「コーポ・ア・コーポ」
岩浪れんじ氏著の同名タイトルコミックを実写映画化。自分原作コミック未読です。
予告編を一度も見た事がなかったんだけど、映画館のタイムスケジュール見てなんとなく気になったので観る事にしたわ。たまにはこういう事もある~
あらすじ
フリーターの辰巳ユリ(馬場ふみか)が暮らす大阪の安アパートには、女性に貢がせて生きる中条紘(東出昌大)、女性に対する愛情表現が下手な日雇い労働者・石田鉄平(倉悠貴)、怪しい商売をしている初老の宮地友三(笹野高史)といった訳ありの住人が集まっており、ユリ自身も家族のしがらみから逃げてきた過去があった。ある日、アパートで住人の山口が首をつって死んでいるのを宮地が見つける。自分たちと似た境遇にあった山口の死をきっかけに、ユリらはそれぞれの人生を見つめ直す。(Yahoo!検索情報から丸パク)
イマドキこんな古いタイプのアパートはもう流石に存在しないんじゃないか?レベルの風呂無し・ガス給湯器なし・玄関で靴脱いで上がる(各自靴は自室に持ち込むルール)という昭和初期の下宿か?と思わせるようなレトロな「コーポ」という看板だけが出ている安アパートの住人達の様子をオムニバスに見せている、ただそれだけの話。
一時流行った「何も起こらない系」と似てるっちゃー似てるんだけど、何も起こらないわけではなくそれぞれのキャラに様々な出来事が起こるんだけど…だからどうした!みたいなオチは特にない。オチも無ければ主張も啓蒙もカタルシスも特に何もない。
住人達それぞれのエピソードが一応チャプターみたいになっていて、黒字に白抜き文字で住人の名前が出て来てそこからエピが始まるというルール。どのエピソードにも住人全員登場するんだけど、なんとなくだけど本作の主人公的立ち回りなのが一番最初のエピソード…は、住人の「山口さん」が自室で自殺しているのを宮地が見つける話があって、そこから始まる最初のチャプターの「辰巳ユリ」がまあ主人公っぽいかなー?って感じ。
ユリちゃんはこのコーポのマスコットキャラ的な存在で住人皆んなから愛されている感じ。あ、マスコットキャラとか言っちゃうと色白でフワフワ系のアイドルっぽいキュルンッ✨とした女の子を想像しがちだけど、ユリちゃんはパツキンロン毛ほぼスッピンで目的もなくたら~んと生きてるぷちやさぐれてる系キャラ(ヲイ
でもすっごくいい子なんだろーなーってのは観ていて感じる。そうそう…本作に出て来る住人の皆さんが、まあ何というか貧乏ならではでの廃退的な空気感は持っているものの全員決して嫌な感じはしないんですよね。廃退的ではあるものの善良な清涼感を感じる。真逆なんだけど不思議な感じなんですね。
で、各々の住人のチャプターエピがオムニバスに流れるんですが、ところどころイミフな…多分原作コミックを読んでいる人には自動的に脳内補完がされている情報なんだろうけど、原作コミック未読の自分にはちょーっと着いて行けない部分もありましたね。例えばー、石田が彼女に手を上げてしまって彼女の実家に頭下げに行っているシーンがあるんですが、石田と一緒に頭下げてその後石田をボッコボコにするおっさんが居るんだけど「お前誰だよ」状態でしたね。
それからオンナのヒモやってる中条のエピで…自分の生い立ち話(嘘か本当かよく判らない)からのー、結局どうして中条は自分で働こうとせずにずーっとヒモ稼業を続けているのか?特に主張もなかったし信念もなさそうだったし、本当に「だから、何?」て感じのエピだったなとw
まあ、全部ほぼ「だから、何?」だったんですが(コラコラ)、とりあえず猫がもっそい可愛かったから癒されたかなーって←は?
いやマジでー猫好きさん本作必見だと思うんだなぁー。先日観た「マーベルズ」も猫好き必見だと思ったけど、本作の方がダイレクトに猫ちゃんの魅力が全開に溢れ出てましたねーコレ撮った人間違いなく猫好きさんだろーなーって思えたよ。
猫だけじゃなくてさ、なんか…説明難しいんだけど観ていて優しい気持ちになれるって言うのかな。いや内容的に全然「愛溢れてる感」ないんだけど(ヲイ)、だから何度も書くけど基本「廃退的」なハズなんだけど、でも不思議と癒されると言うか…なんなんだろうね?自分でも良く判らないけど、でもいい気分になるんですよねw