自分の頭や記憶がしっかりしているうちに書いておきたいこともあって
今までの大学病院のLAMの主治医との会話のメモ(正確には医師に聞いてください)を残します。
私は6年前にLAMと診断されました。気胸や胸水、腹部の腫瘍などもない
呼吸苦タイプのものでした。進行具合は中の少し重度ぐらいで、進行がとても早いと言われましたが、
予想に反して、ホルモン治療、自然閉経や治療の甲斐があったのか、当初の予定より悪くなりませんでした。
癌になって酸素のサチュレーションが下がったこともあって、早い時期から酸素を導入しましたが、
頑張ればぎりぎり、酸素なしでいけるレベルで生活することができました。
ちょうど主治医が私の入院中にアメリカでの学会に出席していたので
世界のLAM研究者の動向の一部を医師から退院前に聞くことができました。
(私の主治医がLAM研究の世界的第一人者ですが)
癌治療がLAM治療に効くという可能性があるという認識が学者達の間で拡がっているようです。
例えば、私が癌治療で使った抗癌剤アリムタや分指標的薬(分子標的薬については記憶が曖昧)
などはLAMの進行を遅くする可能性もあったかもしれない。
ただ、私が癌患者であったが故にその治療ができた訳です。
また、全体にLAM研究者はピンポイントでLAM細胞をやっつけるシロリムスなどの
意識を集中してきたけれど、BAK療法のようにもう少し広い範囲で異常な細胞増殖をする細胞を
抑えるという治療法の方が、ピンポイントの標的が少し変わった時にも対処でき、現実的では
ないかという手応えを主治医は持ったようです。BAKは免疫療法なので、他の正常細胞を傷つける心配は
ありません。それはBAK療法の培養方法が他の免疫療法よりシンプルなので、特定の異常細胞を
やっつけるものではないことも、幸いしているようです。
具体的には、ある程度LAMが進んだ患者さんで、それほど進みが早くない方の進行を抑えるのに
有効ではないかと考えているそうです。私を含めて、今度3人目の方が試されるそうです。
BAK療法の研究者(開発者)の医師と研究して、この治療がLAM細胞の異常な増殖を
防ぐことが病理的なレベルで証明されれば、保険治療の可能性も気の長い話ではありますが見えてくるそうです。
今後もこの研究は進みます。
さて、大学病院での治療を私は終了するので、
海外からの学会帰りで、残務処理にお忙しい医師に時間をとってもらえ、
二人で今までの治療や診察室ではなかなかお話しできなかったことを
ゆっくり話せ、きちんと医師に今までの感謝やご挨拶もできて、とても満足しました。
また、話が戻りますが、私の肺はそうした治療を経た興味深い肺ですから、
今後の研究に使って頂きたいということで、
(医師、患者の同意として)家族を通してお願いしました。
LAM患者として、癌治療との接点を作れたかもしれないという可能性が拡がって、
なかなか、理解されずらい感情かもしれませんが、誇らしく嬉しいです。
LAM患者として付き合いも長く、さすがに医師は私本人に面と向かって、その事を
言い出せなくて、とても戸惑っていらっしゃいました。
こんな珍しい病気になったのだから、その経験が次世代の患者さん達の治療に生かされれば何よりです。
ちょっと、かっこつけ過ぎかもしれませんが、そういうところが私の個性でもあるので、
「ユリイカさんらしい」と思ってくだされば嬉しいです ^^