春になると帯期v風の水滴や細かな塵が増え、遠くの山は靄がかかって景色がぼんやりと見えます。これを「春霞」と呼びますが、気象用語に「霞」という言葉はなく、「靄」「霧」「濃霧」という三段階で視界の程度を表すと言います。(ちょっと味気ない)
昔の人はたなびく霞を春の山々の衣装になぞらえて
「霞の衣」
「霞の袖」
「霞の裾」などと表現してきたようです。
春は霞、秋は霧、夜は「朧」と区別して多くの和歌に詠みこまれています。
そのうち靄や霧はかかると言いますが、棚引くと表現するのは霞だけ。
たなびくとは、霞や雲が横に長く引くような形で漂う様のことです。
赤く染まる夕霞は春の季語。花の季節の始まりのようです。