「犬部!」
片野ゆか氏著のノンフィクション小説「北里大学獣医学部 犬部!」を実写映画化。
映画化するにあたり、キャラクターの名前や大学等の名称は全て架空のモノに改変されてあくまでも「事実に基づいたフィクション」という体になっています。
あらすじ
獣医学部の学生・花井颯太(林遣都)は幼いころから動物愛護活動に奔走し、一人暮らしのアパートは保護した動物でいっぱいだった。ある日心を閉ざした1匹の実験犬を救った彼は、より多くの命を救うため動物愛護サークル「犬部」を立ち上げる。颯太と同様に“犬バカ”である同級生・柴崎涼介(中川大志)らも仲間に加わり、彼らは保護活動に取り組んでいく。16年後、変わらぬ信念で動物保護に関わってきた颯太が逮捕されてしまう。(Yahoo!Movieから丸パク)
犬猫好きな子供だったら一度は「将来獣医さんになりたい」って思いますわね。自分もそーでした。
でも実際にその気持ちをそのまま引き継いで本当に獣医にまでなる人は極まれだと思う。ま、本当になりたいと思っても学力が着いてこないケースが多々ですがw
そんな訳で本作に登場する獣医の卵さん(後の獣医さん)達はみんな本当に心清らかな動物好きさん達ばっかり。世の中の獣医さんが全部こんな人達で溢れていたらどんなに素晴らしい世界になるだろうと心の底から思いますね。あ、いや獣医さんに特別何か恨みがある訳ではありませんよちょっと書き方が意地悪でしたか?^^;
まあそれにしても本作の主人公・花井君はちょっと度外れた動物愛護精神の持ち主。モットーは「1匹も殺さない!」
自分は本作観て初めて知ったんですが、獣医学科では犬の解剖が必須だったんですね…まあ考えれば人間の医学部だって人体解剖してますもんねぇ。
でも人間の場合は死者本人(遺志)もしくは遺族からの献体が主ですが犬の場合はそんなにひょいひょいと死体が手に入る訳もなく、要するに保健所で処理される予定の犬を分けて貰って解剖をしているという状況らしいです。これも知りませんでした。
という訳で「1匹も殺さない!」モットーの花井君はこの解剖実習を拒否ります。
でも解剖実習のリポートを提出しないと獣医師の資格を得る事が出来ない。動物の命を助けたいが為に獣医師になりたいのにその獣医師になる為には大切な生き物の命を奪わなければならないという矛盾。どうにも納得出来ない花井君に対して担当教授は「一殺多生だ」と語ります。
一殺多生とは「1人を殺す事で多くの命を救う」という意味の仏教用語です。が、花井君は徹底的にコレも拒否って結局アチコチの獣医さんにお願いをして犬猫の手術に立ち会うという形で解剖実習の代わりのリポートを提出して教授を納得させて獣医師の免許を取得します。
コレは本当に素晴らしい事だと思うけど、でも本作を観て「じゃあ他の獣医はみんな犬猫殺して解剖して平気な顔して免許取ってやがったのか」等と飛躍して考えないで欲しいなぁと思いましたね。誰だって無闇矢鱈に命を奪いたいなんて思っている訳がない、医学の発展の為にやむを得ず貴重な命を犠牲にして涙を呑んで解剖しているのです。
映画中でも中川大志君演じる柴崎が「俺は敢えて解剖をするよ。そうして解剖した犬の命を奪った事を一生胸に悔やみながら他の命を助けて行くんだ」と語ります。
コレは敢えてこのセリフを語らせているんだろうなと思いましたよ。全ての獣医さんの気持ちを代弁させているんだろうと思います。
因みに本作の最後に本作の舞台になった北里大学獣医学部では2018年以降解剖実習は行わなくなった、という注釈がありました。今後他の大学の獣医学部でも解剖実習はしない形で獣医の資格が取れるようになってくれているといいなぁと、コレは本当に思いましたね。もしかしたらもう既にそうなっているのかもしれませんね。
という訳で、本作観る前は「可愛いワンコ&ニャンコを愛でながらスローライフを送る大学生達を描いたのほほん系か」と思っていたのに、蓋を開けるとかなりヘヴィ~
話は大学生時代に花井君中心に野良犬・野良猫の保護活動をする「犬部」の様子、それから16年後の獣医師になってからの花井君を交互に見せるという構成でしたが、16年後は何故か途中まで柴崎君が出て来ないので「んーコレは何かあるんだな」とは思っていたけど、これまたかなりヘヴィな内容でしたorz
16年後のネタはこれまたよく問題になっている「多頭飼いによる飼育崩壊」に関わる話が中心で、飼い主の理不尽な理屈には観ていて本当に不愉快度MAXになります。
が、本作はそのクソな飼い主すらも本当は悪意がある訳ではないのだという体で話を進めています。本作は誰も傷付けないように本当に気を遣った脚本になっていました。
飼育崩壊ネタと動物保護センター(という名の殺処分場)ネタを柱にしたかなりしんどいお話ですが、是非大人も子供にも観て貰いたい内容でした。
主人公の花井君を演じた林遣都君も、それから敢えて動物保護センターに勤める事で殺処分ゼロを目指すという柴崎君を演じた中川大志君も、きっと脚本を読んだ段階で結構精神的に削られたんじゃないかと思うんですが、本当に演技も真に迫っていて良かったです。
本作とは1mmもかすらない話なんですが…愛知県名古屋市はふるさと納税で返礼品なしですが犬猫の殺処分ゼロを目指す保護活動に対する寄付を募っています。
それで数年前に遂にワンコの殺処分が年間通してゼロになった、というニュースを見ました。今後もこの活動をずっと続けて欲しいし名古屋市以外の自治体でも是非この活動をもっともっと広げて行って欲しいと心から願います。
片野ゆか氏著のノンフィクション小説「北里大学獣医学部 犬部!」を実写映画化。
映画化するにあたり、キャラクターの名前や大学等の名称は全て架空のモノに改変されてあくまでも「事実に基づいたフィクション」という体になっています。
あらすじ
獣医学部の学生・花井颯太(林遣都)は幼いころから動物愛護活動に奔走し、一人暮らしのアパートは保護した動物でいっぱいだった。ある日心を閉ざした1匹の実験犬を救った彼は、より多くの命を救うため動物愛護サークル「犬部」を立ち上げる。颯太と同様に“犬バカ”である同級生・柴崎涼介(中川大志)らも仲間に加わり、彼らは保護活動に取り組んでいく。16年後、変わらぬ信念で動物保護に関わってきた颯太が逮捕されてしまう。(Yahoo!Movieから丸パク)
犬猫好きな子供だったら一度は「将来獣医さんになりたい」って思いますわね。自分もそーでした。
でも実際にその気持ちをそのまま引き継いで本当に獣医にまでなる人は極まれだと思う。ま、本当になりたいと思っても学力が着いてこないケースが多々ですがw
そんな訳で本作に登場する獣医の卵さん(後の獣医さん)達はみんな本当に心清らかな動物好きさん達ばっかり。世の中の獣医さんが全部こんな人達で溢れていたらどんなに素晴らしい世界になるだろうと心の底から思いますね。あ、いや獣医さんに特別何か恨みがある訳ではありませんよちょっと書き方が意地悪でしたか?^^;
まあそれにしても本作の主人公・花井君はちょっと度外れた動物愛護精神の持ち主。モットーは「1匹も殺さない!」
自分は本作観て初めて知ったんですが、獣医学科では犬の解剖が必須だったんですね…まあ考えれば人間の医学部だって人体解剖してますもんねぇ。
でも人間の場合は死者本人(遺志)もしくは遺族からの献体が主ですが犬の場合はそんなにひょいひょいと死体が手に入る訳もなく、要するに保健所で処理される予定の犬を分けて貰って解剖をしているという状況らしいです。これも知りませんでした。
という訳で「1匹も殺さない!」モットーの花井君はこの解剖実習を拒否ります。
でも解剖実習のリポートを提出しないと獣医師の資格を得る事が出来ない。動物の命を助けたいが為に獣医師になりたいのにその獣医師になる為には大切な生き物の命を奪わなければならないという矛盾。どうにも納得出来ない花井君に対して担当教授は「一殺多生だ」と語ります。
一殺多生とは「1人を殺す事で多くの命を救う」という意味の仏教用語です。が、花井君は徹底的にコレも拒否って結局アチコチの獣医さんにお願いをして犬猫の手術に立ち会うという形で解剖実習の代わりのリポートを提出して教授を納得させて獣医師の免許を取得します。
コレは本当に素晴らしい事だと思うけど、でも本作を観て「じゃあ他の獣医はみんな犬猫殺して解剖して平気な顔して免許取ってやがったのか」等と飛躍して考えないで欲しいなぁと思いましたね。誰だって無闇矢鱈に命を奪いたいなんて思っている訳がない、医学の発展の為にやむを得ず貴重な命を犠牲にして涙を呑んで解剖しているのです。
映画中でも中川大志君演じる柴崎が「俺は敢えて解剖をするよ。そうして解剖した犬の命を奪った事を一生胸に悔やみながら他の命を助けて行くんだ」と語ります。
コレは敢えてこのセリフを語らせているんだろうなと思いましたよ。全ての獣医さんの気持ちを代弁させているんだろうと思います。
因みに本作の最後に本作の舞台になった北里大学獣医学部では2018年以降解剖実習は行わなくなった、という注釈がありました。今後他の大学の獣医学部でも解剖実習はしない形で獣医の資格が取れるようになってくれているといいなぁと、コレは本当に思いましたね。もしかしたらもう既にそうなっているのかもしれませんね。
という訳で、本作観る前は「可愛いワンコ&ニャンコを愛でながらスローライフを送る大学生達を描いたのほほん系か」と思っていたのに、蓋を開けるとかなりヘヴィ~
話は大学生時代に花井君中心に野良犬・野良猫の保護活動をする「犬部」の様子、それから16年後の獣医師になってからの花井君を交互に見せるという構成でしたが、16年後は何故か途中まで柴崎君が出て来ないので「んーコレは何かあるんだな」とは思っていたけど、これまたかなりヘヴィな内容でしたorz
16年後のネタはこれまたよく問題になっている「多頭飼いによる飼育崩壊」に関わる話が中心で、飼い主の理不尽な理屈には観ていて本当に不愉快度MAXになります。
が、本作はそのクソな飼い主すらも本当は悪意がある訳ではないのだという体で話を進めています。本作は誰も傷付けないように本当に気を遣った脚本になっていました。
飼育崩壊ネタと動物保護センター(という名の殺処分場)ネタを柱にしたかなりしんどいお話ですが、是非大人も子供にも観て貰いたい内容でした。
主人公の花井君を演じた林遣都君も、それから敢えて動物保護センターに勤める事で殺処分ゼロを目指すという柴崎君を演じた中川大志君も、きっと脚本を読んだ段階で結構精神的に削られたんじゃないかと思うんですが、本当に演技も真に迫っていて良かったです。
本作とは1mmもかすらない話なんですが…愛知県名古屋市はふるさと納税で返礼品なしですが犬猫の殺処分ゼロを目指す保護活動に対する寄付を募っています。
それで数年前に遂にワンコの殺処分が年間通してゼロになった、というニュースを見ました。今後もこの活動をずっと続けて欲しいし名古屋市以外の自治体でも是非この活動をもっともっと広げて行って欲しいと心から願います。
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