ジメジメじっとりした一日でした。朝夕は軽めのセーター着てましたが、昼間は白衣を羽織るのもうっとおしいじめっぷりでした。
[明日11日(水)の天気]東・北日本は荒天で交通に影響も
明日は『まるで梅雨の走りのような天気』だそうです。明日もジメリそうですね。
前期課程が始まって、もちろん講義中心の毎日なんですが、実験も地味に進めています。栄養関係の学科なんで、糖質やらビタミンやら、その関係の酵素等バリエーションがけっこうあっていろいろできそうだったりするんですが、さあ、やろうとすると肝心な試薬がなくてどうしようか途方にくれたりします。今日はフェノールとβメルカプトエタノールがないことに気がつきまして・・・微妙に困りますよね。www プライマーはもうそろったんで、DNAの回収をしたいんだけどなぁ・・・・(プライマー発注する前に調べとけよ、俺)。
てなわけで、本日はせーのさんがツイッターで教えてくれたクラミドモナスのRBのお話 by 東大。
ゲノム解読で初めて明らかになった多細胞生物のはじまり-ヒトではがんを抑制する「多細胞化の原因遺伝子」 -(東京大学大学院理学系研究科)
単細胞から多細胞生物になる過程の研究モデル生物クラミドモナスを使ったお仕事。原始的な多細胞生物であるゴニウムの全ゲノム配列を単細胞生物のクラミドモナスやより多細胞生物として進んだボルボックスと比較検討して、さらに研究をすすめたとのこと。
というわけで、要するにRBとサイクリンDがちゃうんとちゃうかってことになったとです。多細胞のゴニウムとボルボックスのRBは、単細胞クラミドモナスのRBと比較して、転写因子E2F/DP複合体との結合に重要だと考えられるリンカー領域が短く、C末端領域のリン酸化部位が消失しており、そして、細胞周期調節遺伝子サイクリンD1は単細胞クラミドモナスには1個しか存在しないが、多細胞のゴニウムとボルボックスで4個に増加していました。んで、さらに、ゴニウムのRB遺伝子をクラミドモナスのRB遺伝子欠損変異体に導入すると、単細胞生物のクラミドモナスが多細胞体に類似した形態になった(ここ、いちばん大事)。つまり、RB次第で単細胞生物が多細胞チックになるというわけです。RBえらいっ。
まずリンカー領域が短いのは、RBが結合する相手が少ないのではないかと思われして、C末端領域のリン酸化部位が消失しているのはそれをターゲットとするキナーゼがクラミドモナスでは必要ないのかもな。RBをリン酸化するキナーゼはいっぱいありますから。んで、そういう領域を持つゴニウムのRBを導入すると多細胞生物のような挙動をしたというなら、そのゴニウムRBにクラミドモナスの何が結合するようになったかがヒントになりそうな気がします。今の技術だとそれを拾うのは容易でしょう。むしろ候補がとれすぎて解析で困るかもですが。
RBは「がん抑制遺伝子」と呼ばれてます。悪性化したがんではだいたいRBが壊れてます。要するにがん細胞ってーのは、多細胞生物の一員だったのに、単細胞生物のように増殖しだしたってことですから、RBはそれを抑えていたんですねー。もしかしたらクラミドモナスRBとゴニウムRBの研究でがん化のしくみがわかるかもです。まあ、そんな欲張らずにクラミドモナスからボルボックスへの進化の道を明らかにしてほしいです。すんごく面白いから。
単細胞生物が多細胞生物になるのは飢餓に対する適応だと思っています。あの酵母でさえ、RASにがん化する変異を入れると偽菌糸形成しやすくなります。分裂して増える細胞が菌糸の先端だけになるので、全体が低栄養環境で生きていきやすくなります。残念ながら酵母にはRBありません。あいつらは、RBいらないんだろうなぁ。
本日のお酒:SUNTORY CRAFT SELECT WEIZEN + KIRIN CLASSIC LAGER + 農口 純米 無濾過生原酒
[明日11日(水)の天気]東・北日本は荒天で交通に影響も
明日は『まるで梅雨の走りのような天気』だそうです。明日もジメリそうですね。
前期課程が始まって、もちろん講義中心の毎日なんですが、実験も地味に進めています。栄養関係の学科なんで、糖質やらビタミンやら、その関係の酵素等バリエーションがけっこうあっていろいろできそうだったりするんですが、さあ、やろうとすると肝心な試薬がなくてどうしようか途方にくれたりします。今日はフェノールとβメルカプトエタノールがないことに気がつきまして・・・微妙に困りますよね。www プライマーはもうそろったんで、DNAの回収をしたいんだけどなぁ・・・・(プライマー発注する前に調べとけよ、俺)。
てなわけで、本日はせーのさんがツイッターで教えてくれたクラミドモナスのRBのお話 by 東大。
ゲノム解読で初めて明らかになった多細胞生物のはじまり-ヒトではがんを抑制する「多細胞化の原因遺伝子」 -(東京大学大学院理学系研究科)
単細胞から多細胞生物になる過程の研究モデル生物クラミドモナスを使ったお仕事。原始的な多細胞生物であるゴニウムの全ゲノム配列を単細胞生物のクラミドモナスやより多細胞生物として進んだボルボックスと比較検討して、さらに研究をすすめたとのこと。
〈以下引用〉
群体性ボルボックス目では単細胞の祖先種に相当するクラミドモナスと最も進化したと考えられるボルボックスの全ゲノム情報が2010年に比較解析され、多細胞化に関連する遺伝子群が推測されていました。しかし、両者の中間的な進化段階の生物でゲノム解析がなされておらず、どのような遺伝子レベルの進化が多細胞化の初期段階で起きたかは不明でした。
群体性ボルボックス目では単細胞の祖先種に相当するクラミドモナスと最も進化したと考えられるボルボックスの全ゲノム情報が2010年に比較解析され、多細胞化に関連する遺伝子群が推測されていました。しかし、両者の中間的な進化段階の生物でゲノム解析がなされておらず、どのような遺伝子レベルの進化が多細胞化の初期段階で起きたかは不明でした。
というわけで、要するにRBとサイクリンDがちゃうんとちゃうかってことになったとです。多細胞のゴニウムとボルボックスのRBは、単細胞クラミドモナスのRBと比較して、転写因子E2F/DP複合体との結合に重要だと考えられるリンカー領域が短く、C末端領域のリン酸化部位が消失しており、そして、細胞周期調節遺伝子サイクリンD1は単細胞クラミドモナスには1個しか存在しないが、多細胞のゴニウムとボルボックスで4個に増加していました。んで、さらに、ゴニウムのRB遺伝子をクラミドモナスのRB遺伝子欠損変異体に導入すると、単細胞生物のクラミドモナスが多細胞体に類似した形態になった(ここ、いちばん大事)。つまり、RB次第で単細胞生物が多細胞チックになるというわけです。RBえらいっ。
まずリンカー領域が短いのは、RBが結合する相手が少ないのではないかと思われして、C末端領域のリン酸化部位が消失しているのはそれをターゲットとするキナーゼがクラミドモナスでは必要ないのかもな。RBをリン酸化するキナーゼはいっぱいありますから。んで、そういう領域を持つゴニウムのRBを導入すると多細胞生物のような挙動をしたというなら、そのゴニウムRBにクラミドモナスの何が結合するようになったかがヒントになりそうな気がします。今の技術だとそれを拾うのは容易でしょう。むしろ候補がとれすぎて解析で困るかもですが。
RBは「がん抑制遺伝子」と呼ばれてます。悪性化したがんではだいたいRBが壊れてます。要するにがん細胞ってーのは、多細胞生物の一員だったのに、単細胞生物のように増殖しだしたってことですから、RBはそれを抑えていたんですねー。もしかしたらクラミドモナスRBとゴニウムRBの研究でがん化のしくみがわかるかもです。まあ、そんな欲張らずにクラミドモナスからボルボックスへの進化の道を明らかにしてほしいです。すんごく面白いから。
単細胞生物が多細胞生物になるのは飢餓に対する適応だと思っています。あの酵母でさえ、RASにがん化する変異を入れると偽菌糸形成しやすくなります。分裂して増える細胞が菌糸の先端だけになるので、全体が低栄養環境で生きていきやすくなります。残念ながら酵母にはRBありません。あいつらは、RBいらないんだろうなぁ。
本日のお酒:SUNTORY CRAFT SELECT WEIZEN + KIRIN CLASSIC LAGER + 農口 純米 無濾過生原酒