山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

山菜昔話?

2021年03月23日 | 山菜料理
 欲タガリのマタギが、何も採らずに帰ってくるなんてことは滅多にない。昨日の日記では、ストイックに春を愛でながら歩いているところを書いたんだけど、偶然かなあ?なぜかポケットに、レジ袋とナイフが入っていたんです。
 で、その時にたまたま出会ったのがこの子。


  寒そうだねえ。可愛そうに。


  見渡せばあっちにもこっちにも。

 霜で凍りつきそうなフキノトウが沢山いるじゃありませんか。
 そこから物語が生まれたようです。それでは、にっぽん昔話、始まり始まり~。

「おうおう、可愛そうに。しかし、お前達みんなにかけてやるほど沢山の笠はないのう。」
 笠こ爺様は何とか暖めてやりたいと思ったげど、無理だっけど。(「かさこじぞう」より)

 困ってだ爺様に婆様、言ったっけど。

「そうだわ!ポケットに大きな葛籠があるから、それに入れて持ち帰ってやりましょう。」
 欲タガリの舌切り婆様は、フキノトウを袋に詰め込んで持ち帰ったと。(「舌切り雀」より)

 ところが、家に帰った婆様は、袋を開けてみて腰を抜かしてしまった。

「ひええ~!!」



  霜焼けで変色してしまったフキノトウ

「こ、こんなはずじゃなかったのに。」
腰抜かした婆様に、笠こ爺様言ったっけど。

「大丈夫だ。せっかくおめえがこんなに採ってきたんだがら、俺が美味しく料理してける。」


ということで、

  ≪蕗味噌(冷凍保存バージョン)≫

 下ごしらえの部

 採ってきたフキノトウは、霜に当たらなくても、切り口から酸化して黒くなります。今回は、それに近い状態だと判断しました。したがって、いつもの「色止め」の過程は不要。省略します。

 ・暫く水にさらして、アク抜き
 ・同時進行で、味噌だれ準備
  味噌120、みりん80、砂糖40(g)+酒少々と顆粒だし
 ※今回は、砂糖の量を増やしてます(いつもは40mlを40gに増量)
 ※顆粒だしも普段は使いませんが、小分けして冷凍するなら大丈夫


  こいづをお酒で溶きほぐすどいいんだ

 調理の部
 ・フキノトウの水気を絞ってみじん切りに


  婆様、見でみろ。悪ぐねえべ。
 ・ゴマ油大さじ1強を熱した中華鍋で炒めていきます
 ・一通り火が通って油が馴染んだら味噌だれを加えます


 ・中火で水分を飛ばしながら和えていくと


  いい感じになったべ?


  これくれえ作れば、暫ぐ食えっべな
 ・余熱を冷ましてから、小分けにしてできあがり

 「ほうれ、婆様、食ってみろ。」

「あら、美味(んめ)ごど!」

「採ってきた甲斐あったなあ。暫くお茶請けに困らねべ。」

「ホントだ。」

「いがった(良かった)なあ、婆様。それに、山の神様、こんなに早くからこんなにいい山菜を採らせていただき、ありがとうございました。」


 これで、おかしな昔話はおしまい。とーびんさいすけさいざぶろう。チャンチャン

 本日も、おまけ


お弁当に添えると、これだけでご飯が進みます



  これもクルミパンに乗せてみました
 やっぱり旨い!これまでの経過、前回との共通点等を考えると、・・・蕗味噌がそもそも主食を引き立ててくれるということ。更にクルミが加わるとレベルアップするということ。この辺の法則が段々見えてきましたよ。