皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

霞始棚引く(かすみはじめてたなびく)

2022-02-26 00:14:33 | 生活

春になると帯期v風の水滴や細かな塵が増え、遠くの山は靄がかかって景色がぼんやりと見えます。これを「春霞」と呼びますが、気象用語に「霞」という言葉はなく、「靄」「霧」「濃霧」という三段階で視界の程度を表すと言います。(ちょっと味気ない)

昔の人はたなびく霞を春の山々の衣装になぞらえて
「霞の衣」
「霞の袖」
「霞の裾」などと表現してきたようです。

春は霞、秋は霧、夜は「朧」と区別して多くの和歌に詠みこまれています。
そのうち靄や霧はかかると言いますが、棚引くと表現するのは霞だけ。
たなびくとは、霞や雲が横に長く引くような形で漂う様のことです。
赤く染まる夕霞は春の季語。花の季節の始まりのようです。
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