天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「耳をすませば」@57作目

2022年10月18日 | 映画感想
「耳をすませば」

スタジオジブリ作品の中でもかなり人気上位の作品「耳をすませば」のラストシーンの10年後をなんと実写で映画化。
…と、予告編を観た段階で思っていたんだけど、決してそういう訳でもないらしい???
アニメではバイオリン職人を目指していた聖司が本作ではチェリストに、作品のKeyになっていた楽曲も「カントリーロード」→「翼をください」に変更されていました。
因みに本作は元々は柊あおい氏著のコミックが原作で(←本作の概要を調べるまで知らんかったわ!)それをスタジオジブリがアニメ化→からの実写化だったらしいです。自分は元ネタのコミックは未読でスタジオジブリのアニメは鑑賞済、という状態。

あらすじ
本を読むことが好きな中学3年生の月島雫(清野菜名+安原琉那・子役)は、最悪な印象を抱いていたクラスメートの天沢聖司(松坂桃李+中川翼・子役)が懸命に自分の夢を追いかけている姿を目にして徐々に心惹(ひ)かれていく。対する聖司も彼女が小説家になるという夢を抱いているのを知って意識し始める。お互いに夢をかなえようと誓い合う二人だったが、それから10年が経って24歳になった雫は出版社に勤めて児童小説を編集していた。いつしか小説家になるのを諦め、夢を追って海外で暮らす聖司との間に距離も生じていたが......。(Yahoo!movieから丸パク)

そもそも本作を観る人のほとんどが元ネタの(と言うか原作コミックからアニメ化された)スタジオジブリ版「耳をすませば」を鑑賞済みなのではないか?と思うんだけど…まあ、そこはアニメありきではなくてあくまでも仕切り直しという事だろうけど、アニメ化された元ネタ部分を交えながら「あれから10年後の雫と聖司」を描いています。
だから元ネタの中学生時代の雫と聖司のシーンが意外に多い…いやだから違うんだ、本作はあくまでもスタジオジブリとは切り離して1本で仕上がってる作品だと認識しなくちゃいけないハズなんだよね…そこが本作のズルい部分と言うのかな、予告編もあきらかに「スタジオジブリ作品のその後を描いています!」という体なんだけど決してそうではない、実際映画のスタッフロール見てもスタジオジブリとの連携を感じさせるクレジットは全くなかったし。あくまでも本作は別建ての作品だと考えなくちゃいけない。
…それにしては地球屋とかバロンとか細かい部分のデザインが明らかにジブリ作品に寄せてる(雫のキャラとかも)んだけど、そこの許諾は取れてるんだろうか?いや自分は大元のコミックの方を読んでいないので細かいディティールはコミックからの引用という事かな?

正直、自分は本作に関してはちょっと期待外れだったかな。
先ず子役時代(本来の原作の部分)の雫がオーバーアクション過ぎる。安原琉那ちゃんという子が演じているんだけど(本作でスクリーンデビューかな?)確かにアニメ版の雫のイメージを踏襲しているとは思うものの、そこは「ジブリ作品の雫のイメージとは切り離して」自然に演じても良かったんじゃないか?と思った。
これは彼女の演技力の問題ではなく監督の演出の問題ではないかな?と思いますね。監督さん自身も「ジブリ」を変に意識し過ぎていたのではないか?と邪推。
そして10年後の雫を演じた清野菜名ちゃん、彼女が凄く凡庸なつまらない大人になっていて「まあ、コレが現実か」とある意味納得はしたものの、かなりがっかりした。コレも清野菜名ちゃんの演技力がどうこうではなく脚本と演出の問題だったと思う。

ファンタジー(ジブリ作品部分)とリアル(10年後の本作で描いていた部分)が行ったり来たりする構成になっているんだけど、リアルが色々残念な印象だった。
ただね、コレが現実だよと突き付けられると「まあそーだよな。そんな漫画やドラマみたいに世の中いい人ばっかじゃねーし世間はしがらみだらけだしな」とも思う。そんな残念なリアル部分で登場して来た雫の職場の先輩を演じた松本まりかさんがカッコ可愛かったなー♪彼女のプロフィールをちょっと調べたら…意外にお歳を召されているんですね!もっとずっとお若い方かと思ってました(滝汗)、でもこの年齢で納得!の演技でした。すっごく可愛い声だという印象しかなかったけどこの「可愛いボイス」でこの見た目の先輩がキリリ✨とした出で立ちでビシッと物申すと…単純に萌えます!正に彼女の存在がファンタジー!←おっさんかよw

松阪桃李さんに関して…文句言う人いる?いる訳ないよねだって完璧じゃん?
そもそも見た目が完璧だし演技力は今更言及するのもこっぱずかしい。本作の予告編を初めて見た時に「ああ、確かにあの天沢聖司君が成長したらこのビジュアルになるよね!」とすんなりと受け入れられた、というか彼以外にこの役を実写で演じられる人なんていなかったよね?レベルだったと思う。ありがとう松阪桃李さん!!
そ・し・て!自分が本作で一番の衝撃だったのは…その天沢聖司君の「ジブリ時」を演じた中川翼だなぁ!彼はどこから出て来た子なの!?ステキ過ぎるんだけどっ!!
今フィルモグラフィをググったら…自分も色々既に目にしてたらしい。ぐぅ…彼は成長したらもっと大化けする可能性大だと思うわ!言っちゃアレだけど自分がピン☆と来たアーティストとか役者さんって結構な確率でその後売れっ子になってるから!中川翼君、これからも頑張ってね!

まあ…ぶっちゃけ、内容的には「耳をすませば」(アニメ版)の10年後だったら…まあこーなるよね、という想像範囲内の展開でしかなかったし、逆にこの展開以上のモノを求めるならどんな展開だったら納得するんだよ!?って感じでもあるんだけど(苦笑)、そういう「精神的制約」の中で役者さん達は最大限の力を発揮して下さっていたと思います。
もう結論は分かり切っていたけど、それでもラストシーンはうるっと来ましたもん。もうこのオチ以外の何を求めるのか?ですよね。はい、ご馳走様でしたw

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