星田オステオパシー

読書日記 2022/10/13〜

2023/04/16 「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」
 岡田斗司夫の過去放送を聞いててべた褒めだったので読んでみました。
 え〜・・読み始めてから気づいたんですけど、基本的に戦史とか戦略論・戦争論なんかに興味無いんですよね・・なので過去の通説を覆す!とか言われても

 ・戦争は本当に悲惨なのでやめとこう
 ・当時のドイツ国防軍は「ヒットラーに命令されて無理やり」的な事を戦後に言ってたらしいけど、かなりノリノリだった
 ・スターリンの大粛清とヒットラー(と軍幹部)の超楽観的見通しのせいで相互にグダグダ。見ようによっては(兵士と国民にとって悲惨過ぎる)コント

 って感じでした。これはヒストリーチャンネルとかで見たいなぁ


2023/04/12 「ミトコンドリアが進化を決めた」
 例の水素水関連でエハン師が推薦していた本。知りたいことは決まってるのに、途中生物の進化の話やら雑学みたいなのが延々と続いて最後の最後に知りたいことが出てきました。
 つまり「人は何故老いるのか?そして死ぬのか?」という話。まあ、世代を重ねないと長い目で見て環境に適応出来ないからってのは分かるけど、個人としては気になるトコロ。
 途中に出ていた鳥の話は大いに興味をそそられた。オウムが長生きなのはしってたけど(100年くらい)、カモメでも75年くらい、アホウドリでは驚異の150年だという!しかも人間みたいに寝たきりになるわけじゃなくて死ぬまで飛んでるわけだからな・・・驚嘆!

 じゃあ、その鳥類にヒントがあるんじゃないか?という話で、ザッと言うとミトコンドリアの数に余裕があるからじゃないか?というお話でした。ミトコンドリアの働きがいっぱいいっぱいになると処理しきれないフリーラジカルが漏れ出す、それがミトコンドリア自体を傷つける、傷ついたミトコンドリアが増えてしまった細胞はアポトーシスで自滅する、自滅した細胞が増えた結果が老化であるというのが著者の仮説(多分)。

 なるほどそれで「アーシング」であったり「水素摂取」で酸素ラジカルを水にして無害化しようということか・・

 それともう一つ、そもそももっと細胞内にミトコンドリアを増やして余裕をもたせるという方法(鳥型)もあるが、遺伝的要素が大きいので現時点では難しいだろうと。
 なるほど・・じゃあ俺はLRを使ってミトコンドリアに語りかけ活性化・増殖を促せるか実験してみるか!と思いました。


2023/04/11 「バルバラ異界」
 以前、萩尾望都の特集本で名前が上がっていたので・・。読んでびっくり(失礼かな?)、面白い!古代火星文明なんていうロマンチックな要素とほんのりSF設定、何よりやっぱり絵が良いんだけど、なんか不思議とどんどん先が気になって読んでしまうのは・・マンガが巧いってことなんだろうなぁ。
 脳ってのは体の状態(若さ)に支配されているとか、夢って実は・・とか科学っぽい事も現代風の味付けなんで読んでて馬鹿らしくならないのも良い。結構な年齢の筈だけど・・やりますねぇ!

 こちらネットで拾ってきた登場人物関連図。以前、マンガ・映画・アニメなどを見た後にはベーマガで投稿するとしたらどんなゲームにするかと考えると宣言してたので実践しよう!
 そうですねぇ・・まあやっぱりインパクトがあったBBA「十条菜々実」が主人公だろうな。エズラとかカーラーを襲って若返り薬を手に入れ、度会時夫に肉体関係を迫る・・という内容が良い。若返りアイテムを必要数集めて変身するときには獣王記の獣人変身シーンを再現すると盛り上がるかも
 パゥワーアップって感じで
 


2023/04/09 「リプレイ」
 Quoraでオススメの記事があったのと、岡田斗司夫が放送で「面白かった」と言及していたので読んでみる。1987年の作品でループものの元祖というわけでもないけど、気になるのは「オチ」の付け方と「原因」部分なのでそこに着目して読んでました。
 オチに関係するけど段々とリプレイで覚醒するまでの時間が短くなっていく(つまり意識してからの余生が短くなっていく)のが上手いねどうも!未来を知ってるんでガンガン成功して幸せなんだけど、どんだけ積み上げても全部失ってしまう(記憶は残るが)。通常は後悔する暇もないけどリプレイが始まってからの時間で喪失をずーっと引きずるわけで、これはなかなか・・。
 肝心のオチは・・確かに救いはあるけどなんじゃそれ!って感じかなぁ・・。編集再度にハッピーエンドを強要されたんじゃ無かろうか。
 もう一つの「なんでそんな事が起きてるの?」については・・個人的にはこっちの方が感心したかな〜。こういう超自然モノって原因が知りたい!と思う割に説明されるとガッカリするというやっかいなアレじゃないですか(例:リングシリーズ)?そこんところをうまく回避してるんだよなぁ・・多少ネタバレになるけど、リピーター(もしくはリプレイヤー)は・・・いや、やっぱりやめとこう(^_^;)
 今まで読んだループものでは展開が「いや、人間そうなるよね!」とリアリティがあって、大げさかも知れないけど読後は(かなり急いで読んだのに)ちょっと・・不思議な気分になりました。
 更に言うと後書きで知ったのですが著者はこの本が大ヒットしたにも関わらず出した本は3冊だけ、絶対に公的な場に姿を見せずまったく謎の作家なのだとか・・もしかしてお前・・・!?


2023/04/04 「ブラッカムの爆撃機」
 第二次世界大戦中のイギリス空軍爆撃機の通信員として搭乗する主人公がドイツ戦闘機の断末魔に居合わせたことから始まるホラーストーリー。
 岡田斗司夫の過去放送でえらく面白そうだったので図書館でリクエスト。爆撃機の話なのに児童書扱いってのが、なんかスゴいですね。目玉は物語の前後に宮崎駿がフルカラーで描いた解説兼妄想のマンガが付属してあるところ。いや〜良いよ!説教臭いアニメよりよっぽど良い。
 で、本編なんですが・・これが大問題なんです。岡田斗司夫の解説が本編よりも面白くなってしまってるんですよね。一応解説の終わりで「まだ続きます」とは言ってたんですけど、結局一番面白いところを猛烈な熱意で解説してしまってて、その後に読んでも解説よりも面白くないというね・・
 ちなみにこの本、なんと地元の図書館にしっかりと収蔵されてました。星田図書館やりますねぇ!

2023/02/18 「ソロモンの偽証3」
 ついに聞き終わりました、ソロモンの偽証3部作。これは・・映像化待ったなし!と思ったけど、小説じゃないと無理じゃないかなぁ・・芦田まな級の子役が男女合わせて10人くらいいればなんとか・・?
 ミステリーとしてはそもそも盛大にネタバレかます構造になってるので、愚かな大人への幻滅とか、現在の自分に対する反省とかを見つめるための装置としての役割を狙ってるんじゃないかなぁ?とか思ったんですが。
 僕は基本的に物語の中の「ワル」は最後までワルを通して欲しいと思うタイプなんですが、今回のワルは「成長して幾分マシになるワル」という役割が最初から与えられてるので、最後でチョビッと(ここがリアル)だけマシになるという展開は心地よかったですかねぇ。逆に大人のワルがちょっとマシになるのはアンリアルじゃないかな?とか思ったり。その点で言うと茂木記者は良いワル役でしたね。あと、最初に藤野涼子を完璧超人かと思わせておいて、だんだん嫌な女にする悪意というか「ま、人間そんなもんよ」的な見方は女性目線のリアリティみたいなものが感じられてニヤニヤしましたねえ。

 結論、めちゃくちゃ長かったけど聴いてよかった(^o^)


2023/02/15 「ソロモンの偽証2」
 というワケで続けて二部へ。いや〜長い!相変わらずで悪女ジュリにはムカムカさせられるわけだけど、それに輪をかけてそのオカンが酷くて、もう気持ちが悪い!
 興味深いのは・・著者さんの人間観なのか物語のデザインとして意図的に設定されてるのか分からないけど、とにかくほとんどの登場人物が「見た目が悪い」か「性格が悪い」んですよね。いや、人間の本性なんてそんなもんなんだろうけど。主人公の一人であるリョウコは最初完璧超人として登場するんだけど、どんどん嫌な女になっていく。一方でダメダメだったケンイチは試練を乗り越えて覚醒しつつあるのが楽しみ。リョウコよりも完璧な存在として活躍しているカズヒコはまあ・・伏線もガッツリだし終盤で転落が待ってるんだろうな。
 二部の最後の最後、追い詰められたジュリがまさかの・・・ってところで三部へ続くって事で、もう無茶苦茶盛り上がってきた。ここまで我慢して読んできて良かった・・・ようやくスッキリ展開が味わえる・・んですよね?あ、我慢って言っても文章が達者で展開もダラケてないので、聴き始めるとずっと聴いてしまうんですがね。一度中断して再開するのにちょっとカロリーが要るというか・・そんだけ痛々しい話なんす。

 しかしやっぱり会話部分が上手いよなぁ・・そしてその会話を台無しにせずに朗読で支えているのが「羽飼まり」って方。名前、聴いたことなかったんですけど、老若男女、特に中学生の男女がメインで10人以上出てくるのにしっかりと分けて演じてて違和感がないという・・まだ見ぬ強豪って言うんですか?すごいヤツがゴロゴロしてるもんだと思いました。


2023/02/13 「ソロモンの偽証1」
 Audibleでスキマ時間を使って聴く。タイトルは聞いたことがあったけど、上下巻で3部作ってすごいな・・。紙だと読まないかも知れないと考えて残り少ないAubdibleのキャンペーン期間で聴くか!と。
 いや・・宮部みゆきさんの本って初めて読んだんですけど・・なんて筆が達者なんだ・・。モノローグにダイアローグ、中学生の男女だったらこう言うやり取りするだろうなぁ〜とか、内心こう思ってるんだろうなぁ〜ってのが全くハズすことなく展開されて全く違和感がない(個人的な感想です)。
 特にまあ、悪たれシュンジと性悪女のジュリ、マルチ主人公の一人であるケンイチの表現は素晴らしいなぁ〜。正直、内容がキツ過ぎて「少公女セーラ」を第一話で脱落した僕には毎回続きを聴くのにちょっとカロリーを消費するんだけど・・頑張って最後まで見届けようと思います。
 コレまじでどうなるんだろうなぁ(・。・;

 今回のキャンペーンだとこの3部作で時間切れかも知れないけど、今後ちょっと宮部みゆきさんの本は読んでみたくなりました。


2023/02/05 「不条理な会社人生から自由になる方法」
 フリーランスがイイんじゃないか?ひどい条件の会社で働くよりは・・ってお話でした。特に印象深いのは非正規の公務員(臨時教)のお話。

 いや、マジでユルフワバイトを死ぬ気で探して働いたほうが絶対に幸せだって!正直言って実力のないフリーランスよりも良いと思う。実力があればフリーランスが一番良いんだろうけどねぇ・・

 結論、ユルフワバイトを無理なく長いこと(出来れば死ぬまで)続け、健康に気をつけ、節約して相場が大きく下げるような時にインデックス投資を始める・・。空いてる時間にスキルアップ出来ればナオヨシ!って感じじゃないですか?


2023/02/01 橘玲さんの本をまとめて読み直し(Audibleで)
 移動中とかにダラダラと聴いてたのと、既に本で読んでるという意識のせいで細かい話は全然記憶に残ってないけど・・

・既得権を持っていた団塊世代が現役を引退しはじめたので、ようやく「働き方改革」が開始可能になった
・団塊世代が次は年金ステージになるので、年金改革は進まないであろう
・唯一確かな未来予知は人口動態によるものだけど、どう考えても若者は日本にいては損をする
・老後への備えは「長く働く」しかない

 って感じでしたかね。まあもう、若い人たちは老人を見捨てて海外へ出ていくしかないですね。たまたまこの話をしてたんですけど、介護でもタイに行ってる若い男性がいて「こっちはむっちゃ楽で給料倍やで」という報告が来たとのこと。もう好き勝手生きてくれ!老人の巻き添えで苦労する必要なんてないぞ〜
 もしくは・・安楽死をとっとと合法化するか・・ですかね。まあ、僕の年代が耄碌して動けなくなる頃にはさすがに合法化されてると期待しているのだが!?


2023/01/19 「裏道を行け」
 気になっていた本だったのでAudibleであったのはラッキー。小説以外だとAudibleはどうかな?と思ったのだけど橘玲先生の本は構造が固定されている(新規性のある、もしくはあまり知られていない興味深い研究や事象を羅列する→最後の最後で解決策に近いものを提示する)のでAudibleに向いている、と思う。
 読み終わった感想で言えば非常に面白かった!タイトルからするといかにも数々のライフハックが紹介されてるのかと考えてしまいそうだけど、まずは常人がとてもじゃ出来ないような歴史に残りそうな最近のハック実践者のショートストーリー。これがまず面白い。
 で、最後にちゃんと凡人が出来そうな裏道(でもないか・・)の紹介で気持ちよく終わらせてくれると。まあ、節約とストア学派の考え方なんですが。

 興味深かったと言うか今更「ハッ!」とさせられたのは、ゲームと現実の違いの言語化かな。「失敗を許されて楽しめるのがゲーム、許されないのが現実」。たったこんだけの事だけど、無茶苦茶膝を打った(個人の感想です)。
 特に日本は失敗を許さない文化というのが言われてますけど、それがこのなんとなく先行き絶望感が渦巻いてる原因かもな~と。もっと失敗を笑って見守れる文化になると良いっすねぇ・・僕個人からだけでも始めていこう。

 あと面白かったのは、問題視されるパチンコとかギャンブルなどの依存症が、実はもっと重篤な依存症の予防に役立ってるという可能性・・というのも興味深かった。出来るだけ有意義な事柄の依存症になるのが人生のHackやな!と。


2023/01/18 「捜査線上の夕映え」
 コロナ時代のミステリーってことでネット上にて評判になっていたので聴いてみました。まず、著者自らが探偵(?)助手として作品に登場するという内容に腰が抜けそうになる。しかもシリーズになってるのか・・・
 驚くような(しかしご都合的な)展開は1つあるんだけど、トリックもドラマもキャラもどうってこと無いのにしっかり最後まで聴けてしまった。
 つまり、文章が達者なんだろうな(そしてキモくない)・・と。


2023/01/16 「火星年代記」
 ライトノベルで懲りたので、古典を試してみるか・・と。驚くべき事に、こちらはキモくないけどあんまりにも面白くないので早々に放り出してしまった。なんだコレ?
 キモい文体でなくてもあんまりにも面白くない場合には耐えられない・・という事も分かった。


2023/01/16 「オーバーロード1巻前編」
 現代のライトノベルにも挑戦してみるか・・と、中でも「タイトル名くらいは聞いたことがある」「評価が異様に高い」この作品を試しに聴いてみることにした。
 うわ〜駄目だ〜・・・キモくて聴いてられない。単純に50歳のオッサンの為には書かれていない・・というだけだと思いますけどね、それでもこういうのが今の若者にはウケてんのか〜・・と愕然とした。あんまりにも合わなさ過ぎて序盤も序盤(外の様子を探るために執事とメイド部隊を放った辺りまででギブアップ)で放り出してしまったので、その後びっくりするくらいに面白くなったかも知れないですけどね!
 これ聴いて思ったんですけど・・「面白くない作品を耳で聴くのは耐えられる」が「キモい作品(←僕にとってですよ)を耳で聴くのは、もう、絶対に耐えられない」。
 そうか・・キモいかキモくないかって軸は僕には重要なんだなぁ・・と気付かされた。

2023/01/14 「日本以外全部沈没」
 タイトルで既にオチがついている・・・。有名なのに読んだことがなくて今回初めて聴いたわけですけど・・いや、これは面白い!やっぱりパロディ元が面白いのって重要だなぁと。そして作品が面白いので安原義人さんの朗読も超ノリノリで、聴いてて心が弾んでいるのに気づいて驚く。この朗読作品は必聴でしょう!いや、面白かった〜

2023/01/14 「最後の喫煙者」
 これまた安原義人さん目当てで。喫煙者排斥の狂気は未来予測的で興味深い。今の現実は小説に近いところまで来てるなぁ・・個人的にはタバコなんてクソだと思ってますけどね。最後の喫煙者になってしまった著者を待ち受ける身勝手な民衆の正義がまた・・・面白くは無いけど興味深いお話でした。


2023/01/14 「平行世界」
 これまた安原義人さんの朗読目当てで聴いてみた。平行世界ってよくある(当時は新しかったのかな?)題材を扱っても、神戸の山の手を舞台にすることで無限に続く「段々畑」的なイメージが斬新だなぁ・・段違い平行世界って事か。朗読もいい。まあ、そんなに面白くは無いけど

2023/01/12 「怪談」
 こちらも安原義人さん目当てで。と言っても脇役で、しかも途中ろくろ首化した後は雑なエフェクトをかけられてしまって全然美声が楽しめないのだ!
 2話収録なんですが、そちらには安原義人さんが出てない代わりに小宮和枝さんが女らしい芝居で出演されてるのが良かったっすね



2023/01/13 「鬼平犯科帳(一) 唖の十蔵」
 これまた今まで読んだことがないジャンル。安原義人目当てで聴いてみる。どうやらシリーズ最初の作品らしくて平蔵は新任の長官で脇役。普通にハラハラする。ラストはちょっと意外な展開・・まさかいきなりバッドエンドを仕込んでくるとは・・・
 安原義人さんも名調子で非常に満足。あ、でも再生スピードは1.2倍にすると最適。多分全盛期の滑舌だとそんくらいだと思う。


2023/01/12 「踊子」
 突然どうした?って感じでいきなり文学作品。いや、安原義人の声と芝居が好きなもんで検索したら何本か引っかかったので聴いてみました。普通に面白いっすねw。
 男も女もどうしようもないなぁ・・という話なんだけど、文章に過剰な修飾が無いのが気持ちよい。(僕が今までによく出会ったタイプの)ライトノベルの何が嫌かと言うと、もう絶対に普段使ってないだろ!という類語辞典で調べたの丸見え、無理矢理カッコつけるための表現の羅列でキーッ!とさせられる・・そういうのが無いのが良いなぁ。


2023/01/12 「アクム博士のマッドサイエンス入門」
 橘玲先生の小説。随分前に読んだときには面白かったように感じたけど、今回聴いてると耐えられなくてすぐに放り出してしまった。進化心理学の研究結果とかは普通の書籍で書いてくれたらエエからって感じで。


2023/01/11 「三体X 観想之宙」
 三体が実に面白かったので、そのまま外伝と言うか・・どうやら三体ファンが三部作終了の寂しさを埋めるために書いたものが公式化された・・という夢のような経過をたどって出版、ヒットに至った作品らしい。
 そうかそうか・・と聴き始めたのだけど・・うーん、なんか違うな(経過を知ってるせいかも知れないが)と感じて15分も保たずに放り出してしまった。そもそも、元々の著者が「そこは書かないのがハナ・・」と感じてたから描写しなかったわけだろうし、そもそも三体3のヒロインと宇宙へ送り込まれた男(名前覚えられない)の関係ってそんな納得が行くものでは無いと思ってるんで!個人的には!ヒロインは色々とあって罪悪感で男のことを気にしてるだけだろ・・男も深いところでは「思い知れ!」という気持ちで協力してる感じがプンプンするんだよなぁ・・。
 最後まで読んだら大満足するかも知れないけど・・・僕はやっぱり原著者原理主義なんで!



2023/01/09 「三体3 死神永生」
 2巻が見事に締めくくられていたので、「ともでもない蛇足になったら嫌だなぁ・・」と心配しつつ読み(聴き)始めたのだが・・。
 うおお、何だこりゃ!そこまで行く!?というとんでもないスケールの話に。ジョジョ6部の宇宙一巡とまでは行かないけど、既存の真面目なSFではここまでの壮大さはあんまり見かけなかったんじゃなかろうか?

 ラストも「まあ、こうなるんでしょ?」という予想を次々と裏切り続けて意外な展開に・・。いや〜途中の「おとぎ話」の部分で挫折しなくてよかった・・あそこはマジで鬼門。三体星人を欺く必要があるとは言え、バカ正直に全文書かなくても良いのではないか?逆に長すぎて怪しまれるだろw。
 ただ問題はそこだけ、大いにSFマインドを刺激されて楽しめましたな〜。ただ、三部作で合計多分70時間くらいかかるのでしばらく読み返すことは無いと思う。なんかドラマ化されるとかされてるとか言う話なのでちょっと期待かな・・しかしこれ映像化出来るのか?特に例の二次元兵器・・


2023/01/07 「三体2 黒暗森林」
 三体の続き。今回は主人公を変えて・・なんと上下巻の膨大なページ数。Audibleだと合計で35時間くらいもある!まあ2倍速で聴いたんですが。主な登場人物は当然ながら中国人なので(これは慣れかも知れないが)、音だけだとどうしてもキャラの把握にちょっと手こずる感じかな・・。
 ネタバレにならないように感想を述べますと・・無茶苦茶面白かったな!うーん、設定が巧いよ。ほぼ物理的な影響を及ぼすことが出来ない陽子AIの智子(←読んでないと全く意味不明だと思うw)と敵の到着までのタイムリミットが450年ってのがスケール感のある展開を生むと言うね・・。各ウォールフェイサーの戦略が、それぞれで1つのSFの軸になれるような内容なのも豪華な造りで驚かされる。贅沢すぎる!そして、更にその上で最後の最後まさかの大逆転が・・!
 見事だ・・けど、これで終わりじゃないの?3部作なので当然続きがあるんだけどこんなにキレイに終わってるのにどうすんの?という感じで大満足の第2巻だったのだった。
 個人的にツボだったのは作中で「ヤン・ウェンリー(銀河英雄伝説)」の言葉がキャラのセリフとしてしっかり出典付きで引用されてたところ。バイト先の移動中だったんだけど思わず「ファぁ?」と声が出たよ。著者、親日派かな?一気に応援したくなったぜ。と言うかSF好きな人は平和主義な人が多いと思うけどね。

2023/01/05 「三体」
 中国人の書いたSF小説?正直、まったく偏見が無い訳では無いのでちょっと用心しながら読み(Audibleなので聴き)始めたのですが・・いや、面白いっすねぇ!中国在住らしいのに初っ端から文革の話とか書いて大丈夫なのか・・とか心配しながら読み進めて行く。なんか不思議な感覚・・・これこそ偏見なのかも知れないけど、なんかちょっと話の展開が普通のフォーマットに沿ってないような気がするって言うのかな?前知識も何も無く読み始めたってのもあるだろうけど「えっ? えっ!?」と疑問符出しまくりで、それでも途中でやめられなくて自然と読み終えることが出来ました。
 個人的なツボは三体VRゲーム内での人間を使ったノイマン型コンピュータの再現かなぁ〜(^o^) あれ何なんw?面白いけど

 三部作の最初ってことで、とにかく謎だらけ。ただ、カメラとか背景放射への干渉あたりが驚異感のピークで最後は「思ったほどの相手では無いな」という引きになってるかなぁ・・まあ、あんまりに強すぎても対抗策が無いしな。


2023/01/01 「ミレニアム2」
 これまたAudibleで続きを・・・駄目だ、リスベットが可哀想(予測)過ぎて序盤でギブアップしてしまいました・・まだ誘拐される(んだよね?)前で危機が迫ってきてるところでもう我慢できなくて放り出したんですよねぇ。西洋人の嗜虐性にはついて行かれへんわホンマ!

 まあ、この面構えのリスベットだったら我慢できる(テレビ映画版)・・と思う・・こっちも録画済みなので、まずはこっちで2と3を見てみるか・・。1はテレビ映画版でも視聴済なんだけど主人公のミカエルもリスベットもかなりイマイチだった。けど悲惨な話なので逆にこのくらいのルックスの方が安心できるなぁ・・まさか制作陣はそれを見越していた!?


2022/12/28 「ミレニアム1」
 長かった〜・・上下巻合わせて30時間以上あるんだから・・。まあもちろん2倍速で聴いたんで実質はもうちょっとマシだったけど。
 いや、面白かった!・・が!映画版がどんだけよく出来ていたかも思い知らされたねぇ・・過不足なく2時間で見事にまとまってる素晴らしい映画だったわけだ。あ〜同じキャストで続き観たかったなぁ・・(T_T)

 小説版はですね、とにかく長い。コンピューターの話とか金融の話なんかが出てくるんだけど「そこまで必要ある?」って描写が多くてちょっと嫌になったかな。誰も登場人物が使ってるメールクライアントとかブラウザー名なんて知ったこっちゃないんで!
 そして事件の一応の解決後がまた長いw ここが映画との一番の違いで、あの最後のリズベットのオトコマエで泣かせる去り際が冗長な展開で埋もれてしまってるのが悲しすぎる。

 あと、スウェーデン人の性欲スゴ過ぎ! 以上です
 

2022/12/24 「岡田斗司夫のブロマガでした話「占い師の話」
 書籍と言うよりは講演会の書き起こしなんだけど・・いや、面白かったなぁ。本は長けりゃ良いってもんじゃない。1つだけで良いからガツンと為になったら大儲けで、こちらなんてKUで無料みたいなものですし。
 占い師の話?と思ったけどなるほど・・大昔のシャーマンから様々な要素がスピンオフして職業として独立していったと。政治家だったり科学者(錬金術師)だったり医者だったり。最近ではカウンセラーも独立して占い師はもうスッカスカなんだけど、それでも目の前のミクロとマクロを絶えず行き来して思考を巡らして相談に乗ることが出来る人ならまだまだ行けるでしょう、というお話。
 占い師はどうでも良いとして、この「ミクロとマクロを絶えず行き来して」ってのはきっとスゲーポイントですよ、占い師に限らず。

 思考における抽象と具象、理論と実践を絶えず繰り返して物事に取り組むことにこそ秘訣があると彼はおっしゃってるんじゃないですかね。言われてみればその通りで、日記も読書も自分を現実からシフトさせて思考や体験をするための方法で、脳にとっては非常に大事なことだと改めて思い知らされた、と言う事よ。


2022/12/14 「百億の昼と千億の夜」
 漫画版を読む前に原作を読んでおくか・・と。中盤の釈迦が阿修羅と会話する辺りまでは最高。思わずバイト先にまで持っていったけど、それ以降後半は畳めなくなってぶん投げる・・事も出来ずに訳の分からない描写でなんとかごまかした感じ。もう、終盤の50ページほどが苦痛で苦痛でしょうがなかった。そう考えるとやっぱり小松左京は良かった・・ぶん投げでも最後まで楽しく読めたもんなぁ・・。さて、これで漫画版はどうなってるのかが楽しみになってきた。まあ阿修羅が美少女設定なので、そこんところに注目かな・・


2022/12/12 「宇宙戦艦ヤマトの真実」
 岡田斗司夫チャンネルで紹介されていたので。ハッキリ言って動画だけ見てればオッケイですね・・グチグチと西崎に騙された過去に言い訳がメインの本。なんだかんだと言って完結編まで一緒になって作ってるんだからどうしようもないでしょ、と。「さらば」で終わってればなぁ。
 あ、松本零士擁護の部分は爽やかだった。


2022/12/09 「ハケンアニメ!」
 普通だったら絶対に読まないタイトルとカバー絵だけど岡田斗司夫が面白かったって言うから!
 で、実際大変面白かったです。登場人物が男女ともに全員美形とか色々と祝えてる見たいですけど、まあそこは本質ではないので。というか初出があの「anan」だったみたいなので、そりゃ小汚いキャラは許されないでしょうしねぇ。超ご都合展開とか満載、感動を起こさせるための舞台装置としてのキャラ配置・・などなどあるんですけど、これが不思議と気にならないんだよなぁ・・不思議。というか、こういうのが筆力って言うのかな?
 読んでる最中は何度も涙が出たりしたんだけど、読み終わってみると別に誰も好きになってないという不思議(行城プロデューサーは良かったかな・・)。物語としては面白いのに登場キャラには別に思い入れが湧かないってのは実はお話のテーマにもなってると(個人的には)思うので、そこまで見越した構造になってるとしたらこれは恐るべきだな・・続編というかスピンオフもあるみたいだけど・・ま、そっちは良いや


2022/12/08 「試みの地平線」
 なんか突然思い出して、懐かしすぎるHDP(ホットドックプレス)の名物人生相談コーナーを読みたくなって図書館でリクエスト。やっぱり面白いんだけど
・紙が分厚いのに雑誌掲載時のレイアウトを再現してるので数が少ない
・これで38歳ってシブすぎるw

 期待していた「ソープへ行け!」って回答は残念ながら1つも再掲されてなかったけど、逆に悩める女性に「とりあえず処女を捨てろ!」ってのはガッツリ選ばれてて、昭和の時代も遠くなったなぁ・・と感じずにはいられませんでした。今では絶対に許されないですよねw

 実は借りるときに「伝説復活版」みたいなのをちゃんと書いておいたのに古いのが届いてしまったのは残念でした。多分伝説復活版は「とりあえずソープへ行け!」が集中的に選ばれてるような気がするんだよなぁ・・

 あ、役に立つ部分では

・自分のことなんてそこらへんの石ころだと思え。だが、石ころでも磨き続ければ輝くもんだってのを忘れるな!
・嫉妬ってのは生命力だ。人に嫉妬できる事をもっと誇っていい!

 とかは良かったなぁ。北方さんの本は三国志くらいしか読んでないけどハードボイルドものもちょっと読んでみようかな


2022/12/07 「オタク稼業秘伝ノ書」
 岡田斗司夫の過去放送を見ていて非常に興味をひかれた(のにも関わらず岡田斗司夫がでしゃばって喋るもんだから聞きづらくてしょうがなかった)ので、お隣寝屋川の図書館に清掃バイトのついでで立ち寄って借りてきました。
 面白かった・・アニメのムックにゲームの攻略本、そしてゲームブックと夢中になった出版物の仕掛け人がこの人だったとは・・あ、後は河崎実の世話もしてたとか。まあ、そっちは興味無いが(イコちゃん役の増田未亜は結構好きでした)。

 色々と大変(←本当に大変)な目にあったのにその後復活、本の後半は
 「今後はパブリックドメインになってる名著を使った二次創作が狙い目だ、ガンガン行け!」
 という感じで、いや〜こういうJJIを目指さないとイケないな!と思いました。

 興味深かった事をいくつか・・
 映写機の仕組みを映画監督に聞いたときに、実はフィルムというのは光が出ている時間よりも間の暗闇の時間の方が長いと。普通だったら「へぇ〜・・じゃあ脳が補完してるんですね」とか理科チックに考えてしまうところをその監督は「つまりその暗闇の間ってのは人は自分の心の中を見てるわけです」と言ったとか・・おおっ!
 ん〜・・あとはロックの定義か。「完成しないこと」なんですってね。未完成って意味じゃなくてもっと積極的な意味で「完成しないこと」なんですね。なるほどねぇ!
 この2つ、両方共作者が「人から聞いた話」ってのがオタクっぽくて良いですね(^o^)

2022/12/06 「別冊NHK100分de名著 時をつむぐ旅人 萩尾望都」
 同じくKUで。おおよそ興味関心の無いテーマだけど、折角なので・・
  などと考えて読み始めたのけど非常に興味深かった・・萩尾さんの漫画は東京にいる頃、同級生(と言っても専門学校の同級生で相手24歳、こちら31歳だったが)の男性に
  「これ、是非読んでみてください!」
 と「風と木の詩」を手渡されて
 「なんでBL(と言う言葉はまだ無かったと思うが)を薦める!?」
 身構えた事くらいしか覚えてないけど、いかにも読み方が浅かったな。残念ながらこの本での解説で風と木の詩が無いので、どういう読み方が出来るのか謎だけど初っ端、「トーマの心臓」の小谷真理さんという方の解説が素晴らしかったのでちょっと興味が湧いてしまった。
 特に
 「70年代のあの時期、なぜ少女漫画に才能が集まって名作が生まれたか」
 について
 「あの時代、才能のある女性が能力を発揮・発表出来る舞台が少女漫画しか無かったから」
 という分析は面白かったねぇ。女性だから・・って事で埋もれてしまった才能って数え切れないくらいあったんだろうな。話は飛ぶけど最近Quoraで
 「なぜ将棋で女性が名人などにいないのか?」
 という質問に対して
 「女性は対局中、ずっと正座をしてないといけないから・・かも」
 というような回答があってなるほど!と。女性はこうあらねば・・と言う内外からの無言の圧力が影響してるってのは色々とありそうですよねぇ。

 とにかく、小谷さんの解説がすごく良かったのでネタバレもったいなくて、バルバラとポーの解説は読まずに本を閉じました。ちょっとマンガ喫茶かどっかで読んでから続きを読もう!


2022/12/05 「別冊NHK100分de名著 集中講義 三国志 正史の英雄たち」
 KindleUnlimitedで。どうせだったら全部KUで出して欲しいけど、どうせ読みきれないか・・。三国志、高校の頃から好きなんですよね。友人T君の影響でPCの光栄の三国志2からでした。一方信長の野望はいまいちハマれない(太閤立志伝は良かった)かな。
 で、こちらの本ですが・・スレッからしの三国志ファンでも十分楽しめる内容になってるのでは無いでしょうか。最近(?)ではゲームでの取り入れられている「名士」との関わりは興味深かったですねぇ!名士がらみで劉備と諸葛亮の関係とかね。劉備の遺言は逆に諸葛亮を信じきれてなかったから・・ってのは前に読んだことあって「またまた・・」とか思ってたんですけど、こちらの先生もおっしゃってるし最近ではメジャーな見方なのかな?ま、どうせ昔のことだし面白けりゃ良いけどね!


2022/12/02 「ホワイトハッカーの教科書」
 なんか地元交野市の新着にあったので。
 タイトルに偽りあり!本人も前書きで書いてるけど、これ教科書やなくてただのガイドやないか!僕は借りただけだから良いけどこれはヒドいタイトル詐欺・・
 まあ、無料で学べるサイト・サービス一覧は保存させてもらいましたけどね。


2022/11/25 「超現代誤訳 戦国時代」
 岡田斗司夫チャンネルの古いのを観てたら著者(お笑い芸人らしい)がゲストで来てて、二人のやり取りが面白かったので。
 ぐわーっ!これは・・このノリはとても読んでられない(^_^;) やっぱり西野の薫陶を受けただけの事はあるな・・。並びも時系列じゃないし(てっきり室町末期からきっちり流れを追ってくれると思っていた)、岡田斗司夫との対談で見せたような深さが見受けられないんだけど?
  久々で途中離脱しました

2022/11/13 「バカと無知」
 かつて小田嶋隆さんが「女というのもは相当に手ひどいブスでも自分ではそこそこだと思っている」なんておっしゃってましたが、何のことは無い人類はバカほど「そこそこ賢い」と思っている。いかに「自分を知る」ってのが難しいか・・というお話。2歳でも「優れた者を好きになる」「公平さを意識する」って話なんかも面白かったけど、何しろもう「せめて謙虚なバカ」であろうと決意しました。
 リクエストしたら速攻で購入してくれた交野市図書館、サンキューです!


2022/10/23 「MM9」
 面白い!!やっぱり山本弘は最高だぜ・・もっと続けて読んでおけば良かった。まず怪獣の設定が素晴らしいなぁ・・宇宙原理を更に発展させての多重宇宙原理、思わず「ありそうありそう」と思ってしまう語り口(うまいハッタリ)がやっぱりSFのキモだよなぁ・・没入感が段違いですよ。「妖魔夜行」の設定も当時感動したけど、それを更にSF的に発展させたこのアイデア・・すごい。
 そして怪獣現象を調査・研究・対策する「気特対(気象庁特異生物対策部)」、おいおい怪獣相手にその組織名は・・と思ってたら最後の最後、くぅ〜・・・!やってくれます山本弘!


2022/10/20 「映像の原則」
 押井守さんからの流れでこっちにも。映像表現においてすごく大事なことを書いてくれてると思うんですけど、よく考えたら別に映像表現する予定は無かった(今後ゲーム作る時にちょっと意識するときが来るかも知れないが)。
 興味深かったのは、下手と上手の話。自分から見て左側が劣位、右側が優位。対立構造、成長の過程なんかはこれに準ずるってのは面白い。シューティングゲームは右に向かって進むし、スト2でも1プレイヤー側は左側。更にその根拠というのが心臓の位置だという。左側から右側へ進むためには「エネルギーが必要」なので成長とか努力、挑戦という感情が湧く。英文は横書きで左から右へ文字もページも追うので、人種レベルで論理的試行が発達。日本では縦書き左送りなので、流れがスムーズで「流し読み」、大まかな流れをつかめれば良いという漫画的思考法になっているというのだ。これはちょっと面白いのう・・いつか何かの役に立つかも知れないので覚えておこう。


2022/10/17 「ニッポン人って誰だ!?」
 例の語り口調でガシガシ考えを表明してくれるので気持ち良いかな、個人的には。ほとんどは雑学的な話で聞いたところで・・って感じなんだけど、日本人にとっての神様の考え方は良かった。
 日本人にとって神様ってのは信じてるけど信仰する対象では無いのだと。お客様であって、家に招き入れて歓待したり一時的にご利益をいただく対象だという話。確かに昔話の神様ってそういう感じですよね。日本人は「仮の姿」「仮の世」って考え方が好きで、死んでもどこかよその世界が待っている・・という考えが根本にあるという話。いや、確かに自分にもなんだかんだそういう考え方ありますねぇ。廃れそうで廃れない異世界転生ものとかってまさにそうですもんね。
 読んでる最中は「おおっ!」とか思ってましたけど読み終わると印象に残ったのは仮好きって話だけでした。

2022/10/14 「筒井康隆全童話」

 山本弘さんの好きな小説として「うちゅうを どんどん どこまでも」ってのが紹介されてて読みたくなったので。収録作品の中で気になったのは2作。その「うちゅうを・・」と「三丁目が戦争です」。「三丁目・・」はどっかで読んだような?と思ったら永井豪がコミカライズしてたのを短編集で読んだんだった。けど、これ小説版の方が良いですね・・語り手の目線があってコソって構造なので(子供への語りかけになってる)。
 そして肝心の「宇宙を・・」ですけど・・途中まではそれほど面白くもない。終盤になっても別にそれほどでも・・・うーん・・? が!!最後の最後、ラストのたった1段落50文字でガーン!とやられるんだなコレが!いやスゲェスゲー。


2022/10/13 「去年はいい年になるだろう」
 エラい小説を読んでしまった・・形態としては小松左京さんの「首都消失」とか「シン・ゴジラ」みたいな感じなんですかね・・未来から人類を救うために大量のアンドロイド軍団が送り込まれたら(しかも未来の自分からのメッセージを持って!)という物語と言うか、思考実験と言うか・・山本弘さん、なんという小説を書いてはったんや・・
 いきなりゾッとしたのがある未来において山本弘(そう、主人公は著者自身)さんは様々な問題に押しつぶされて「自殺」してしまってるんですが・・・それが物語では2021年の事。えっ!?ちょっと・・山本さんは数年前に脳梗塞後の経過に絶望して自殺騒動(未遂)を起こしてらしたけど、あれって・・調べると2020年だったんですけど・・ちょっとこの符合が怖いですね。
 とにかく「そこまでやる?」という(物語の中での)自身への追い込み方で、こりゃ体調悪くなるよ・・と。SF私小説と言いましょうか・・これまでにこんなジャンルの本無かったんじゃないかなぁ・・知らんだけかもだけど。アマゾンで表紙画像をDLしようとページを開いたら「星雲賞受賞」とのこと、そりゃなんか賞もらわなワリに合わないでしょ、この出来なら!
 デビュー作「ラプラスの魔」から読んでて良かった・・(そして「サーラの冒険」で離れてしまってたのを後悔した)。
 うーん、本を買っても足しにならんだろうから、直接山本さんに支援金送るとか出来ないのかなぁ?
 いや、しかしやっぱり山本弘スゲェよ!あ、会話部分も全く問題ありませんでした、自然!



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