遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

じゃあ、勝者になりたいのか?

2010-04-15 23:32:56 | たわごと
「最大の敗者は鳩山首相」=核サミット、勝者は中国主席-米紙(時事通信) - goo ニュース
「きちんと責任取れるのか」=米大統領、首相に疑問呈す-普天間移設(時事通信) - goo ニュース
「一国の首脳に非礼」=官房長官、米紙に不快感(時事通信) - goo ニュース
世界的に有名な核アレルギー国である我が国が、核安全保障サミットで「勝者」になるわけがない。核兵器を持ってる国を集めてどう管理するのか相談する会議で、『世界で唯一実戦で核兵器を使われた国』として招待されただけなのである(『被爆者』は日本以外にも広義にはいる)。今も、これからも、我々は核爆弾はおろか原子力エンジンを積んだ船さえ軍事用に使う気がないのであるからこんな会議に呼ばれる筋合いさえないはず。オバマ米国大統領は単に核兵器を嫌う頭の悪い平和主義者ではないです。プラハで行った彼の演説はノーベル平和賞をもらうためではなく、「核兵器は我々先進国が管理するっ」という決意の表明だったと解釈しています。そうでないとロシアまで巻き込むことができない。先進国だけでなく、国民が飢餓で苦しむようなアジアの貧国でさえ核爆弾を製造できる時代になったんです。テロ組織にその能力が広がる危険は絵空事ではない。じゃあ、そこで日本という国にどうしろというのか。批判する人にはそこら辺をちゃんと述べてほしい。

普天間基地の移設問題については、もはやタイムアウトでしょう。そういう意味で現政権は死に体でして、鳩山さんはオバマさんにとってまともに相手にする価値のない存在に成り下がりました。

日本人は『臭いものに蓋』をする民族なんですが、民主党の起した普天間基地移設騒動で二つの蓋が開いてしまいました。
一つは「基地は沖縄」ということ。沖縄の人たちが可哀想と善人面して言う人がいますが、自分ちのとなりに米軍基地が来たら必死で反対運動を起こすんですよ。自分が沖縄の人たちの苦労を請け負う気持ちはまっぴらないんです。軍事基地の設置場所は、鬼の気持ちで情をはさまずに決めないと決まりません。リアリズムこそが政治に必要なものなのに空想と感情にしばられたのではダメです。そもそも米国という外国の同意が必要なイシューをマニフェストに記述した民主党が大バカだったわけです。
もう一つ。軍事基地を移設するなら、当然有事での作戦行動の段取りが変更されます。その時にどういう有事を想定してるのか、つまり仮想敵国がどこなのかが、明らかにされなければなりません。海兵隊基地の移設先が何故そこになって、有事の時にはどういう段取りで米軍の海兵隊が出動するのかについての作戦無しに移設先は決まらないでしょう。つまるところ、蓋をして隠しておきたかったもうひとつの臭いものは、「敵は中国」ということです。経済的に調子の悪い日本も米国も困るんだけど、しょうがないったらしょうがない。台湾海峡やシーレーン防衛、朝鮮半島有事等について、どう考えても「敵は中国」って答えが出てくるんですな。北京政府と人民解放軍が一体かどうかさえ怪しいんですがねぇ・・・。実際に何か起こったらどうすんでしょ? 鳩山さん達はちゃんと考えてコメントしてるのか?

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コメント
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