「天道虫(てんとうむし)の会」

私たちは、今井信子さんのライフワークでもある「ゆらぎの里」での音楽活動に賛同して、「天道虫の会」を立ち上げました。

ヴィオラスペース2024

2024-06-08 11:55:56 | 日記

諸角さんの転載その2です。

【ヴィオラスペース2024雑感その2】

 2024年5月29日(水)紀尾井ホールにて、天皇、皇后両陛下と長女愛子様が、コンサートⅡ「プリムローズ生誕120年記念」を鑑賞されました。

 プログラム前半最初の曲は、今井信子(ヴィオラ)、蕨野真美(クァルテット・フェリーチェ チェロ)によるベートーヴェン:ヴィオラとチェロのための二重奏変ホ長調作品WoO32「2つのオブリガートの眼鏡付き」より第1楽章。ヴィオラを弾かれる天皇陛下とチェロを学んでおられる愛子様に敬意を表した演奏でしょうか。愛子様も、譜面台から眼鏡のイラストが垂れ下がる演出に微笑んだことでしょう。

 次いでドホナーニ:弦楽三重奏のためのセレナードハ長調作品10より、第1、2、5楽章。五月女恵(クァルテット・フェリーチェ 第1ヴァイオリン)、鈴木康浩(ヴィオラ)、蕨野真美(クァルテット・フェリーチェ チェロ)による爽やかな演奏でした。五月女恵は、愛子様の学習院初等科の同級生だそうです。

 プログラムノートによると、プリムローズは、アメリアに渡って大成したアメリカン・ドリームの体現者で世界最高のヴィオラ奏者のひとりとして、オケ、クァルテットや室内楽アンサンブルとの、及び並外れたソリストとしての活動、指導者としての数多くの経歴、膨大な録音、教育に関する重要な出版物など、永く継がれていく価値あるレガシーを残したそうです。佐々木亮氏が「ヴィラオの音の原点~プリムローズ」と表現するそのプリムローズ生誕120周年の記念の年ということで、彼ゆかりの曲をプログラミングしたそうです。第1曲目ベートーヴェンの作品はフォイアマンとの、第2曲目のドホナーニの作品はハイフェッツ、フォイアマンとの名演が録音で残っているようです。

 続いて、彼の編曲によるシューベルト:万霊節の連禱」D.343(ヴィオラ:柳瀬省太、ピアノ:有吉亮治)、及びチャイコフスキー:ただ憧れを知る者だけが」(ヴィオラ:鈴木学、ピアノ:有吉亮治)、そして彼がソロ演奏したことがあるクライスラー:プニャーニの様式によるプレリュードとアレグロ(ヴィオラ:鈴木康博、ピアノ:有吉亮治)と、マリアン・アンダーソンとの伝説的なレコーディングで知られるブラームス:アルトのための2つの歌 作品91(メゾソプラノ:波多野睦美、ヴィオラ:佐々木亮、ピアノ:有吉亮治)が演奏されました。プリムローズが演奏したことがあるヴィオラを中心とするアンサンブル作品を、日本を代表するヴィオラ奏者が演奏するという企画は、ヴィオラの色々な音色の素晴らしさを楽しむまたとない機会となりました。それぞれのヴィオラ奏者に寄り添う有吉亮治のピアノも、さすがに凄かったです。

 プログラム後半は、第5回東京国際ヴィオラコンクール入賞者が登場して、山下一史指揮、桐朋学園オーケストラと、ブリテンがプリムローズのために書いた作品及びプリムローズがバルトークに委嘱したコンチェルトを熱演しました。

 先ずは、コンクール第3位受賞者サラ・スレーズ・ラリヴィエールによるブリテン:ラクリメ~ダウランド歌曲の投影 作品48a。彼の演奏は緻密でエネルギッシュでいつも凄いの一言です。そして最後を飾ったのは、第5回東京国際ヴィオラコンクール優勝者ハヤン・パク。バルトークのヴィオラ協奏曲(シェルイ校訂版版)を堂々たる演奏で我々を魅了しました。

 5月28日及び29日の東京公演、新プログラミング・ディレクター佐々木亮氏の豊富な構想力に基づいた「アメリカン・ドリーム!The American Drea」は、「ヴィオラの礼賛」、「優れたヴィオラ作品の紹介と新作発表」、「若手の育成」を踏まえた真摯なプログラムの構成及び内容ゆえに、我々を大いに感動させたと思います。

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