バレー部主将の桐嶋が部活をやめることをきっかけに、同級生五人の日常に些細な変化が起きる。しかし肝心の桐嶋は物語には登場しない。朝井リョウの人気小説は映画化もされたがこのタイトルが一番心惹かれる。
消滅可能性性都市とは2014年に日本創生会議が指摘した、人口流出、少子化がすすみ自治体としての存続が危ぶまれるところを指すというが、私の村もその一つであろう。市街化調整区域に指定され、土地の活用が厳しく制限されており、農地の有効活用が継続できなければ住む人もいなくなるのは当然だ。残念ながら区域の小学校も統合され、130年を超える歴史に来年度で幕を下ろすことになった。
村の農事組合員は片手で数えるしかいなくなったという。かくいう我が家もすでに離農して(水稲農家)20年以上経過する。畑の耕作で当座の荒れ地をしのぎながら景観を保っているのが現状だ。
今年一年でさらに古くからの農家が一軒、耕作委託するという。耕作地は広いが機械の維持が難しいのだろう。
一度やめてしまうと就農するのは難しい。様々な制度で就農支援がされているが、家業として継続するという流れではないようだ。
減りゆく農家を嘆いていても始まらないが、夕日に照らされる昔からの美しい村の景観を何とか守りたいと考えている。