演しているとのことです。

アヤネさんは、1月8日小樽・朝里クラッセホテルのナパイア・ルームで開催されたヴィオラマスタークラス公開レッスンで、今井信子さん、大島亮(神奈川フィルハーモニー管弦楽団首席ヴィオラ奏者)さん、ファイと・ヘルテンシュタイン(バーゼル交響楽団首席ヴィオラ奏者、デトモルト音楽大学教授)さんと共に講師を務めました。同日公開レッスン終了後のミニコンサートで、アヤネさんはテレマン:無伴奏ヴィオラによる12のファンタジーより、第1番、第4番で自然体の美しい音色をを披露しました。ポールさんは、大槻晃士さんのヴィオラ・ダ・スパッラとヴィオラ・ダ・スパッラとチェロによる二重奏曲を演奏されて聴衆を魅了しました。

1月9日小樽市民センター・マリンホールのニューイヤーコンサートでは、お二人はパーセル:3声のソナタ第1番(大槻晃士編曲)及びルトスワフスキ:牧歌集(ヴィオラとチェロのための)の演奏で息のぴったりあったデュオを披露しました。

1月14日ヴィオラブーケコンサートではお二人はポールさん自ら作曲された「アメリカン・ハイク」の作品を選びました。プログラムの解説によると、この作品は「日系アメリカ人としての自己への想いであり、また簡潔な言葉で心を詠む俳句への頒歌でもある。繊細で微妙な音色の変化に伴われたAmerican Haikuは遥か彼方から、移行、祖国への三部よりなる長い旅を表現している。」とのことです。

小樽市民センター・マリンホール(1月15日)及び東京の浜離宮朝日ホール(1月16日)で開催されたフォーシーズンズコンサートでは、アヤネさんはピアソラ:ブエノスアイレスの四季及びヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」で重要なパートを演奏し、ポールさんはピアソラ:ブエノスアイレスの四季で、彼独特の味わい深いリズムとメロディーで聴衆の心を掴みました。演奏終了後、チェロの音色は素晴らしかったとの観客の声を耳にしました。

もうひとつの新しい風は、上野学園から若い二人のピアニスト、古賀大路さん及び高橋優介さんがピアノアシスタントとして、今回初めて小樽ヴィオラマスタークラスに参加したことです。2016年8月11日(木)から14日(日)まで上野学園エオリアンホールにて、「今井信子特任教授ヴィオラ公開マスタークラス2016」が開催された際に、両名はピアノ伴奏を任されました。その実績が評価されて、今井信子さんは、ピアノ伴奏の実践を通して同年代の受講生と切磋琢磨して音楽をより深く理解する機会をお二人に与えたと理解しております。

受講生の持ってくるたくさんの作品、初めて伴奏する作品が多かったことでしょうが、お二人共レッスンをこなしていく自分に興奮しておりました。ご参考までに録画したレッスンの中から各々伴奏をしたレッスンのいくつかをDVDにして差し上げますから、お気に入りのレッスンを挙げてくださいと申しましたら、自分の伴奏したレッスンの全てのビデオが欲しいとの反応に驚きました。彼等は、本当に小樽ヴィオラマスタークラスのレッスンのピアノ伴奏で激しく燃えたのですね。ちょっと大変ですが、その要望には応えるつもりです。小樽ヴィオラマスタークラスのレッスンのピアノ伴奏で受講生から絶大な信頼を得ている百戦錬磨の草冬香さんが、今回は指導者として彼等を厳しくも優しく叱咤激励しました。今回草冬香さんの表情は指導者としても凛として輝いていました。

今回「フォーシーズンズコンサート」のヴィヴァルディの協奏曲集「四季」にはチェンバロが入り本格的な演奏になりました。ゲストチェンバロ奏者として吉見伊代さんが参加しました。彼女のプロフィールによると、東京藝術大学チェンバロ科卒業、同大学院修士課程修了。チェンバロを橋本ひろ、鈴木雅明、広澤麻美の各氏に、室内楽を故小島芳子、鈴木秀美、若松夏美、野々下由香里、山岡重治の各氏に師事。2011年、イタリアへ渡り、ナポリのチェンバロ奏者エンリコ・バイアーノ氏のもと研鑽を積む。また、オルガンをフランチェスコ・ブラーヴォ氏に、アンサンブルをピエルフランチェスコ・ボッレッリ氏に師事。イタリア国立ドメニコ・チマローザ音楽院に在籍し、2014年、褒賞最高点を受けディプロマを取得。現在、ソロとアンサンブルの両方において国内外で演奏活動を行っているとのことです。

高野るみさんがメールで「ヴィヴァルディの四季には新たにチェンバロも加わることになりました。どんどん大所帯になっていきます。よい演奏会になるよう皆でいい音楽を作ってまいります。」と興奮気味でした。

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