皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

筆から筆へと受け継がれたものは

2022-02-19 23:09:01 |  久伊豆大雷神社

昭和四十三年より記すとある当社の奉納者名簿。私が生まれる四年前からの帳面を今は私が引き継いでいる。
神社の現在の社殿が建立されたのが昭和6年。日露戦後の国威が高まった頃はで、地方の村社もその時期棟上げされたところが多いだろう。
方や高度成長期の真っ只中。昭和40年代初め神社の社務を担っていたのは祖父である。

明治生まれの祖父の文字はしなやかで力強く、また当時の奉納額の多くは五百円から二千円となっており、私が生まれる前の様子を伝えている。
昭和六十年代には父の文字が見える。基本金と並んで自宅の新築基記念の奉納が多い。バブル全盛期、田舎の多くの人たちが自宅を新築していた時代だ。
日本の現在の戸籍制度は明治維新によって新政府が採用したものだろうが、そのもととなったのは恐らく江戸期から続く檀家帳であろう。誰がどこの檀家で名主が誰、隣組はどこなどを掌握していたものと思われる。
一方神社の奉納者の名簿は、基本金の取りまとめ以降は成人式、結婚、出産など人生の節目にそれを氏神である神社に伝えた記録である。氏子の生涯の通過儀礼と見ていいものだ。
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祖父から父へ、父から私へと引き継がれた筆は、皿尾村の歴史そのものだ。
誰一人としてかけてはならない村の歴史。一人一人の名を読み返しながら未来へと続くよう御神徳を祈っている。
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私をスキーに連れってって!

2022-02-19 22:41:37 | 物と人の流れ

連日行われている北京冬季オリンピック。コロナ禍での運営に世界中が注目しているが、やはり冬季五輪の中心競技はスキーだろう。学生時代青春18切符で毎週のように湯沢方面までスキーに出掛けたほどスキーが大好きだ。ただしここ25年ゲレンデにいくこともないので、恐らくもう滑ることすらできなくなっているかもしれない。
冬季オリンピックでの金メダル獲得最多国は北欧の雄ノルウェー。630個を越えて堂々の一位を誇る。
スキーの起源は古く、紀元前2500年頃から積雪時の移動手段として利用されてきたことがわかっている。語源はノルウェー語で「薄い板)を指すスキーから来ている。
ヨーロッパのアルプス地方で普及したアルペンスキーが主流となっているが、もとはノルウェーのスカンディナビア半島で発展したノルディックスキーも人気競技だ。滑降と滑走共に北欧で古い歴史のある競技なのだろう。

ノルウェーのひとたちは「スキーをはいて生まれてくる」と言われるほどスキーが生活の一部になっているそうだ。
人は環境に適応し、環境を克服し、環境と共に生きている。雪深い北欧が豊かな文化を持ち、冬季スポーツの大国であることがそれをものがたっている。
若い世代にとってはスノーボードが主流となった今でも、多くの人がスキーを楽しみ、雪と共に生活している。ノルウェーは一日にしてならず。いって国のひとつだ。
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